見つけた順に書いていくので、内容による分類とかは行っていない。
ジャンルは様々。
基本的に、HTMLは直リンク、PDFは、ググって出てきたものに関しては直リン、HTML経由の場合はPDFに対する一番近いHTMLへのリンクを掲載する。
PDFのページ数は、ファイルに書いてあるページ数を優先とする(数ページしかないPDFでも、100ページ目、みたいな表記になる場合がある)。
一部、ちゃんと読まず、ザーッと眺めて面白そうなので後で読もう、と、TODOリスト的に使っている部分もある。
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リンク集のリンク
2019/01 ~ ←イマココ
2019/04 ~
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## 2019年01月分
[「あかつき」の金星周回軌道投入失敗に係る原因究明と対策について(その3)](http://www.jaxa.jp/press/2011/06/20110630_sac_akatsuki.pdf)
2011年6月30日付
* 6ページ目にあかつきの推進系の系統図。
* 24ページ目にOMEのインジェクタのイラスト・写真。
* 51-53ページにはやぶさ、HTV、カッシーニ、メッセンジャー、NEAR、マーズ・オブザーバーの推進系の概略図(2液スラスタ部の抜粋)。
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[金星探査機「あかつき」の開発](https://jpn.nec.com/techrep/journal/g11/n01/pdf/110108.pdf)
2011年頃
ミッション概略や概寸など。
バス仕様やコンポーネントの記述など。
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[第 24 号科学衛星(PLANET-C)「あかつき」の金星周回軌道への投入失敗に係る原因究明及び今後の対策について](http://www.jaxa.jp/press/2010/12/20101227_sac_akatsuki_1.pdf)
2010年12月27日付
* 7ページ目にテストマニューバ時の加速度・角速度等のグラフ。
* 12ページ目にOMEとRCSの推薬流量値の記述。
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[かぐや推進系の開発および運用結果](https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/e402bd27dceecb981641a0323e972a66.pdf)
2009年頃
各タンク容量、推進系の系統図、推進系の主要諸元、500Nスラスタ噴射時のシーケンス、500Nスラスタ噴射時の各数値、など。
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[M―V 型ロケットのサイドジェット(SJ)](http://www.isas.jaxa.jp/publications/hokokuSP/hokokuSP47/247-270.pdf)
図や写真は解像度が悪く、文字や数値を読み出すのは困難。
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[Pyrotechnic Valves for Space Propulsion Systems](http://www.space-propulsion.com/spacecraft-propulsion/valves/pyrotechnic-valve.html)
パイロ弁単独の写真と、ラインに組み込んだ状態での写真。
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[Failure of Pyrotechnic Operated Valves with Dual Initiators](https://www.nasa.gov/sites/default/files/files/345988main_NESCTB09-01_PyroValves.pdf)
パイロ弁の内部の図解。
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[イプシロンロケット補助推進系SMSJの開発について ](https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/20364/1/61856012.pdf)
イプシロンのロール制御に使われるソリッドモーターサイドジェット(SMSJ)の構造。
イプシロンはTVCでヨー制御とピッチ制御を行うが、SMSJでもそれらが操作できる構造になっている。
図4-5はたぶん挿入ミスなので注意。
このSMSJはバルブ1個で噴射方向だけ制御しているが、バルブをもう1個追加し、必要なときだけ推力を増やして高燃費化し、必要な推薬を減らして軽量化、という方向が示されている。「流量を絞ると燃焼速度が上がって推力が増える」というのは、最近の火薬はそういうモノなんだけど、一見直感に反してて面白い。
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[ロケットに対するデブリ対策の現状と取組み](https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/546821/1/AA1530025009.pdf)
2014年12月18日付
* 147ページ
保護領域の図が書いてある。高度2000km未満の全領域と、静止軌道の上下200kmの緯度15度の範囲。この範囲にとどまる、あるいは通過する物体を減らす必要がある。
また障害予測数が10^-4Ecを満足する(後述)。
* 151ページ
H-IIBロケット第2段の再突入時のデータを取る機材。
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[傷害予測数計算条件及び方法(人工衛星)](https://www8.cao.go.jp/space/application/space_activity/documents/guideline4-1.pdf)
[傷害予測数計算条件及び方法(ロケット)](https://www8.cao.go.jp/space/application/space_activity/documents/guideline1-1.pdf)
どちらも2018年3月30日付(初版)
Ecは再突入で傷害を受ける人数を示す単位。
NASAやESAは1x10^-4、CNESでは制御再突入なら2x10^-5、自然落下(条件付き)なら1x10^-4(0.2*10^-4)となる。
NASAの場合、15ジュールを超える破片を考慮するらしい。
計算方法とかも書いてあるっぽい。爆発するようなものや有毒ガス等ではそれも考慮する必要がある。
超小型衛星の場合、基本的にはEcの評価を省略できる。ただしチタン製部品や有毒物質とかそういうモノを積んでいる場合は評価する必要がある。
例えばヒドラジンスラスタや、コールドガス用高圧ガスのチタンタンクとかを乗せる場合は、危険性の評価を行う必要がある。
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[防衛生産・技術基盤](http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/seisakukaigi/pdf/09/1-2.pdf)
2010年3月付
* 8ページ
工業生産の額ベースでの防衛省向け比率。武器弾薬約88%、航空機約40%、船舶5.3%、その他は1%未満程度、など。
生産に関連する企業の、防衛需要依存度の分布。企業の総売上が2000億円を超える数社は5%未満程度に対し、250億円を下回る企業は最大90%近くに達している。
* 13ページ
装備品を国内で開発する意義(いろんなノンフィクション・フィクションの中で言われていることのまとめ・公式見解的な)。
* 14,15,16ページ
国内開発の意義の具体例。イラク派遣の際の軽装甲機動車の改修が短期間(約3ヶ月)で完了、など。
米国でF-15の事故が発生した際に、米国では3.5ヶ月の間飛行停止になったが、日本では独自のノウハウで18日で飛行再開、とのこと。
* 17ページ
輸入する際に国内に非開示になった(ブラックボックス化された)技術の具体例。
Mk41VLSのコンポーネントっぽいものも含まれている。
* 21ページ
ライセンス生産・輸入によって取得された装備品の一覧。一覧といっても注釈が結構入っているが。
* 26ページ
世界の防衛産業の関連企業の売上と、防衛関係の売上、その比率。
例えばボーイングは664億ドルの売上に対し、防衛関係は305億ドルで46%、とか。売上が300億ドルを下回ると防衛依存度が極めて高くなる傾向がある感じ。三菱重工は272億ドルに対して28億ドル(10%)と、比較的売上が低い割に防衛依存度が低い。ゼネラル・エレクトリックは、この図で売上第2位のボーイングを大きく超えて、1727億ドルの売上と、すさまじい。依存度も低い。
* 29ページ
日米共同研究の実績。
* 31,32ページ
防衛関係取引に関わるオフセット取引について。「B国はA国から装備品を購入します。つきましてはB国にこれだけの見返り(A国の製造に関わるとか)をください」というやつの例。
* 36ページ
防衛関連企業からの発言のピックアップ。危機感を持った意見を書いている感じ。
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[What is the solid fuel used in MK 136 solid-fueled third-stage rocket motor (TSRM) of RIM-161 standard missile 3? What about its gravimetric specific impulse? - Quora](https://www.quora.com/What-is-the-solid-fuel-used-in-MK-136-solid-fueled-third-stage-rocket-motor-TSRM-of-RIM-161-standard-missile-3-What-about-its-gravimetric-specific-impulse)
Mk136モーター(SM-3 Blk IA/IBの3段目)から派生したモーターのスペックとのこと。
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[小惑星探査機はやぶさ2とその通信](http://www.sjac.or.jp/common/pdf/kaihou/201601/20160108.pdf)
2016年1月付
* 26ページ
はや2の通信系の特徴。コマンドが7.1GHz、テレメが8.4/32GHz、テレコマともPSK/PMで変調、コマンド15-1000bps、テレメ8-32768bps、など。
その他いろいろ。
タイトルははや2だが、実際の宇宙機の通信系は規格化されているため、日本の最近の探査機(はや1、あかつき、はや2、みお)でほぼ同一の仕様らしい。
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[第2話 平面アンテナが金星と地球を結ぶ: 届け、あかつきの星へ: NECの宇宙開発利用への取り組み「宙への挑戦」 | NEC](https://jpn.nec.com/ad/cosmos/akatsuki/02/index.html)
2010年10月13日付
あかつきに搭載された平面アンテナの構造など。
関連エントリ
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[ISAS | 第6回:深宇宙探査を支える通信システム / 金星探査機「あかつき」の挑戦](http://www.isas.jaxa.jp/j/column/akatsuki/06.shtml)
2010年9月付
あかつきに搭載された通信系の構成図や、送受信信号レベルの期待値と実測値のグラフなど。
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[Space Launch Report](http://www.spacelaunchreport.com/thorh14.html)
デルタ2ロケットの事故(発射10数秒後、上空500m程度で爆発して固体燃料をばらまきながら落ちてきた)の話とか("The Big Bang"の項目)。
この事故は炭素繊維を使用したブースター(モーターケース)の静加圧試験の際の破損が発見せずに使用されたために、打ち上げ後に破損が進行して破壊、あるいは自爆機能が働いたことによる、とのこと。
その後、試験手順の変更や超音波検査の追加が行われ、このモーターの事故は発生していないそうだ。
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[Integrated Solar Array and Reflectarray Antenna (ISARA) | NASA](https://www.nasa.gov/directorates/spacetech/small_spacecraft/isara_project.html)
キューブサット向けの、ソーラーパネルをアンテナの輻射器として使うモノ。
ダウンリンクのビットレートを5桁改善できる、らしい。
関連エントリ
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[超小型衛星の現状と将来](https://www.riam.kyushu-u.ac.jp/research/2015/summer_seminar/files/31_speciallec_cho.pdf)
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[Dual reflectarray antennas for space applications - Semantic Scholar](https://www.semanticscholar.org/paper/Dual-reflectarray-antennas-for-space-applications-Tienda/7058cd32c35021e87bece2f9cec42bb1d2eb9e01)
反射器を2回経由して放射するアンテナ。ISARAと違い、反射器専用のパネル。
ガッツリ固定されてるあたり、地上試験用の試作品という感じか。
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[光衛星通信技術の研究 | JAXA|研究開発部門](http://www.kenkai.jaxa.jp/research/communication/communication.html)
ユーザー伝送レート(各種オーバーヘッド(ヘッダ・フッタ・誤り訂正等)を除いた、実際に転送できる速度)で5Gbps程度を目指す、とのこと。月探査で700Mbps以上、とも。
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[NICT NEWS No.466 OCT 2017](https://www.nict.go.jp/data/nict-news/NICT_NEWS_1710_J.pdf)
2017年10月
衛星と光学の話が多い。
* 2ページ以降
超小型衛星(50kg級)に搭載した光学系の写真とか。厳重なアクリルケースは、真空引きしてるのかな?
* 4ページ以降
レーザーを使ったスペースデブリの検出とか。ざっくりしたことしか書いてない感じ。
* 6ページ以降
日本各地に設置した"環境データ情報収集装置"で観測した天球の画像とかを使って、光通信が可能かを判断するシステム。長期的なデータを集めて、その地域での光通信の成功率を調べたり、複数の地上局を組み合わせた際の成功率を調べたり、とか。
ある地上局が曇ってても、別の地上局が晴れているかも、そういう場合の確率は? どこに作れば少ない地上局で高確率に通信できる? ということを調べてるっぽい。
* 8ページ以降
望遠鏡で空を撮影して衛星の軌道を調べる。例えば地上からの方位仰角を固定して撮影すれば、静止衛星は点として写り、恒星は線として映る。非静止衛星でも同じように観測すれば、背景の恒星の位置から、その時点での見かけ上の赤緯赤経がわかるので、それを繰り返して軌道を決定する。
現在は口径1mの望遠鏡を使っているが、将来的には25cm+デジイチの可搬型のシステムを作りたい、とのこと。
* 10ページ以降
次期技術試験衛星(きく/ETS-9)に乗せる地上-衛星間の光通信に関して。地上局での補償光学の話。従来の補償光学と違い、高速に移動する衛星に対応する必要がある(ETS-9は静止軌道だが)。また、アップリンクでは地上側で補償したビームを上げるので、そのための技術開発も必要。
通信には1.5umの近赤外レーザーを使うが、これは地上での光通信で多用されているため、その素子を流用できる。ただし宇宙での動作実績がないから、放射線耐性等をどうするか。また複数の波長を使用する、光波長多重(WDM: Wavelength Division Multiplex)も目指している。
地上局を複数作って晴天の地上局を使うのは6ページの話と同様。
以降はあんまり衛星とは関係なさそうなので割愛。
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[技術試験衛星9号機 | 人工衛星プロジェクト | JAXA 第一宇宙技術部門 サテライトナビゲーター](http://www.satnavi.jaxa.jp/project/ETS-9/)
全電化衛生、静止GPSを用いた自律軌道制御、大電力化・高排熱、といった事が書かれてる。
全電化は、化学推進をやめて電気推進を使おう、という話。比推力が高い電気推進を使うことにより、推進剤を減らして、その分ペイロードを増やせる。一方で、静止化に時間がかかるので、打上から実際に運用できるまでに長くかかる。電気推進の推力が増やせれば運用までの期間が短くなるので、その分競争力が高くなる。
GPSは地球に対してのサービスを目的としているから、GPS衛星の軌道よりも高い静止軌道で使うのは大変。とはいえ、不可能ではない。地球の横から受信できるメインローブとか、サイドローブとかを受信するらしい。メインローブだとガッツリ電離層抜けてくる分だけ誤差が大きそうだ。
GPSを使用して、自律的に起動を制御することにより、マンパワーや運用コストの抑制、人為ミスが発生する機会を減らす、といったことが可能になる。
電動化で静止化にかかる時間が増えるので、初期運用の期間が伸びるが、自動でやってくれるなら人間は監視するだけ、ということか。静止化だけじゃなく、静止軌道に入ったあとの位置制御も自動化するらしい。
通信衛星を低コスト化するには、1機で大量のデータを通せばいい。ということで機材がどんどん増やされ、それに応じて消費電力も増えている。20年台には25kWになる、とのこと(現在はどのくらいだろう?)。電気ケトルが1kWとして、ケトルを25個使う規模の発熱。あるいは、1分あたり3リットルの熱湯を冷やすだけの冷却能力が必要という感じか。
静止衛星の南北面パネルは最大でも太陽が25度弱までしか上がらないから、その面は比較的日照が少ない。そこから放熱する。また、衛星からラジエーターを展開し、それも放熱に使用する。イラストにもラジエーターが書いてあるけど、結構小さい。
衛星内での熱移動にはヒートパイプを使い、HTV7で軌道試験を行うとのこと。WikipediaにHTV7の荷物で"ループヒートパイプラジエータ(LHPR)技術実証システム(熱制御実験装置)"というのがあるけど、これかな。
ETS9はH3を使って21年に打ち上げ予定とのこと。ETS9で実証するのに3年かけたとして、「使えます」と判断できるのが24年、そこから実用衛星を作り始めて、打ち上げ/運用開始は29年前後あたりか。「20年台の25kWに向けて」だと、ちょっと厳しいんじゃないかな。30年台にはどれくらいの発熱量になるだろうか。
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[LHPラジエータ軌道上実証実験 | JAXA|研究開発部門](http://www.kenkai.jaxa.jp/research/allelectric/lhp.html)
ETS9に使用するヒートパイプの軌道実験。
旧来のヒートパイプと違い、重力の影響を受けないらしい。衛星は無重力状態で使用されるが、動作試験は地上でしかできないから、動作試験時の姿勢でヒートパイプが影響を受けないように、機材を配置する必要があり、自由に配置できなかった。
また、製造上の制約から、複雑な経路を作ることができず、放熱面と高発熱機材の配置に制限があった。
LHPはその制約がなくなり、機器を自由に配置できるようになる。
また、パイプの自由度が高くなるため、フレキシブルな区間を作れるから、ラジエーターを軌道上で展開し、放熱面積を増やすような構造を作れる。
LHPでは、作動流体の温度より高い熱を移動する、という特性があるため、放熱が不要な場合は、作動流体を加熱してやれば、熱移動を停止する。従来のヒートパイプでは常に熱移動が行われるから、冷却が不要な時は、放熱分をヒーターで温め続ける必要があった。
例えばローバーであれば、夜間は放熱が不要なのに、どんどん熱移動(放熱)が行われ、それをヒーターで暖める必要があるが、夜間は発電ができない。昼間は加熱する必要がないし、どんどん発電するから、電力が余る。
このバランスが大変なのは日本ならでは、という点もあるかな。例えばキュリオシティは夜でも電力を確保できる。昼夜のバランスが必要なのは相変わらずだろうが。
ISSでの実験は、有人施設を使うから、十分に安全性を確保する必要があるため、実際の作動液体とは別のものを使うらしい。その流体に対してシミュレーションと調合が取れてていれば、実際の流体のシミュレーションも大丈夫だろう、ということなのだろう。
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[衛星通信を支える通信技術](https://jpn.nec.com/techrep/journal/g11/n01/pdf/110117.pdf)
2011年頃
1) ロケットの通信系、2) 衛星向け大型展開アンテナ、3) 光通信 が書かれている。
VLDR: Very Large Deployable Reflector
VeryがつかないLDRもある。
光通信に関しては、きらり(OICETS/オイセッツ)に搭載されたLUCEとSOCRATES(ソクラテス)に搭載されたSOTA(ソータ)の話。
SOTAはNICT NEWS No.466のモノのはず。
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[ISAS | 宇宙機フレキシブル自律熱制御 / 宇宙科学の最前線](http://www.isas.jaxa.jp/j/forefront/2009/nagano/index.shtml)
形状記憶合金を使用し、温度に応じてパネルの展開角度を変える機構。およびそれを使用した熱制御。
熱制御器の温度が上がるとパネルが開き、放熱面が露出し、宇宙空間へ放熱する。逆に、温度が下がるとパネルが閉じ、吸熱面が露出し、光エネルギーを取り込んで温度を上げる。
形状記憶合金なので、電気的な制御が不要なのがポイント。モーターやギアもないので可動部も少ない。
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[TED_Plaza 宇宙用放熱器「液滴ラジエーター」の研究](https://www.jsme.or.jp/ted/NL47/plazatota/plazatota.html)
「大面積のラジエーターって、デブリあたったら穴開くよね。穴あいたら作動流体リークするよね。やばいよね」からの「ラジエーターなんてなくしてしまえ!」な発想。
作動流体を直接宇宙空間に放出し、液滴の状態で放熱させ、反対側で回収する。
真空中では圧力差を使用したポンプが使えないから、回転式の遠心力を使ったポンプで回収するらしい。わたあめ機の回転部みたいな構造。
ラジエーターの構造が必要ない分、旧来の0.2kW/kgから1.4kW/kgまで改善できるとのこと。
いろいろ利点は多いが、宇宙機で採用するとなると渋る人が多そうだ。
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[技術試験衛星9号機のプロジェクト移行審査の結果について](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/059/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2017/05/22/1385842_3.pdf)
2017年5月9日付
関連エントリ
HTS: High Throughput Satellite 大容量通信衛星システム
EOL: End Of Life 設計寿命末期
BBM: ブレッドボードモデル
EM: エンジニアリングモデル
PFM: プロトフライトモデル
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[三菱電機の静止衛星事業の展開](http://www.sjac.or.jp/common/pdf/kaihou/201707/20170703.pdf)
2017年7月付
関連エントリ
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[衛星搭載用TWTAにおける性能向上と開発動向](http://www.ieice.org/~wpt/paper/SPS2003-03.pdf)
2004年頃
TWT: Traveling Wave Tube 進行波管
TWTA: Traveling Wave Tube Amplifier 進行波管増幅器
EPC: Electronic Power Conditioner
SSPA: Solid State Power Amplifier 固体電力増幅器
TWTとEPCを組み合わせたものがTWTA、という感じかな。
衛星搭載TWTAは需要に応じて開発されており、効率も1980年台前半はTWTAで30%程度だったものが、2000年頃には65%まで改善し、そのあたりで頭打ち、という感じ。
TWT単体で見れば、70年代前半では40%未満だったものが、2000年頃には70%程度まで向上している。
TWTAの出力は、これも需要に応じて様々あるが、放送用では150Wあたりかな?
