2023年3月22日水曜日

小ネタ



 

 生活サイクルがボロボロになり、火星時間で生活したほうが良いんじゃないかと思い始める今日このごろ。

 SF恋愛小説的な妄想で火星探査に出かけた恋人に合わせて火星時刻で生活するみたいな話は考えたことがある。JPLの一部スタッフは火星時刻に合わせた時計を使って生活していた人もいるようだし、地球に暮らしながら火星時間で生活するのはアリ。継続可能かはさておき。

 火星は頑張れば現在の技術水準+αで生還を前提にした探査計画が立てられるし、恒星日も地球とほとんど同じで、タイムラグも最大往復40分程度と人間の生活サイクルに十分収まる範囲であり、両環境間で時間を合わせることが不可能ではないという点で、ほかの惑星や恒星とは異なる特異な環境。/* 単純計算だと1億年後くらいには地球の自転速度は現在の火星くらいまで遅くなるので、両環境が単純に時差程度で計算できるようになるけど、その頃に人類文明はどうなっているのかという問題 */

 機械式の腕時計だと3%近い調整は相当難しいらしいね。時計の精度が100ppmくらいなので、調整範囲はそれに余裕を見て広くても0.1%程度だろうから、火星時間に合わせるには専用の部品が必要になる。水晶発振子はMHz帯の製品なら特注で周波数を指定してオーダーできるけど、kHz帯(音叉型)で特注できる製品って見たことない気がする。32.768kHz以外に需要がないからだろうけど。いちおう、40kHzや60kHzの水晶は在庫があるから、相当な数を発注すれば作ってくれそうではあるけど。とはいえ、最近の地球で使う想定ならスマートウォッチのアプリを作れば済む話だし、火星で使うための腕時計が欲しいとしても宇宙グレードのCortex-Mに入ったRTCの分周比を調整しつつ火星のカレンダー表示とかに対応した時計を作るほうが便利そうな気がする。ダイバーズウォッチとかのブランドとコラボして火星仕様の機械式腕時計を作るとかならともかくとして。まぁ、「火星の環境にも耐えられるタフな機械式腕時計!」とかアピールしたところで、ロケットの加速度や衝撃に耐えられるんですか?という話になりそうな気がするし、地球に住む宇宙マニアとか時計コレクターが買うだけの製品になりそう。結局、火星で使うのはクォーツ時計になるんだろう。水晶を持ち込むには寒すぎると言うならMEMSを使ってもいいし。SiTimeのラインナップでkHz用のプログラマブルな製品があるから、これを注文すれば掛け時計を火星用に改造するくらいは簡単にできそう。


 M2HB-CQB…… 鉄の塊を打撃武器として使うんやろなぁ……

 丁寧に「クイック・チェンジ・バレル」と書いてあるんだから編集も気がつけよ、と言いたいところではある。

 SJも5回目で、そろそろフォーマットも固まって判で押したような感が否めなくなってきた感じがする。ワン・サマー・デイみたいに別の形を作るならともかくとして。とりあえず、シャーリーをピトの指揮下に置けるようになったはずだし、次回作があるならそのあたりに期待したいところ。


 基本的に大声とか奇声に頼ったコンテンツが嫌いなので、テレビやYouTubeでもそういうコンテンツは避けて、淡々と進行するコンテンツを主に見ているのだけど、某クイズが強い高学歴YouTuberが、ここ最近で奇声大声が多くなってきて、個人的には残念だなぁと思っている次第。大声の出し方を学ぶには大学院に行く必要がある、というのならともかく、そんなこともないだろうし。自らの得意な領域を捨てて、凡百のリアクション芸人やYouTuberと同じ土俵に移って行っている感じ。

 独自に考えたゲームルールが多いのが、他のYouTuberではあまり見られない彼らの特徴ではあるけど、新しいゲームというのはえてしてゲームバランスが未調整であって、使い古されたゲームに比べて目新しさはあるけど遊びとしては未熟な部分も多くて、そこをどうやってカバーするかで、大声とかを多用している印象。

 あと、以前に比べてコンテンツも薄くなった印象。前は動画1本でクイズなら問数が多いとかゲームなら回数が多いとかだったけど、最近はコンテンツが薄くなって、その代わりに大声を出して尺を稼いでいる感じ。以前は新しいルールの弱点をリアルタイムに洗い出してイテレーションを回していたのが、未熟なルールを未熟なままで少ない回数だけ遊んで使い捨てている感。

 低学歴では相当なマウントを取れる自信のある僕としては、高学歴な人たちには劣等感で圧倒されるような姿でいてほしいのだ。大声がうるさいのが特徴的な姿を見せられたら「こうはなりたくないな」と思ってしまう。


 熱を“宇宙に”逃がす、貼ると工場内温度が最大15℃低下するフィルム型新素材:材料技術 - MONOist

 似たようなコンセプトの塗料を自作したサイエンス系YouTuberがいたはずだが。

 屋外で使うと3Kのめちゃくちゃ寒い空間に放熱できるのが利点だけど、屋内でも使えるのかな?

