2020年7月21日火曜日

リンク集(2020年03月以降追加分)

 リンク集のリンクを管理するのが面倒なので、右側のリンクからたどってください。
 追加年月の管理も面倒なので今回より省略。

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 [M-V 型ロケットの推進性能](http://www.isas.jaxa.jp/publications/hokokuSP/hokokuSP47/85-116.pdf)

 2003年3月
 19年1月~のリンク集にも入っているが、もうちょっと細かく。

 1章、序
 第1段(B1)M-14、第2段(B2)M-24、第3段(B3)M-34の、各新規開発固体モータ。ミションに応じて最集段(KM)が付加。KM以外の全段にTVCと非常破壊(SO)装置、B3とKMに伸展ノズルと投棄式後方着火点火モータを採用。
 補助推進系、B1可動ノズルTVCのターボポンプ駆動用固体ガスジェネ(SPGG)、B1・B2推力飛翔中のロール制御用固体モータ(SMRC)、B2燃焼終了後の3軸制御用固体モータサイドジェット(SMSJ)、B3燃焼終了後スピンモータ(SM)の固体モータ/ガスジェネレータ。
 主推進系と補助推進系、M-V1,3,4号の主な飛翔結果について。// 2号は打ち上げキャンセル


 2章、主推進系

 2章1節、各段モータの諸元。
 第3段は1号機のみM-34a、3号機以降は120mm延長して推進薬を700kg増量したM-34b。
 M-14は燃焼終了後の残推力(スライバー:燃え残り)が長く残る。意図的な設定。1/2段分離まで1段TVCで制御できるように。

 表1、M-V各段モータ主要性能・重要諸元(M-V-3号機)
 寸法、材料、組成、燃焼特性、質量特性、等。

 図1、第1段M-14モータ概要図
 図2、第2段M-24モータ概要図
 図3、第3段M-34bモータ概要図
 図4、キックステージKM-V1モータ概要図
 図5、第1段M-14モータの真空推力・モータ内圧推定曲線
 図6、第2段M-24モータの真空推力・モータ内圧推定曲線
 図7、第3段M-34aモータの真空推力・モータ内圧推定曲線
図8、キックステージKM-V1モータの真空推力・モータ内圧推定曲線

 2章2節、推進薬
 B1, B2には高燃速のBP-204Jを、B3, B4にはAl燃焼完結性を高めたBP-205Jを。
 1号M-34aのBP-205Jは国産Alを使っていたが、生産中止に伴い3号以降はKM-V1に使用している輸入Alを使用。

 表2、M-V主推進系推進薬の基本組成および標準特性

 2章3節、ケース・インシュレーション。
 M-3SII型まではアスベスト入りだった。M-Vでは発癌性物質であるアスベストを排除。

 表3、M-V用ケース・インシュレーション材の特性

 2章4節、点火器とモータ着火特性
 主装薬にBP-204Jの友材が適用されたモータ型点火器。B1, B2は固定型前方着火方式、B3, B4にはスロート・プラグ式投棄型後方着火方式が採用。
 KM-V1を除く全段の点火モータに遠隔操作型機械的安全機構(RSAD)が装着されている。

 図9、点火モータ設計基準。
 表4、M-V各段点火モータの主要諸元。
 図10、M-14, M-14用点火モータの概要図および単位標準内圧曲線。
 図11、M-34用点火モータの概要図および単位標準内圧曲線
 図12、KM-V1用点火モータの概要図および単位標準内圧曲線
 図13、遠隔操作型機械的安全機構(RSAD)の概要図

 2章5節、ノズル設計と推進性能の測定
 表5、M-V-1号機各段モータのノズル基本仕様
 図14、第1段M-14ノズルの概要図
 図15、第2段M-24用ノズルの概要図
 図16、第3段M-34用ノズルの概要図
 図17、キックステージKM-V1用ノズルの概要図
 図18、伸展コーン(ECC)式伸展型ノズルの伸展・投棄機構作動概要図
 図19、比推力規定有効平均粒子粒径と初期ノズルスロート径の相関

 2章6節、残留内圧/推力特性の予測評価
 熱容量の大きいノズル埋没部からの熱放射によりケースの熱分解ガスが発生し、燃焼終了後も微小な残留推力が発生する。

 図20、BP-204Jの線燃焼速度特性
 図21、BP-205Jの線燃焼速度特性


 3章、補助推進系

 B1MNTVCターボポンプ駆動用SPGG、B1・B2SMRC, SMSJ、B3搭載多用途ヒドラジンサイドジェット(SJ)、およびSMが、M-V用として新規開発。SJを除く、固体推進剤を用いる補助推進系について。

 表6、M-V補助推進系推進薬の基本組成および標準特性

 3章1節、SPGG
 図22、B1MNTVCターボポンプ駆動用SPGGの概要図と基本仕様

 3章2節、SMRC/SMSJ
 SMRC、B1後部筒周りの4個のカウリング内に4基ずつ計16機、B2/B3段間継ぎ手周りに2基。
 SMSJ、B2ノズル周りに4本。B2/B3段間飛翔期間の3軸制御用。

 推進薬長(燃焼時間)の違いを除けば、基本的にM-3SIIのB1SMRCと同じ。細かい部分で色々違う。

 図23、B1・B2SMRCおよびSMSJの単体概要図と基本仕様

 3章3節
 B3/KM段間継手外周部に最終段スピン安定のための駆動用スピンモータ(SM)を装着。プルームによるコンタミを回避するためにAlが添加されていないBP-250Jを採用。
 1号機では4基、3号機では2基(ノズル形状と搭載位置の工夫による)。

 図24、固体スピンモータの単体概要図と基本仕様(M-V-1号機)
 図25、固体スピンモータの単体概要図と基本仕様(M-V-3号機)
 

 4章、モータ非常破壊装置(SO装置)
 B1、M-3SIIのB1-SOと同型のV型成形導爆線(LSC)を、B2・B3には円錐形成形爆薬(CSC)を、採用。各段SO装置の起爆部にはM-3SIIのB2-SO用RSAD(SO-RSAD)を継続使用。
 B1/B2段間破壊継手用およびノーズフェアリング開頭機構用大型火工品の起爆系にもSO-RSADと同一器材を適用。

 表7、M-V用モータ非常破壊(SO)装置
 図26、V型成形導爆線(LSC)装置の構造
 図27、円錐形成形爆薬(CSC)装置の構造と主要性能
 図28、遠隔操作型機械的安全機構(SO-RSAD)


 5章、飛翔結果

 5章1節、主推進系各段モータの燃焼特性と真空推進性能
 図29、M-14モータの内圧履歴(M-V-1号機)
 図30、M-24モータの内圧履歴(M-V-1号機)
 図31、M-34aモータの内圧履歴(M-V-1号機)
 図32、KM-V1モータの内圧履歴(M-V-1号機)
 表7、M-V格段モータの平均真空比推力(M-V-1~4号機)

 5章2節、上段モータの残留内圧/残留推力特性
 1号機で第2-4段、3号機で第3-4段、4号機で第3段の、燃焼終了後の残留内圧測定を実施。計測装置はM-3SIIように開発したものを改修。
 4号機では衛星(ASTRO-E)搭載の精密加速度計を利用して加速度を測定。

 図33、M-34bモータの残留内圧計測結果(M-V-4号機)
 図34、M-V-4号機第3段ステージ残留加速度計測結果
 図35、M-34bモータの残留推力推定結果(M-V-4号機)

 5章3節、補助推進系
 1号機のSMRC/SMSJの異常燃焼を除けば、正常に機能。
 1号機のB1, B2に22基搭載されたSMRC/SMSJモータのうち、19機について燃焼圧力が異常上昇。B2の4基のSMSJの内の1期は安全弁が動作して燃焼中断。幸いにもロール制御・姿勢制御は正常に行われた。
 推進薬を型に入れる際に塗布された剥離剤がグレイン外表面に残存し接着が不完全になったために、燃焼ガスがそこへ流入、燃焼面積を増大させたと推定。工数削減を意図して1号機の一部機材に適用した手法。3号機以降では剥離剤を使わない以前の工程に戻し、不具合は発生していない。

 5章4節、M-V-4号機におけるM-14モータのノズルスロートインサート破損事故
 B1点火直後よりM-14のスロートインサート部材が段階的に破壊、外壁面からガスが噴出し姿勢制御機器が焼損。B1分離前に姿勢が乱れて速度を喪失、衛星を軌道に投入できなかった。

 図36、M-14モータの内圧と等価ノズルスロート径の履歴(M-V-4号機)


 6章、まとめ

 1,3,4号機の飛翔実験が終了。4号機以外は正常に燃焼動作。補助推進系は1号機のSMRC/SMSJを除けば健全性が確認されている。

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 [リニアシェイプトチャージの侵徹特性評価](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass/53/616/53_616_231/_pdf)

 2005年

 1章、はじめに
 2章、理論
 3章、実験方法
 4章、結果および考察
 5章、結論

 円錐形成形爆薬は詳しく研究されているが、V型成形爆薬はあまり研究されていないので、それに関しての研究、という感じ。

 火工品、アポロ宇宙船では約310個、H-IIAでは約100個。
 質量に比較して大きな出力、信頼性・安全性が高い、作動回路がかんたんで電力が少なくて済む、短時間で大きなエネルギーを出せる、比較的安価、といった特徴。

 H-IIAで使われている火工品の例。
 V型成形爆破線(LSC)、柔軟性V型成形爆破線(FLSC)、フェアリング用金属被覆導爆線(MDFF)、密閉型導爆線(CDF)、鈍感型起爆感(ID)、分離ナット(SN)、等。
 LSC。瞬時に構造物を切断できる。H-IIAの第1/2段分離、SRBストラットの切断、第1段・第2段・SRBの司令破壊、など。M-Vでも第1/2段分離に、ビルや鉄橋の解体にも。

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 [6.衛星、搭載機器及び打ち上げ機  6.5 TRMM打ち上げ用H-IIロケット](http://www.nict.go.jp/publication/kiho/36/011/Kiho_Vol36_SI_No011_pp107-111.pdf)

 1990年


 1章、まえがき

 H-Iの後続としてH-IIを開発中。GTO4トン。第2段再着火の2段式で、複数衛星の同時打ち上げを含めた幅広いミッションが可能。


 2章、H-IIロケットのシステムと開発状況

 図1、H-IIロケットの構成
 表1、H-IIロケットの主要諸元

 第1段。新規開発。燃焼圧14.4MPaA、比推力449秒の2段燃焼サイクル。SRBはTVCの稼働ノズルを装備。
 第2段。現行のH-Iのそれを改良。LE-5AはH-IのLE-5を改良。新規開発の水素ガスブリードサイクル。

 表2、H-IIロケット開発計画


 3章、打ち上げ能力

 28.5度のGTOに4トン、300kmのLEOに10トン以上、800kmのSSOに4.6トン。大型衛星や複数打ち上げ等のミッションに応じて様々なフェアリングを用意。ペイロード質量は少なくなるが、最大で直径5m、全長16mまで拡大可能。第2段再着火で、LEOとGTOを同時に打ち上げ可能。

 表3、H-IIロケットの環境条件

 アリアンロケットやスペースシャトルと同じ水準。余裕を見た見積もりなので、更に改善の可能性。
 NASDAは過去14年で19個の衛星を100%の成功率で打ち上げた。H-IIも信頼性0.96を期待。


 4章、TRMM衛星の打ち上げ

 H-IIの典型的なミッションはGEO。800kgの衛星(GTOで1.5t)と打ち上げることを想定。

 図2、衛星フェアリングの構成 TRMM衛星と静止衛星の搭載を想定
 図3、TRMM衛星および静止衛星の飛行経路
 図4、H-IIロケット打ち上げ能力 TRMM衛星および静止衛星を同時に打ち上げる場合

 H-IIの標準的な精度、高度で10km以下、軌道傾斜角で0.05度以下。


 5章、結論

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 [回転する固体ロケット推進薬の燃焼性](http://www.jes.or.jp/mag/stem/Vol.30/documents/Vol.30,No.3,p.144-152.pdf)

 1969年

 1章、序論

 2章、これまでの諸成果
 2章1節、諸経験

 表1、これまでの初経験
 モータ、メーカ、モータ径、推進薬重量、推進薬組成、回転数、燃焼変動、報告者。

 2章2節、諸実験
 2章3節、諸仮説

 3章、装置
 3章1節、スタンド
 3章2節、計測器

 4章、試供体
 4章1節、推進薬

 表2、内孔形状
 表3、組成と性能

 4章2節、イグナイタ

 表4、点火薬

 // 4章3節は欠落

 4章4節、チャンバ


 5章、実験

 6章、実験結果

 表5、実験結果
 図2-8、グループ1からグループ7の実験結果


 7章、補足実験

 表6、浸食燃焼実験
 図9、回転変動のある推進薬の浸食燃焼
 図10、回転変動のない推進薬の浸食燃焼


 8章、考察
 8章1節、加速度の効果
 8章2節、組成の効果

 表7、組成の効果
 表8、浸食燃焼と回転変動との比較

 8章3節、内孔形状の効果

 図11、内孔形状の効果
 図12、内孔形状因子と燃速増加率

 8章4節、Kn(内圧)の効果

 表9、Knの効果


 9章、要約

 10章、謝辞

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 [高圧側で燃焼中断する固体推進薬](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass1969/43/494/43_494_137/_pdf/-char/ja)

 1994年

 1章、まえがき
 2章、実験装置及び実験方法
 2章1節、燃焼速度および緩慢加圧による消炎圧力測定
 2章2節、急速加圧による消炎圧力測定
 2章3節、示差熱分析および熱重量測定
 2章4節、電子顕微鏡による表面観察
 3章、実験結果
 3章1節、燃焼速度および消炎圧力
 3章2節、急速加圧による消炎圧力
 3章3節、示差熱分析(DTA)および熱重量測定(TG)
 3章4節、電子顕微鏡による表面観察
 4章、推進薬の消炎機構
 5章、結論

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 衝撃の発生源とか、試験方法とか、いろいろ。

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 1998年

 1章、はじめに

 H-IIAの開発目的。

 2章、設計方針

 3章、H-IIAの構造システム

 図1、H-IIAロケットの概要
 静止2トン級(202型)と静止3トン級(212型)