現在のところ、TWTの開発はあるていど落ち着いてきていて、応用の方が行われているらしい。
高出力化の開発が進む一方で、10W程度の超低出力型の開発も進んでいる。10WのTWTAを複数組み合わせてフェーズドアレイを行うんだそうだ。
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[月周回衛星「かぐや」の開発](https://jpn.nec.com/techrep/journal/g11/n01/pdf/110110.pdf)
2011年頃
月食中は発電ができず、バッテリーが枯渇する危険性があるため、それを回避する運用が行われた。
微弱な電波を計測するミッションがあるので、30MHz以下で基準より-20dB、観測周波数の5MHzで-60dBの、極めて低いノイズレベルを実現。
月の地場は地球の10万分の1しかないため、それを観測しようとすると自分の磁力が問題になるので、キャンセルする必要がある。
52ページに軌道制御シーケンスの図解と、それぞれの噴射の値。
53ページにレーザー高度計の外観。
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[JEM自律移動型船内カメラ (Int-Ball)について](http://issstream.tksc.jaxa.jp/iss2/press/170714_intball.pdf)
[きぼう船内ドローン「Int-Ball」の姿勢制御技術](https://shingi.jst.go.jp/var/rev0/0000/5067/2017_jaxa_6.pdf)
[国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟船内ドローン「Int-Ball」に P 板.com の基板が採用](https://www.p-ban.com/information/press/20171208/p-ban_press_release_20171208.pdf)
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[航空:空港監視レーダー(ASR)等配置図及び概要 - 国土交通省](http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000407.html)
ASR: Airport Surveillance Radar (空港監視レーダー)
PSR: Primary Surveillance Radar (一次監視レーダー)
SSR: Secondary Surveillance Radar (二次監視レーダー)
ASDE: Airport Surface Detection Equipment (空港面探知レーダー)
PAR: Precision Approach Radar (精測進入レーダー)
ページ内ではPSRとSSRがRadarではなくRaderになってるけどおそらくたいぽ。
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[航空:航空路監視レーダー(ARSR)等の概要 - 国土交通省](http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000404.html)
ARSR: Air Route Surveillance Radar (航空路監視レーダー)
ORSR: Oceanic Route Surveillance Radar (洋上航空路監視レーダー)
ARSRは半径200NM、ORSRは半径250NM、ただし一部のARSSは250NM、とのこと。
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[航空:航空路監視レーダー(ARSR)等の配置及び覆域図 - 国土交通省](http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000405.html)
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[航空管制用レーダーについて](http://www.jana.or.jp/denko/data/21_4_2.pdf)
航空路用: ARSR/ORSR
空港用(上空): ASR
空港用(地上): ASDE
* 8ページ目、レーダーの諸元
RSRは2次で1030/1090MHz、1.5kW、6rpm(1回転10秒)、IDとAltitudeが得られる。
ASRは1次と2次がある。15rpm(1回転4秒)。1次は2.7-2.9GHz/500kW。2次の諸元はRSRと同じ。2次ならIDとAltも得られる。1次は測距だけ?
ASDEは1次で、24.5GHz/30kWを使用。60rpm(1回転1秒)。
レンジはそれぞれ200NM、60NM、3NM程度。
* 9ページ以降、2次監視レーダーの話
60年台にロジック回路が作られるようになってから。
ID要求とAlt要求がある。アジマスは機械回転。ファンビーム? 秒200-450回、質問を送る。
とにかく質問を送り続ける。トラポンは質問を受けたら必ず応答する。
質問は2回のパルスの間隔で設定(8usecでID、21usecでAlt)。
航空機は12bitのパルスで応答。
問題点:航空機が増えるとみんなが一斉に返答するので復調できない。隣の空港の質問への応答を受信してしまう可能性。航空機識別コードが不足(12bitなので4096通りしかない)。
SSR mode Sが登場。1080年台にマイクロプロセッサが登場してから。
質問・応答ともに56bitと112bitがある。
SSRmSでは探索モードと追尾モードがある。
捜索モードに設定されたトラポンが捜索信号を受信したら、IDを含めた応答を返す。
捜索応答が得られたら、そのIDに対して捜索モードへ応答しないように設定する。
追尾モードでは航空機のIDを指定して質問を行う。航空機は自分のIDが指定された追尾質問を受信した場合のみ、応答を返す。
追尾の質問は、航空機の距離に応じたタイミングで質問する。
例えばAという航空機が遠くにいて、Bとう航空機が近くにいる場合、AとBに順番に質問を行うと、伝搬遅延の差からAとBの応答が重なってしまい、デコードできなくなる。それを回避するため、Aに対する質問からある程度タイミングを開けてBに質問を行う。
質問は地上のIDも含むため、隣の空港への応答を誤って受信する、といったこともなくなる。
その後、プロセッサの高度化やブロードバンドネットワークの普及で新たなニーズが出てくる。
もっと情報がほしい、とか、近隣のレーダーが追尾している情報をやりとりしたい、とか。
複数のレーダーの情報を統合して管理。
オートパイロットの設定をダウンリンク(予測の高精度化?)。
* 24ページ、新しい監視システム
マルチラテレーション(Multilateration MLAT)、ADS-B(Automatic Dependent Surveillance - Broadcast)
MLAT、トラポンからの信号を複数の受信局で受信、時間差から位置を推定。
ADS-B、GPSの位置情報を定期的に放送。
* 28ページ、まとめ
旧来のSSR mode SとMLATやADS-Bを融合させる必要性。
***
[飲み残し清涼飲料容器の破裂による事故!~ペット*)ボトルによる事故が増加~ ](http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20040510_1.pdf)
2004年5月10日付
容器別の事故件数や概要、事例など。
* 5ページ、図2 ソフトドリンク容器別生産量の推移
ペットボトルは上昇傾向で、96年に約350万kLだったものが2002年には約850万kLに。一方でスチール缶は同約550万kLから約350万kLへ減少。アルミ缶とビンは微減、紙パックは微増、という感じ。
* 15ページ、非耐圧ペットボトルの破壊実験
机においた状態でドライアイスで加圧し、0.5MPaで破壊させた場合、天井の照明器具を破壊し、さらに天井の一部を破損させた。
* 16ページ、耐熱・耐圧ボトルの見分け方
キャップ部が白いものは耐熱性、胴部が円筒で底部が花びら型は耐圧。
* 13,14ページ、耐圧試験
耐熱性ボトル(非耐圧)は30検体中2本(6.7%)が0.5MPaで破裂した。
* 11ページ、菌混入モデルでのペットボトル内の圧力
耐圧ボトルで実験。味噌orイースト菌の酵母で発酵させている。最大で0.7MPa超に達する。
数日で上昇し始め、早ければ1週間未満で0.5MPaに達する。
菌混入(口飲みの際に混入する可能性がある)で内圧が上昇した場合、非耐圧ボトルでは破裂する危険がある。また、破裂した際は周囲に危害を加える可能性が高い。
***
[航空管制及び衝突防止システムとその船舶への適用性](http://www.nict.go.jp/publication/kiho/28/147/Kiho_Vol28_No147_pp585-605.pdf)
1982年9月付(2月9日受理)
船舶向けのトラポンに関する話だが、船舶に関するのは最後の少しだけで、文章の大半で航空管制用二次レーダーの解説が書かれている。
アンテナの諸元とか変調方式とかかなり細かいところまで書いてある。
時代が時代なのでSSR mode Sと、その後の衝突防止技術が出始めの頃だが。
***
[中部国際空港向け SSR モード S レーダ](https://www.toshiba.co.jp/tech/review/2005/11/60_11pdf/a06.pdf)
東芝のモードSレーダーの仕様が書いてある。
カバレッジ100NM(仰角0.5 - 45°)、アンテナ15rpm、送信1030±0.01MHz、1.0kW±50%、受信1090±3MHz、受信感度-87dBm以下、解読-81dBm以下、1スキャン最大処理機数250機/スキャン以上。
***
[衛星通信技術の変遷](http://www.mss.co.jp/technology/report/pdf/20-02.pdf)
[ETS-Ⅶにおける CCSDS 勧告の適用](http://stage.tksc.jaxa.jp/ccsds/ccsds/success_story_1.pdf)
[国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう(JEM)」の開発](https://jpn.nec.com/techrep/journal/g11/n01/pdf/110107.pdf)
[データ中継衛星による2GHz CDMAリンクのデータ伝送とPN測距](http://stage.tksc.jaxa.jp/ccsds/docs/files/bluebook/sls/415_1_b_1.pdf)
***
[追跡用 3 軸旋回装置](https://www.toshiba.co.jp/tech/review/2004/10/59_10pdf/f06.pdf)
2004年頃
監視カメラのジンバル。Azi/EleにxEle(クロスエレベーション)を追加した3軸でジンバルロックを軽減する。
あんまり細かい話は書いてない。
モータードライバが恐ろしくデカイ。
***
[4号機の新規開発品について | ファン!ファン!JAXA!](http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/13768.html)
複数衛星搭載構造の写真とか。
上部にRAPIS-1、中段にMicroDragon, RISESAT, ALE-1の3機、下段にキューブサット放出機構(E-SSOD)を2組搭載、E-SSODは3Uキューブサットを放出でき、このときは1UのNEXUSと2UのAoba VELOX-IVと、3UのOrigamiSat-1を搭載。NEXUSとAobaは同時に放出。
複数衛星搭載構造に衛星を乗せる際は、中段の衛星は横から乗せるから、構造を横倒しにしなきゃいけない。ということで、「イプシロンロケット衛星取付横転台」という台を作った。
「この台には愛称があって、昔に流行ったゲームのキャラクター名で呼ばれているよ!何て呼ばれてるいるか分かるかな?(見た目そのままの名前だよ)」とのこと。
ちょっと口がデカイけど、まぁそのままだ。
***
[航空管制用二次監視レーダ-SSR モード S](https://www.toshiba.co.jp/tech/review/2004/02/59_02pdf/f04.pdf)
2004年頃
仕様としては前述の中部国際空港のものと同様な感じ。
モードA/Cでは送信デューティーは0.1%だが、モードSでは7%程度になる。
送信部は尖頭電力2.5kWで、450Wのトランジスタ8本構成により固体化。
***
[File:Sum & control.jpg - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/File:Sum_%26_control.jpg)
SSRアンテナの水平面の指向性。
破線のmain beamからP1/P3パルスが送信され、実線のcontrol beamからP2パルスが送信される。
main beamは正面に強い指向性を持つが、サイドローブがあるため、main beamだけでは不要な方向のトラポンも反応してしまう。
control beamは、図中では正面に指向性が低いが、たぶん全指向性でも問題ないはず。
トラポンはP1/P3を受信した際に、P2が一定未満であれば応答を返し、P2が強く受信されれば、それはP1/P3のメインローブの中ではない、と判断して応答を返さない。
***
[File:Vertical beams.jpg - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/File:Vertical_beams.jpg)
SSRアンテナの垂直面の指向性。
破線が旧来のタイプ、実線が新しいタイプ。
旧タイプは上下に似たような指向性を持ち、地面や海面の反射によって、上空にヌルポイント(利得が落ち込む領域)が発生していた。新型はそれを回避するビームパターン。
***
[新精測レーダ](http://www.isas.ac.jp/publications/hokoku/kenkyu122.pdf)
[ロケット追跡レーダの歴史 -東京大学時代から宇宙科学研究所まで- ](http://www.isas.ac.jp/publications/hokoku/kenkyu122.pdf)
2003年3月付(1月22日受理)
同じPDFで、前半がM-V開発にあたって新しく作られたレーダーの話。後半が日本のロケットと並行して開発されたレーダーの歴史。
かなりのボリュームの文章で、読み物として面白い。
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[M-3C型ロケット用搭載アンテナ系について](https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/7727/1/SA0125271.pdf)
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[M-V 型ロケットの推進性能](http://www.isas.jaxa.jp/publications/hokokuSP/hokokuSP47/85-116.pdf)
2003年3月付
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[お客様の声 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 様 | プリント基板ネット通販P板.com](https://www.p-ban.com/voice/jaxa.html)
Q「ところで、重力のある地球上で「無重力空間での移動」をどうやって実験されたのでしょうか?」
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[Gillham code - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/Gillham_code)
SSR mode Sで使われる気圧の表現方法。アビオのパラレルバスでもこの信号が使われてるらしい。
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[CCS :: View topic - Aviation Gray Code](http://www.ccsinfo.com/forum/viewtopic.php?p=140960#140960)
ギルハムコードをアルゴリズム的にデコードするCのソースコード。
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[小火器弾薬の命中精度試験方法](http://www.mod.go.jp/atla/nds/Y/Y7105B.pdf)
1978年5月30日(制定)
2015年7月15日(改定)
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[ASTRO-H 衛星における時刻付けシステムの開発](http://crystal2.heal.phy.saitama-u.ac.jp/OB/2009/kouzu_mthesis_final.pdf)
2010年2月5日付
修士論文。
ステレオタイプな見方をすると、確かに大学生が書いたような、というか、大学で書かれたような、というか。
ASTOR-Hでは日本で初めてSpaceWireを本格的に採用する大型科学衛星、とのこと。
「世界標準となったSpaceWire」とか書いてあるので、海外だと使われてるのかな? 小型衛星とか、科学的ではない(商業?)衛星では使われてるのかな?
