2013年6月9日日曜日

ロケット搭載品を作る

今までの数少ない経験から ロケットに自分の作った電子回路を載せる時の注意点とか書く予定です

電源について

基本的に数百メートル程度のモデルロケットなら乾電池等で問題ないはずです
Ni-CdやLi-Po等も使えるはず
扱いやすさで言えば006Pとかも使えます

しかし高高度まで飛ぶ信頼性の求められる用途や特殊な環境での打ち上げの場合は乾電池やNi系/Li系二次電池は避けたほうがいいようです
この場合リチウム電池(1次電池)を選択するべきです
2CR5などのリチウム電池は-40℃から+70℃の範囲で使用することができます
特殊な場所を除いて、寒冷地などでも使用出来ます

リチウム一次電池と他の電池の違いは電解液にあります
一般的に販売されている電池は電解液に水を使っています
そのため内部が0℃以下になると電解液としての能力を失います
しかしリチウム電池の場合は融点が-40℃の溶媒を使用しているためこの温度まで使えます

リチウム電池の容量などはPanasonicの法人向けページに記載されています
http://industrial.panasonic.com/www-ctlg/ctlgj/qAAA4000_JP.html

2CR5は電池から電極が出ているためハンダ付けが容易です
ただし長さが45mmあるので小型化が必要な用途には使えません
CR-P2は2CR5より直径が少しちいさく、高さが9mmほど短くなります
ただし少し幅が広くなっています
CR-P2は電池に直接ハンダ付けする必要が有るため
容量の大きなハンダゴテで手早くする必要があります
基本的に2CR5を使用し、どうしても狭い場所に入れる必要が有る場合はCR-P2を使うなどの使い分けがいいでしょう

また電池を使用する場合 基本的に電池ボックスは使うべきではありません
一般的な電池ボックスは簡単な衝撃で電池が外れてしまいます

操作系

基本的にロケットなど高G環境にさらされる場合スイッチを使用するべきではありません
そもそも一旦飛んでしまえば手の届かない場所に行くのに
人間が操作するための部品は必要ありません
スイッチを載せる場合は少なくとも誤動作した場合にでも問題ないソフトウェアを構築してください

ただしリセットスイッチ テメーはダメだ

リセットスイッチは確実に分離しておいてください
また電源スイッチも避けるべきです
電源スイッチはリセットスイッチと同様のリスクがあります
むしろ中途半端に電圧が低下する分リセットスイッチよりも質が悪いです
絶対に電源スイッチが必要なら耐振動性のあるスイッチを使用してください

テレメトリ

飛距離数百m程度のモデルロケットであればXBeeで十分です
XBeeモジュールは一応300hPa程度まで引いても動くのを確認しました
(1個しか試していないですが)

それ以上の数km以上になると簡単に扱えるモジュールはありません
アマチュア無線等資格が必要になります

平面に移動するだけなら3G回線等が使えますが
ロケットは垂直に移動してしまうため使えません

電装系

基本的に基盤対電線の接続でピンヘッダを使うべきではありません
ピンヘッダ/ピンソケットの組み合わせは基盤対基盤に使う程度に留めておくべきです
(十分にピン数の多い/16p以上であれば対電線にも使えますが その場合はフラットケーブルを使用し圧着ピンソケットを使ってください)
基盤対電線でピン数が2本や4本程度の場合は簡単に抜けないようなコネクタを使います
JST-EHやJST-XAがいいでしょう
前者は小さなコネクタですし 後者は大きくなりますがロック機構がついています

宇宙用になると金メッキでネジ止めできるコネクタ等になりますが
弾道飛行程度であれば必要ないと思います

防水

海上で回収するようなロケットではデータを保護するために防水ケースに入れる必要があります
しかし防水は並大抵のことではなく
大丈夫だと思っても浸水していたりします
ケースはタカチ等の防水に特化したケースを使用し、加工は最小限にとどめてください
家庭用のタッパー程度では簡単にフタが外れるので避けるべきです

基盤

可能であれば基盤は外注したほうが信頼性が高く
自由度もはるかに高くなりますが
実装までやってもらうと物凄い値段になります
(1枚数万円になることも 使い捨てで使える値段ではない。。。)
ユニバーサル基板で作る場合はなるべくスズメッキ線で配線し
ジャンパワイヤは最小限に留めてください
ジャンパワイヤは曲げる力に対して多少有利だと思われますが
どの配線がどこに行くのかが掴みづらくなります
ジャンパワイヤを使う場合は種類によって色を変える等の配慮が必要です
2.54mmピッチで配線されるスズメッキ線は実装密度の点では不利ですが
簡単に目視で配線が確認できるという利点があります

部品を実装する際に
背の高い部品はなるべく寝せて基板に固定するようにしてください

キャパシタ

電解コンデンサ等は中に液体が入っているため、真空中に長時間晒されると容量抜けを起こす場合があります
電解コンデンサは基本的に使用せず、セラミックコンデンサなどを使ってください
最近のセラミックコンデンサは100uFとかも普通に売ってるので
小さめの電解コンデンサ程度の容量はあります


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