 図2、H-IIロケットの概要
 図3、H-IIからH-IIAへの変更点

 3章1節、機体支持方法

 3章1節1項、H-IIAロケットの場合
 図4、H-IIロケットの大気中飛行荷重

 3章1節2項、H-IIAロケットの場合
 図5、H-IIAロケットの大気中飛行荷重

 3章2節、設計荷重

 3章3節、H-IIAの構造サブシステム
 表1、H-IIとH-IIAの主要構造比較

 3章3節1項、1段
 3章3節2項、段間部
 3章3節3項、2段
 3章3節4項、LRB


 4章、開発スケジュール

 5章、まとめ

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 2017年

 ハイトルクリアクションホイール7台。南海トラフ地震を想定した広域観測。
 ALOS-2の2倍の伝送速度。Ka帯で1.6Gbps。フラッシュメモリによる950GB以上の大容量レコーダ。


 1章、まえがき

 ALOSではパンクロ2.5m、マルチ10mの分解能。

 図1、衛星搭載光学センサベンチマーク

 高分解能・狭観測幅と、低分解能・広観測幅の2トレンドに大別。先進光学では広域・高分解能を実現する。

 図2、センサバンド
 ALOSと先進光学衛星の比較。

 マルチは4バンドから6バンドへ増やし、植生・土壌分析機能を向上。

 図3、ニーズと技術

 大規模災害への対応。タイムリーに詳しく観測したい。高分解能・即時性。平時との比較のために、平時のベースマップも必要。災害が起きる前に広域の画像を撮影しておく必要がある。


 2章、先進光学衛星システム

 2章1節、性能

 表1、諸元
 670km(赤道上)のSSO。降交点地方時10:30。回帰35日。Ka帯1.6Gbps以上、X帯0.8Gbps以上、光中継。打ち上げ時2.7トン以下。設計寿命7年。

 図4、先進光学衛星システムのイメージ(On-orbit)

 2章2節、観測ミッションの性能

 表2、広域・高分解能センサの諸元
 GSD、Pa0.8m、Mu3.2m。観測幅70km。量子化11bit。

 軸外し4枚鏡。PaとMuを同一鏡筒で。検出器に宇宙用TDI-CCD(Time Delay Integration Charge Coupled Device)。画素ピッチ8um。


 3章、先進光学衛星適用技術

 3章1節、多彩な撮像運用を可能にする衛星システム
 センサにTDI-CCDを適用。転送方向と転送タイミングを衛星進行方向と視点移動速度に合わせることで、アナログ信号加算を行いSNRを向上させる有効な手段。指向軸の安定性が重要。特に南海トラフ等の大規模な撮影では1回の撮影が長時間に及ぶので、高精度な指向制御が必要。TDI適合型三軸駆動制御(TPC)(図5)を適用。
 ハイトルクリアクションホイール(HTRW)(図6)を7台搭載。

 3章2節、広域・高分解能光学センサ

 3章2節1項、広角集光光学系
 ロケットに入るようにコンパクトな光学系が必要。一方で広域・高分解能はともに大きな光学系が必要で、コンパクト化と相反する。6度の視野を確保するため、軸外し光学系で、4枚の鏡全てに曲率をもたせる。従来の3枚方式に比べて30%短くなった。

 図7、広角集光光学系

 図8、高安定鏡筒とミラー支持構造
 CFRPロッドを採用。

 図9、ミラーの製造フロー
 クリアセラムZを採用。

 3章2節2項、高精度TDI-CCD検出器
 キーパーツ。自社開発品。

 図10、TDI-CCD構造

 3章2節3項、国産データレコーダ
 国産不揮発性データレコーダを適用。従来のSDRAMと比べて記録密度が向上。アクセス速度や不良ブロックなど、宇宙用として克服するべき点も。

 図11、MDPのメモリボード試作品

 表3、メモリボードの主要諸元
 NANDフラッシュ。EOL950GB以上。


 4章、むすび

 図12、パンシャープン画像

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 [特集 宇宙の電気設備 1 商用衛星について](https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/31/5/31_323/_pdf/-char/ja)

 2011年

 1章、はじめに
 2章、通信衛星の事例
 3章、国際商用衛星市場参入の経緯と課題
 4章、通信衛星の技術動向
 5章、その他の商用衛星の動向

 Superbird-C2、DRTS、ST-2、等の話題。国内外の比較。

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 [静止衛星標準バス"DS2000"の開発と今後の指針](https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2016/1602106.pdf)

 2016年

 要旨

 DS2000の実績と今後の開発指針
 軌道上での累積運用年数。商用衛星のメーカーごとの受注数。市場の需要。

 1章、まえがき
 2章、DS2000の各号機での開発内容

 表1、各プログラムでの性能向上のまとめ
 DRTS, MTSAT-2, ETS-8, Superbird-C2, QZS, ST-2, TURKSAT-4A/4B, QZS2-4, Es'hail 2。
 いろいろ細かく書いてある。

 3章、TURKSAT-4A, 4Bの概要
 図1、TURKSAT-4A
 図2、TURKSAT-4B
 表2、TURKSAT-4A/4Bの諸元
 表3、TURKSAT-4A/4B通信系

 3章、Es'hail 2の受注と開発
 図3、Es'hail 2

 5章、性能向上に向けた開発指針

 図4、DS2000の性能向上に向けた開発指針
 コンポーネント類や機能の話。テレメ例。

 6章、むすび

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 [人工衛星の機械系技術 -更なる技術課題への挑戦-](https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2011/1109114.pdf)

 2011年

 要旨
 1章、まえがき
 2章、人工衛星の機械系技術
 2章1節、太陽電池パドル
 図1、SAP保持開放部の断面図(収納時)
 2章2節、アンテナ展開及び精密駆動用機構
 図2、マイクロステップ駆動による駆動角度プロファイル
 図3、超高精度精密位置決め機構外観(3自由度、6自由度)
 図4、ロータリージョイント外観(S帯、Ka帯)
 2章3節、熱制御デバイス技術
 2章3節1項、展開型ラジエータ
 図5、ループヒートパイプ用蒸発器
 2章3節2項、平板型ヒートパイプ
 図6、平板型ヒートパイプの宇宙実証モデル
 2章3節3項、ヒートスイッチ
 図7、ヒートスイッチの試作モデル
 3章、むすび

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 [深層学習でリアルタイム軌道上画像識別を実現 -超小型衛星用センサの宇宙での実証実験開始へ-](https://www.titech.ac.jp/news/pdf/tokyotechpr20181218_dlas.pdf)

 2018年12月18日付

 東工大のプレスリリース。
 RAPIS-1搭載の地球センサ・スタートラッカ(DLAS: Deep Learning Attitude Sensor)に関する話題とか、背景とか、いろいろ。

 スタートラッカ。マシンビジョン用市販カメラとマイコンの組み合わせ。視野18x11度、7等級まで。ピラミッド法。初期値無しで800ミリ秒以内。10秒角(68%信頼区間)。
 地球カメラ。携帯用のカメラ。STTのバッフルに取り付け。16x16pxに区切ってヒストグラムから2層のニューラルネットワークで推定。ISSで撮影した動画から学習。GPSで位置情報を得る。低高度だと可視範囲が狭いので計算量を減らせる。
 2年で開発。BBMで電気・通信IFを確定してすぐFMの設計・製造を行い、ソフトウェアにリソースを割く。過去の大学衛星開発の経験から。将来の衛生開発にも応用可能。

 図1-1、DLAS外観。制御ボックス(左)、カメラユニット(中央)、基板(右)。
 図1-2、振動試験中のカメラユニット。
 図2、スタートラッカおよび地球センサによる姿勢決定法。
 図3、ISSからの地球画像を用いた植生・土地利用識別の例。
 図4、RAPIS1。

 東工大の宇宙開発の歴史や展望など。

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 [恒星センサを用いた地球指向衛星姿勢決定系のフィールド試験](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass/56/657/56_657_480/_pdf/-char/ja)

 2008年頃

 1章、はじめに
 2章、陸域観測技術衛星の高精度姿勢決定系
 3章、フィールド試験概要
 4章、恒星センサ単体評価試験
 5章、姿勢決定系評価試験
 6章、結論

 旧ISAS系の衛星では慣性指向の探査機・衛星で恒星センサを使用。旧NASDA系ではALOSで初めて使用。地球指向では0.06deg/sの角速度。見える恒星が絶えず変化するので困難。恒星シミュレータを使っているが、End-to-End検証のためにフィールド試験で実際の恒星を用いて評価。

 図1、ALOSの閉ループ・ブロック線図
 図2、高精度姿勢決定型の構成
 図3、高精度姿勢決定系運用シーケンス
 図4、恒星同定シーケンス
 図5、臼田宇宙空間観測所恒星センサフィールド試験設備
 表1、フィールド試験内容の概要
 図6、試験コンフィグレーション
 図7、スライドルーフ室の構成
 図8、試験室の構成
 図9、試験中の様子
 図10、試験設定概念図
 表2、恒星センサ単体評価試験データ取得ケース
 図11、星ごとのランダム角度誤差
 図12、等級とランダム角度誤差
 図13、等級とランダム角度誤差
 図14、色温度と等級精度
 図15、等級と等級精度
 図16、等級感度のランダム誤差
 図17、Hアドレス方向の周辺減光
 図18、星像の比較
 図19、相対離角変動例
 表3、姿勢決定系評価試験ケース
 図20、軌道レートケース1回目試験結果
 表4、パターンマッチング同定結果
 図21、STT FOV上恒星分布
 表5、恒星同定数と予想値の差
 表6、STT計測姿勢角、高精度推定姿勢角
 図22、自動再追尾機能確認
 表7、プロセスノイズ別カルマンゲイン定常値と収束時間

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 [信号処理など](http://granite.phys.s.u-tokyo.ac.jp/DECIGO-WS12/index.php?plugin=attach&refer=program&openfile=DECIGO_WS_2013_SIG_u.pdf)

 2013年10月27日

 DECIGO Pathfinder(DPF)に関する話。

 2ページ目、概観や主要諸元。コンポーネントの配置図。
 バス。950x950x1100mm、200kg。SPA960W、電池50Ah。ダウンリンク2Mbps、データレコーダ1Gbyte。3Nスラスタ4本。
 DPFペイロード。950mmキューブ、150kg。電力130W。データレート800kbps。スラスタ8本。

 3ページ目、要求仕様など。
 定常観測800kbpsの内訳。
 10Hzくらいまで見ようとするとサンプリングレート1kHz。それに合わせた見積もり。

 4ページ目、歴史。
 SDS-1/SWIMからDECIGOまで。DPFは17年予定、Pre-DECIGOは21年予定、DECIGOは27年予定、という感じ。

 5ページ目、ミッション部の当初想定。
 6-8ページ、信号取得系(論点)。

 9ページ目、信号処理部。
 FPGAボード。シマフジのADC/DACボードらしいけど、製品一覧には無い。
 レーザー光源部を電通大が開発中でそこにもボード貸出中?

 10ページ目、回路の使用例。
 AD/DAボード上のFPGAでバンドパスフィルタ。

 11ページ目、演算装置。
 SpaceCube。スケジューラ、タイミング制御。データロガー。信号処理も担当予定。
 実際はN社製かM社製の同等品の予定。

 12ページ目、DPFのミッション部の信号処理にSpaceWireを介在させるか?

 13ページ目、衛星バス部のシミュレータ。
 Satellite Management Unit (SMU)のシミュレータ、SimLight。スクリーンキャプチャ? 抜き取られてる。
 SPRINT-AではSMU-MDP(Mission Data Processor)間は最大9kB/s程度。DPFでは800kbps(100kB/s)。

 14ページ目、まとめ。

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 [小型科学衛星のための柔軟な標準バスのコンセプト](https://www.jstage.jst.go.jp/article/stj/8/0/8_0_1/_pdf)

 2009年頃

 1章、はじめに

 ISAS、250-4500kg程度の衛星を5年で3-5機打ち上げる計画。シリーズ化して短期間で打ち上げ。バス部を標準化してツール類(シミュレータ等)を充実させ、検証段階での噛み合わせ試験を廃する等。
 標準バスの試みの例。仏CNESのMyriadeや米ORS計画のTacSatシリーズなど。
 宇宙科学コミュニティからの提案、3軸姿勢安定の地球近傍、長楕円軌道のスピン安定、工学実験、など多岐にわたる。バスに対する要求は多岐にわたり、通信衛星専用のような「固い」標準バスでは対応不能。
 「柔軟な」標準バスを作る。


 2章、階層的標準化コンセプト

 図1、標準化階層の定義

 層I、設計開発手法の標準化。層II、インターフェースの標準化。層III、搭載機器の標準化。層IV、衛星形態の標準化。
 レベルIVの場合、バスの構造が共有なので、熱構造モデルを使った試験が省略できる。
 工学衛星・探査機において大推力が必要などの理由でバス部の設計変更が必要な場合でもレベルIIIで、標準のコンポーネントを流用できる。
 レベルIIではインターフェースを共通化する(SpaceWireを検討中)。
 レベルIは文章とかの標準化によって効率化を図る。


 3章、プロダクトプラットフォームコンセプト

 図2、ミッション要求マトリックス

 共通性の高い機能要素をプラットフォーム、個別に選択すべき機能要素をバリアント、と区別し、複数個から選ぶものを選択型バリアント、必要に応じて追加するものを追加型バリアント、と扱う。カタログから選んでカスタマイズできる。
 選択型の例。太陽電池パネル数、リチウムイオン電池容量、姿勢センサ精度、リアクションホイールの種類。
 追加型の例。パドル回転機構、GPS受信機、Xバンド送信機、1液推進、EMC対応。

 プラットフォーム部。1x1x1mのキューブ状。±Y面(太陽電池パドル取付面)を放熱に。Sバンド通信系でダウン~2Mbps、アップ~256kbps。対放射線、LEO3年、GTO1.5年で100Krad以下の内部環境。