ASTRO-Hはパルサー(ミリ秒周期のイベント)を観測する必要があり、時間精度で10usec程度が求められているらしい。
SpaceWireのような、シリアルバスでどうやって高精度な時間情報を受け渡すか、という話。
SpaceWire自体の詳細な話はあまり出てこない。
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[3 衛星システムの開発](http://www.nict.go.jp/publication/shuppan/kihou-journal/kihou-vol49no3.4/0301.pdf)
2004年頃
技術試験衛星8の話。
3というからには1からあるんだろうけど、細切れでしか見つけられてない。
設計寿命はバス10年、ミッション3年。軌道上初期で3t(アポジ吹いたあと?)。発生電力は3年後の夏至で7.5kW以上。
14ページにバス系とか実験機器のブロック図。ちょっと解像度悪くて見づらい。
16ページに構造体(構体系)の図。上が地球側、下が反地球側、左下・右上方向の軸が南北の面。ペイロードモジュールの南北面には放熱パネルがある(太陽光の入射角が最大でも20度強と、直射日光が当たりづらい面)。太陽光パドルはバスモジュールの同じ面から突き出している(軸を1日1回転させればほぼ太陽に指向する)。ペイロードモジュールとバスモジュールは南北の面で強度を持っており、東西のパネルを外した状態で組み立てができるため、作業性が良い。また、各モジュール(ペイロード・バス・推進)をそれぞれ組み立てたあとに、最終的に結合するので、並行して組立・試験が行える。
ETS8では軌道上での再プログラムが可能。とはいえ、メインコンピューターの128KB程度のRAMに追加のプログラムを転送する、くらいの機能のようだ。メインコンピューターは64bitMPUを使用。
データバスには1553Bを使用。
100Ah級ニッケル水素バッテリーを使用。
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[簡易衛星追尾アンテナシステムの実証実験](http://www.tms.chiba-u.jp/~takahashi/pdf/A45L.pdf)
2007年頃
MEMSジャイロで四苦八苦してる身としては、OFGを使ってる時点でどこが簡易なんだ、という話だ。OFGの補正用に「地磁気orGPS」としているあたりかなり謎い。本当に実用になるシステムなんだろうか?
3素子のパッシブフェーズドアレイ、という感じ。3素子の内の2素子を選択することにより、平面方向に120度毎の任意の方向にビームを設定できる、とのこと。
107ページに素子の配置とか指向性とかアンテナ切替回路とか。
108ページにビーム方向の損失。最大で-3dBの損失があるようだ。
またビーム方向切替時に瞬断が起き、データ転送時にはビットエラーが発生するらしい。一方で、誤り検出訂正を併用した場合は問題ない、とも。
伝送レート24kbps程度とのこと。車載で使えるとはいえ、さすがに当時としても恐ろしく遅いシステムなんじゃないだろうか。
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[月周回衛星「かぐや(SELENE)」 (打上げ:H-ⅡA 13号機)](http://www.jaxa.jp/countdown/f13/misc/kaguya.pdf)
ミッションの解説、観測機材、その他の話。
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[技術解説(Technical Comments)](http://www-antenna.ee.titech.ac.jp/research/animation.html)
東京工業大学工学院電気電子系広川研究室
上記PDFと同じ研究室。
いくつかの種類のアンテナのアニメーション。
「バトラーマトリックス」というマイクロ波回路が凄まじく不思議な感じ。
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上記研究室のPDF
30ページ以降にバトラーマトリックスの電界分布や写真、指向性や利得のグラフ等がある。
入力ポートを選択するとアンテナの指向性を選べるらしい。
サイドローブが大きい感じか?
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[「はやぶさ2」化学推進系の追加対策について](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/016/002/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2011/12/02/1313456_01.pdf)
2011年11月22日付
あかつきのトラブルを反映し、はや2の推進系を設計変更とか。
3ページ目、用途や仕様。
基本的にパルス噴射(10ms)で使用されるが、機体を大きく動かす必要がある場合は連続噴射が行われる。
仕様としては、2液式の20Nが12基、比推力は連続で290s、パルスで130s。
5ページ目にあかつきの推進系構成図。
6ページ目に初代はやぶさとはやぶさ2の当初の推進系系統図。
7ページ目に逆止弁を使用しない設計とした推進系系統図。
8ページ目に燃料・酸化剤を完全に分離した推進系系統図。
12ページ目にスケジュール。
基本設計中に設計変更が発生したため、詳細設計以降のスケジュールに変更はなかったようだ。
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[SLIM推進系の高性能化に向けた研究](http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/sss13/paper/P2-160.pdf)
タンクで燃料・酸化剤・加圧ガスを一つのタンクに入れる、というもの。
HFC-134a(エアダスターとかガスガンとかで使われたりするやつ)の温度対蒸気圧のグラフもある。7℃あたりで0.4MPaくらい、37℃あたりで1MPaくらい、といったところか。
SLIMの推進剤タンクを1個で作ろう、という案。推進系が探査機質量の大部分を占めるので、推進系の軽量化がミッションに効いてくる。
タンクの中を4分割し、燃料(ヒドラジン)、加圧ガス(2室)、推進剤(四酸化二窒素)、を入れる。
ヒドラジンと押しガスは合成ゴム(EPR)で分離、四酸化二窒素と押しガスはテフロン(PTFE)で分離、燃料と推進剤の系は金属隔壁で分離、という構造。
押しガスにHeを使う予定だが、気液平衡調圧系(液化ガスの蒸気圧で調圧)とすることにより、金属隔壁に対する圧力が減り、極めて薄い金属膜で分離できる可能性がある。Heの場合は燃料・酸化剤を消費すると内圧が下がり、推力も低下していくが、液化ガスの蒸気圧を使う場合は、温度が一定であれば圧力も一定となり、推力の低下が起こらない。
軌道変更エンジン(OME)は燃料でフィルムクーリングを行う。このあたりはあかつきと同様な感じ。
***
HFC134aを使った推進系。
IKAROSでも使用されていたようだ。
実験場所が「北海道赤平市、HASTIC所有の施設」と書いてあって「行ったことある!!」って感じ(小並感
左上に、あかつきのヒドラジン充填と、IKAROSのHFC134a充填の写真がある。ヒドラジンの充填はゾンビ映画もかくやという重装備。一方でHFC134aはかなり軽装備。
軽装備と言っても、「ガスガンを使うような」軽装備ではなく、クリーンウェアを装備した状態ではあるが。まぁ、プレートキャリアとかゴリゴリに装備したコスプレサバゲーマーに比べれば遥かに軽装備。
閑話休題。
右下にIKAROSで使用した推進剤タンクの構造が図解されている。
タンクの中央部に発泡金属の構造があり、これがタンク上部と下部を仕切っている。タンク下部と発泡金属にはHFC134aが充填されている。液体の推進剤はその表面張力によって発泡金属に捕らわれており、抜け出すことができない。気化した分だけがメッシュを通じてタンク上部に溜まり、ポートを通じて推進系に供給される。
ヒドラジン系の推進系では、「気体(押しガス)は通さず、液体(ヒドラジン)は通す」という挙動なので、HFC系推進系とは逆の挙動。
***
[HTV( 宇宙ステーション補給機 )推進系の開発](https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/adb86afd4d563b4cbaf25b7f8004ac1b.pdf)
2009年頃
HTVの推進系の系統図とかいろいろ。ちょっと謎い。
***
[IKAROSの推進系 | 宇宙科学研究所](http://www.isas.jaxa.jp/feature/special_issues/ikaros/07.html)
IKAROSの推進系。
推進剤にHFC134aを使い、蒸気を吹いて推力とする。
高圧ガスや毒物を扱う必要がないので、システムが簡単。ただし液化ガスを気化して吹く必要があるので、タンク内部がやや面倒。
***
[宇宙帆船「IKAROS(イカロス)」のシステム開発(前編) ―― ソーラー電力セイル・プロジェクト,世界初の技術に挑戦|Tech Village (テックビレッジ) / CQ出版株式会社](http://www.kumikomi.net/archives/2010/09/ep29ica1.php?page=1)
2010年9月16日付
5ページ目にIKAROSのシステム構成。
***
[ソーラー電力セイル実証機IKAROSの開発と成果-UNISEC力のひとつの表れ](http://www.unisec.jp/history/g-a/2010/06.pdf)
***
[宇宙機用姿勢制御装置のグリーン化 ](https://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/484/484049.pdf)
2011年頃
HAN(SHP)推進薬の性能とか、安全性の評価とか。
49ページにはやぶさの、フレームにRCSを取り付けた状態の写真がある(小さいけど)。
ヒドラジンと比べて軽量化が可能で、凝固点が低いためにヒーター電力も低くて済む。
累積1000秒で目処。
***
[衛星長寿命化に貢献!世界最高性能・小推力スラスタの開発 ](https://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/544/544051.pdf)
2017年頃
静止軌道の制御精度が厳しいので、従来の20N級より細かい制御ができる10N級スラスタのニーズが高まっている。高比推力を得るため、2液推進。セラミック製ノズルを使用。高性能な合金もあるが、高コスト、かつ、輸入に頼っている。セラミックは材料から国産なので納期の面でも有利。
推力10N、供給圧0.69-2.76MPa、連続比推力295s(目標300s)、パルス比推力250s、連続噴射4時間以上、累積噴射15時間以上、といった要求。
連続噴射で約300sを達成。大型ノズルを使用することにより305sを達成可能で、他社製22N級の比推力を上回る。
耐久性等特に問題なし。
連続噴射4hは、アポジモーター動作不良時に、姿勢制御スラスタの連続噴射で目標の増速を達成できるように、という要求。供給圧に幅があるのは、ブローダウン運用(推薬タンク内に押しガスを入れてあるため、燃料消費とともに供給圧が低下する)に対応するため。
***
[自動車レーダー用ミリ波帯導波管スロットアレイアンテナ](https://www.tytlabs.com/japanese/review/rev363pdf/363_035sakakibara.pdf)
2001年頃
マグネシウムの射出成形で、76GHzにおいて効率55%のアンテナ。
***
[MTS&プランニング|放送機器販売](https://mts-p.jp/rvr.html)
FMラジオの送信機のカタログをダウンロードできる。
-10℃から+50℃の範囲で周波数安定度は±1ppm。
30Wの機材で電源は70W、50Wで120W。効率は45%弱あたり。
***
[ラジオネットワークの強靭化に関する技術的条件](http://www.soumu.go.jp/main_content/000368656.pdf)
2015年7月17日付
最後のページに"ギャップフィラーの技術的要件"というページ。
周波数安定度は、非同期放送は20ppm、同期放送は「目標は0Hz」、とのこと。
***
[小型ソーラー電力セイル
「IKAROS」の開発](https://jpn.nec.com/techrep/journal/g11/n01/pdf/110109.pdf)
2011年頃
フェアリング内(Planet-C+IKAROS)が、フェアリング体積に対して笑ってしまうほど少ない。
初期512bps以上、定常運用16bps以上、とのこと。
推進系は推力0.4N、比推力40秒程度。
48ページにコンポーネントの流用元とか。LUNAR-A(95年打ち上げ予定、2007年にキャンセル)のフライト用コンポーネントとか、はやぶさ(MUSEC-C)のプロトモデルに使われたコンポーネントとか、あるものは使う、という姿勢。
その他、ピギーバックとしての制限(分離後200秒まで電波放射禁止)、電力が足りないので熱制御の工夫、そんな感じのことが書いてある。
***
[ペットボトルロケットの非定常推力特性に関する研究](https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/20743/1/64672020.pdf)
2009年頃
***
ERGは様々な観測を行うが、低エネルギー粒子の観測も行うため、衛星自体の帯電が問題になる。そのため、衛星全体を導電性の素材で覆っている。
導電素材の劣化特性の評価とか。
単体試験(一つの事象の加速試験)では劣化しないが、複数の試験を組み合わせると劣化する、というような材料もあり、試験方法に注意が必要、とのこと。
そのため、実際にISS(JEM船外パレット)で暴露させ、期間を変えて劣化特性を調べたり、地上に持ち帰って地上で試験した素材と比較したり、という試験をしたり。
***
## 2019年02月分
[GREAT プロジェクトで学ぶ深宇宙探査用地上局のすごさ](http://www.isas.jaxa.jp/outreach/events/opencampus2017/leaflet/leaflet/4-4.pdf)
[深宇宙探査用地上局(GREAT)](http://www.jaxa.jp/projects/pr/brochure/pdf/04/sat39.pdf)
[深宇宙探査用地上局(GREAT)](http://www.isas.jaxa.jp/about/facilities/images/usuda/great.pdf)
[衛星通信向け固体電力増幅器の試作機納入に関するご報告](https://minkabu.jp/announcements/6838/140120170605496162.pdf)
[臼田64m後継局プロジェクトの状況について](http://www.t-sakai.cei.uec.ac.jp/rxws2016/presentation/16thRxWS_murata.pdf)
[臼田64m後継局プロジェクトの状況について](http://www.t-sakai.cei.uec.ac.jp/rxws2016/presentation/16thRxWS_murata.pdf)
[新しい深宇宙探査用54mアンテナプロジェクトの現状](http://www.miz.nao.ac.jp/vera/system/files/collegium_and_conference/235/attached_647.pdf)
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[ASNARO衛星開発概要](https://ssl.jspacesystems.or.jp/library/archives/usef/simpo/pdf/2011_USEF_seminar-2.pdf)
[PASCO 第63期中間株主通信](https://www.pasco.co.jp/ir/library/ar/download/63bis_reptmid/bis_10121501.pdf)
[先進的宇宙システム「ASNARO」の開発](https://jpn.nec.com/techrep/journal/g11/n01/pdf/110106.pdf)
[可搬統合型小型地上システムの研究開発(終了時評価)](http://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/c00/C0000000H27/151216_ucyu1/ucyu1_siryou5d.pdf)
***
2018年9月25日付
保険が必要なのは理解。
運用停止後から再突入までの期間は利益が発生しないのに保険料の支払いが続くので大変(打ち上げ1回毎ではなく、軌道上にある物体に対して定期的に保険料が発生する)。
推進系が故障した場合とか、投資が回収できない上に保険料は延々取られる(本来はミッションで稼いで、運用が終わるときはデオービットさせるのに、仕事ができない上にデオービットもできない)。
保険費用が高額となると事業化を断念せざるを得なくなる(衛星受注の減少の可能性)。
運用中に他の衛星で事故が発生して保険料が値上がりした場合、事業が成立しなくなる可能性がある。
うまい方法を頼むぞ~、ってかんじ。
***
[CubeSat 搭載 10W 級小型水推進システム: AQUARIUS のEngineering Model における性能評価](https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/879506/1/SA6000210068.pdf)
2017年頃
AQUARIUS
アクエリアスの英語表記、アポロ13のランダー、その他様々なところで使われる名前。どうせならAqoursとかに(ry
レジストジェットロケットを使った推進系。しっかり加熱して吹こうとすると消費電力が凄まじいことになる。せっかく宇宙で使うんだから、低圧にして沸点を下げて蒸発させよう。
気化室をラビリンスというらしい。迷路のように入り組んだ形状。まぁ、迷路と違って脇道とかはないわけだが。
複雑な経路にしておけば水滴のままでもどっかで壁に張り付いて止まるだろ、ということか。
比推力は65sから80sあたりか。
HFC134aの気液平衡の1.5倍から2倍くらいの性能か。
***
[超小型衛星用スラスタとしての水レジストジェットの基礎検討](http://gd.isas.jaxa.jp/~kzyamada/MAAC/2017/publication/2017_Koko_08_Sano.pdf)
2017年12月10日付
AQUARIUSのエンジニアリングモデル。
***
[ドップラー音波レーダー](http://www.isas.ac.jp/publications/hokokuSP/hokokuSP44/01-13.pdf)
2002年3月付
2.1kHz付近の音波をビーム幅5度で送信し、空中からの後方散乱を受信して風速風向を計測するシステム。
音速が未知なので、距離精度はあまり高くなさそうな気がする。
今どきならレーザーだろうけど、記録メディアがフロッピーという時代なので。
***
[気球VLBI](http://www2.nict.go.jp/sts/stmg/vcon/symposium2015/Presen/Doi.pdf)
***
[JAXAにおける気球実験](http://polaris.nipr.ac.jp/~uap/meeting/H19_NIPR_balloon_meeting_talks/Saito.pdf)
4ページ目、各種気球とペイロード/高度のグラフ。
南半球で飛ばすと、ブラジルで放球してオーストラリアで回収するなら約10日、地球1週させれば1ヶ月の観測ができる。
***
[GRAINE 2015豪州気球実験の紹介とエマルションデータ解析](http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/info/sympo/22/slides/kawahara_ICEPPsympo2016.pdf)
ガンマ線を気球で検出する。
検出には位置分解能が高い固体検出器(乾板)を使う。乾板は位置分解能が高い代わりに時間分解能がゼロ。
4層の乾板を使う。1枚目は固定、2枚目はステップ的に移動させる、3枚目は2枚目の2ステップで1往復する速度でステップ的に移動させる、4枚目は3枚目の2ステップで1往復する速度で連続的に移動させる。
乾板は裏表両面で感光するようにしてあるので、1枚で入射角が検出できる。それぞれの乾板で入射角を調べて、それぞれの乾板の位置を計算すれば、飛跡の時間が求められる。
11ページに装置の内部の写真。右下側にステッピングモーターがある。
現地(シドニー大)で現像処理。
そのまま日本に運ぶとフライト中に感光してしまうから?
