2023年2月22日水曜日

小ネタ



 予想以上にスパイアクション大作だ。

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 超音波距離計、16パルスを打って強度と位相をグラフ化

 前半部は位相が安定しているので、信号強度が低いところも応答があることがわかる。後半は位相が不安定なのでエコーは受信されていない。強度だけでなく位相も使えるのがコヒーレントレーダの利点。


 簡単なGUIを作ってウォーターフォール表示

 左端が受信開始点、右側に向かって距離方向、下方向に向かって時間方向。輝度で受信強度を、色相で位相を示している。最初の明るいバンドがプライマリエコー、以降のエコーもかなり明るいのが不思議だけど、おそらく机で反射したやつが再び天井で反射しているのだと思う。

 約40kHzのパルスを打っているので、波長は8.5mmくらい、片道だと1周4.25mm程度の移動に相当する。


 とりあえず一通り動いている感触は得られたので、1個しかつけていなかった受信素子を、フルの4個へ増設。

 ……なんかめっちゃノイズ乗ってるんですけど!?

 強度がマチマチなのは素子の指向性(向き)の違い、位相の違いは場所の違いとか(反射物から1mm違うだけで90度ずれる)。ch1のノイズは周期が1kHzより有意に低いので、HALの1kHz等ではなく、データ処理の1.024msに同期していると考えられる。

 怪しいところを切り分けていって、ノイズ源がPGA出力段以降、デジタルダウンコンバータ(の前のミキサ)より前、というところまでは特定して、雰囲気からしてDMAは問題なさそうだが、あとはADCしか残っていないけど、でもおかしい設定とかはなにもないしなぁ、と思って、試しにLPUART1(FP16バイナリをBase64エンコードして出力)のボーレートを変えたら、ノイズの幅も変わった。ということで、LPUART1のTXがOPAMP1 Internally Connected-ADC1に結合している感じらしい。

 うーん、困った。回路側ではなく、STM32チップの中で結合しているとなるとノイズ対策の手出しができないぞ。

 ST Link VCPにつながっているLPUART1はUSART2とピンコンパチで設定できるので、それにしてみたけど、解決せず。Nucleo裏面のジャンパを変更してUSART1で出力すると、多少マシになるけど、完全には解決せず。LPUART1/USART2で変えて変わりがないならGPIOのAlternate以降で結合していると考えられるけど、ピンが違うUSART1でもノイズが入るとなると、話がややこしくなってくる。


 素子を接続せずにサンプリング(LPUART1)

 最初の約2ミリ秒にはノイズがなく、最初の1.024msはADCサンプリング待ち、その後の約1ms弱でダウンサンプリング処理、それが終わったらDMAでUARTに出力、という感じ。とりあえず、謎のノイズの原因はほとんどUARTで確定だろう。ただ、LPUART1, USART1, USART2のいずれでもADC1に対してノイズが入り、ADC2, 3, 4には入らないのが謎い。あと、ch3がゼロに落ちきらないのも謎い。何が原因だろう?


 毎度のことだけど、いつも行き当たりばったりで作り始めて後になって苦労する。フロントローディング、だいじ。

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 超音波素子のブラケットを3Dプリンタで造形。3Dプリンタ使うのめちゃくちゃ久しぶりだし、なんならFusion起動するのもめちゃくちゃ久しぶりだし。中央に送信素子、その周りに10度程度外側に向けて受信素子を配置。

 電子工作で使うワニ口クリップ、シャフトが6mmだったので試しにマグネットベースにつけてみた。標準の台座より重いから安定するし、下が金属ならマグネットで固定できるし、高さもかなり自由に調整できるし、微動ノブがあるから高さをサブミリメートルで調整したりできるし、かなり便利。使わないときは邪魔だけど。これは安物だけど、フレキシブルタイプのマグネットベースならノブ1個で自由に位置を動かせるので更に便利なはず。


 高NRRイヤホンしか勝たん!とか言いつつ、3Dプリンタみたいに適当な帯域幅のノイズ環境だとANCイヤホンのほうが快適なんだよなぁ。完全に消せるわけじゃないけど、かなり静かになる。試しに高NRRイヤホンに変えてみるとかなりうるさくて驚く。ANCってすごい。

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* 雑記


 ファルコン9も3号機ではエンジンに火を入れてからT-0.5sでアボートして部品交換やってますからね。点火しても発射台に載っている間ならヤバいと思ったら消せるのが液体の利点。

 国内でもイプシロン初号機が打上げ直前にアボートしたりしてるんだから、ロケット(特に初号機)の打上げなんてオンタイムじゃ進まねーってのは理解しておいてほしいのだが、H-IIAの売りがオンタイム打上げだからなぁ。マスコミ各社もそれに慣れてしまっているだろうし。


 ALOS-2用に設置した20mアンテナ(勝浦S/X)、例に漏れず開口周りは三菱電機だけど、S帯送信機がSSPA7合成で最大1kW以上、0.25dBステップで最大-63.75dBまで絞れる(256段階)、というなかなかにすごいやつ。最小10mWの出力。こんな小電力のアップリンク、どんな用途に使うんだろう?


 TDRS、'83年打上げのやつだけど、いくつかの通信モードの一つのでは、3.5WのTWT12本(最小8本必要)でSバンドのビームフォーミングで通信。地上でビームフォーミングしてベントパイプで中継しているはずだけど、時代を考えると結構すさまじいシステム。

 TDRSは地上-TDRS-宇宙機の中継だけでなく、地上-TDRS-地上の中継にも使えるらしい。軌道傾斜角の大きいTDRSを極地(南極)研究で使ったりする例もあるそうだ。TDRSで150Mbpsが通るらしい。Kuディッシュかな? TDRSってかなり早いんだな。


 今週は進捗が全くない。週1更新を続けてしばらく経つけど、最近急に1週間経つのが早いと感じるようになってきた。

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