 今の所、推進系は追加バリアント。将来的に無毒推進系の技術が熟成したりすれば標準で搭載されるかも(その他の機能も同様)。

 図3、プロダクトプラットフォームコンセプトにより実現される衛星の例(外観イメージ)
 a)、惑星観測。慣性空間で3軸制御。姿勢要求5秒角pp。プラットフォームでは1分角程度。ミッションと連携して姿勢制御。任意方向を指向できるように太陽電池は回転。
 b)、X線天文。シリーズでは限界的なミッション~200kg、~300W。消費電力が大きいのでパドルを増やす一方で、姿勢には制限が与えられるのでパドルの回転は不要。
 c)、長楕円軌道。標準化レベル4の外縁に位置する。スピン安定。アンテナパターンを変更。厳しいEMC要求。スピン軸を太陽に向けるため、1日あたり約1度の姿勢変更が必要なため推進系が必須。


 4章、統合/分散アーキテクチャのトレードオフコンセプト

 図4、統合/分散アーキテクチャのトレードオフのコンセプト

 統合型、SMU(Satellite Management Unit)に集約。SMUはSDS-1で軌道実証されるSpace Cube 2をベースに開発。消費電力が大きい機器(磁気トルカやヒータ)はDRU(DRiver Unit)に統合。
 統合型は搭載機器が少ない分で合理的だが、コンポーネントの変更が必要な場合はSMUにも関わる。
 分散型の場合、標準インターフェース準拠のコンポーネントであれば容易に変更が可能。固有の機能は、小型(A6サイズ程度)のACIM(Avionics Control Interface Module)を標準インターフェースとの変換に使う。DRUの機能もACMIへ分散。
 インターフェースの標準化が鍵。SpaceWireを採用。
 標準化したコンポーネントを衛星間でも使うことで、実証された「枯れた」機器を容易に使える。

 SpaceWireの信頼性。国際ワーキンググループでSpaceWire-RT(Reliable Timely)プロトコルの制定を進めている。
 例。姿勢系を64Hzでサンプリングする場合、100-200us以内の制限。SpW RTでは48MHzのリンクで256byteを130usで読み出せる。

 図5、小型科学衛星バス部のシステムブロックダイアグラム(案)
 a)、機能統合を図った検討ベースライン
 b)、再利用性向上のためのモジュール化
 統合ではSMUにACIMが組み込まれているので、コンポーネントとのインターフェースが変わるとSMUも作り直す必要がある。分散型ではSMUはSpaceWireでのIFに専念でき、コンポーネントの変更の際は外部のACIMの作り直しで対応できる。

***

 [CANDLES実験におけるデータ収集システムの更新](http://openit.kek.jp/workshop/2013/d-sys/doc/Suzuki.pdf)

 2013年7月頃

 CANDLES、神岡で二重ベータ崩壊の研究。データの読み出しにSpaceWireを使っているらしい。
/* SpWのスペックだと鉱山の外まで引き回すわけには行かないだろうし、光電管のADCから横のPCまでのデータ転送に使ってるだけだと思うが、なんでわざわざSpW使ってるんだろう? */

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 [H-IIAロケット試験機1号機の開発状況について](https://www.jaxa.jp/press/nasda/2001/img/kaikaku_010709_4.pdf)

 2001年6月21日

 H-IIロケット8号機打ち上げ失敗を受けてH-IIAロケット1号機の打ち上げが延期され、品質の再確認とか。

 5ページ目、LE-7A or LE-5Bのインジェクタのカットモデル。

 11ページ目、SRB-A実機サイズの燃焼試験。圧力とか、QM3のノズル駆動パターンとか。ステップ状に動かしたり、正弦波状に動かしたり、最大速度で動かしたり。

 17ページ目、LE-7AのNPSH。制御圧力、0.36±0.00245MPa。LH2、0.05K下げ。LH2ターボポンプ、ノミナル4.2万rpm、TF#1用4.17万rpm。

 18ページ目、LE-7Aエンジンの軸振動。

 19ページ目、フェアリング。線状爆薬(MDFF)の薬量を下げて余裕を確認。分離面の断面図。

 20ページ目、1号機の特記事項。1段LH2配管の異物。下請けメーカで検査に合格したものに不合格品が混在、その後の工程でも不合格を検出できなかった。

 21ページ目、全段システム試験の概要。

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 [太陽電池パドル(展開型)の開発](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass1969/31/355/31_355_433/_pdf/-char/ja)

 1983年1月

 ETS-IIIとMOS-1のパドルの話。

 表1、太陽電池パドルのスペック。
 ETS-III。総重量37.2kg。折畳時25Hz以上、展張時1Hz以上、展張13分以下(故障モード含む)。素子2x2cm、BSF、7140枚、327W(BOM)/289W(EOM)、ミッション1年。
 MOS-1。75kg、15Hz/0.2Hz、5分。2x4cm、BSF、9384枚、715/570W、2年。

 図4、パドルの断面図。
 図5、ETS-IIIパドル保持開放機構。
 図6、MOS-1同期機構。
 他、図とか表とか色々。

 展開はスプリングによって行われるが、急激に展開しないようにローリングダンパで速度を制御。常温で30秒程度の速度。スプリングの残留トルクで状態を維持。
 展開速度が温度依存だが、モータで各々制御する方式等に比べて利点が多い(消費電力や信頼性など)。
 MOS-1の場合、パドル1枚あたりに複数の軸があるので、一部の軸だけ先に展開したりすると、パドルが本体に衝突する可能性があるので、同期する必要がある。プーリやワイヤで同期。

この方法は最近の衛星でも使われていて、例えばSLATSは衛星本体が小さいので、打ち上げ前の写真とか見るとプーリーがしっかり見えてる。他の衛星でもプーリーの大きさは同じ程度なので相対的に小さく見えるけど、同様に写り込んでいる。

 [「SLATS」分離試験](http://jda.jaxa.jp/result.php?lang=j&id=bc14a8ed1fd381783b6d242fda29df7c)
 パドル端面にプーリやワイヤ等。

 [「だいち2号」の太陽電池パドル展開 - YouTube](https://www.youtube.com/watch?v=oCWaRXbeK5I)
 映像終盤、ヨーク端面にワイヤが這わせてあるのが見える。

 RAPIS-1は1個ずつ順番に(非同期で)展開しているっぽいので、別の方式らしい。おそらくETS-9も非同期だろう。

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 [3-3 大型展開アンテナ反射鏡部](http://www.nict.go.jp/publication/shuppan/kihou-journal/kihou-vol49no3.4/0303.pdf)

 2003年頃

 ETS-8の展開アンテナの話。

 図1、形状の模式図。
 図2、単体モジュール。
 図3、展開機構。
 図4、展開モータの配置。
 図5、打ち上げ時のコンフィグ。
 図6、軌道上実験のイメージ図。
 図7、微小重力実験のコンフィグ。
 図8、カップアップ試験のコンフィグ。
 図10、ブーム展開試験。
 図11、鏡面展開試験。
 図12、振動試験。

  一般的な傘と同じような展開方式。スプリングでアシスト。14モジュールを4個のモータによってコントロールして徐々に繰り出す。
 カップアップとカップダウン。お椀を上に向けたのがカップアップ、下に向けたのがカップダウン。

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 [3-1 光衛星間通信実験衛星(OICETS)の開発](http://www.nict.go.jp/publication/shuppan/kihou-journal/kihouvol58-1_2/kihouvol58-1_2-0301.pdf)

 2012年頃

 図1、打上前最終外観。
 図2、機能ブロック図。
 表1、主要諸元。
 図3、光アンテナ プルーフ試験。
 図4、制御系間の影響 模式図。
 図5、微小振動環境下捕捉追尾試験コンフィグ。
 図6、地上試験地と軌道上実験地の伝達特性の比較。
 表2、打上げ手段変更の影響。
 図7、打ち上げ。

 衛星間通信の相手側の遅延(ロケット上段の早期停止で予定外の軌道投入、リカバリに時間がかかった)によってOICETSも中断していたが、相手側の静止軌道投入ができたため、地上のLUCEと静止軌道に対する光通信の実験を行った。その後、ロケットと軌道を変更して打ち上げ、衛星間での実験等を行った。

 慣性基準装置(IRU)、地球センサ(CES)、精太陽センサ(FSS)により姿勢検出、4台のリアクションホイール(RW)で姿勢制御。通常は衛星下面(ロケット結合側)を地球に指向する3軸制御。運用時は電波・光波ともに静止軌道の衛星を経由するので、通信機能は上面に集中。地上局との光通信実験では衛星を慣性空間に固定した「慣性ロック」モードで半周飛行し衛星上面を地球に指向する。IRUの他にレートジャイロも搭載。当初の計画で想定されたロケット(J-1)は上段がスピン安定のためレートダンピングに使用予定だった。
 スラスタは4本で姿勢制御と増速が可能。減速は不可能。減速したいときは慣性ロックで姿勢反転した後に吹く。タンク2個、最大45kgの推進剤。

 開発の話。衛星間通信を行うが、相手の衛星との実機を使った試験ができない。相手衛星が静止化した段階で地上と軌道上で通信試験。宇宙特有の環境は模擬できないが、通信の確立とかは一通りチェックして打ち上げ。
 光通信なので鏡面精度が重要。主鏡や副鏡のみならず鏡筒も低熱膨張率のガラス材を使用。切削・研磨加工した部材を接着で結合(機械結合の歪を避ける)。ガラスを切削して組み上げるので強度の保証が課題。試験方法も開発。
 制御での振動の試験とか。いろいろな工夫。空調止めたり、車両の交通量の少ない夜間に試験したり。
 高い指向精度を求められる観測衛星(地上・天体)では様々な影響がある。光通信衛星の経験が役に立つ。

 ロケット、J-Iからドニエプルへ変更。日本はホットロンチ、ドニエプルはコールドロンチが主流。アンビリカルラインやRFラインの追加が必要。ロケット側の改修で吸収し衛星側は変更なし。ヒドラジンは日本から持ち込み、現地の設備に慣れた現地の作業者が充填。
 日本の副衛星も含めて打ち上げ。ピークでは50人の日本人が現地に滞在。6月の日中は40℃を超える気候。

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 [超小型飛翔体用姿勢制御装置 Control Moment Gyro (CMG)](https://shingi.jst.go.jp/var/rev0/0001/0223/2019_dendai_3.pdf)

 2019年10月24日

 姿勢制御精度の改善、擾乱の低減。

 小型のCMGを4個組み合わせたモジュールとして組み立てる。80mmキューブに収まる大きさ、約650g、出力トルク0.1Nm、定常16W/最大48W。制御基板は別。
 DCマイクロモータでホイールを回してDCサーボモータで回転させる。
 目標、100mmキューブ、1kg以内。精度1度以下。アジリティ3deg/s以上。

 用途。ドローンとか、キューブサットとか。
 キューブサット、センサデータの回収、カメラで地上観測、大容量データ通信。
 姿勢制御ができるので利得が稼げるから遠隔地から大容量データを集められる、みたいな想定。

/* 3/3のイラストとか、いくらなんでもキューブサットでコンステ作ってやる内容じゃないよなぁ。IridumなりStarlinkなり使うほうがいい気がする。キューブはキューブでしかできない用途に専念したほうがいい気がする。 */

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 [技術試験衛星9号機と将来展開](https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2018/1802110.pdf)

 2018年

 1ページ目の図、次世代静止通信衛星の傾向と技術試験衛星9号機の開発技術項目。
 通信需要、2021年で750Gbps弱。Gov/Milが思ったより少ない。ほとんどがブロードバンドアクセス。次いで企業向け。

 表1、ETS9の諸元。

 図1、ETS9の開発技術。
 2次元展開SAP、展開型ラジエータ、光アンテナ、熱輸送、展開アンテナ、ホールスラスタとその展開ブーム。

 図3、次世代通信衛星向け電力制御分配器構造。
 図4、南北/東西連結ヒートパイプ。
 図5、大型展開ラジエータ。

 図6、衛星姿勢制御の例。
 EOR(Electric Orbit Raising)時にパドルを太陽に正対させて大電力を得られるように。

 表2、静止衛星市場への対応。
 2tクラスから6.5tクラスまで。小型と中型は全電化・ハイブリッド・化学をラインナップ、大型は全電化・ハイブリッドだけ。

 図7、2020年代の衛星バス発生電力の市場ニーズ想定。
 18kW以上(大型HTS想定)が半分弱、13-18kW(中型)が3割、13kW以下が2割、くらい。

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 [航空機に搭載される空調システムに関する技術動向](http://www.iadf.or.jp/document/pdf/17-5-8.pdf)

 航空機の空調、「与圧」「換気」「温度調節」の3機能が必要不可欠。
 与圧。巡航12kmでは0.2気圧。数秒で生命が脅かされる。
 換気。密閉空間なので二酸化炭素濃度が急激に上昇する。定められた空気量(1人あたり250リットル/分)の換気が必要。
 温度調節。地域によって高温多湿な環境から、巡航の成層圏の0.2気圧-70℃まで幅広い環境で使われる。

 2章、空調の仕組みとかいろいろ。

 図1、航空機空調システムの基本的な形態
 図2、航空機空調装置の形状の例
 図3、エアサイクルのT-S線図

 3章、航空機用空調システムの様々な形態

 図4、高圧除湿方式の形態
 図5、3ホイール・ブーツストラップ方式
 図6、4ホイール・ブーツストラップ方式

 4章、今後の航空機用空調システムの動向

 ブリードエアはジェットエンジンの効率を著しく低下させる。空調の運用コストの7割以上は燃料消費によるもので、これを改善することで運用コストの低減に大きく寄与する。

 図7、ハイブリッド空調システム系統図と動作モード
 図8、燃料消費量の比較
 図9、MACM外観(MACM:モーターアシステッド・エアサイクルマシン)
 図10、先進空調システムの例

 先進空調システム、ブリードエアを使わない。機内空気を循環させるので圧縮に消費されるエネルギーを減らせる。高酸素濃度空気を機内に、低酸素空気を燃料タンクに分岐することで、燃料タンクの爆発事故を防止できる。酸素分圧改善や湿度維持なども。

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 [UHFテレビジョン受信機](https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej1954/21/10/21_10_720/_pdf)

 1960年代後半頃?