16ページ、名古屋大で解析の様子。凄まじい力技。
乾板の下から光を当て、上から撮影する。2Mピクセル(FHDクラス)のカメラで撮影。カメラを72台使う。36台のPCにグラボを2枚載せて、カメラ1台毎にグラボ1枚を割り当てて解析。
乾板上は複数層に感光剤が塗ってあって、それが両面。各層にピントを合わせながら撮影すると入射角がわかる。
ガンマ線のような高エネルギーが入ると途中で輝線が2本にわかれる。それを抽出する。
***
[エンジン輸送 - FLIGHT LOGBOOK](http://flightlogbook.hatenablog.jp/entry/20160114/1452762825?fbclid=IwAR3JjxbAk3n2qGkXJ8hEoPCRsLBxyUa5ii0oefiR8PkEgdvyzGmBcaA6Jc4)
内側のエンジンの更に内側に、輸送用のエンジンを載せてフライトできる。
エンジンの取り付けに3時間、その後バランス調整をして飛べるらしい。
バランス調整は燃料の移動で済むのかな?
***
[衛星搭載SpaceWire通信を用いた複数機器の同時読み出し](http://www-heaf.astro.hiroshima-u.ac.jp/thesis/inoue2012.pdf)
2013年2月26日付
SpaceWireとTCP/IPを変換するブリッジを更新したのでそれの評価、という感じ。内容はQiitaっぽい雰囲気。
タイトルがあんまり良くない気がする。
冗長系を使って複数機器の信号を同時に読み出すのかと思ったら、そんなことはなかった。
SpaceWireが4ポートあるTCP/IPブリッジの話。
8,9ページにSpWの信号線の構造と、デファクトスタンダードな9ピンコネクタのピンアサイン。
SpWは平衡接続(LVDS)2本で1組の信号を伝送する。それが2組で全二重を構成している。LVDSが4本なので、8ピンが必要。残りの1ピンでLVDSのシールドを行う。また、コネクタのシールドを使ってケーブル自体のシールドを行う。
LVDSのシールドはOutに対する結線のみを行って、グランドループとならないようにしている(SpWは自分のOutが相手のInにつながる、クロス結線)。
13ページにSpaceWireとGigabitEthernetを変換するアダプタの外観。
14ページに4chのルーティングが可能なタイプの外観。
SpWは2-400Mbpsの伝送ができるので、GbEじゃないと伝送できないか。
SpW2GbEアダプタはフライトモデルには搭載されない。まぁ、そりゃそうか、という気もするけど、一方で、衛星にSpW2GbEアダプタを載せて、WINDSとかを経由してVPCに接続すれば、ダウンリンクとか便利だろうなー、とか思ったり。
***
[GitHub - yuasatakayuki/SpaceWireRMAPLibrary: Open-source C++ library for the SpaceWire and RMAP protocols](https://github.com/yuasatakayuki/SpaceWireRMAPLibrary)
SpaceWireで通すプロトコル、Remote Memory Access Protocolのライブラリらしい(ちゃんと見てない)。
最終コミットが16年3月あたりで、「あっ(察し」という感じ。
***
[超高速インターネット衛星の 超高速インターネット衛星の 課題](http://www.sspi-tokyo.org/archives/doc/pdf/doc0602_nec.PDF)
2006年2月2日付
6ページ、日本を囲むマルチビーム。
日本の大部分を-4dBくらいで囲める、というイメージ?。
16ページ、2007年時点でのデジタルデバイド地域の予測。
ウチのあたりもデジタルデバイド地域になってる。当時でも中心部で1.5Mbps以上の回線ってなかったんだろうか? 今現在だと中心部は光回線使えるはずだが。ウチのあたりは今でも固定回線に限定すると相変わらず64kbpsが最大だけども。沿岸部は高速回線が普及してて、内陸に行くほど高速回線の敷設が行われていない感じ。地形の周波数成分に相関しそうだ。
18ページ、地上回線と衛星回線の比較。設備費10万、通信3000円/月で200回線以上であれば衛星のほうが有利。
たった200回線で衛星費用が回収できるとも思えないので、企業との契約で衛星の投資を回収した上で、個人向けサービスを提供するには200回線以上、ということかな?
以降、用途の例とかいろいろ。
***
[次期固体ロケットの研究概要](https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/a7e89e167686d8735a438b0f6cef8ffd.pdf)
2009年頃
166ページに次期固体ロケットの主要性能とイラスト。
SpaceWireとか採用して高機能化。電源ライン1本と信号ライン2本で地上と接続。ノートPC2台で監視、デスクトップPC1台でコマンド。
***
[ドップラー音波レーダー](http://www.isas.ac.jp/publications/hokokuSP/hokokuSP44/01-13.pdf)
2002年3月付
2.1kHz付近の音波をビーム幅5度で送信し、空中からの後方散乱を受信して風速風向を計測するシステム。
音速が未知なので、距離精度はあまり高くなさそうな気がする。
今どきならレーザーだろうけど、記録メディアがフロッピーという時代なので。
***
[気球VLBI](http://www2.nict.go.jp/sts/stmg/vcon/symposium2015/Presen/Doi.pdf)
***
[JAXAにおける気球実験](http://polaris.nipr.ac.jp/~uap/meeting/H19_NIPR_balloon_meeting_talks/Saito.pdf)
4ページ目、各種気球とペイロード/高度のグラフ。
南半球で飛ばすと、ブラジルで放球してオーストラリアで回収するなら約10日、地球1週させれば1ヶ月の観測ができる。
***
[GRAINE 2015豪州気球実験の紹介とエマルションデータ解析](http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/info/sympo/22/slides/kawahara_ICEPPsympo2016.pdf)
ガンマ線を気球で検出する。
検出には位置分解能が高い固体検出器(乾板)を使う。乾板は位置分解能が高い代わりに時間分解能がゼロ。
4層の乾板を使う。1枚目は固定、2枚目はステップ的に移動させる、3枚目は2枚目の2ステップで1往復する速度でステップ的に移動させる、4枚目は3枚目の2ステップで1往復する速度で連続的に移動させる。
乾板は裏表両面で感光するようにしてあるので、1枚で入射角が検出できる。それぞれの乾板で入射角を調べて、それぞれの乾板の位置を計算すれば、飛跡の時間が求められる。
11ページに装置の内部の写真。右下側にステッピングモーターがある。
現地(シドニー大)で現像処理。
そのまま日本に運ぶとフライト中に感光してしまうから?
16ページ、名古屋大で解析の様子。凄まじい力技。
乾板の下から光を当て、上から撮影する。2Mピクセル(FHDクラス)のカメラで撮影。カメラを72台使う。36台のPCにグラボを2枚載せて、カメラ1台毎にグラボ1枚を割り当てて解析。
乾板上は複数層に感光剤が塗ってあって、それが両面。各層にピントを合わせながら撮影すると入射角がわかる。
ガンマ線のような高エネルギーが入ると途中で輝線が2本にわかれる。それを抽出する。
***
[エンジン輸送 - FLIGHT LOGBOOK](http://flightlogbook.hatenablog.jp/entry/20160114/1452762825?fbclid=IwAR3JjxbAk3n2qGkXJ8hEoPCRsLBxyUa5ii0oefiR8PkEgdvyzGmBcaA6Jc4)
内側のエンジンの更に内側に、輸送用のエンジンを載せてフライトできる。
エンジンの取り付けに3時間、その後バランス調整をして飛べるらしい。
バランス調整は燃料の移動で済むのかな?
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[衛星搭載SpaceWire通信を用いた複数機器の同時読み出し](http://www-heaf.astro.hiroshima-u.ac.jp/thesis/inoue2012.pdf)
2013年2月26日付
SpaceWireとTCP/IPを変換するブリッジを更新したのでそれの評価、という感じ。内容はQiitaっぽい雰囲気。
タイトルがあんまり良くない気がする。
冗長系を使って複数機器の信号を同時に読み出すのかと思ったら、そんなことはなかった。
SpaceWireが4ポートあるTCP/IPブリッジの話。
8,9ページにSpWの信号線の構造と、デファクトスタンダードな9ピンコネクタのピンアサイン。
SpWは平衡接続(LVDS)2本で1組の信号を伝送する。それが2組で全二重を構成している。LVDSが4本なので、8ピンが必要。残りの1ピンでLVDSのシールドを行う。また、コネクタのシールドを使ってケーブル自体のシールドを行う。
LVDSのシールドはOutに対する結線のみを行って、グランドループとならないようにしている(SpWは自分のOutが相手のInにつながる、クロス結線)。
13ページにSpaceWireとGigabitEthernetを変換するアダプタの外観。
14ページに4chのルーティングが可能なタイプの外観。
SpWは2-400Mbpsの伝送ができるので、GbEじゃないと伝送できないか。
SpW2GbEアダプタはフライトモデルには搭載されない。まぁ、そりゃそうか、という気もするけど、一方で、衛星にSpW2GbEアダプタを載せて、WINDSとかを経由してVPCに接続すれば、ダウンリンクとか便利だろうなー、とか思ったり。
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[GitHub - yuasatakayuki/SpaceWireRMAPLibrary: Open-source C++ library for the SpaceWire and RMAP protocols](https://github.com/yuasatakayuki/SpaceWireRMAPLibrary)
SpaceWireで通すプロトコル、Remote Memory Access Protocolのライブラリらしい(ちゃんと見てない)。
最終コミットが16年3月あたりで、「あっ(察し」という感じ。
***
[超高速インターネット衛星の 超高速インターネット衛星の 課題](http://www.sspi-tokyo.org/archives/doc/pdf/doc0602_nec.PDF)
2006年2月2日付
6ページ、日本を囲むマルチビーム。
日本の大部分を-4dBくらいで囲める、というイメージ?。
16ページ、2007年時点でのデジタルデバイド地域の予測。
ウチのあたりもデジタルデバイド地域になってる。当時でも中心部で1.5Mbps以上の回線ってなかったんだろうか? 今現在だと中心部は光回線使えるはずだが。ウチのあたりは今でも固定回線に限定すると相変わらず64kbpsが最大だけども。沿岸部は高速回線が普及してて、内陸に行くほど高速回線の敷設が行われていない感じ。地形の周波数成分に相関しそうだ。
18ページ、地上回線と衛星回線の比較。設備費10万、通信3000円/月で200回線以上であれば衛星のほうが有利。
たった200回線で衛星費用が回収できるとも思えないので、企業との契約で衛星の投資を回収した上で、個人向けサービスを提供するには200回線以上、ということかな?
以降、用途の例とかいろいろ。
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[次期固体ロケットの研究概要](https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/a7e89e167686d8735a438b0f6cef8ffd.pdf)
2009年頃
166ページに次期固体ロケットの主要性能とイラスト。
SpaceWireとか採用して高機能化。電源ライン1本と信号ライン2本で地上と接続。ノートPC2台で監視、デスクトップPC1台でコマンド。
管制システムを車載化して移動可能に。
射点をコンパクトにしていつでも、どこでも打てるように。
170ページに複数衛星の構想とか、将来のロードマップ。
M-Vは全備135tでSSO750kg、次期固体は90tでSSO450kg、その次の世代では全備45tでSSO400kg、並行して全備15tでLEO100-200kg。
イプシロンの次世代はイプシロンの7割増しくらいの性能を目指す?