 SF脳で考えると、SETI的な方向性で、大気の窓でやたらと明るい惑星、みたいな設定は作れそうな気がする。ただ、構造色然り、変異と選択で大気の窓で明るい動植物は成立しそうな気がする。地球の場合は知性でもって大気の窓で放射する物性を作ったけど、他の環境で大気の窓が明るい惑星が見つかったからと言って、それが知性によってもたらされた物かというと、微妙かも。逆に言えば、生物の生存には少し熱い環境でも、大気の窓での放射量が多い物質(or生物)を集積して環境を整えるみたいな方向はアリかもしれない。そしてそれを積極的に捕食する動物が有利になって、食物連鎖が熱放射量で決定される環境、とか。


 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass1969/22/241/22_241_95/_pdf

「宇宙救急の技術的側面」(1973年)

 有人の宇宙開発で緊急事態が発生した場合にどう対処するか、みたいな話。スペースシャトルの初飛行より10年も前の話なので、『星のパイロット』の前日譚みたいな世界観での話。軌道上の有人施設が多くなれば地上の各地に緊急で打上げられるロケットを配備するのも割に合う、とか(もっとも、当時の安全基準やコスト感での試算なわけだが)。

 ジェミニとアポロの緊急回収地点、バミューダ諸島と沖縄周辺の2箇所(当時沖縄は返還前)。アポロではハワイとカナリア諸島付近が追加。バミューダはちょっと緯度が高いけど、軌道傾斜角に合わせて北半球にリカバリー地点を設定しておいて、軌道上でトラブルが発生した場合にはこれらの箇所に再突入する計画。半径600海里程度の範囲に着水すれば回収できる想定で、条件が良ければ前後2-3パス程度で帰れるので、数カ所に配置しておけばほぼ任意のタイミングで(軌道1周程度の待ち時間で)再突入が行える。


 M-V 5号機(と4号機)の第3段SJ(動力飛行中のロール制御およびコースティング中の3軸制御)で、地上試験(気密試験)で加圧しその後に大気圧まで開放した際に、圧が抜けきらなかった症状があったらしい。打上げと試験では姿勢が違うので、燃料の重さでブラダが変形してポートを塞いだことが原因。後の号機では手動弁を追加して試験時に燃料タンクを加圧しないように手順を変更(燃料タンクの気密試験は充填前に工場で実施)。/* なんでヒドラジン入れてから気密試験してるんだって感は若干 */

 M-V第3段RCSは23N16基のスラスタ(主従8基ずつ)を積んでいるけど、温度特性があるので制御精度が必要な場合(衛星分離時とか)は、先にトルクを打ち消す組み合わせで吹いて温度平衡させるそうだ。燃料タンクは主従2組積まれていて、下流でクロスフィードされているので、タンク片系閉塞+スラスタ片系閉鎖の組み合わせを許容できそう(実際に可能かは不明)。推薬消費量は少ない号機で10%程度、通常は25%程度なので、タンク片系統からの供給でも足りる(さすがにバルブオープン故障では全く足りないはず)。

 イプシロンの場合はスラスタの冗長系が排除され、しかも供給系が2系統に分離されているので、すべてのデバイス(燃料供給系やスラスタ類)が正常に動作することが必須になっている。/* 第2段RCSでのニューテーションを許容してPBSのANCで吸収するような制御が入っていればRCS側の故障を許容できるけど、#6でそういうふうに動作しなかったということは、そういう制御則は無いのだろう */

 ISAS系のロケットはM-Vまではかなり故障許容を重視して設計しているような感じがある。最初期の姿勢制御ではスラスタバルブのオープン故障すら許容して設計されていたらしいし(オープンでの燃料消費+トルクを許容できる燃料搭載量と制御トルク)。その点でいうと、イプシロンは設計思想が全く異なる感じ。冗長化は単に部品コストが掛かるだけでなく、重量増で打上げ能力が悪化すればその分で質量単価が悪くなるので、何でもかんでも冗長化すればいいというわけではないのだけども。

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