 真空管とかトランジスタでVHF/UHFのテレビ信号を受信していた頃の話。回路図とか色々。電源がAC100Vそのまま入っててすごい。トランス挟んでダイオードで半波整流して平滑しただけ。
 受信は、UHFをVHFにダウンコンバートしてVHF受信機に入れることで、既存のVHF受信回路を流用してUHF帯を使えるようにする、という方針が主流らしい。

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 [航空機からのチャフ散布とドップラーレーダを組み合わせた水平風の3次元分布の測定法について](https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2012/2012_10_0951.pdf)

 2012年10月

 1995年前後にチャフを散布して風速を計測する実験を行った。その時の話題。

 市販品のチャフ。5万本1束。1本辺り0.25 x 32 x 0.015 mm、1.3 mg。0.5-1.5m/sの落下速度。
 レーダースクリーンの画像とか。極めて微弱だが計測可能。
 航空機の乱気流で拡散する。水平方向にはあまり広がらない。垂直方向はチャフの落下速度の分布によって分散。20分後には16m^3に1本くらいの密度。
 Xバンドレーダに最適な長さ。気象庁や航空機用のレーダは少し波長が長いので、Xバンドでかろうじて見える程度であれば他のレーダには影響は出ないのではないか。Xバンド偏波レーダには影響が出るかもしれないが、雨滴とチャフは識別可能。
 風速の高度分布を知るにはチャフを幅広い高さに巻く必要がある。2.5kmで投下して40分後に地上に到達。雲の寿命より長い時間が必要。高度7.5kmから散布しても、2時間以上後でたかだか3km程度の分布。落下速度が0.6-4m/sのチャフがあれば、5kmから透過して20分後にほぼ全体の高度に分布する。
 雲の外側にカーテン状に散布する必要がある。3次元的な風速の分布を計測するのは大変。

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 [超小型人工衛星用スタンドアロン電源の提案](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jipe/36/0/36_0_196/_pdf/-char/ja)
 [クラスタ構造をもつ人工衛星用自立電源システム](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jipe/37/0/37_235/_pdf)

 それぞれ2011年と2012年

 キューブサットにEDLCを使う提案。
 EDLCは電力密度が低いが、サイクル数の多いキューブサットは放電深度を低く設定せざるを得ず、EDLCでも同程度の電力密度になる。
 後者では、キューブサットの1面ずつにEDLCやDCDCを搭載して、それぞれの面ごとに太陽の当たり方に最適な充電を行ったり、1面の電源が故障しても他の面でミッションを継続できるように、といった話。

***

 [第8章 準天頂衛星システムの技術実証について](https://ssl.jspacesystems.or.jp/library/archives/jaros/space%20utilization%20view/h22_8.pdf)

 2010年頃

 図1、システムの構成図
 地上系も含めたシステムの全体像。

 図2、システムの構成ツリー
 表1、高精度測位実験システムの主要諸元
 図3、測位ペイロード機能系統概要図
 図4、高精度測位実験システム地上系構成図
 図5、地上系配置図
 図6、軌道上外観図
 写真1、外観写真

 図7、構成ツリー
 TT&C, EPS, SPS, AOCS, BPS, STR, TCS, INT, NP, RAFS, LTS, TTS, LRA, SP, CAM, TEDA.

 表2、「みちびき」主要諸元
 図8、地上系システム構成図
 写真2、追跡管制局(レドーム覆い前)
 写真3、追跡管制局(レドーム覆い後)
 写真4、打上げ
 写真5、打上げ(鹿児島市から)
 写真6、システム運用室
 写真7、8、太陽電池パドル南北
 表3、アポジエンジン噴射状況
 図9、衛星分離~ドリフト軌道投入図
 表4、三軸姿勢確立までの主要イベント
 写真9、みちびきから撮像した地球
 図10、打上げ後の主要スケジュール
 図11、スペクトラム(L1C+L1C/A)
 図12、スペクトラム(L1-SAIF)
 表5、JAXAの技術実証実験項目
 図13、測位可能時間率の改善の状況
 図14、ユーザ測位結果(L1C/A)


 バスシステム、ETS-8ベース。準天頂軌道に対応するように変更。
 姿勢制御。軌道傾斜角が大きいので太陽入射角が60度以上になることも。静止衛星と同じ運用では発生電力が著しく低下する。ヨーステアリングを実施。姿勢制御やパドル制御を変更。姿勢センサはSTT, ESA, FSSAを採用、定常時はSTTを用いる。
 TT&C系。クリティカルや緊急時はS帯を用いてJAXAのGN局を使用、定常時はC帯。静止衛星で使われるS帯やK帯では、静止軌道を横切る際は静止衛星に対する干渉を防ぐために運用を停止する必要がある。連続した運用を行うためにC帯を使う。
 電源系。175AhのLiIon。ロバスト性向上のため独立した2系統をダイオードORする。

 発生電力、予想値6.4kWに対して6.7kW程度確保。仕様のEOL5.3kWを確保できる見通し。
 推薬、打ち上げ後12年以上の運用に必要な量を確保。
 姿勢制御、指向精度、姿勢変更運用、精度良く制御を実施(要求値と実測値いろいろ書いてある)。
 アベイラビリティ、アンローディングや軌道制御中は軌道精度が劣化し測位サービスが提供できない。可能な限り長い周期で実施する。アンローディング、平均50日間隔。アンローディング、軌道保持共に要求をクリア。

 ペイロードやミッション。高圧系があるので放電しないように打上げ後時間をかけて実施。徐々に通電してベーキングしながら。

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 [いつでも、「どこ」が正確に。準天頂衛星システム(QZSS) 準天頂衛星初号機「みちびき」](https://www.jaxa.jp/countdown/f18/pdf/presskit_michibiki.pdf)

 QZSの利点とかのプレゼン資料。

 18ページ目、アジア・オセアニア地域のマルチGNSS。2020年頃、QZSSに米国のGPSやインドや中国のGNSSも組み合わされて、東経100度の赤道付近では35機程度の衛星が可視で使える予定。

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 [Hロケット誘導方式の変遷](https://www.mss.co.jp/technology/report/pdf/20-01.pdf)

 ロケットの誘導。大気の濃い領域(80km程度まで)は空力が小さくなるように制御を行う。軌道の誤差は空力が小さくなってから吸収する。H-IIBはAからクラスタ化等が行われたが、制御はIIAとIIBで同様。

 表1、Hロケットの誘導方式
 H-IとH-IIは軌道内面(ピッチ)・外面(ヨー)を別に制御。H-IIではISSへの補給に使う計画があったので昇交点経度の制御が追加された。H-IIAでは軌道面内外をまとめて制御する。目標軌道の設定はH-IIと同様。

 各ロケットでの誘導の詳細な話がいろいろ。

 H-IIA/Bで使われた計算機では浮動小数点が使えるようになった。いままでは固定小数点だったため、軌道によっては変数が飽和しないようにプログラムを調整する必要があった。
 H-IIまでは軌道面の内外を分離。H-IIA以降ではアリアンやスペースシャトルと同様に慣性空間での3次元ベクトルで処理。

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 [宇宙利用の技術動向と事業展開 -世界の衛生リーディングカンパニーを目指して-](https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2011/1109102.pdf)

 2011年

 三菱電機の宇宙関連の事業の話題。

 表紙の図、宇宙システムに関する取り組み
 事業規模、2020年に1500億円、2010年比2倍。衛星メーカーランキング、2008年のデータで第8位、2020年目標5位。

 ALOS-2がフライトモデル製造中、ALOS-3が予備設計中。それらの話題とか。
 それぞれのスペック。
 ALOS-3は光学衛星。JPEG2000で画像圧縮。

 準天頂衛星の話とか。

 取り組みの全体。

 // 通信衛星の話はハイスループット衛星に近いけど、まだこの頃はHTSの名前は出てこない。全電化も考えられておらず、発生電力も12kWまでの中型DS2000と8kWまでの小型DS2000しか無い。

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 [地球観測衛星(陸域観測技術衛星)「だいち」の開発](https://jpn.nec.com/techrep/journal/g11/n01/pdf/110111.pdf)

 2011年

 PRISM, AVNIR-2, PALSAR, 等。

 低熱歪構体。材料だったり設計だったり。
 姿勢制御システム。高精度な姿勢制御ができないとどこを撮ったのかがわからない。太陽電池パドルの揺れや、データ中継用アンテナやAVNIRのミラー駆動による擾乱への対策。フィードフォワードで制御したり。
 STTを採用。IRUと共にPRISMと同じ光学ベンチに搭載。3.0e-4degの精度、地上処理で1.4e-4deg。
 位置決定、2周波GPSを地上処理して1mの精度。

 高精度指向決定システム(PPDS)。既知な目標を撮影してアライメント等を推定・補正。

 データ処理・伝送システム。
 PRISMは3組のセンサで960Mbps、AVNIR-2は160Mbps、PALSARは高分解能モードで240Mbps、合計1.36Gbpsのデータ。
 PRISMとAVNIR-2はオンボードでリアルタイムにデータ圧縮、960Mbp→240Mbps、160Mbps→120Mbps。DRTS経由なら240Mbpsで送信、地上直通なら120Mbps。DRTSや地上と通信できない場所では96GBの半導体データレコーダに記録。

 データの利用例。

 NECの事業展開。

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 [人工衛星の3軸姿勢制御について](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass1969/24/266/24_266_114/_pdf)

 1975年3月

 各種の制御方式を、それを採用した衛星の例とともに紹介している。

 姿勢センサ。
 太陽同期軌道のうち軌道面の法線方向に太陽があるのがtwilight軌道、軌道面上に太陽があるのがhigh noon軌道。TL軌道は常に太陽が見えているので太陽センサが使いやすい。HN軌道は蝕対策が必要。
 地球センサはロール・ピッチを検出できる。ヨーはわからないので太陽センサを使ったり。
 レートジャイロはドリフトの対策が必要。低軌道(100分程度)であれば蝕中の誤差を補正できる。静止軌道では蝕が8時間にも及ぶので誤差が大きく使えない。
 太陽は明るいのでセンサは使いやすい。精度数分角で2軸の検出が可能。シリコン光電素子。アナログ方式とデジタル方式。
 地球センサは大気等の影響を受けやすいが高高度では影響は少なくなる。CO2の放射を使う。低高度では14-16umとか、高高度では14-35umあたり。非冷却ボロメータ。様々な方式。
 スタートラッカは惑星間や天文衛星用で使われる。北極星トラッカをATS-6(静止)で実験中。地球センサでロール・ピッチ、北極星でヨーを決定する。星座を求める方式はパターン認識が必要なので複雑。

 姿勢制御の話。
 ホイール方式。バイアスモーメンタム方式のスピン、1ホイール、2ホイール。ゼロモーメンタムの3ゼロ、3CMG(2ジンバル)、3CMG+3ゼロ、リアクションブーム。
 衛星の例。インテルサットIII、OSO、OGO、ANS、TD-1A、ニンバス、アーツ、ITOS、P72-2、スカイラブ、LST、等。
 アンローディング。
 重力傾度とリアクションブーム。
 制御コンピュータ。
 柔軟構造。
 電力貯蔵・姿勢制御兼用ホイール。

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 [小型衛星の1軸磁気トルカによるダンピング制御と重力傾度姿勢安定システム](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass/53/616/53_616_224/_pdf)
 [小型衛星に有効な姿勢制御システム](https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicetr1965/42/2/42_2_123/_pdf)

 WEOSに関する話。前者は数式多めで制御中心、後者は写真多めで機構の話とかも、という感じ。

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 [4.5 衛星の高精度軌道決定](http://www2.nict.go.jp/sts/stmg/K3-Book/Manuscript/4.5%20VLBI%20TDRS%20v3.pdf)

 ΔVLBI(Differential VLBI: DVLBI)を使った静止衛星の軌道決定。
 1982年に鹿島-平磯のK-2でCSの軌道決定を実施。
 1984年にJPLと共同でDSCS-IIの軌道決定を実施。日本1局、アメリカ2局、オーストラリア1局の大陸間にまたがった計4局。米豪がJPLのMark-IIを使っていたので、日本はK-3にMark-IIバックエンドを組み合わせて使用。4-10m程度の精度。

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 [ETS-VIの概要](http://www.nict.go.jp/publication/shuppan/kihou-journal/kihou-vol40no2/0301.pdf)

 1994年1月24日

 図1、概観図。
 図2、搭載実験機器系統図。
 図3、バス機器系統図。
 図4、軌道投入シーケンス。

 ミッション機器やバス機器の実証が目的。
 ミッション系、衛星間通信技術の実験、光通信技術の実験、パーソナル衛星通信技術の実験。バス系、ニッケル水素の実証、電熱式ヒドラジンスラスタの実証、太陽輻射圧関係、柔軟構造物関係、宇宙環境での劣化関係、H-IIロケットの測定。

 衛星のコンフィグ。主な構造とかの話。南北面にパドル、東西面に南北制御用電気推進、分離型の2液AKE。打上げ時3.8トン、静止化時2トン。

 バス系機器。TTC、Sバンド、測距も。
 電力。10年にわたって31-50Vの電力を供給し続ける。太陽電池約5.2万セル、±0.5度で追尾。
 姿勢制御。ゼロモーメンタム。地球センサ、太陽センサ、慣性基準装置、レートジャイロ、等。GTO/GEOで3軸安定。
 推進系。キセノンのイオンエンジンが2基2冗長で計4個。2液アポジ(LAPS)、1x2000N
と4x50N、ドリフト軌道への投入とGTOでのロール・ピッチ制御。ガスジェット、1液、16x1N、東西制御と3軸姿勢制御。
 熱/構体系。OSR、MRI、ヒータ、ヒートパイプで制御。南北面OSR(7.6m^2)で2kWの排熱。温度範囲の狭いバッテリ等はヒータで保温。構造部材はCFRPで軽量化。

 通信実験。ADEOS等と通信予定。国際的に使われるSバンドと、将来的に使われるであろうKaを世界に先駆けて。
 固定通信。陸地向けKa帯4本、海域向けS帯5本、移動通信用C帯。折りたたんだアンテナ。IF-SW, MPA, SSPA, TWTA.
 Oバンド。
 光通信。

 システム開発の話題。

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 [SFU推進系 ”RCS/OCTシステム”の開発](https://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/333/333182.pdf)

 1996年5月。

 図1、SFU外観図(黒つぶれして見えない)。
 図2、RCS/OCT搭載図。
 表1、RCS/OCT主要性能。
 図2、RCS配管系統図。
 図4、OCT配管系統図。
 図5、楕円断面配管変形図。
 図6、RCS/OCTサーモスタット動作説明図。
 表2、タンクに対するQT試験回数一覧。