***
[空中発射システムの研究開発](http://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/c00/C0000000H27/151216_ucyu1/ucyu1_siryou6l.pdf)
長い(途中まで読んで飽きた)。
国内のロケットではイプシロンの500kg級が最小。それより小型の衛星を打ち上げるロケットはない。
空中発射は大きく分けて3種類に分類できる。
1) 水平発射 2) ズームフライト 3) 空中投下
水平発射は、機体の外部に搭載する。機体に対して大幅な改造が必要で、耐空証明を取り直す必要がる。
ズームフライトは、超音速飛行を行った後に機体を引き起こし、運動エネルギーを位置エネルギーに変換する。ロケットに対して最適な速度・位置・姿勢で発射できるので、効率は良い。水平飛行のデメリットに追加して超音速機を用意する必要がある。
空中投下は、通常の輸送機の空中投下のシーケンスを流用できるため、汎用的な機体を使用できる。ただし高高度からの投下である点に注意(通常の軍が行うような空中投下は低高度で行われるため、空力的に異なる)。あと、飛行中にロケットを外気にさらさないのが利点、とも。
150kgの衛星を500kmの極軌道に投入する場合、水平飛行では12トン、ズームで9t、投下で15tのロケットが必要になる。
水平の例にスペースシャトルエンタープライズの滑空試験とか入ってる。
ズームフライトだとF-15の改造が多い感じ。
戦闘機を無人化してコックピットの上まで覆うようなロケットを乗せる、という案もあるらしい。無人化するのは、コックピット上にロケットが来るとエジェクトシートが使えなくなるから空中脱出できなくなるため。輸送機ベースだとそもそも空中脱出なんてできないんだからエジェクトシートなんて殺してしまえばよかろう、と思うのだが。
水平・空中では投入能力500kg未満程度、ズームでは50kg前後、が上限といったあたりか。あんまり大きくなりすぎるとイプシロン規模でいいじゃん、という話になりそうだ。かといって、50kgだと、もう一声ほしい。
空中発射するシステムは、ITARで規制されていて、検討するだけでも米国にお伺いを立てる必要があるらしい。容易に高い投射能力を持てる情報自体に対しての規制っぽい。
投下が汎用性が高く、この文章では投下方式を選択している。
投下でもいろいろな方法があり、ローラーを転がして落とす、パレットに乗せて引き出す、シリンダーに圧をかけて吹き出す。という感じ。シリンダー方式は、ミサイルサイロのコールドランチに近いイメージ。
転がす方式は機体にローラーを追加する必要があったり、落とすときの姿勢が機体に影響を与えないかを調べる必要があり、面倒。シリンダー式は言わずもがな。
パレット式は、通常の物資投下と同様なので簡単に行える。
抽出傘で機外に引き出した後に主傘を開いてロケットの姿勢を安定させる。主傘が開いてから20秒程度で姿勢が安定。
624ページにパレットに載せた状態のイメージと、C-130に入れたイメージ。
627ページに打ち上げのシーケンス。予め減圧、ドア開放を行っておいた場合、シーケンス開始から33秒でロケットに点火。
628ページにシーケンス中の図解。
635ページにGPSアンテナの指向性パターン。
636ページにテレメに使う通信衛星の候補。帯域・地上局に対する要求・等からインマルサットが最適。この時点ではイリジウムでは帯域不足。
639ページにインマルサットのサービスエリアの図。軌道が高くなるとサービスエリアの外に出る時間が長くなる。
640ページから、インマルサットの通信モジュールの性能とか。ドップラーシフトの数値は問題ないけど、変化量が問題。ロケット打ち上げの加速では520Hz/sの変化率が想定され、通信モジュールは48Hz/sまでなので、メーカーに頼んで仕様を修正してもらう必要がある。
648ページから法規制の話とか。主に航空法。
***
[科学衛星データ処理系の将来展望](http://www.astro.isas.jaxa.jp/~takahasi/DownLoad/ISAS_Sympo_DataProcess2005_3.pdf)
SpaceWireの最初期の頃の話のようだ。
あまり面白い話はないかな。
***
[イプシロンロケットの推進系 ](https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/15395/1/61856010.pdf)
2013年1月17日付
1号機の話。
3ページ目、各段の制御。
1段は3軸制御でTVCとSMSJ。2段は3軸制御でTVCとRCS。2段目分離前から3段目はスピン安定。3段目は軌道離脱用のモーター付き。
PBSを使う場合は3段目の燃焼中にラムライン制御を行い、分離後には3軸制御を行う。
4ページ目、SRB-Aの特性とか推力履歴とか。
推進剤はBP-210J、HTPB/Al/APが14/18/68 wt%。
9,10ページ目、2段,3段モーター。
推進剤はBP-205、HTPB/Al/APが12/20/68 wt%。
11ページ目、SMSJモーター。
GGP-3B。成分表記無し。燃焼温度1200℃、燃焼速度3.5mm/s@8MPa。
12ページ目、SPM(SPin Motor)、TRM(Tumble Rocket Motor)。
SPMは2/3段分離前にスピンアップを行う。TRMは3段/衛星分離後に3段を減速・デオービットさせるためのもの。
13ページ目、2段GJとPBSの諸元。GJ装置は1/2段分離から2/3段分離の間の制御を担当する。
14ページ、GJの構造。3方向のスラスタが2組で3軸制御、それが冗長系で2セット。
15ページ、ラムライン制御系の図。
ヒドラジン1液推進で、ブローダウンで供給。容量は3Lで、押しガス(窒素)は2.76MPaG。かなりシンプルな構成。
16ページ、OMS/RCS系の図。
17Lの押しガスタンクに窒素を27.58MPaGで注入。レギュレーターとかパイロ弁とかを通って2.76MPaGで推進剤を加圧。推進剤は35.7Lタンクが3個。
***
[イプシロンロケットが実現するスマートなロケット打ち上げ](https://www.pwri.go.jp/jpn/about/pr/event/2018/0620/pdf/0101-shiryo.pdf)
4ページ、ASNARO-2の時(2018年1月18日)の管制室。画面を見ているのが9人、それと後ろから窓ごしに(orドアから入ってきて)見てる人が数人。
9ページ、点検設備。
従来はコンポーネント毎にアナログ系やデジタル系の結線が必要。
イプシロンでは、ロケット内に信号変換機をのせており、Ethernet1本で接続できる。
12ページ、機材の構成。2段目に搭載する。
Cyclone IIIの上にRTOS(NORTi)を載せている。
***
[株式会社ミスポ/製品情報](http://www.mispo.co.jp/products/NORTi/)
NORTiの製品情報。Cyclone III向けの製品とかもある。
[株式会社ミスポ/Q&A](http://www.mispo.co.jp/qa/others/)
NORTiは"ノート・アイ"と読む。
uITRON4仕様のカーネルとTCP/IPスタックで構成。
あらゆる組み込み用途で使える。通信機器、FA、計装器、電化製品、携帯電話、医療機器など。
***
[資料9-5 イプシロンロケットの開発及び打上げ準備状況(その2)](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/059/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2013/04/19/1327888_05.pdf)
試験機の打ち上げ前の資料かな。
ROSE: Responsive Operation Support Equipment
MOC: Miniature Ordnance Circuit Checker
ROSは機体に乗せる。
MOCは火工品回路の健全性確認を行うモノだが、打ち上げ前に機体から取り外し、くり返し使用する。
16ページに略語集。
PBS, SRB-A, M-34c, KM-V2b, SMSJ, SPM, PDR, CDR, PQR, MCO, FM, PM, CFRP, ROSE, MOC。
17ページにサクセスクライテリア(成功判定基準)。
ミニマム:試験機を打ち上げ、次号機で降るサクセスを確実に達成できるように計画する
フル:ペイロードを所定の軌道に投入し、フル判定項目をすべて達成可能なことを事後評価で確認
エクストラ:フルに加え、ext項目のいずれかを達成可能なことを事後評価で確認
* フル判定項目
LEOで1200kg、SSOで450kg、液体ロケット並みの精度で投入
1段射座据付けから打ち上げ翌日までを7日間
衛星最終アクセスから3時間で打ち上げ
* エクストラ判定
LEOで1400kg、SSOで500kg
据付けから5日
最終アクセスから2時間
***
[強化型イプシロンロケットの開発及び2号機打上げ準備状況](http://www.jaxa.jp/press/2016/09/files/20160929_epsilon_j.pdf)
2016年9月29日付
4ページ目、ペイロード要求。
加速度とか衝撃とかの値。
ERG(Ep#2)は制振機構なしで、機軸方向の振動が2.9G、機軸直交が4G。
ASNARO-2(Ep#3)は制振機構ありで、同0.6G/2.5G。音響や衝撃はほぼ同じ。
6ページ目、機体の各部。
灰色は開発済み(初号機から継承?)、緑は改修、黄は新規開発。
7,8ページ目、試験機と教科型イプシロンの変更点。黄色が変更箇所?
2段目を5tくらい増やしてノズルも変更。推進剤はSRB-A(1段目)と共通化する。
3段目はノズルを変更。PBSでヒドラジンタンクが変更。
8ページ目には試験機と強化型の各部の長さとかが入った図。
22ページ目、略語集。
DAU, OBC, PBS, PSDB, RCS, SMSJ, TVC, M/M, SDR, PDR, CDR, PQR, PM, FM, AT。
***
[イプシロンロケット 搭載ソフトウェアによる 安全設計の実装について](https://www.ipa.go.jp/files/000036239.pdf)
2014年1月17日付
クリティカルソフトウェアワークショップの資料。
6ページ目、1段・2段飛翔中は地上で安全管制、3段目・PBSは自律的なハザード制御。
8ページ目、「Must Work Function(動作することによって)」で安全を確保するのは高リスク。「Must Not Work Function(動作しないことによって)」で安全を確保する。
10ページ目、制御部のブロック図。
あちこちにFPGAがある。
電源は28Vで、5Vや3.3Vに変換して供給。FPGAは3.3Vから2.5Vに降圧して供給したり。コンパクトPCIバスを使ってるっぽい。
安全確認は、独立した3系統の信号がEnableになったのを直列のスイッチでANDし、全てがEnableになった時点で初めて動作するように。
独立と言っても、一つのMPUが出した3系統の信号を一つのFPGAを経由して、独立したフォトカプラで絶縁してるだけなので、ほんとに独立してるの?という気がしないでもない。
***
[アビオニクスがコンパクトに!機械式から半導体式へ強化型イプシロンロケット用小型軽量電力シーケンス分配器 ( PSDB )](https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/93e3e879ac457fde43b9516c19c08b03.pdf)
2017年頃
PSDB: Power Sequence Distribution Box
機械式スイッチを使ったPSDBは20kg程度、半導体化して10kg程度まで半減。
ロケットは宇宙まで行く。高エネルギー放射線が1回当たるだけで誤動作する可能性がある。
国産の半導体スイッチが出てきたので実現できた。海外メーカーだと十分なフォローが得られず苦労する。
17ページに機械式と半導体式の写真。
半導体式は配線料が大幅に減ってる。減りすぎ。
未結線の時の写真とか、テスト用コードが無い状態とか、半導体式とは条件が違う時点での写真のような気がする。
ロケット全体で3台のPSDBを使う。それぞれの軽量化で、打ち上げ能力が20kg程度向上。
***
[膜展開式軌道離脱装置「DOM®」を搭載した超小型人工衛星2機がイプシロンロケット4号機によって打ち上げられます](https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/12/press-20181213-01-TU-web.html)
2018年12月13日付
東北大「RISESAT」とALE社「ALE-1」にDOMが搭載されている。
ALE-1は400kg以下で実験を行うが、高い軌道に投入されているので、DOMで軌道を下げる。
DeOrbit Mechanism(軌道離脱)としての使用だけでなく、軌道制御にも使える。
とはいえ、軌道を下げても、そこで維持はできないから、どんどん落ちていくはず。軌道上でDOMを分離するような機構とかあるんだろうか? DOM自体は質量の割に表面積が大きいから、軌道上で分離してもデブリにはならんだろうが。
RAPIS-1やRISESATは通常の軌道だろうし、ALE-1は早く落ちてくるだろうし、あとから軌道要素を見てみれば差が見えそうだ。
***
[CEES Rocket Project | 大阪府立大学 小型宇宙機システム研究センター SSSRC](http://www.sssrc.aero.osakafu-u.ac.jp/activity/cees-rocket-project/)
液体窒素と温水を使った、非燃焼の小型ロケット。
Cryogenic Economical Ecological Safeの頭文字でCEES。 「このロケットは燃焼過程を一切ともなわないため爆発などの危険性がなく大変安全です」とのこと。
燃焼を伴わなくても爆発はすると思うんだが。
液体窒素と温水をノズル付近で混合して、液体窒素を気化させて水と一緒に吹く、という構造のようだ。
最近のモデルではLN2とGN2を一つのタンクに入れてるらしい(温水タンクもGN2で加圧)。
youtubeの動画を見てると、ペットボトルロケットの延長線上という雰囲気(実験環境とか)。
***
[東工大超小型衛星 Cute-1.7 + APD の開発](http://lss.mes.titech.ac.jp/ssp/cute1.7/paper/ukaren2005.pdf)
汎用のPDAを搭載する。2台で冗長系。
SDカードにデータを入れる。コンパクトフラッシュのインターフェースを使ってカメラを接続。各種機器との接続にUSBを使用。
通信は4系統。CW430tx, FM430tx, FM1200rx, FM144rx。
PDAは日立製でWin CEを搭載。PDAから定期的にWDTをクリアする。WDTが起動した場合はPDAをシャットダウンし、もう1台を起動する。電力的にPDAを2台同時に起動できないため。
姿勢制御のために磁気トルカを搭載。ジャイロで姿勢決定。
CUTE-Iではイメージ型の太陽センサを載せたが、実績が得られなかった。市販カメラをスタートラッカとして使う案もあったが、実現するために必要な技術レベルが高い。
磁気トルカは空芯を3軸。
衛星として姿勢制御を行う必要はないため、様々なアルゴリズムで制御を試す。
CUTE-1.7ではPDAでWindowsが走っているので、研究者がWinで使ったソフトウェアをそのままアップロードして走らせられる。
その他、アマチュア無線、テザー実験、APDの話。
民生品を利用することで、コスト対性能比の改善が期待できる。小型の民生機でも計算能力が高いため、小型衛星との組み合わせが期待できる。
一方で、生産終了で入手できなくなったり、宇宙環境で動作するかのチェックが大規模になったり、冗長系に大きなコストが掛かったりと、メリットだけではない。
「民生品を活用して低コスト化」は銀の弾丸たりえない。ミリタリー界隈のCOTSと同じような問題。初代はやぶさのミネルバでも似たような話があった気がする。
***
[東工大超小型衛星Cute-1.7 + APDの開発](http://lss.mes.titech.ac.jp/ssp/cute1.7/paper/ukaren2005_p.pdf)
2015年11月9日付
5ページ目、PDAのスペック。
日立製NPD-20JWL
SDカード、USB1.1ホストがある。開発環境が充実。小型、低消費電力、高性能。
11ページ、通信系。
各無線機はアルミ板で仕切られてる。
左下にアンテナの構成。びよーんと垂れてる。特に144は長いので垂れ方が多い。
14ページから、APDのミッション。
APDモジュール周りの写真とか。3.3Vを受け取る。USB1.1でPDAと接続。
アバランシェフォトダイオードにアルミを蒸着して遮光。
従来の検出器と比べて、軽量、高性能、高速。
ノイズフロア1keV程度。低エネルギー粒子を検出可能。10^6カウント/秒(1Mカウント/s)くらいまで計測可能。
22ページから、テザーミッション。
導電性テザーを10mほど伸展させる。
0.1mmの銅線。50mを搭載? 10m展開できれば軌道離脱に必要な力を出せる。
テザーを取り付けたパネルが分離されると、フォトトランジスタで検出できる。テザーが伸展するとLEDとフォトダイオードアレイで検出できる。
27ページから、通信系。
4台の無線機は通信系コントローラーを介して、RS232C、USB HUB、等を介してPDAと接続。
以降、無線とかいろいろ。
***
[Cute‐1.7 + APD II 打ち上げ報告](http://www.unisec.jp/library/2008generalassembly/toukoudai.pdf)
松永研で3機目のキューブサット。Cute-1 → Cute-1.7+APD → Cute-1.7+APD II。
Cute-1.7+APDは放射線による通信系損傷でミッション完了できず。IIはそのリベンジ。
基本的に1号機と構成を変えず。
インドからの打ち上げだが、カナダを経由することにより書類仕事を簡素化。
ロケット搭載前の試験でカメラに縞模様が入る異常が発生。原因究明等は翌日に持ち越し。
インドの蛍光灯の周波数によるフリッカーと予想。別の照明で撮影し問題ないことを確認。(インドは50Hzだそうなので、東工大と同じ。ロケット施設で使用していたインバーターの問題?)
ロケットへの固定にM6を使うと要望を出していたが、M5のタップが切られていた。細いボルトに変更になったが、材質の変更で許容応力は高くなった。
29ページ、改良点とか。
シングルイベントラッチアップの検出方法を変更。より下流側で検出する。
***
[東京工業大学小型衛星開発プログラム2010](http://www.unisec.jp/history/ws2010/files/12lss.pdf)
あまりおもしろいことは書いてない。
18ページ目、プロトタイピングの話。
BBM(ブレッドボードモデル)やEM(エンジニアリングモデル)の他に、DBM(ダンボールモデル)を作成した。コンポーネントの干渉チェク。
そういえば、某コミックで、HIT-SATのペーパーモデルを作った話が出てきてたな。
***
[富士通の軌道決定・軌道予報・軌道解析ソリューション](https://www.fujitsu.com/jp/documents/about/resources/publications/magazine/backnumber/vol67-6/paper04.pdf)
・軌道決定
過去の衛星の位置を把握する。観測したデータのタイムスタンプから、どこを観測していたかを把握する、とか。
・軌道予報
未来の衛星の位置を把握する。「ここを観測するにはどのタイミングがいいか」「このタイミングで観測するとどこが見えるか」「次のパスで衛星を追尾するのにはどの方向を見ればいいか」といった用途。
・軌道解析
決定・予報の精度の評価とか。
富士通はNASDAの発足とほぼ同時期に軌道計算への取り組みを始める。69年代末から70年代はじめの頃。
24ページ、時系列。
70年台前半から統合型軌道力学系システムを開発開始。80年代初めに静止衛星技術を確立。90年台後半に地球観測衛星技術を確立。
80年代はじめにさきがけ・すいせいといった、太陽集会衛星(深宇宙)関係。00年台にはやぶさとか。
90年台からスペースデブリの関心が高まる。この頃に高精度軌道決定もできるように。
00年台にかぐやを運用し、軌道から重力場を推定する。
27ページ、ORBITER FORCEのスクリーンキャプチャ。
解像度低くてよくわからない。
***
[衛星運用ソリューション FUJITSU Technical Computing Solution ORBITER FORCE - Fujitsu Japan](http://www.fujitsu.com/jp/solutions/business-technology/tc/sol/orbiterforce/)
[FUJITSU Technical Computing Solution ORBITER FORCE](http://www.fujitsu.com/downloads/JP/archive/imgjp/jhpc/solutions/orbiterforce/brochures/orbiter_force-201403.pdf)
「あなたの衛星を確かな軌道計算でサポート」
対応OSがWinXPから7、Server08といったあたり。
Win8/10は非対応のようだ。マジか。このカタログの最終更新は2014年頃か? それにしたってWin8は発売済みの頃だよなぁ。富士通。。。
ライセンスはいくつか種類がある。
OF本体とクライアントのライセンスは買い切り。OF本体はサーバーとクライアントが付属してる。
プログラムサポートはサブスクリプション方式。バグ修正とかレベルアップ版(バージョンアップ?)はこれに含まれる。
他に、OFのカスタマイズもできるようだ。
ユーザー個別のカスタマイズが別ライセンスなのはいいとして、バグフィックスの提供が本体ライセンスに含まれないというのは、いまいち腑に落ちない。B2Bソフトウェアってそういうモノなの?