 既存の衛星用のコンポーネントを流用して信頼性を確保しつつ、有人宇宙機の安全基準をクリアする。バルブを各所に配置して推進剤の漏洩対策をしたり、楕円形の配管を使って推進剤の凍結・解凍による膨張に対応したり。可視時間が短いので主従系の切り替えをコマンドでやると間に合わない。例えばヒータであれば主系に比べて従系を低めの温度に設定しておき、主系が動作せず温度が下がった場合は自動的に従系がONになるように、といった感じ。
 スペースシャトルの中は電力リソースが厳しいので保温がしづらい。監視や制御できる点数も少ない。いろいろ工夫が必要。
 安全性の確保。試験とか。

 推進系、かなり複雑なことをやっている。姿勢制御と軌道制御で独立した推進系を持っている。

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 [アルミ粉末混合水アークジェット推進機の開発](http://www.ea.u-tokai.ac.jp/horisawa/assets/1.pdf)

 H2OにAl粉を添加してアークジェットで吹く。NASA CEAで計算。
 投入電力によってはヒドラジンと同程度の性能。電力によってIsp300-550秒くらいか。
 ヒドラジンを水に代替できるので取り扱いが容易になる。

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 [宇宙用GPS受信機](https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl1962/35/11/35_11_861/_pdf)

 1996年11月

 GPS受信機が宇宙で初めて使われたのは1982年のLANDSAT-D、GPS衛星は4機しかいなかった。90年に入ってからは多数の例。
 日本ではOREXでの5ch(東芝製)が最初。SFUにも5ch(日立製)を搭載。ETS-7とADEOS-IIにも6ch(東芝製)を搭載。USERSやHTVも考えるとGPS受信機は日本でも重要なバスシステムになった。

 表1、宇宙用GPSの代表例。

 宇宙用GPSの特徴。GPS衛星の可視が頻繁に入れ替わる、ドップラーシフトが大きい。一方で、運動は計算的に推定できるのでカルマンフィルタが作りやすい。

 事例。絶対的な位置・速度の決定、相対的な位置・速度の決定、姿勢決定、軌道決定、着陸時の航法。

// GPSの測定原理の説明で三角測量を引き合いに出すのってどうなんだろうか? 三角測量は三角形の形、GPSは辺の距離を使うので違う気がする

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 [USERS リエントリモジュール帰還・回収に成功](http://satcom.jp/29/spacejapanmilestonej.pdf)

 2003年頃

 台風との因縁。開発時も、打上げも、回収も。

 インフラ。再突入する宇宙機を、オペレーションは陸上から(日本とケニア)、サイパンをベースに航空機を運用し、船で回収する。陸海空宇の広範囲に渡って展開される。通信のバックアップにイリジウム電話を、インマルサットで電話やメールを。リアルタイムの動画も。

 着水位置特定のためにARGOSビーコンを搭載。GPSと同様の精度であった。

 使ったインフラ、測位のGPSやARGOS、通信のイリジウムやインマルサットはすべて欧米のシステムで、日本のシステムは無かった。ユーザーとしての立場となって初めて、日本にはグローバルな宇宙システムがないことを実感した。

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 [USERS成果報告会 USERS運用(軌道上、帰還、探索回収)](https://ssl.jspacesystems.or.jp/library/archives/usef/simpo/pdf/2004_1008_USEF_Sympo_8.pdf)

 2004年10月8日

 運用中の話とか回収時のイベントとか。

 15ページ目、環境計測データ。
 エレクトロン、プロトン、アルファ粒子。SAAが見えてる(軌道傾斜角さほど高くないので南側切れてるけど)。

 ケニア・マリンディ局で連続して可視になるパスで、1回目の可視でSEM/REM分離、2回目の可視で再突入マニューバ。半周くらいして太平洋で回収。

 イベント。日没までに回収したい、というスケジュール設定だけど、10時頃に回収完了していて、かなりスムーズに進んだ感じ。

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 [USERS REM 帰還時の安全性確保の方策について](https://ssl.jspacesystems.or.jp/library/archives/usef/f8_wnew/images/020728RevD.pdf)

 2ページ目、図1、再突入軌道フットプリント
 3ページ目、図2、REM帰還時の安全上クリティカルなイベント
 4ページ目、図3、期間安全設計サマリ
 5ページ目、図4、USERS REM帰還安全設計概要

 軌道離脱モータ燃焼開始前にスピンモータでスピンアップ。分離からスピンアップまでの約100分間はモーメンタムホイールで姿勢維持(分離数時間前からMWランアップ)。MWは突然故障(停電?)しても90分は回転し続ける。

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 [GPSアルゴスシステム](http://www.isas.jaxa.jp/publications/hokokuSP/hokokuSP45/11-22.pdf)

 2003年3月

 日本は狭いので海上回収を主に行う。落下物は海にゴミを残さないために原則として回収する。海上交通の安全性の面からも、海上保安庁から回収の強い要望がある。
 1.6GHz帯の無線機で捜索。5kmまで近づかないと受信できない。
 気球本体にラジオゾンデを搭載、降下速度から落下地点を予想する。ヘリコプターも併用して捜索。天候によっては回収に時間がかかることも。
 落下後1週間程度は電波を送信し続けるシステムを開発、GPSとNOAA/ARGOSを使う。

 30分ごとにGPSで位置を取得、90秒毎に電波を送信。1回あたり8ポイントのGPS座標を送信できる。受信データから移動速度がわかるので現在位置を推定する。
 ARGOS、最大3時間、早いときで1.5時間でTelnet経由で取得できる。

 ビーコンのスペックとかいろいろ。
 古野のGPSを使用。

 気球にソニーのGPS。比較するとおおよそ一致するが数百メートルずれることも。位置情報取得タイミングの差によるものと推定。

 ARGOSの位置推定。最大1°程度(100km程度)ずれる。通常のARGOSを使った捜索は難しい。

 改良型の(小型軽量な)GPSアルゴスシステムを開発。

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 [KURでのヒドラジン分解事象の動画観察](http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/neutron/optics/workshop/20130108/20130108_08.pdf)

 1液スラスタ、触媒でヒドラジンを分解してガスを得る。
 1960年代にShell社が開発したShell405触媒が主に使われている。多孔質アルミナセラミックにイリジウムを含浸。脆く欠けやすい。
 噴射を続けると触媒が減っていき性能に影響を与える。寿命にも直結。でもどうやって減っていくかは不明。見たい。

 可視光近辺。石英ガラスやサファイアガラスでチャンバーを作って可視光や熱画像で観察。
 X線。触媒は見えるが推進剤が見えない。

 中性子ラジオグラフィ。

 ヒドラジンを可視化する困難。火気厳禁。毒物を持ち込む必要がある。

 可搬型実験装置。ケースで覆って有毒物質が漏れ出さないように。

 以降画像処理で工夫したりいろいろ。
 なかなか大変そうだ。

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 [小型実証衛星4型(SDS-4)のフライトモデル(FM)環境試験結果](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmesec/2013.21/0/2013.21__B1-1_/_pdf/-char/ja)

 2013年

 SDS-4の構造周りとか試験の話。
 // 小型実証衛星、番号が「型」なのがSDS、「号」なのがRAPIS、まぎらわしい。

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 [100kg級小型SAR衛星 MicroXSARのバスシステム検討](http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/sss14/paper/P2-219.pdf)

 2014年頃?

 ImPACTのオンデマンド即時観測SARに似てるけど、そういう話は出てこない。とすると即時観測の話は後から追加されたのかな。元々は相乗りで考えていて、誰かが「小型ロケットで必要なときに打とうぜ」とか言い出したのかな?

 SDS-1ベース。とはいえ、姿勢安定とかは4型ベースのはず。
 ブロック図とか。
 SARパドルに太陽電池を貼り付け。
 熱設計とか通信設計とかの話。

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 [超小型テレメータ受信機実用化試験 イプシロンロケットF4衛星分離確認信号カナダでの受信結果](http://www.dolphinsystem.jp/wp-content/uploads/2019/11/2f908e655e01547c8f06a56f54cf967b.pdf)

 イプシロンF4、複数衛星を分離するので既存のJAXAの地上局ではリアルタイムでテレメを受信できない。カナダ宇宙庁の地上局で受信してもらうが、同時に小型SDR受信機を持ち込んで受信試験を行った。
 キャリーケース2-3個で可搬できるシステム。
 準備期間1ヶ月。受信することを最優先に。固定ホーンアンテナとSDRで受信と復調を行い、電話で情報をやりとり。

 RF回線設計の図とかいろいろ。

 既存の地上局と比べて制約はあるが、ロケット打ち上げ時のようなスポット的な運用には使える。

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 2018年

 準天頂衛星初号機と同様にDS2000バスを採用。バス自体も機能・性能向上が行われている。準天頂軌道の2,4号機と静止軌道の3号機。2ヶ月差で並走して製造から初期運用まで。
 初号機が2020年度の運用終了を控え、後続機を開発中。これもDS2000ベース。

 準天頂軌道・準天頂衛星の話。
 2,4号の話。初号機と近い仕様。
 3号機。静止衛星。いくつか変更点。アンテナが変わったり、増えたり、他。

 システム構成のツリー図。
 2・4号機の概観図。
 3号機の概観図。

 バス。太陽電池の発電能力が向上。初号機では片翼3枚を2翼でEOL5.3kW。2-4号機では片翼2枚2翼でEOL6.3kW。バス質量を250kg以上軽量化して長寿命化。質量中心位置決定精度が向上、測位精度へ貢献。
 3号ではLバンドアンテナが変更された。従来のヘリカル型からパッチ型へ。静止軌道用として開発したが、準天頂軌道へも適用可能。初号機後続にも採用。
 ペイロードサービスユニット。L6信号関係。DS2000バス機器をベースに開発。

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 [HTV搭載小型回収カプセル(HSRC)の航法・誘導モジュールの機能紹介と実運用結果](https://www.mss.co.jp/technology/report/pdf/30_01.pdf)

 従来の日本の再突入機、無誘導のため、空力による影響で落下点の分散が大きい。
 誘導制御を行いながら、低加速度での再突入を行う。4G以下、半径10km以内。

 制御モジュールと誘導モジュール、それぞれMHIとMSSが担当。

 制御の話とかいろいろ。

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 [極超音速飛行実験機の運用及び通信追尾概要](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass1969/45/526/45_526_663/_pdf)

 1997年

 HYFLEX、J-Iロケット試験機1号で打ち上げ。テレメやトラポン、移動局とか。再突入時にブラックアウトが発生するのでオンボードで記録して通信回復後に再生。

 通信関係の諸元いろいろ。周波数とか機体側のアンテナ、地上局の諸元等。

 テレメータ。81.92kbps、VHFとUHFで同内容の冗長化。周波数によるブラックアウトの差の観測とか。J-I第1段のVHF送信機と同じ周波数なので分離後に電源投入。
 レーダ。Cバンドのトランスポンダ。J-1ロケットと同一周波数なので分離後に電源投入、識別パルス間隔を変更。
 テレメは2/5W(V/U)、トラポンは400Wpeak。

 地上局とか解析とか。

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 2013年

 1ページ目、飛行安全システム全般
 地上局の配置とかロケットの搭載物とか。
 3段はスピン安定なので指令破壊機能は搭載なし。
 1段飛行中は2段・3段がフェアリング内に収納され、フェアリングは電波透過性がないため、第1段にもアンテナを搭載。

 2ページ目、指令破壊用火工品
 第1段、LSC8本。第2段、LSC2本。第3段、CSC2個。
 横から見た図は位相を合わせてないっぽい。上下方向の位置の目安。

 3ページ目、飛行安全を確保するための処置
 判断基準とか破壊方法とか。
 フェアリング分離信号後にフェアリングが分離されない場合は自律破壊。フェアリングがついたまま1/2段が分離されると2段目の指令破壊が行えないため。
 他いろいろ。

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 1980年

 ECS-bの話。
 最初の方でNロケットの諸元、以降衛星の話。
 Nロケットの諸元も結構細かく書いてある。

 図1、Nロケット全体図
 図2、ECSの飛行計画概要
 図3、ECS軌道地表面軌道予定図
 表1、Nロケット主要諸元
 図4、ECS機構図
 表2、ECSの主要諸元
 図5-1、上面側搭載機器配置図
 図5-2、下面側搭載機器配置図
 図6、通信系ブロック図
 図7、トランスポンダ・サブシステム・ブロック図
 図8、TTCサブシステム・ブロック図
 図9、送信用K, Cバンドアンテナ放射パターン
 図10、受信用K, Cバンドアンテナ放射パターン
 図11、Cバンドオムニアンテナ放射パターン
 図12、代表的VHFアンテナ放射パターン
 表3、ECSアンテナ装置特性
 表4、ロータリージョイントの諸元
 図13、120MHz帯域周波数振幅幅特性
 図14、40MHz帯域周波数振幅特性
 図15、10MHz帯域周波数振幅特性
 図16、入力特性
 図17、入出力特性
 図18、120MHz帯域モード 帯域内群遅延特性
 図19、40MHz帯域モード 帯域内群遅延特性
 表5、トランスポンダ送受各モードでの主要電気性能一覧
 図20、AM-PM変換特性
 図21、K/K及びC/Cモードでの入出力電力テレメトリー出力電圧特性
 図22、K/K及びC/CモードでのAGC出力テレメトリー出力電圧特性
 表6、テレメトリー出力レベル特性一覧
 表7-1、TTC系VHFトランスポンダ主要諸元
 表7-2、VHF上/下回線変調パラメータ
 表9、太陽電池諸元
 表8、コマンド及びテレメトリー項目一覧
 表10、電力分配予測値
 表11、トランスポンダの消費電力
 表12、ECS重量配分表

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 [MICROCHIP 宇宙ソリューション](http://ww1.microchip.com/downloads/jp/DeviceDoc/00003015A_JP.pdf)

 マイクロチップの宇宙向けラインナップ。

 実績とか。衛星、ロケット、ランダー。
 採用された実績の一覧。50年代だとアポロとか、2000年以降だと日本の衛星もかなり多い。

 耐放射線FPGA。ラインナップ様々。
 耐放射線マイクロコントローラ。8bitAVRと32bitARM。(PICは書いてない)
 ARMの宇宙用特化型、SpaceWire, 1553(BC/RT), CAN FD,等にも対応。
 SPARCアーキテクチャとか、GNSS SoCとか、SpaceWireルータとか、メモリとか。
 カスタムASIC、ミクストシグナルASIC。
 年4回のマルチプロジェクトウェハーで短納期試作。
 その他様々。フルカスタムとか、IPとか、POLとか、ディスクリートとか。
 DCDCコンバータ。SAWフィルタ、その他フィルタ。TCXO, XO。
 チップスケール原子時計(CSAC)。
 他にも色々な製品。開発環境とかも。