***
[新型宇宙ステーション補給機(HTV‐X(仮称))プロジェクト移行審査の結果について](https://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-kiban/kiban-dai36/pdf/siryou2.pdf)
2018年2月20日付
軌道上の技術実証プラットフォームとしても使えるようにする(試験用の衛星を仕立てる必要なく、新開発コンポーネントをHTVに相乗りして軌道実証が行える)。
能力向上。質量で45%増、容積で60%増。
レイトアクセスを短縮(3日→24時間)。予圧カーゴに給電した状態で打ち上げ可能。ISS係留期間を延長(45日→6ヶ月)。
予圧区画の壁面にハッチを追加。ロケット結合後にレイトアクセス。
自動ドッキングができるように。
軌道上実証の比較。
現行HTVでも可能(#6でテザーの実験とか)。現行では最大100kgを搭載可能で200Wを供給可能。TDRS経由で8kbpsのテレメ。
HTV-Xでは250kg/1kW/1Mbpsになる。オプションでXバンドの200Mbpsも追加可能(ミッション重量が削られるのかな?)。
ミッションの例。非協力物体へのランデブー。JEMから物体を放出(キューブサットと同じ運用か)。HTVのミッション機器でターゲットを認識する。HTVの暴露カーゴにもターゲットを追加可能。
サービスモジュール単体でも飛行可能なようにする。HTV-Xのサービスモジュールを衛星バスとして使えるように。
長期間のミッションや地球月軌道を想定し、微小デブリの防御増強。
サービスモジュールを貫通する予圧エリアを追加する。将来的にHTV-Xを複数結合して低軌道ステーション化。
技術実証ミッションの候補。
月や火星の重力を模擬する。スラスタを吹き続ける? セントリ? 後者ならISSで良さそうだし、前者だとコリオリが発生しない利点がある。ものすごい量の燃料が必要になりそうだけど。
推進剤補給の実証。
その他いろいろ。
17ページ、HTV-Xの特徴とか。★マークは現行からの教訓を反映したもの。結構多い。
現行HTVではサービスモジュールの反対側にもスラスタがあり、そこまでの配管が必要。-Xではそれを無くして、サービスモジュール単体で使えるようにする。
現行HTVではモジュール搬入から打ち上げまで5ヶ月。-Xでは2.5ヶ月へ。
現行HTVでは射点に移動後に14時間の作業が必要。-Xでは7時間へ。
メインエンジンを削除してスラスタを3系統に(月軌道のような大きなΔVが必要なミッションでは、都度それ用の大型スラスタを搭載する)。
HTVは有人宇宙施設としての安全性が求められていて、HTV-Xでも維持されると考えられる。とすると、HTVを使った軌道上実証は、有人に対する安全性が強く求められると予想される。液体を扱うような実験機材は、それなりに制限されることを覚悟しておく必要がありそうだ。逆に、電波を出すような機材は、HTV-X側で給電しないことを保証してもらえば、ISSに対する照射とかの懸念は排除できるので、JEM等で実験するよりお手軽に実施できるはず。
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[北海道 成層圏気球実験の旅 〜前半戦〜 | 千葉工業大学 惑星探査研究センター(PERC)](http://www.perc.it-chiba.ac.jp/researcher/%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93-%E6%88%90%E5%B1%A4%E5%9C%8F%E6%B0%97%E7%90%83%E5%AE%9F%E9%A8%93%E3%81%AE%E6%97%85%E3%80%80%E3%80%9C%E5%89%8D%E5%8D%8A%E6%88%A6%E3%80%9C.html)
2018年6月29日付
成層圏で微生物を採取する。
クリーンベンチが結構簡単な感じだ。5面を被った箱に、スライドする壁。これを少し持ち上げて、下の隙間から腕を入れる、という感じか。上部に何らかの装置。エアクリーナーかな。
「良い風、良い浪、良い天気」
気球は風が良くないと放出できない。波が良くないと、船で回収できない。
後半は大樹のグルメレポート。あんまり海沿いという雰囲気はないな。
タイトルが前半戦なので後半も探してみたけど、見当たらなかった。
JAXAのプレスリリースによると、18年6-8月の気球実験はすべてキャンセルになってしまったそうだ。
放出や回収を後半として記事にする予定だったんだろうな。
[御宿町グルメレポート | 千葉工業大学 惑星探査研究センター(PERC)](http://www.perc.it-chiba.ac.jp/researcher/%E5%BE%A1%E5%AE%BF%E7%94%BA%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88.html)
千葉工大の地元のグルメレポートは単体で記事になってる。
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[宇宙ガンマ線観測の100倍高解像度化を狙うエマルション望遠鏡の性能検証を実施 ―気球実験が成功、データ解析へ― | Research at Kobe](http://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2018_07_17_02.html)
2018年7月17日付
少し上で紹介したヤツ(GRAINE 2015豪州気球実験の紹介とエマルションデータ解析)の続き。前記は2015年の実験だが、この記事は18年の実験のもの。
図2、予圧容器のフレーム。向かって左下・右上方向にスライドさせる。左下には、斜め上を向いたスターセンサも確認できる(左上奥にも)。右側端の黒い円盤もスターセンサで、迷光を吸収するための黒いディスクが見えている状態。レンズキャップも付いてる。
スターセンサである時刻での観測装置の姿勢を計測する。
現地時間早朝に放球するが、高度35km以上をフライトしてるから問題なさそう。
15年の写真にはスターセンサらしきモノは確認できない。新しく追加されたものかな?
GRAINE。グレーヌ、グレンヌ、といった感じか。フランス語で種子という意味だそうだ。あんまりこじつけ感無く略称になってる。
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[GRAINE 計画:エマルション望遠鏡による宇宙ガンマ線観測計画](https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/6821/1/SA6000021003.pdf)
11年夏から15年春ごろの間かな。
ミリ秒オーダーの時間分解能を目指す。数十ミリ秒単位のパルサー観測に必要。
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[高角度分解能エマルション望遠鏡 による宇宙ガンマ線観測計画 GRAINE](http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ste-www1/news/workshop/h24shukai/rokujyo130301.pdf)
2011年の放球の最の資料。
6ページ目、読み取り装置の試作品。
15ページ目、乾板の構成。最初にフィルム102枚と銅板のミルフィーユが計35mm、その下にシフターが3段、更に下にフィルム32枚と鉛板をミルフィーユが計32mm。
1段目のミルフィーユ(銅板)でガンマ線を電子線にする。35mmの間でY字に感光させて角度を求めたり、という感じか。
シフターの感光によって入射の時間を記録する。
下段のミルフィーユで鉛板を貫通しながら感光させて、どこまで貫通できたかでエネルギーを求める。
粒子の入射角・入射時間・エネルギーを高分解能に計測できる望遠鏡、ということか。
17ページ目、シフターの写真。
18ページ、気球ゴンドラの写真。
スターセンサーも搭載されてる。
小さい箱にNHKの文字。
後ろに見えてる箱はドップラー音波かな?
20ページ目、読み取り中の様子。
6ページのモノの前世代の装置のようだ。
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[原子核乾板自動解析システムの開発と応用](http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/info/sympo/18/torape/morishima.pdf)
4ページ目、"ニュートリノ振動直接検出実験OPERA"の時の写真。
ちなみにOPERAは「ニュートリノが光速より速いかも」「GPSのコネクタ緩んでたてへぺろ(・ω<)」で世間を騒がせたやつ。
約1000万枚の乾板を使用。目視で探すのは不可能。超高速自動解析を使うことで実現。
5ページ、自動読み取り装置の歴史。
1994年には0.0025cm^2/hから、2007年には72cm^2/hまで。
10ページから、乾板の読み出し方法。
焦点距離の短い光学系で撮影。フォーカス位置を変えながら深度方向にスキャンして撮影。エマルションの厚さは44um。
19ページ、OPERAで使ったフィルムの様子。
10x12cmでおよそ1億本の飛跡。
両面で連続する飛跡の組み合わせを総当たりで探す。
23ページ、5台の読み取り装置。それぞれ個性がある。3,4,5号機あたりになると安定してきてるか。
24ページ、読み取り装置を設置した部屋の様子。
1日3人のシフトで24時間運用。
室温29度、湿度35-40%に管理。
オンラインで稼働状況をチェックできる。
5台の読み取り装置で毎時150GBくらいのデータ。
31ページ目、読み取り装置で読み出した面積。
2007年7月から読み取りを開始して、2011年12月で230m^2くらい。
32ページ目以降、他分野への応用。
ミューオンを使った画像化とか、ガンマ線望遠鏡とか。
原子炉の非破壊検査。
乾板は高解像度、電源不要、小型、軽量、蓄積、多点同時観測、といったアドバンテージ。
100m先で10cmの解像力がある。
乾板の欠点はおおよそ克服できている。
46ページ以降、高速増殖実験炉常陽で実証実験。
原子炉容器の下に乾板を置く。
49ページ、炉心下に置いた様子。
「仮設許可表示版」というものに期間や責任者や注意事項やいろいろ書いてある。原子炉での実験大変。。
トラ柄テープで注意喚起とか。
乾板は細い穴に入れて使える。電気不要。
資源探査や遺跡の調査とか、いろいろな用途に使える可能性。
***
[読み出し装置開発の現状](https://www-he.scphys.kyoto-u.ac.jp/nufrontier/workshop/2013dec/slide/2-2.pdf)
前世代のS-UTSでは72cm^2/hourの読み取り能力。
新世代のHTSでは9000cm^2/hourの読み取り能力。
8ページ目、HTSの撮像系。
左上、対物レンズ。右側にちょこんとおいてあるのが旧システムのそれ。
右上、撮影ユニット。FHD級の画素が横3x縦4で12個並んでいる。
中央、光学系の配置。ビームスプリッタで6本に分離し、それぞれを撮影ユニットで撮影。
12個の画素が乗ったユニットが6個で計72個の撮影素子。
左下が撮影素子の分割。5x5mmの範囲を72の区画に分割して撮影。
一つの画素から360MB/sでデータが出てくる。2つの素子からのデータを1つのCPUで受け取って、2つのGPUに渡す。
汎用PC36台、計72個のGPUで処理。
乾板を載せるステージが2箇所ある。片方を読み込み中にもう片方の乾板を交換?
***
[飛跡読み取り装置開発史 | 名古屋大学理学研究科 F研](http://flab.phys.nagoya-u.ac.jp/2011/introduction/history/tshistory/)
1985年、初代自動飛跡読み取り装置。
初めて実戦投入された。性能は不十分で、サポート的に使用。
1994年、Track Selector(TS)
初めて人間スキャナーに取って代わり、絶大な威力を発揮。真の全自動解析が行われるようになる。
1996年、New Track Selector(NTS)
運用中に開発された新たな方式で使うには性能が足りず、次世代の開発が求められた。
1998年、Ultra Track Selector(UTS)
乾板全体を読み出せるようになる。遠隔地でデータ処理ができるようになった。
その後、S-UTS(Super-Ultra Track Selector/2007年頃?)やHTS(Hyper-Track Selector/2011年頃?)が開発される。
***
[GRAINE 2015 年豪州気球実験 超高速飛跡読取装置 HTS による データ取得](https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/556270/1/SA6000044031.pdf)
GRAINE2015でのエマルションの総面積は1000m^2。
HTSでは2000m^2/年の読み取り能力なので、年2回のフライトが限度ということか。
HTSの画像処理はOpenCVを使用。飛跡認識は専用開発のソフトウェアをCUDAで実装。
ソフトウェアの処理を高速化した一方で、ハードウェアがボトルネックになる。
ステージ移動で振動が発生し、これが収束するのを待つ必要がある。
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[GRAINE 2011 年度気球実験:姿勢モニターの解析現状](http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/2011/image/1006_balloon_proc/isas11-sbs-019.pdf)
スターセンサの話。
754x484pxの2/3型近赤外CCD。レンズに85mm/F1.4を使用。
1mの植毛フードを使用。
オートゲインで飛行。途中でマニュアルにし、段階的に感度を変更。
フードの設計ミスで外周部が白飛びした。
昼間でも星を撮影することができ、姿勢を一意に決定できた。
途中で姿勢の推定ができない期間がある。
画角に撮影できる星が入っていない可能性。将来的に複数のスターセンサを搭載したい。
***
[GRAINE 2011年度気球実験:多段シフターの解析現状](http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/2011/image/1006_balloon_proc/isas11-sbs-020.pdf)
ステッピングモーターで1umの位置再現性で制御できる。
1段目は1000秒(16.66..分)毎に、2段目は50秒毎にステップ状に移動させる。3段目は片道50秒(往復100秒/1.66..分)毎に連続的に移動させる。
今回は0.3秒の時間分解能が期待される。入射角をmradオーダーで天球にマップできる。
***
[GRAINE 2011 年度気球実験:姿勢モニターの解析](http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/2012/image/1016_balloon_proc/isas12-sbs-020.pdf)
スペクトルM型の恒星を狙う。650nmより短い波長をカットするフィルタを通す。3200Kの黒体放射を検出できるように。この波長であれば青空のスペクトルは十分低い。1/30secで撮影した場合、6等級まで撮影できるはず。
別グループがゴンドラの姿勢制御実験をやっていた。
その間、不運にも恒星が撮影できず、姿勢決定ができなかった。
スターセンサの姿勢から周期的な振動が見られた。気球の吊り紐による振り子運動と一致。
***
[気球搭載型エマルション望遠鏡による ガンマ線天体精密観測計画 GRAINE](http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/info/workshop/2013/kyodoriyo/pdf_20dec2013/19.pdf)
15ページ目、高感度フィルムの作り方。
1) 計量して溶かします
2) ベースの板を作業台にビニールテープで固定します
3) 乳剤を垂らします
4) 棒で伸ばします
5) 棚で自然乾燥させます
シンプル!!
16ページ目、テスト風景。
のどかな高原という感じ。
***
[CAMUI型ハイブリッドロケットの 開発と事業化計画](https://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-housei/housei-dai2/siryou6-1.pdf)
2015年4月28日付
15年時点での計画では、2018年の段階で航空機による空中発射の実証とかを行う予定だった。16年で大気球から落下させて試験、17年で大気球から空中発射、という感じ。
2023年には空中発射で軌道投入。
7,9ページ目、宇宙関係は、7千万円から数百億円までは連続した技術開発がある(サブオービタルから深宇宙まで)。
数百万円から数千万円の領域を作りたい。
10ページ目、4.5ton級CAMUIのイメージ。全備重量およそ700kg、全長8m程度。
押しガス38MPa、LOX6.84MPaで燃焼室4.56MPa。
150kgのペイロードを110kmまで打ち上げる。
***
[株式会社植松電機 「思い描くことができれば、それは実現できる」 SOLIDWORKSとFlow Simulationを活用して、ロケット開発に挑む](https://files.solidworks.com/casestudies_jpn/pdf/166_UematsuD_DS_FIX.pdf)
本業の方でも使ってるよ、とか。
***
[国際宇宙ステーション(ISS)に提供する実験装置 (HTV搭載小型回収カプセル(HSRC)) に関する安全審査結果について](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/060/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2018/04/10/1402855_5.pdf)
HSRC: HTV Small Re-entry Capsule
6ページ目、内部の配置とか。
カプセル中央に保温容器。その周りにパラシュートとか。底部の周囲に推進系のタンク。その内側に電装系。
10ページ目、圧力隔壁。
HTVに元々ついていたハッチの代わりに、圧力隔壁でHTVの与圧を維持する。
15,16ページ、標準ハザードとユニークハザード。
27ページ目、HTVからの給電。
31.5-52V、最大2.3Aが給電される。圧力隔壁のあたりで5V3-4Aに降圧され、HSRCに供給される。
31ページ目、略語集。
CFRP, EMC, EVA, FMEA, FTA, HOPE, HSRC, HTV, ISS, IVA, JAXA, JEM, MDP, MIUL, S&MA。
32ページ目、推進系。
GN2タンク5本。パイロ弁や調圧弁を通じてスラスタへ。ノズルは3D造形品だそうだ。
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[Ejector - TiNi Aerospace, Inc.](https://tiniaerospace.com/products/space-ejector/)
HSRCと圧力隔壁をつなぐ部品。動作中のアニメーションとか。
10W程度の電力を供給することで分離を行う。
非火工品なので取扱が簡単、再使用ができるので動作点検できて安心、みたいな。
HSRCでは1000ポンド(およそ450kgf)品が使われているそうだ。
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[固体素子レーダーの概要](http://www.soumu.go.jp/main_content/000135479.pdf)
2011年11月4日付
なぜ固体化?