// 日本のキューブサットだとPICは飛行実績抜群だと思うんだけど、オフィシャルにはPICは宇宙用の製品は作られてないんだなー。普通のやつでもわりかし動いちゃうからわざわざ宇宙用に仕立てる旨味が少ないってことかな。

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 [高精度気象観測システムの実現に向けたひまわり8,9号の衛星システム設計](https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2014/1402106.pdf)

 衛星の外観図。
 7号との比較とか。
 パドルの配置。観測機器(光学ベンチ)の放熱面を北に配置し、パドルを南の片方とすることで、放熱面の視野に障害物が入らないようにする。
 低熱歪設計。
 高精度姿勢制御システム。IRUを従来の16Hz→128Hzへ、ARSを512Hzで。地上へ伝送し姿勢決定。SpaceWireで接続。
 解析とか試験とか。

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 [低高度軌道衛星からの無線データ伝送の世界最高速(毎秒 2.65 及び 3.3 ギガビット)を達成](https://www.t.u-tokyo.ac.jp/shared/press/data/setnws_202008071031036724913159_740805.pdf)

 2020年8月3日付
 東京大学と慶應義塾大学のプレスリリース

 RAPIS-1のX帯伝送実験。2偏波多重、64APSKと256APSK。地上側アンテナ10m。

 表1、地球観測衛星の直接データ伝送通信
 WorldView2, ALOS-2, Dove, RAPIS-1, NISAR。

 表2、開発した直接データ伝送システム
 図1、開発された超高速X帯送信機と偏波共用中利得アンテナ
 図2、RAPIS-1衛星と受信アンテナを含む直接データ伝送システム
 図3、10mアンテナで受信した信号のIQコンステ
 図4、衛星コンステのイメージ

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 1972年2月

 図1、世界商業衛星通信需要予測
 表1、おもな宇宙通信・実験の記録
 図2、インテルサット通信衛星の概要
 図3、インテルサットIII号系衛星の静止位置とそれらの衛星を使う地上局
 図4、モルニヤ衛星
 図5、衛星通信地上局アンテナ(KDD茨城地上局、直径27.5m)
 図6、2ホップ衛星通信
 図7、衛星間中継通信方式
 表2、各種マルチプルアクセス方式の比較(FM/FDMA, SPADE, PCM/TDMA)
 図8、PCM-TDMA方式
 図9、マルチビーム衛星通信方式
 図10、大気圏通過の衰退(1-100GHz / dB)
 図11、降雨による衰退(1-100GHz / dB/km、1,10,25,50,100mm/h)

 衛星通信黎明期の、主にインテルサットを中心とした話。
 最初は低軌道衛星を使っていたけど、ウインドウが狭いので大量に打上げて、今で言うLEO通信衛星コンステを作りたい、という見込みだったけど、先にロケットの高性能化が進んで静止衛星が実用になった。電波的にマルチアクセスが大変なのでどうするか、みたいな話。

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 ワイヤレス関連の何かの資料。
 1ページ目、通信系の無線化。重量で10%程度を占める計装系のワイヤレス化。軽量化だけでなくコンポーネント配置自由度や試験の効率化も。従来は試験時にケーブルを接続する必要がある。無線通信ではそれが不要なので、準備期間の短縮、ヒューマンエラーの低減等。
 2ページ目、電力の無線化。Int-Ballの写真とか。金属で囲まれた宇宙機での給電。月面ローバーの例。磁界透過型MLIを使用し、太陽電池からワイヤレスで給電する。月面は温度環境が厳しいので、電力をワイヤレス化すると配線からの熱リークを無くせるため、熱設計で有利に。給電、周波数でおよそ3種類に分類。

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 [超低高度軌道変換衛星の概念設計](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass1969/26/298/26_298_597/_pdf/-char/en)

 1979年

 超低高度軌道変換衛星、DAS(Dive and Accent Satellite)。
 高度100km付近を直接観測したい。ロケットだと一瞬で通り過ぎる。衛星で観測。この高さが使えればリモセンにも有利。

 3章、衛星システムの概要。
 近地点110-160km、遠地点1000km、i70。スピン安定の前方にヒートシールドと、空力影響を避けた前方にプローブを設置。質量250kg。トータル470m/sのΔV能力(再着火可能)。
 軌道制御の典型例。1000kmくらいの円軌道に入れた後、減速ΔVで近地点を160kmまで下げる。遠地点は適宜加速して維持しつつ、近地点を110kmまで下げながら観測。

 4章、空力特性、希薄気流効果。
 135km以上では分子間衝突の無い自由分子流、それ以下では遷移流領域。
 この衛星だと110kmでの抗力は10N、130kmでは1N。
 その他いろいろ。

 5章、軌道解析。
 近地点100-140kmで遠地点500,1000,2000,3000kmからの軌道寿命。数周から100週程度。搭載エンジンで遠地点を維持すれば、近地点110km以上で実現性がある。
 1週ごとに加速することが望ましいが、コンタミの影響を考えると回数を減らしたい。最大抗力より1桁大きい数百N以上、インパルス近似するには1kN以上の推力が必要。

 6章、姿勢制御解析。
 前面はヒートシールドがあるので姿勢センサが取り付けられない。ロケット保安の関係上、太陽周期衛星(今で言う太陽同期軌道?)が設定できないため、太陽入射角が変化する。
 姿勢制御の目的、増速の方向の制御など。
 短周期ではガスジェット、長周期では磁気トルカで制御。
 姿勢変化の解析例。
 地球観測を常時行うのであれば3軸制御が必要。重心やエンジンのミスアライメントを実現不能なほどに小さくする必要がある。風見安定は得策だが未検討。
 
 7章、熱解析。
 近地点では空力加熱が支配的。180km程度で太陽輻射と同程度、110kmでは10倍。離心率が大きいので入熱量も変化するが、近地点の前後10分を除けば小さい。ヒートシールドで保護する計画だが、スピン安定なので近地点前後では迎角が発生し、側面の太陽電池も空力加熱を受ける。
 熱解析。115x1005km。機器類は310K程度で安定。ヒートシールドは最大600Kくらい。
 シールド、サンドブラスト金属かカーボン・カーボンが適当。

 8章、電力解析。

 9章、運用解析。
 パス数が少ない、可視時間も短い。5分程度。この間に軌道決定や軌道制御を行う必要がある。
 日本の地上局を使う場合、搭載コンピュータによる処理が必要、かなり問題がある。
 近地点を南半球に設定して、日本の地上局を遠地点付近にすれば、忙しいが実行可能。遠地点を数千kmにすればいっそう容易。
 搭載コンピュータは未開発ではあるが、搭載コンピュータを使う方式も検討。近地点では大気密度が大きく、加速度計を使えば軌道周期や位相を計測できる。姿勢センサも合わせれば軌道や姿勢の推定、軌道制御や姿勢制御も行える。ROM/RAMともに4Kワードと見積もり。消費電力の観点から問題が残る。
 中継用静止衛星の検討。DASに搭載可能なフェーズドアレイアンテナは電力束密度を満足できない。5kbit/sec程度しか送れない。

 10章、軌道変換用推進システム。
 余裕をとって10回の噴射を行えるシステム。姿勢制御はガスジェットを使うとして、主推進システムには推力中断・再着火が可能で470m/sの増速ができ、小型・高密度で宇宙貯蔵性の高いシステムが必要。
 旧NALで開発中のTMC(Thrust Magnitude Control)固体ロケットがあり、DAS搭載用を試作中。過酸化水素ガスをバルブで制御して固体燃料が入った燃焼室に入れる。直径300mm、長さ300mm、質量33kg、端面燃焼、2.3kN、Isp275sec。/* 固体燃料というか、ハイパゴリックなガス・固体系ハイブリッドと言う感じ */

 11章、終わりに。

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 [搭載型光ディスクデータレコーダの研究について](https://laser-sensing.jp/16thLSS/G2.pdf)

 1993年

 従来は磁気テープレコーダ。大容量化や柔軟性が必要。光磁気ディスク方式を使う。ODR(Optical-disk Data Recorder)。

 表1、記録メディアの比較。
 ADEOS-IIに搭載予定のODR2種類と従来のJERS-1やADEOSに使用されていた磁気テープ。電力や体積の使用リソースを下げつつ記録容量アップ。ランダムアクセス可能になる。

 ディスク8枚16面に記録。4枚ずつ逆向きに駆動してトルクを相殺。A系B系で冗長化したり2倍の容量(22GB+22GB)を使ったり。SCSIインターフェース。
 ヘッド2組乗せれば書き込みと読み出しを独立して行える。

 半導体メモリ技術の進展は目覚ましい。数百MB程度までは開発されている。数十GBの要求に応えるのは現状では不可能。大容量性に優れるODRが必須。

***

 [無数のドローンが飛び交う状況になる前に考えたいこと](https://j-nav.org/space/presentation/201710_Element_Technology_of_DRONE.pdf)
 2017年10月21日

 多数のドローンの衝突防止とか、悪意を持った(管理外の)ドローンの検出方法の話。
 ADS-BやAISを使う場合や、独自の手法の提案とか。

 モードA/Cに応答するトラポンを載せて受動SSRで監視する。受動SSRは同時期にMSSが提案していた資料と同じ筐体なので、同じものを使っているんであろう。
 ADS-BやAISによるブロードキャスト。

 これらの欠点。なりすましが防げない。悪意を持った相手は応答or放送してくれない。偽装も簡単。
 受動PSRの提案。少なくとも有人ヘリの大きさなら見える。イメージとしてはバイスタティックレーダーかな。/* ドローンの大きさでも見えるんだろうか? */

 他の提案。ドローンにトランシバーを載せて、専用のトランシーバーを載せたスマートフォンと通信(地上のスマートフォンはボランティアに頼る)。複数のドローンのデータをまとめてサーバーに転送することで携帯通信網の輻輳を防ぐ。/* かなり無理がありそう */

 レーダーの試作。10GHzのレーダーを試作してドローンに当てた図。ローターからの正負のドップラーシフトが見えるので、これを検出すればドローンだけを表示できる。/* ドローン本体の反応が出てないんだが、本体がローターよりRCS小さいってことあるか? */

***

 [空中衝突を防げ! 航空機衝突防止装置の開発、標準化へ挑戦と苦戦](https://www.jstage.jst.go.jp/article/bplus/5/2/5_2_154/_pdf/-char/ja)
 2011年

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 [環境対策用 船内周波数変換装置の開発](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jipe2003/34/0/34_0_82/_pdf/-char/en)
 2008年5月31日

 入港中にも船内の電気設備を動かす必要がある(例えば冷蔵コンテナの冷却器)。従来は船の発電機を使用していたが、港周辺でNOxやSOxの濃度が高くなる問題がある。港から受電して、船の発電機を停止したいが、供給される周波数は国によって異なる。船内は60Hzなので、50Hzの国では受電できない。周波数変換器を作り、それを船に乗せることで、50Hzの港でも受電できるようにする。

 サイリスタでコンバータ・インバータを構成。ホイールで平滑化し、瞬停時(100ミリ秒以内)にもホイールから供給。短絡(300%)2秒供給可能。

 最初のページに概要、最後のページに質疑応答。
 陸上・船舶の電源切り替えは船内を停電させた上で行う。技術上は並列運転が可能だが、規則上の制限がある。

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 [すばる主焦点カメラハイパー・シュプリーム・カムに搭載されたCCDイメージセンサの開発](https://www.hamamatsu.com/resources/pdf/news/2013_07_31.pdf)
 2013年7月31日
 浜松ホトニクスの資料。

 HSC CCDの概要。遠くの天体を見るために赤外線感度を高めたり。画素ピッチ15um、2048x4096px、-100℃で動作。
 特徴。裏面入射型で厚い完全空乏型。シリコンが厚いので薄膜を支える構造が不要。有効受光面を90%まで改善(標準CCDでは21%)。タイル状に並べるときに有利。116個の画素を並べるので、すべての画素の高さが揃っている必要がある。
 デジカメ用CCDとの比較とか。
 参考資料。浜ホトのCCD関係の開発経緯。

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 H-II8号機の安全対策の話とか。

 破片の話とか。

 8号機で第2段を高度化。
 LH2/LOXタンクを一体型→分割型へ。共通隔壁を削除、製造コスト低減と運用性向上。他。
 エンジンのジンバリング、油圧式→電動アクチュエータ。
 LH2が0.6t増、LOXが1.1t増で、推進剤搭載量の増加。
 エンジン、LE-5A→LE-5B。変更点。

 推進剤タンクの図、LE-5A/LE-5Bの図。

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 [H-IIBロケットタンク構造の高信頼性化](https://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/425/425234.pdf)
 2005年

 ロケット推進薬タンク、宇宙事業のコアコンピタンスの一つ。DeltaIV用としても輸出。ISSの与圧モジュールにも。
 FSWと一体型ドームを開発。H-IIBにも適用。

 H-IIAとH-IIBの違い。
 H-IIBで推進薬タンクを新規開発。

 アイソグリッドパネルを曲げてから溶接し、ドームを溶接。
 TIG溶接を採用しているが、前処理に時間を要する、作業が難しく品質維持が大変、等。FSWを適用し高信頼性化。
 ロケットタンクに使える高品質なドームは海外の2社程度。海外に依存。国産化したい。

 FSW。工具を強く押し当てるので裏に治具が必要。周方向に適用するのは難しい。
 裏に治具が必要ない工具を開発、適用。世界のロケットでも円周へFSWを適用した実例は報告されていない。
 サブスケールやH-IIAサイズで確認。

 ドームのスピニング成形。

 H-IIBへの適用計画。

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 [シャープにおける太陽光発電実用化の歴史と今後](https://www.ieee-jp.org/section/kansai/activity/pdf/IEEE_Milestone_of_Solar_Cells_(Suzuki).pdf)

 2010年4月9日

 主に過去の実績とか出来事とかの一覧。

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 [宇宙用単結晶シリコン太陽電池](https://corporate.jp.sharp/rd/journal70/pdf/70-14.pdf)