・安全意識の強まりでレーダー使用頻度の向上。マグネトロンは一定時間使うごとに高価な部品の交換が必要。
・通信分野の帯域需要の向上。レーダーの狭帯域化の要求。
・半導体で実用的になってきた。
送受信信号処理は空中線ユニットに内蔵。コンソールは従来機と共通? 固定部に基板が入ってて、ロータリージョイント経由で空中線と接続する。
メリット
・消耗品を使わないので保守コスト低減
・新しい信号処理で映像が改善
・起動時間短縮
***
[固体素子を用いた船舶用9GHz帯レーダーの研究開発](https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/fees/purpose/pdf/H21_RD05.pdf)
目標。空中線で300W以上、狭帯域化、周波数安定度10^-5を実現。
4ページ目、仕様。
・先頭電力300W
・P0Nで9.41GHz、Q0Nで9.43GHz
・水平0.8度、垂直20度のファンビーム(9ftアンテナ)
・空中線回転速度16/24rpm(3.75/2.5 sec/rev)
・PRF 640, 1280, 2280, 4100Hz
・パルス幅、無変調で0.08-0.57us、FMで4.6-18.3us
最大でPCR512。
5ページ目、試作機の送受信系。
GaN-HEMT(高電子移動度トランジスタ)が4並列。
局発の周波数安定度10^-6。
6ページ目、信号処理部。
FPGA3個とCPU1個。
9ページ目、スプリアス評価。
新スプリアス基準をクリア。それより厳しい目標基準もクリア。2次高調波無し。
11ページ目、性能評価。
距離分解能21m、角度分解能2.0度。
16ページ目、レーダー間干渉。
個体化→マグネトロンは結構強い干渉が出てるっぽい。干渉除去機能で除去可能。
個体化→個体化も干渉は出るが、いかにもパルス圧縮してるようなサイドローブ。干渉除去機能で除去可能。
***
[船舶用固体素子レーダーの技術的条件](http://www.soumu.go.jp/main_content/000547768.pdf)
3GHzと9GHzのレーダーがある。
3GHzは衰退が少なくシークラッタが少ない。遠くまで見える。
9GHzは小型軽量で経済的。
マグネトロンレーダーは10-25kWクラスで短パルス(1.2us以下)が一般的。寿命が短く、3年に2回程度の交換が必要。個体ごとに周波数が異なる。周波数安定性が悪い。レーダー間の干渉が少ない。
固体レーダーは300-400W程度と低電力。長パルス(20us程度)と短パルス(1.2us以下)を組み合わせる。長寿命(10年以上交換不要)。周波数安定性が高い。不要発射が低い。パルス幅が長いので既存レーダーに対する干渉が懸念される。
2ページ目、技術的要件。
パルス幅22usを基準に要件が変わる。
22us以下の場合はP0Nで1.2us以下、Q0N or V0Nで22us以下。空中線電力は特段規定しない。
22usを超える場合はF3N or Q0Nで2ms以下。空中線電力200mW未満。
その他。
マグネトロンは短パルスを使う。パルス幅が短いので最短探知距離が短い(1種類のパルスで近距離から長距離を捜索できる)。
固体レーダーは電力が低いため、短パルスでは遠距離を捜索できない。長パルスでは短距離を創作できない。複数のパルスを組み合わせて近距離から遠距離までを捜索する。
***
[固体化マリンレーダーの開発](http://www.ihub-tansa.jaxa.jp/files/report_2016/H28report_4_4_3.pdf)
JAXAの内之浦宇宙空間観測所のS帯(2-4GHz)1kW級半導体アンプ、PROCYON搭載X帯(8-12GHz)20W級半導体アンプの成果を元に開発、みたいな感じ。
***
[S帯600W, X帯200Wを実現した レーダー送信機用GaN HEMT](https://sei.co.jp/technology/tr/bn190/pdf/190-26.pdf)
200℃でMTTF100万時間。
この温度を満足するには、S帯でPW200us 10%、X帯で100us 10%、といったあたり。効率はそれぞれ59%、38%くらい。
S帯は航空管制レーダー向けの2.7-2.9GHz、X帯は船舶・気象レーダー向けの8.5-9.8GHzをカバーするように設定。
***
[海上保安庁の交通政策について 海上交通センター用 14GHz帯固体化レーダー装置](http://www.jana.or.jp/denko/data/25_1_1.pdf)
2013年5月17日付
要求:距離10kmで分解能50m(接線方向)
ビーム幅0.25度が必要。9GHzでは空中線が9mになる。14GHz帯では空中線長6m。
24GHz帯や32GHz帯では降雨衰退が大きいため、14GHz帯を採用。
なぜ固体化?
半導体素子が安定的に流通するようになった。電力合成で高出力化ができる。
8ページ目、諸元。
マグネトロンでは40kW、P0N、パルス幅0.1us、PRF3kHz固定。ビームは水平0.25度、垂直15.0度。
訂正:固体化は350W。
4km以内は短パルスで捜索。
従来のクラッター抑圧は、あるレベル以下の信号を無視することで行っていた。弱いエコーが消されてしまう。
信号処理を改善し、ドップラー成分を取り出すことにより、弱いエコーでも見えるように。
消費電力32%減。
操作性の向上。
***
[船舶用小型S帯固体化レーダーの開発](https://www.jrc.co.jp/jp/about/activities/technical_information/report67/pdf/JRCreview67_07.pdf)
マグネトロンレーダーと比べて先頭電力が100分の1。FMパルスを送信。
マグネトロンでは3分程度の予熱が必要。固体化では不要で、システム起動後直ちに使用できる。
25ページ目、図3、固体化レーダー空中線のブロック図。
空中線内に送受信回路と信号処理回路がある。送受信回路は基部に入っている。
固体化で送信電力が下がったことで、導波管を使った従来の方式から同軸管を使った方式へ変更し、軽量化ができる。
26ページ目、信号処理回路の外観とか。
27ページ目、用語一覧。
ADC, AIS, DAC, DDR3, FPGA, IMO, I-Q, P0N, PPI, Q0N, SAW, SDRAM。
***
[捜索救助用 レーダ・トランスポンダ JQX-30A](http://www.jrc.co.jp/jp/product/discontinued/jqx30a/display.html)
SART(Search and Rescue Transponder)とよばれる、捜索救難用のトラポン。
船舶レーダーの9GHzを受信すると応答を返す。
「画面表示例」に画面表示の例。
トラポンは受信した周波数をそのまま定期的に返すことにより、レーダースクリーン上に破線を表示する。
初期のIFFみたいな感じだ。この方式だと送信側に特別な機材が必要ないからSAR用途では便利なんだろうなぁ。
通常は赤色灯の間欠点灯で、レーダー波を受信すると連続点灯へ変化するらしい。
救命艇に乗っている人間は、連続点灯になったときに発炎筒等を利用する。
***
[海底圧力計アレー記録を用いた干渉法による海洋重力波の抽出](https://www.jamstec.go.jp/maritec/j/blueearth/2017/pdf/be17-p08.pdf)
天文分野の重力波ではなく、流体分野の重力波。重力によって引き起こされる波。高さの差や密度の差といった、受ける重力の差によって引き起こされるもの、ということのようだ。
圧力計で計測できるので、複数点で計測。それぞれで相関をとっている。遠いところにサイドローブがあって、島からの反射によるものだそうだ。
***
[低周波重力波検出器 Torsion-bar Antenna](http://www.astro-wakate.org/ss2011/web/ss11_proceedings/proceeding/instrument_29b.pdf)
レーザーを干渉させるのではなく、棒を使って重力波を計測する。
レーザー干渉では制振装置の固有振動数に近づくと感度が低下する(外来ノイズを除去できなくなる)。低周波な重力波を見たいときには不都合。
外来振動が少ない宇宙空間での観測が期待されるが、太陽周回軌道に3機以上の衛星が必要で、運用が始まるまでにはしばらく掛かりそう。
将来的には、長さ10mの棒を4K以下まで冷やす。
とりあえず20cm常温のプロトタイプを作成して計測。
2011年3月11日午前1時から午前9時まで計測。夜中に計測を開始したのは徹夜させられてるわけではなく、外来振動を減らすため?
従来の実験よりだいぶ特性が悪い。外来ノイズが多かった。東日本大震災の直前だったので、観測期間中に地震が多発していた?
***
[重力波](http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~ppp.ws/PPP2016/slides/tanaka.pdf)
最初のGW150914では相関せずに波形が見える。
2つ目のGW151226は相関しないと見えない。
150914はSNR23.7、GW151226は13.0だそうだ。
重力波を探すにはシミュレーションで波形を予想して相関処理をする必要があると予想されていた。相関処理前でも見える。ただし、小さいGWを探すには相関処理が必要。
***
[衛星の姿勢・軌道制御装置の長寿命化技術 世界最高レベルの寿命と低コスト化を同時に達成した 1N スラスタ](https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/1330a8b9b72f081472c1bd05204f599d.pdf)
2012年頃
従来IHIエアロスペースが作ってきたスラスタは、あちこち改良を加えているが、そろそろ抜本的な設計変更が必要。
21ページ目、新型スラスタ、旧型スラスタ、競合(海外製)スラスタの比較。
新型は連続比推力222秒以上、トータルインパルス230kN・s、寿命88万パルス、従来比7割程度の値段、従来比半分近くの納期、といった感じ。
ところで、海外製は"スラスタ"だけど、IAの2種は"クラスタ"と書かれている。似てはいるが…
IA旧世代は14機の衛星で200台弱が使用されていた。新世代は軌道実績なし。SLATSに搭載予定。
***
[超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)の開発と運用状況](http://www.satnavi.jaxa.jp/project/slats/news/2018/pdf/slats-ws_20180918_2-1.pdf)
2018年9月18日付
2ページ目、高度と大気密度のグラフ。
従来の衛星は高度700km前後。SLATSでは250km前後。空気抵抗が1000倍。
3ページ目、高度とミッション機材の話。
パッシブ光学(カメラ)の分解能は高度に比例。アクティブ光学(LIDAR)の電力は高度の2乗に比例。アクティブレーダー(SAR)の電力は高度の3乗に比例。
同じセンサでも、高度を下げれば高性能化。同じ性能なら、高度を下げれば小型・低消費電力になる。
4ページ目
超低高度衛星は、比推力の高いエンジンが必要になる。すなわち、軌道変更が容易になる。通常は高い高度で待機して、緊急観測時は高度を下げるとか。
5,6ページ目、超低高度軌道の欠点。
観測範囲が狭くなる。可視時間が短くなる。空気抵抗によりセンサにブレが生じる。エンジン吹きっぱなしなのでそれの影響。軌道安定性が悪化するのでSARに悪影響。
7ページ目、SLATSの諸元。
270km付近に投入して最終的に180kmまで下ろす。
発生電力1174W以上。打ち上げ質量383kg。設計寿命2年以上。他ミッション機材とか。
9ページ目、高度プロファイル。
10ページ目、ミッション機材。
11ページ目、サクセスクライテリア。
16ページ目、光学ミッションの諸元。
17ページ目、機材の配置。
***
[超低高度衛星技術試験機(SLATS)の検討状況について](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/059/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2013/09/06/1338400_8.pdf)
2013年9月4日付
3ページ目、応用。
光学/SARで高分解能化。LIDARの搭載とかも。
LIDARを乗せれば軌道上から風向風速が計測できる。海上も含めた全世界の風向風速データを作れる?
10ページ目、軌道のイメージ。
通常は準回帰軌道で、5日で回帰。5日毎に観測ができる。
緊急時には完全回帰軌道に乗せることにより、毎日同じ地点の観測ができる。
11ページ目、内部の配置図。
前方右側に光学センサ。中央部に電気系統。後方に推進系。イオンエンジン1機と化学推進が4機。
スラスタのキャント角で、4機のスラスタで3軸回転と1軸推進を行う。
***
[JAXAにおける超低高度衛星技術試験機(SLATS)の開発と将来の展望について](http://www.satnavi.jaxa.jp/project/slats/news/2016/pdf/ws1-2.pdf)
2015年5月26日付
10ページ目、原子状酸素フルサイエンス(AOFS)の仕様。
AOFSのセンサは、ポリイミドがAOでガス化することによって質量が減少することを利用して、水晶振動子の周波数変化を観測し、質量・衝突数を推定するようだ。
18ページ目、打ち上げ手段の例。
イプシロンで単機の打ち上げだと衛星・ロケット含めて100億以下。
自由に軌道を制御できることを生かして、H-2Aで複数起動時打ち上げも。
4機でコンステレーションすれば1日でほぼ全球の任意の地点を観測できる、とのこと。
H-2Aを使うなら6機くらい上げたほうがいい気もするが…
19ページ目、SAR型の案。
観測幅は狭まるけど高分解能化。
20ページ目、LIDAR型の案。
従来の高度から観測しようとすると消費電力が多く必要だった。超低高度軌道なら低消費電力になる(4分の1くらい?)。
2次元の風速を高精度に計測できる。台風生成時(海上)の計測とか。
大気汚染物質等の移動の推定精度を向上できる。
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[Fast Fourier Transform](https://japan.xilinx.com/products/intellectual-property/fft.html)
ザイリンクスのIP。
「高速フーリエ変換 (FFT) は、OFDM ベースのデジタル MODEM から超音波、RADAR および CT 画像再構築アルゴリズムまでのアプリケーションを含む DSP システムで使用される基本的なビルディング ブロックです」
だそうだ。
n=2^m (m=3-16)とのこと。8ポイントから65536ポイントまで。
あんまりポイント数多くないんだな。メーカーIPがこの範囲ってことは、この範囲をカバーできれば大抵の分野はカバーできるってことか? 超音波やレーダーって2^16で足りるんだろうか。全然足りない気がするんだが。思ってるのと違うのかも。
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[陸域観測技術衛星2号「だいち2号」](http://fanfun.jaxa.jp/countdown/daichi2/files/daichi2.pdf)
2014年4月付
打ち上げの少し前に作られたパンフ。
3ページ目、バンドの違いと歴代衛星の比較。
Lバンドは雲や木の葉、木の枝を透過して地面で反射する。
Cバンドは雲を透過し、木の葉や枝で反射する。
Xバンドは雲で減衰し木の葉で反射する。
マルチバンドを見れる衛星だと木の高さや植生を判断できたりするが、ALOS-2はLバンドオンリー。
92年からの"ふよう1号"は分解能18m、ALOSで10m、ALOS-2で3m。
4ページ目、東日本大震災のときのInSAR画像。
5ページ目。
土砂崩れの画像。レーダー衛星なので夜間でも見える。Lバンドなので悪天候にも強い。
災害の監視。ALOSの運用終了からALOS-2の運用開始の間は海外の衛星からデータを買ってた。油の流出とかもSARで見える。
海氷の監視。雲の影響を受けずに観測できる。ただしALOSでは頻度が低く、薄氷の識別が難しい。ALOS-2では頻度向上はできるらしいが、薄氷に関しては書かれてない。バンドが同じなら標高分解能は大して変わらないはずだから、薄氷に関しては厳しそう。
6ページ目、森林や極域の観測。
森林の違法伐採の監視は、光学衛星の画像をもとに行われていた。が、雨季のような雲の多い季節は監視ができず、違法伐採が増加する傾向にあった。ALOSなら雨季でも監視できる。一方で、ALOSの回帰日数(46日)では十分な頻度で監視できず、2週間程度の期間で行われる違法伐採をリアルタイムに発見できないことも多い。ALOS-2は回帰日数14日なので、リアルタイムに発見できる機会が増えるかも。
7ページ目、水田の監視、地下資源の探査、など。
水面は後方散乱が少なく、SAR画像では暗く見える。稲が植えられると後方散乱が増え、成長とともに増えていく。SAR画像で水田の作付面積を推定できる。
海底油田から油が漏出すると、オイルスリック(油によるなめらかな水面)が発生し、SARで見えることがある。異なる時期でも同じ場所にオイルスリックがあれば、海底油田からの漏出の可能性がある。
InSARを使えば地面の沈下が数cm単位で観測できる。陸地の資源開発等での地面沈下を監視できる。
8ページ目、衛星の外観とか主要諸元。
9ページ目、分解能とか。
ALOSでは軌道の右側しか観測できなかった。ALOS-2では両側を観測できる(SARの制限で、直下は見えない)。両側が見えるようになったことにより、観測機会が増える。
回帰日数を短くしたり、伝送速度を強化したりして、全体的な性能が向上。
災害の緊急観測が必要な場合、国内なら最短2時間で画像を提供できる。
10ページ目、アンテナの外観とか。
約1000個の素子を使ったフェーズドアレイを構成。
11ページ目、観測モードとか。
PALSAR-2ではスポットライトモードを追加。1箇所を連続して(13-26秒)観測できる。1-3m程度の分解能が得られる。
デュアルビームで観測幅が広くなる。パネル全体で送信し、前後で2分割して受信。偏波面の変化が見える、ということかな? 幅?