 1998年4月

 当初は2cm*2cm*300umで10%程度。4cm*7cm*100umで17%まで改善。EoLで8%から12.5%に改善。

 1章、宇宙用太陽電池に要求される性能。

 表1、主な評価試験。

 ガリウム砒素等の高性能なものもあるが、高価なため、人工衛星用にはシリコンが多用される。


 2章、宇宙用太陽電池の開発の歴史。

 図1、太陽電池の交換効率の変遷。
 時代ごとの効率とか、それを搭載した衛星の名前とかが書いてある。

 図2、宇宙用太陽電池の構造。
 Conv, BSF, BSR, BSFR, NRS/BSF。


 3章、シリコン太陽電池の技術。


 むすび。

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 [地球センサESG-100シリーズ](http://satcom.jp/41/capitalproductsj.pdf)

 2005年

 NEC東芝スペースシステム(NTスペース)の地球センサ。1971年開発開始。
 2台の検出器で地球の赤外線を感知。鏡を機械駆動することでスキャン。
 1.3万kmから6万kmまでの範囲で使用可能。出力レート8Hz。線形範囲や補足範囲。質量2kg前後、消費電力4.7Wtyp。

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 2021年

 三菱電機、JAXAが開発しているSLIM/MMXのシステム開発を担当。
 SLIM、日本では初の重力天体への着陸。従来の着陸精度がkmオーダーに対し、100m以内のピンポイント着陸を目指す。
 MMX、火星への往復とフォボスへの2回の着陸。13台のミッション機器。通信遅延が最大40分になるため、SLIMの着陸技術を応用して自立着陸させる。

 表紙の図。MMX, SLIM, HTV-Xをベースとする月と惑星探査のロードマップ。


 1章、まえがき。


 2章、SLIMの開発。
 
 全体の概要とかいろいろ。

 図1、SLIMの外観イメージ。

 表1、主要諸元。
 ドライ200kg、ウェット730kg。ブローダウン、2x二液500N、12x二液20N。CAM, RAV, LRF, STT, IMU, CSS。Sバンド(最大32kbps)。SAP最大240W、バッテリ10Ahを8直列。

 図2、SLIMのシステム概要。

 図3、着陸シーケンス。

 図4、SLIM熱構造モデル(振動試験装置に設置状態)。


 3章、MMXの開発。

 図5、MMXのミッション。

 図6、MMXの外観。
 全体構成、探査モジュール、復路モジュール、往路モジュール。

 表2、主な諸元。
 質量約400kg、電力2kW、ミッション期間約5年。
 ミッション機器。SMP, SRC-SUB, MEGANE, OROCHI, TENGOO, LIDAR, MSA, CMDM, Rover, SHV, P-Sampler, IREM, MIRS。

 図7、航法誘導技術。

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 2011年

 観測機器の高度化によって、今までは計測対象ではなかった、姿勢変動の高周波成分が問題になってきた。いままでのIRUは10Hzまで、STTは1Hzまでしか計測できない。ARS(高周波角速度センサ)と組み合わせて姿勢決定を行うシミュレーションを実施。
 ARSは2Hzから1kHz程度まで。DC付近は決定できないのでIRUと組み合わせて使う。

 STTとIRUの組み合わせで低帯域(~10Hz)の姿勢決定を行う。
 IRUとARSの組み合わせで~200Hzまでの角速度を計測する。
 姿勢決定値と角速度を組み合わせて広帯域な姿勢決定を行う。

 図1、IRUとARSの角速度観測特性モデル。
 図2、広帯域姿勢決定系の全体像。
 図3、ARSの角速度観測値に乗じる周波数重みの特性。
 図4、相補フィルタによって実現される角速度観測特性。
 図5、模擬生成した衛星各軸の姿勢変動。
 図6、各センサのテレメトリデータ。
 図7、姿勢決定値と決定誤差。

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 [小型衛星による宇宙開発の新しい取組み](https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2021/2102107.pdf)

 2021年

 小型実証衛星2号機(RAISE-2)関係の話題。

 1章、まえがき。
 表1、RAISE-2の実証テーマ。

 2章、実証衛星標準プラットフォームとしてのRAISE-2設計思想
 2.1.1、電源インターフェース。
 2.1.2、データ通信規格の共通化。実証テーマ機器、RS422とLVDSが主流。データフォーマットを統一化する。今後の号機で必要であれば1553B/SpaceWireも搭載可能。
 2.2、リソース余裕。
 表2、リソース余裕。
 2.3、実証テーマ機器インターフェースの簡略化・標準化。
 図1、機器搭載エリア。
 2.4、民生部品活用による低価格化。
 2.5、実証テーマ機器の多様な運用ニーズへの対応。

 3章、ロバスト性・サバイバビリティ設計。
 3.1、ロバスト性・サバイバビリティ設計。
 図2、RAISE-2バスの構成。
 3.2、高信頼性SCPによるFDIR機能。
 3.3、太陽電池(SAP)。
 3.4、バッテリーセル。

 4章、利便性に優れた実証テーマ運用環境の実現。
 4.1、地上システムの利便性。
 図3、地上システム構成。
 図4、地上計算機及びネットワーク。
 4.2、運用基本パターンを用いた効率的な運用。
 4.3、余剰リソースを用いた高頻度運用。
 4.4、実証テーマ機器の多様なニーズに対応した運用。
 表3、実証テーマニーズに応じた運用。

 5章、むすび。

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 1998年

 1章、まえがき

 ISASの衛星、25種類。東芝は12機にコンポーネントを提供。

 表1、わが国の科学衛星に搭載された東芝製の機器
 1979年のCORSA-b(はくちょう)から96年のMUSES-B(はるか)までと、この時点で未打上げのLUNAR-A/PLANET-B。
 超硬X線観測装置、地平線検出器、スターセンサ、粒子X線モニタ、太陽フレアモニタ、X線集光センサ、トランジェントソースモニタ、太陽センサ、X線全天モニタ、オーロラテレビカメラ、スタースキャナ、電源系、超高精度太陽センサ、GPSR、紫外線分光計。

 2章、センサ類
 図1、惑星探査機MUSES-C用ライダシステムの構成
 図2、ライダ送信用Nd:YAGレーザ
 図3、SiCミラーを用いた望遠鏡の振動試験

 3軸制御衛星用のスタートラッカ、スピン型衛星用のスタースキャナを新たに開発。FPGA化やデジタルフィルタ採用等で約1kgまで小型・軽量化の目処を得た。MUSES-C搭載STTの開発に活用。
 小型カメラの開発を予定。CCDに比べて低消費電力・小型なCMOSセンサ。

 3章、電源機器
 東芝はわが国で唯一の宇宙用Ni-H2バッテリセルのメーカー。セルの特性まで含めて最適化した電源を提供できる。

 図4、ASTRO-E電源系の基本機能構成
 従来の+28Vから+51Vにすることで電流を下げてロスを低減。電源回路にトランジスタ等の素子が直列で入らないため低ノイズ。

 軽量化の話題。ASTRO-Eでは電源系のうち約79%がバッテリの重量。バッテリの軽量化が特に重要。
 CPV(Common Pressure Vessel)型Ni-H2セルを開発。
 リチウムイオン電池の開発も。原理的に化学電池で最も軽量化が期待できる。

 図5、Ni-H2バッテリセル(35Ahセルと100Ahセル)

 4章、あとがき

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 [姿勢決定制御系におけるSiLS, HiLSを介した段階的開発手法の検証](https://core.ac.uk/download/pdf/235011192.pdf)

 2018年1月26日

 よくもわるくも院生の論文という雰囲気。

 最初の方にASTRO-Eの姿勢制御系の構成とか地上試験の構成の図がある。

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 ["れいめい"衛星の開発と小型高機能衛星の展望](https://www.jstage.jst.go.jp/article/kjsass/56/651/56_88/_pdf)

 2008年

 1章、はじめに

 小型科学衛星INDEX(Inovative Technology Demonstration Experiment)、72kg、3軸制御(3分角)の小型衛星。工学(システムの軌道実証)と理学(オーロラ観測)を目的に打上げ。

 2章、"れいめい"衛星の概要

 2.1、オーロラ観測と工学ミッション

 高性能小型搭載機器の開発プログラム"STRAIGHT"の成果。プロセッサ、スタートラッカ、リチウムイオン電池、など。
 ISASインハウスで開発を行い、メーカーが開発できないような衛星を作る。
 72kg、72x62x62cm、150W、テレメ132kbps、3軸制御3分角。100kg以下では世界に類を見ない高性能な小型衛星。
 使える衛星として実証するために理学ミッションも搭載。しっかりとした目的があることでブレずに開発できる。

 2.2、衛星システムの概要

 表1、”れいめい”衛星の主要諸元。
 図2、太陽集光型パドルを展開した”れいめい”衛星の外観
 図3、”れいめい”衛星のシステム構成

 ほとんどの制御機能はSH3(60MHz)を3重多数決で。

 3章、衛星機能の信頼性確保と低コスト化

 3.1、衛星機能の信頼性確保

 各国の衛星の軌道上での不具合を分析。不具合の41%は打上げ後1年以内。特に電源系が48%、データ処理系で46%。宇宙用信頼性部品を用いており、偶発故障寿命は数年以上に設定。不具合のかなりの部分は不適切な設計と、それを発見できなかったことが原因。不適切な設計に対する不具合に対しては冗長化設計は意味がない。
 要求寿命3年程度以下の衛星の低コスト化戦略。「ほとんどありもしない偶発故障を恐れない」を始めとして様々。INDEXは新規開発の電池のみ2系統化。それ以外は地上試験や解析で信頼性を確保。

 3.2、低コスト化

 図4、”れいめい”衛星のコスト内訳

 安易な民生機器の搭載は実施しない。ただし民生機器の機能が著しく高い場合は改修を実施して搭載。GPSやFOG。

 4章、”れいめい”の衛星開発

 4.1、開発体制
 表2、”れいめい”衛星の開発従事者数

 4.2、スタッフの意欲を引き出す衛星開発
/* 学生のモチベーション維持の話はASTRO-Hの時にも言われてたような話が */

 4.3、実施状況

 図5、”れいめい”の統合化制御装置の開発体制

 CPUボード。SH3の3重多数決システム。STRAIGTHプロジェクトで開発。"はやぶさ"、"かぐや"にも搭載。
 コマンド処理ボード。"すざく"搭載と同一。

 統合化制御装置。FPGAの移植(SRAM型→ヒューズ型)に手間取った。様々な機能が統合されている。それぞれの試験が直列に並ぶので大きな時間を費やす必要がある。試験方法まで考慮した上での設計が必要。

 5章、打ち上げと軌道成果

 5.1、ドニエプルロケットによる打ち上げ
 H2Aのピギーバックとして期待。機会がないまま開発。OICETS(きらり)がドニエプルで打上げられることが議論され始め、それのピギーバックとして打上げ。

 5.2、軌道上成果

 6章、小型衛星の展望
 図7、小型衛星の将来展望

 6.1、制御精度1分角、重量300kg級の小型衛星
 スペースの関係でリアクションホイールを1機、バイアスモーメンタムで残りを磁気制御。100kg級衛星として類を見ない3分角の制御精度。ホイールのある軸は容易に1分角を達成している。
 関係者の要望を集約。250-400kg、1000W程度の規模。2011年打上げを目指して開発。
 地球観測・災害監視の分野での他国の状況。EROS-B, TOPSAT, TacSat-2。300kg級/10億円台であれば国際競争力がある。

 6.2、発展型の高機能小型衛星

 6.3、超低価格な3軸姿勢衛星
「いずれは、ユーザーが小規模な宇宙企業からソフトウェアや3軸小型衛星キットを購入し、ちょっと高級なラジコン飛行機やログハウスを作るように、衛星の組み立てや試験を実施して宇宙に打ち上げられるようになることが目標である」

 7章、おわりに

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 [VERAアンテナ開発~2ビームアンテナの実現~](https://www.miz.nao.ac.jp/vera/system/files/matsumotos.pdf)

 2014年6月3日付

 2ページ目、目次

 3ページ目、1. はじめに

 4ページ目、2. 三菱電機の宇宙観測機器開発の歩み

 1960年代、アンテナ開発黎明期。カセグレンアンテナ、自動追尾の実用化。
 1970年代、大型アンテナ技術の確立。高精度鏡面パネル技術の確立。
 高精度自動追尾技術の確立。高精度測距測角技術の確立。
 1980年代、大型アンテナ技術の確立。超大型駆動制御技術の確立。
 199年代、超高精度アンテナ技術の確立。指向精度、鏡面精度の高度化。
 2010年代、大型国際プロジェクトへの参画。ALMA,TMT等。

 各年代ごとの製品の例。東京大学18m、KDD20m、サウジアラビア32m、英国32m、野辺山45m、ISAS64m、野辺山10m、臼田10m、科学衛星追跡用34m、VERA20m、ASTE、JAXA GN、JAXA勝浦S/X、ALMA/ACA。ぐんま望遠鏡、すばる望遠鏡、なゆた望遠鏡、SOLAR-B、TMT。

 5ページ目、3. VERA2ビームアンテナ開発。

 6ページ目、サイエンスからの要求。帯域、口径、最大離角、光路長差。
 7ページ目、いくつかの案の評価。案A、シングルビームを2台で同時観測。案B、シングルビームを1台でスイッチング(首振り)。案C、2ビーム。
 8ページ目、案B(シングル+首振り)の詳細。
 9ページ目、案C(2ビームアンテナ)の詳細。
 10ページ目、案C2、ホーン市を最適化したカセグレン形式の2ビームアンテナ。
 11ページ目~、光路長差の補償方式。

 16ページ目、4. エピソード

 17ページ目、5. 終わりに

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 [摩擦撹拌接合法によるSバンド導波管の組み立て](http://www-linac.kek.jp/linac-paper/2019/pasj2019/pasj19-smatsumoto-frph012.pdf)

 2019年頃

 導波管、無酸素銅の矩形管に、機密を維持するフランジ部品を接合して作る。
 これまでは電子ビーム溶接(EBW)を使用。加速器の場合、数は多いがバリエーションは10種類程度。同種類の導波管を一気に作れるので低コスト化が可能。
 14年度開始の増強計画では再配置や新設など、一点物が必要になり、EBWやロウ付けではコストが高くなる。
 品質を維持しつつ、少量生産に向く方式を探す。

 導波管のスペック。WRJ-3。厚み5mm、2856MHzで使用。VSWR1.05以下。許容電力300MWpeak、平均電力10kW。許容真空漏れ1.3x10^-10Pa m^3/sec以下。

 摩擦攪拌接合法(FSW)の簡単な説明。

 接合試験。断面観察とか、引張強度試験とか。

 組立と試験。
 FSWの国際特許は英TWI社が保持。TWIにライセンスを締結した会社へ依頼。
 接合後にHeでリーク試験。0.4x10^-10Pa m^3/sec以下。
 高電力試験。

 まとめ。

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 [超精密切削金属鏡の望遠鏡への応用](https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/13-05-gijutsu2.pdf)

 1984年

 ガラス鏡と金属鏡の比較。銅、アルミ、石英ガラス、パイレックス、ガラス、ベリリウム。金属鏡とガラス鏡の比較。
 ガラス鏡の製造コスト、口径の2.7乗。口径が大きいほど切削鏡が圧倒的に優位。

 NC加工で試作。1つ目は経年劣化が激しかった。旋盤のチャックによる歪みが原因。2つ目は熱処理を加えることで解決。半値角2秒角程度で半年以上ほとんど変化なし。切削痕の影響で20秒角くらいのハローが生じる。表面粗さの1桁近くの改善が必要。たぶん達成できる。

 将来の大口径望遠鏡の建設計画。
 現在の案、5mの単一鏡。/* たぶんすばる望遠鏡の最初期の案 */
 諸外国の計画に比べて大幅な後塵を拝する。しかし単一鏡で5mを超えるのは困難。
 中央部のガラス鏡で高解像度の観測を行い、周辺部の軸外し金属鏡で光度を得る、複合望遠鏡の概念図。
 レーザー核融合やX線物理学などに応用する目的で大口径の金属鏡を開発する計画も。

 かつてアメリカでアルミの金属鏡が作られていたが、歪みが大きくて金属鏡の評判を落とした。最近はヨーロッパで金属鏡を用いる計画がある。

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 2014年

 1章、はじめに、すばる望遠鏡との比較
 すばるは口径8.2m、厚さ20cm。TMTは口径30m、セグメント対角1.44m、厚さ4.5cm。
 TMT、米Keckの継承・発展。

 すばるの口径比は約F/2、TMTは約F/1。鏡筒が短いので軽量化やコスト軽減に寄与。

 図1、主鏡セルに載った主鏡のCG図
 表1、TMT望遠鏡光学系の主要パラメーター

 2章、セグメント鏡の特徴

 1枚鏡のように周辺を光学的に使用しない方法が使えない。フチをどうやって磨くか。
 4カ国(日米中印)である程度磨いてから米国に送りイオンビームで加工。最終処理を米国が担当するので各国の微妙な誤差を吸収できる。

 3章、セグメント鏡の配置、支持、制御

 図2、主鏡セグメントの配置パターン

 82枚6グループからなる492枚の鏡が配置される。82枚はすべて異なる形状。実際には7グループ574枚を作成し、保守に使用(抜け目を作らずに再蒸着が行える)。

 図3、主鏡セルに搭載された主鏡セグメントの一部
 図4、一つの主鏡セグメント、支持機構、主鏡セル
 図5、試作セグメント鏡

 すばるとTMTの違い。

 4章、日本の貢献。

 すばるでは鏡材・研磨ともに米国。TMTでは主鏡鏡材のすべてと研磨の30%を日本が担う。

 超低膨張ガラス。使用温度範囲が決まっているのでTMT用に低い温度範囲で使える低熱膨張ガラスを開発。

 「望遠鏡にとって主鏡は「華」である」各国が研磨を希望。
 すばるの大きさは日本では作れなかった。TMTであれば日本メーカーでも研磨できる。
 キヤノンと試作。曲げ研磨法は日本で実績がなかったので別の方法で。結局は曲げ研磨法を使うことに。

 曲げ研磨法。非球面と球面の差分だけ鏡材を曲げた上で球面研磨、開放して非球面へ。色々利点は多いが鏡材を曲げられる範囲までしか作れない。大型望遠鏡のセグメント鏡との親和性は高い。TMTの場合は多少の誤差があっても後処理で修正できる。

 日本は内側の175枚を担当。最初に量産プロセスを始めたから。
 外側のほうが非球面量が大きいので製造が難しい。日本としては外周を担当したいが、最初に必要となる内側を製造するのが適切との判断。
 2020年度までに175枚を米国へ出荷予定。

***


 1987年

 1章、まえがき

 図1、CCVと要素技術
 図2、ACTの開発状況

 2章、世界のCCV研究開発の現状

 表1、CCV/FBW機とACT技術
 機種毎に国名・初飛行・製造目的・操縦システム(FBWタイプ・冗長度・バックアップ)・ACT種別・備考が書かれている。
 FSX, ATF, EFA, ACX, F-15STOL,  JAS39, A320, LAVI, EAP, Rafale, C-1STOL, AFTI/F-111 MAW, X-29, T-2CCV, B-1B, AFTI/F16, F-16XL, Jaguar CCV, F-15IFFC, B65VSRA, Mirage4000, L-1011-500, F-18, F-16A, P-2V7VSA, Mirage2000, F-19, YC-14, YF-16CCV, YA-7D DIGTAC, B-1A, Tornado, YF-17, F-4CCV, C-5ALDCS, YF-16, Hunter, F-8DFBW, F-4SFCS, B-52CCV, コンコルド, SR-71, F111

 表2、CCV/FBW技術の開発経緯
 各国での現状とか、宇宙計画からの波及効果とか。

 アメリカの有人宇宙計画の話題。マーキュリ/ジェミニ、アポロ、スペースシャトル、等。乗物はどうあるべきか。
 スペースシャトルは大気圏突入時に大迎角で安定した飛行が必要。戦闘機にも応用できる。

 マーキュリ/ジェミニではアナログFBW。アポロでデジタルFBW。
 スペースシャトルでより高度なデジタルFBW。飛行フェーズごとに飛行制御則を切り替える。
 宇宙開発から5-10年遅れで航空機へ、そこからさらに5年後くらいに実用化されている。

 F-16、アナログ方式だが機械的バックアップを持たない実用機。操縦系統は最先端だが、それ以外は既存の技術で作られた機体。例えばアルミが80%で複合材はほとんど使われていない。
 その他の機体の話。

 技術的な課題とかの話。

 3章、あとがき

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[携帯電話基地局から発射される電波の野辺山45m電波望遠鏡に対する影響の評価](https://www.nao.ac.jp/contents/about-naoj/reports/report-naoj/9-34-1.pdf)

2006年

1. はじめに
2. 天文バンドへの干渉計算
2.1 信号強度の計算
2.2 信号強度の評価
3. 基地局からの試験電波の観測
3.1 観測の目的
3.2 送受信装置の位置の確認
3.3 観測方法の検討
3.4 携帯電話基地局の基本波の観測
3.4.1 基本波の観測結果
3.4.2 基本波の2逓倍波の観測結果
3.5 基本波の11逓倍波の観測
3.5.1 観測データの取得及び解析
4. 観測結果と考察
5. その他
謝辞
参考文献
付録
 45m電波望遠鏡による基本波の11逓倍波の観測方法

***


2019年

1. はじめに
2. イリジウム衛星の概要
 図1、IRIDIUM軌道イメージ
 図2、イリジウム衛星の概要(旧衛星)
3. イリジウムサービスの概要
 図3、PTTのイメージ
4. イリジウムNEXT衛星の打ち上げ
 図4、IRIDIUM NEXT打ち上げ
5. イリジウムNEXT衛星の概要
 図5、イリジウムNEXT衛星の概要
6. イリジウムNEXTによるサービス
 図6、Certusのサービス
7. イリジウムの航空機向けサービス
8. イリジウムによる管制通信
9. 航空機搭載用ハードウェア
 図7、Certusハードウェア(THALES)
10. Certusの航空用サービス
11. Certusの小型機への応用
 図8、動態管理システム
 図9、D-NET
 図10、FDMのイメージ
12. イリジウムNEXT衛星によるADS-B
 図11、衛星ベースADS-Bの概念図
13. おわりに

***


1995年

1. まえがき
 図1、ETS-VIプロトフライトモデルの開発/運用スケジュール

打上げ質量3.8t/静止軌道2t、世界最大級。高さ10m、パドル展開時の幅30m。

2. ETS-VIにみる大型衛星開発の留意点
3. ETS-VI軌道上運用
3.1 軌道上運用概要
 図2、ETS-Vの軌道上外観
 図3、楕円軌道対応の太陽電池パドル回転

初期運用時は片側4面のパドルのうち、1枚だけを部分展開する。/* 三菱電機のような火工品で全体を締結して機械的に連動させて開く方式と異なる */

3.2 軌道上初期チェックアウトおよび軌道上実験概要
 図4、軌道上初期機能確認/軌道上実験項目

IES, LCE, SIC, FLCE, KSA, FMC, EHT, FLEX.

FDIR機能、ルーチンワークの負担が軽くなる。実験用のコマンド、食ヒータ、軌道制御をのぞきほとんどのハウスキーピングが不要な運用実績。

3.3 KSAアンテナ思考制御系軌道上実験概要
 図5、KSA APS追尾フライトデータ

800kmのユーザ局を追尾するには約±10度ほどの駆動が必要になる。
コマンドで指定した後、ビーコンを使用して追尾を行う。衛星姿勢を0.1度ずつ変えることで追尾を確認。姿勢変更速度より追尾速度のほうが早いので、途切れずに追尾できた。

4. あとがき

***

[レーザにより燃焼制御および可変推力を実現する宇宙用固体推進機の検討](http://www.jes.or.jp/mag/stem/Vol.67/documents/Vol.67,No.3,p.96-101.pdf)

 2005年

 レーザで熱エネルギーを与えて燃焼の開始や停止を制御できる固体燃料の話題。
 添加剤を変えたときの特性とかいろいろ。

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[無重力空間で活躍する「きぼう」船内カメラロボットInt-Ballと画像航法の仕組み](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/34/2/34_228/_pdf/-char/ja)

 2019年

 画像認識で判別しやすいマーカーの検証。

 マルチコプターで地上で飛ばして確認。100Hzで撮影しFPGAで前処理、CPUで姿勢推定。
 ドローンは重力の影響を受け、姿勢変化が激しい。加速度センサからの情報は使用せず、ジャイロとカメラだけで姿勢制御を実施、正常に動作を確認。
 加速度を使用していないので、無重力環境でも同様に計測できる。無重力の場合は外乱が少ないからカメラのフレームレートも下げられるはず。

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 2011年

 送受信の機能を1モジュールにまとめ、面積比で10分の1に省スペース化した。
 送信部は外部にVCO2個とフィルタ2個、PA。受信部は外部にVCOとフィルタ、ミキサやLNA、ディザー。あと送受信のスイッチ。
 80MHzの8bitRISCコア内蔵。UARTとGPIOの変換。/* 外付けVCOとかの制御用? */
 すべての周波数に共通化するのが理想だが、一部部品の関係で周波数ごとに製品を用意。
 評価ボードを用意。VCOとかは各自用意。

 対応可能なRF周波数が書いてない。送信部のミキサ2個以外は外付け回路で処理するから、回路次第で大抵の周波数は扱えるのか。
 JRCの製品でそれっぽいモジュールはなさそうだし、社内で製造してる機器に組み込んで使ってるだけなのかな?

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[小型実証衛星RAPIS-1からの2Gbps給大容量データ伝送の受信実証](https://www.isas.jaxa.jp/home/kougaku/03_report/2019_senryaku/33_saito_senryaku_report_2019.pdf)

 政府ImPACT資金で送信機と復調器の開発を開始。ImPACT事業の終了により不足分の予算をISASの補助金に申請、採択されたため継続。

 X帯(8025-8340MHz)で300Ms/s、64APSK、2.65Gbpsのエラーフリーを確認。周波数利用効率8.4bit/Hz。256APSK/3.3Gbpsを確認中。
 実験的なシステムではあるものの、LEOからの2.65Gbpsはおそらく世界最速。
 Ka帯にも適用可能。

 課題。
 製品化。リアルタイム復調器。ドップラ環境に対する通信規格の国際標準化。
 今後は周波数帯域が広がると予想。OFDMが知られているが、ドップラの強いLEOでは困難。帯域幅数百MHzの通信をどうするか。

 毎月10日程度、1日1パスのペースで受信(臼田10m)、HDDに記録後、東京に搬送し、ソフトウェア復調器でデコード。
 RAPIS-1の精密軌道決定と駆動データ。RAPIS-1はJAXAでは精密軌道決定を行っていない。運用は民間企業が行っているが、公開されたTLEに対してUHFでテレコマ運用を行っている。臼田10mは自動追尾ができないため、0.1度以下で追尾するために精密な軌道決定が不可欠。RAPIS-1搭載GPS(別の実証コンポーネント?)にて軌道決定を行った。
 臼田10mは高硬度衛星追尾や電波天文に使用されていた。/* もともとはASTRO-G向けに整備 */ そのためLEOのような高角速度では追尾誤差が大きく劣化する(打上げ後に判明)。これに対して、あらかじめ(パス前に)プログラム追尾を行い、指向誤差の実測値を補正値として使用することで、実際の追尾の制度を改善させた。
 臼田10mで機材を設置する場所は狭い。雨漏りとかもある。当初は光伝送系(EO-OE)で64m局舎に伝送し環境のいい場所に復調器を設置する予定。光伝送系のSNR劣化が大きいことが予想されたため、10m設備でダウンコンバートとデジタル記録を行い、後にソフトウェア復調する方式へ変更。
 10mアンテナのLNAの冷却の不具合。1980年度製作の機器を転用、冷却できなくなることが度々。
 10mアンテナの交差偏波特性の劣化。左旋円偏波と右旋円偏波のクロストークが経時で劣化。おそらく結露によるもの。除湿等の措置を継続しているが改善せず。GREATでも同様の現象が起きたらしい。
 復調ソフト。QPSK、16APSKでは大きな困難はなかった。64APSKではドップラの影響が大きい。改良により64APSK2chのエラーフリーを達成。256APSK復調の改良を実施中。




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