GaNを採用して周波数帯域を拡大し高い電力が可能になった。
観測モードとか観測幅とかの表。分解能3m/6mでは50kmの幅を、10mでは70kmの幅を、広域観測では350km/490kmの幅を観測できる。
PALSAR-2ではHHとHVを観測できる。同時に観測できるとは書いてないが、分割して受信してHH/HVを同時に見れるのかな? HHは水平偏波を出して水平偏波を受信、HVは水平偏波を出して垂直偏波を受信するモード。
12,13ページ、コンポーネントとか。
伝送能力の向上。Xバンドの地上局直結ではQPSKと16QAMを選べる。QAMなら800Mbpsでダウンリンクできる。ALOSは138Mbpsまでだった。地上から見えない場所にいるときでも、中継衛星を使って通信できる。ただしPQSK/278Mbpsが上限。
高トルクなリアクションホイールを5台搭載。30度回すのに120秒(SAR観測時は衛星を30度傾けて使う)。
大容量の記憶装置を搭載。ALOSの96GBからALOS-2では128GBへ。衛星の記憶素子って放射線等で破壊されたエリアは捨てるが、「最大128GB」と書いてあるから、開始時に128GB、ということかな。
位置精度の向上。2波GPSで自律的に軌道制御を行う。半径500mのチューブを出ないように運用。スラスタ1個70秒吹くと飛び出すくらいの範囲か。
運用方法の改善。ミッションごとに雛形があり、それにミッション固有のパラメーターを追加すればコマンドを送れる。緊急観測とか、コマンドの厳密な確認が行いづらい場合でもミスを減らせる。
生存性の向上。太陽光パドルをALOSの1枚からALOS-2では2枚に。片方が故障した場合でも限定的ながらミッション継続が可能。
バッテリの変更。ALOSではNiCdで、メモリ効果を減らすために定期的なバッテリの放電作業が必要だった。ALOS-2ではLiIonにしたことで放電作業が不要&軽量化。
ALOS-2では複数の機能を一つの機器に統合して軽量化。
13ページ下に衛星バスのスケルトンモデル。向かって上側が衛星進行方向。もう少し色分けしてくれると見やすいんだが。。
14,15ページ、衛星のシステム図。
左側にブロック図、右側にサブシステムの説明と、ブロック図で使わてる略称の解説。
略語:PALSAR-2, SOFIE, CIRS, SPAISE-2, AOCS, AOCE, IRU, CSS, ESE, ESH, STT, GPSP, GPSA, UDE, WDE, RW, MTQ, TT&C, CDMS, RIM, MTP, SDIP, SLPF, SHYB, SANT, DT, XANT, XFLI, XHYB, XSSPA, XMOD, XATT, DRC, APE, KMOD, KHYB, KTWTA, KFIL, DRC-ANT, MDHS, MDP, EPS, PCU, BIM, BAT, ODC, SPS, SAP, SADM, DM, CAM-CNT, CAM-H, TCS, RCS, THR, TNK, LB, FDV, PFD, GFD, FLT, PT, STR, INT, PDCU.
結構細かいところまで書かれている。
スラスタが独立しててどこから制御されてるのかわからない。
内部バスは1553Bをメインにしているようだ。PALSAR-2、モニタカメラ、ミッションデータ処理系、FPGA軌道実証ボード、テレコマ系、といったあたりに接続されている。
データ転送系、姿勢制御系、パドル系、電源系、計装系、推進系、といったあたりはバストは接続されおらず、他のコンポーネントを通じて制御されている。
16,17ページ、打ち上げ後の運用。
打ち上げから30分頃までにレートダンピング(回転を止める)、太陽電池パドル展開、太陽補足を自動で行う。
9時間後をめどに、地球補足から地球指向を行う。
13時間後頃、SAR1を展開。24時間後頃、SAR2を展開。34時間後頃、SAR3を展開。
37時間後頃、47時間後頃に中継アンテナを展開。
51時間後頃に定常モードへ移行。
18,19ページ、地上システムとか。
ALOS-2は12時頃と0時頃に日本を観測できる(±1時間程度の差アリ)。緊急観測要求は、パスの1時間前まで受け付けるので、午前/午後11時頃に災害が起きた場合、直後のパスで観測できる。観測後1時間後にはデータを提供できる(SAR画像?)。その後1時間かけて解析を行い、速報図を提供できる。
基本的に災害発生後12時間以内にデータ提供が行える。
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[海域における資源探査・開発](https://www8.cao.go.jp/cstp/project/bunyabetu2006/frontier/6kai/siryo1-1-3.pdf)
13ページ目にオイルスリックの検出。
海面に油膜が出ると表面が鏡面状となる。後方散乱が減少するので、SARでは暗く映る。
複数の時期の画像、例えば3回撮影した画像を、それぞれ赤・緑・青として重ねた場合、海底油田から出た油であれば、端が1点に重なる。
オイルスリックではなく、無風による凪のスリックもあるので、「暗い海面は油がある」とは言えない。
時間ごとの画像から油田由来のオイルスリックを探すか、タンカー事故等の通報を受けて、そのエリアのスリックを探すか、という感じだろうか。
***
[ALOS1 画像にディープラーニングを適用した海洋上オイルスリックの自動検出](https://www.airc.aist.go.jp/team_i_paper/JSPRS18A0050.pdf)
人間と同程度の精度で検出できるらしい。
人間とDLの差は、オイルスリックの端のあたりの判断に迷う部分らしい。
海面のさざ波は表面張力波によるものだが、油膜ができると油の表面張力によって、水とは違う波になる(油は表面張力が小さいので、表面張力波が小さくなる)。そのため、海水面と油面で違う波となり、SARにも差が出るそうだ。
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[SpacePi](http://www.shimafuji.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/05/SP2813001_SpacePi_JP.pdf)
ラズパイのフォームファクタでSpaceWireの機能を作成。
RasPiとはSPIで接続。
Spartan-6を載せており、RasPiと連携するも良し、スタンドアロンで使っても良し、同フォームファクタの他のボードと連携するも良し。
SpaceWireはRJ45で外部に引き出せるようだ。RJ45は8ピンなので、ケーブルのシールドが省略されてるのかな?
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[Space Pi | シマフジ電機](http://www.shimafuji.co.jp/products/960)
1個2.3万円で現在10個在庫あり。
お早めにどうぞ!
SpaceCubeが50万円前後で、場合によってはこれが複数個必要になって、ヨサン…ってことになるので、より安価な手段で、ということなのかな。
あとSpCubeは受注生産なので必要なときに納品されない、ってこともありそう。Piも在庫豊富ってわけじゃないけど。。
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[MDM-9SH006B-F222 ITT Cannon, LLC | ケーブルアセンブリ | DigiKey](https://www.digikey.jp/product-detail/ja/itt-cannon-llc/MDM-9SH006B-F222/1003-2403-ND/4950351)
[MDM-9PH006B-F222 ITT Cannon, LLC | ケーブルアセンブリ | DigiKey](https://www.digikey.jp/product-detail/ja/itt-cannon-llc/MDM-9PH006B-F222/1003-2404-ND/4950352)
[MDM-9SCBR-F222 ITT Cannon, LLC | コネクタ、相互接続 | DigiKey](https://www.digikey.jp/product-detail/ja/itt-cannon-llc/MDM-9SCBR-F222/1003-2417-ND/4950365)
[MDM-9PCBR-F222 ITT Cannon, LLC | コネクタ、相互接続 | DigiKey](https://www.digikey.jp/product-detail/ja/itt-cannon-llc/MDM-9PCBR-F222/1003-2418-ND/4950366)
SpaceWireで使われるコネクタ。
だいたい1万円前後といったあたりか。
シマフジによると「標準コネクタ高いよね!ウチはDsub9使うよ!RJ45も小さくて便利だね!」とのこと。地上試験ならどんなコネクタでも構わんだろうけど…
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[3D-CAD と IoT を活用した鉄道車両用ワイヤーハーネス開発](https://www.hitachi-metals.co.jp/rad/pdf/2018/vol34_r05.pdf)
2018年頃
鉄道業界では今までCADを使ったワイヤーハーネスの設計が行われていなかったそうだ。
3DCADで設計することで効率の向上や手戻りを防げる。
ワイヤハーネスを作成するときも、従来の木製の板の上に図面を広げて作る方法ではなく、ディスプレイに表示するんだそうだ。ピンとかどうやって配置するんだろう?
ディスプレイを使うことにより、手順を表示したり、紙では表現できないことができるようになる。デジタル化するので作業時間の計測とかもできて、トレーサビリティーが向上。
CADデータを使って、タブレットPCにアニメーションで作業手順を表示できる。
タブレットPCを使いたくない人向けに、紙での手順書も作成可能。
事前に作業手順がわかるので、トレーニングにも活用可能。
2020年も目前のこの時期に3DCADを使わずに作業してるってのがちょっとした衝撃だ。
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[50kg級超小型深宇宙探査機PROCYONにおける軽量X帯搭載深宇宙通信システムの開発](http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/sss14/paper/P2-125.pdf)
通信機材の諸元とか。通信系のブロック図とかも書いてある。
LGA MGA, HGAの利得はそれぞれ0dBi, 12.8dBi, 23.1dBi。
コマンドが7.1GHz、テレメが8.4GHz。はや2と同じ周波数帯。このあたりは規格化されてて変わりようがない感じか。
ダイプレクサの周波数特性。8.4GHzの送信が、7.1GHzの受信に入り込まないように。送受信系で100dB以上の分離。ダイプレクサはMGAとHGAのスイッチの前に入ってる。LGAは送受信アンテナを個別に配置。LGAは利得がないからダイプレクサの損失(受信側で1.0dB)も無視できない、ということかな。送信側は帯域幅100MHzほどあって、VLBIのスイープ用に広い感じか。
VLBI用の信号。数十MHzステップで3周波を数MHzの範囲で数分から数十分かけてスイープ。
CW(固定周波数?)、スイープ単発、スイープ連発、を選べるらしい。
HGAが太陽光パネルと同じ面にあるのは納得できるんだが、MGAが太陽光パネルとイオンエンジンに直交する軸に付いてるのが納得できない。全ミッション期間で同じ程度の姿勢変更量で通信できるように、ということなんだろうか? イオンエンジン吹いてるときはLGAしか使えない?
***
[超小型深宇宙探査機 PROCYON 推進系:開発から宇宙運用までの道のりと教訓](http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2016_07/jspf2016_07-501.pdf)
2016年3月24日付
工学的な話とかより、ノウハウの部分。
読み物として面白い。
文章量が多いので説明は省略。興味深い部分も多いので後でエントリ作るかも。
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[グリーンな衛星推進系へ-低毒性推進薬を用いたスラスタおよび推進系の開発](http://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/561/561050.pdf)
2019年頃
だいぶ上の方で書いた"宇宙機用姿勢制御装置のグリーン化"という資料のその後という感じ。
JAXA革新的衛星技術実証プログラム1号機のミッション機器として採択された。
2ページ目、グリーンプロペラントの性能比較。
今回使用するのはSHP163。凝固点-30℃以下で、ヒドラジンの2℃と比べて低い。ヒーターの消費電力を下げられる。密度も高く、理論比推力も高い。
ヒドラジンと比べて発がん性が低く、経口致死量が多いため、全体的に安全側に寄ってる。
1N級スラスタはSTEP1とSTEP2の2段階で開発。実証衛星1号ではSTEP1を実施。
STEP1、ガス温度を低く抑え、安価な材料を使用して低コスト化。比推力はヒドラジンスラスタと同等の約200秒。
STEP2、耐熱設計を行い、比推力240秒を目標とする。中大型衛星に。
4ページ目、使用可能条件。
縦軸がデューティー比、横軸が1回の噴射時間。青い部分が使用可能で赤い部分は不可。
デューティー比が高いと使えない。加熱するからかな。逆に、デューティー比が低すぎてもダメ。推進剤による冷却ができないから熱が溜まっていく?
5ページ目、実証衛星1号での配管系統。
ブローダウン方式。かなりシンプル。
スラスタの実証が目的。推進や姿勢制御の手段としては使用しない。
コンポーネントは、スラスタ以外はヒドラジン系で実績があるものを、SHP163で問題ないことを確認した上で使用。
推進剤は0.95MPa以下に設定。高圧ガス保安法の制限を受けないように。
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[月周回衛星プロジェクト](http://www.unisec.jp/history/ws2008/9_2_Tokyo_u_moon.pdf)
衛星設計コンテストの資料。
ちょっと願望多めという感じだろうか。
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[宇宙利用の拡大へ!超小型衛星用スラスタ](https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/1d230a571d86f7ff8cec9761e90517ca.pdf)
2017年頃
自触媒作用が無い、扱いやすい推進剤。
燃焼温度が低く、安価な材料で作れる。
3Dプリンタを使うことにより複雑な部品も少ない部品点数で製造できる(部品点数で従来比75%減)。
連続噴射で安定して使用可能。
パルス噴射でも10パルス程度で性能が安定。立ち上がり性能が良い。
パルス回数4000回以上、トータルインパルス1000N・s以上、比推力170秒。
衛星が50kgで推進剤を0.8kg積むとΔV25m/s以上が得られる。過酸化水素では1.8kgの推進剤が必要。
用途。軌道変更、姿勢制御、高度維持、ピギーバック、デオービット。
高度維持は、50x50x50cmで50kgの衛星を想定した場合、0.8kgの推進剤で2年間の高度維持が可能。とはいえ、高度がどれくらいか書かれてない。600kmなら何もしなくたって何年も飛び続けるし、200kmなら何したってすぐ落ちてくるだろうし。どれくらいの高度を想定してるんだろうか?
ピギーバックは、ヒドラジン系でピギーバックで打ち上げられた衛星はない。グリーンプロペラントであれば、ピギーバックとして打ち上げられる可能性がある。
***
[第27回宇宙安全保障部会](https://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-anpo/anpo-dai27/siryou2-2.pdf)
軌道上物体の観測とか。
9ページ目、システムの概要。
監視計画立案、軌道情報算出、カタログ管理、接近解析、再突入分析、打ち上げ分析、軌道変更検知、機能低下分析。
10ページ目、DSレーダーの概要。
探知距離40000km(静止軌道の向こうまで見えるように)。
複数目標を同時追尾。
パラボラアンテナを複数並べるようなポンチ絵。
多少指向性の低い、小型のアンテナを複数並べて相関処理を行ってアクティブフェーズドアレイ化、任意にビームを振って複数追尾、みたいな感じかな?
11ページ目、日本の静止衛星。
"公刊情報等を基に作成"と書いてあるのが防衛系っぽいな。
衛星名にカッコで書いてあるE85やE162というのは、東経85度や東経162度という意味。
個人的には上下逆のほうが直感的にわかりやすい気がする。
12ページ目、JAXAとの協力。
協力協定とか。
2017年末より、空幕からJAXAへ航空自衛官を派遣。追跡ネットワークや軌道力学の知見を得る。
13ページ目、多国間机上演習(グローバルセンチネル)。
14ページ目、各国の観測機材。
15ページ目、関係府省の役割分担。
防衛省、監視や米軍等との連携。文部科学省、研究開発や技術的観点からの防衛省支援。内閣府、総合調整。
16ページ、システムの維持・運用。
防衛省の重要な衛星(通信衛星、気象衛星等)や民生用衛星の防護。
***
[JAXA | 宇宙状況把握(SSA)システム](http://www.jaxa.jp/projects/ssa/index_j.html)
SSA: Space Situational Awareness (宇宙状況把握)
整備計画。
200kmから1000kmの低軌道を監視するレーダー。
36000kmの高軌道を観測する光学望遠鏡。
解析システム。
観測能力の向上。
高度650kmのち天で、従来の1.6mに対し、新しいレーダーでは10cm級の物体を観測できるように。
従来の1日200回の観測から、1日1万回の観測。
観測計画立案の自動化のような、処理能力の強化。
"Space Situational Awarenessを通じ、Safer Space for Allを実現"
***
[防衛省のSSAに係る取組について](https://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-anpo/anpo-dai27/siryou2-1.pdf)
2018年5月14日付
2,3ページ目、防衛省・自衛隊による宇宙利用。
リモセン、早期警戒、測位、通信。
リモセンは光学衛星やレーダー衛星といった、情報収集。
早期警戒は、弾道ミサイルの発射等の認識(これは今の所米軍が行っている)。
測位は、アセット(航空機や艦艇や車両や、移動するもの全般)の正確な位置情報の把握。それとデータリンクを時分割で行うので、正確な時間同期も必要になるため、測位衛星で時刻同期を行う。
通信は、目視範囲内に居ない部隊との中継。
4ページ目、安定的利用の驚異。
右側にスペースデブリの量の推移。2007年の中国による衛星破壊実験や、2009年の米露衛生の衝突等で急増。
茶色の線がトータルの物体数、ピンクの線がデブリ、青は衛星、オレンジや緑は打ち上げビークル由来?
左側の図、各種驚異。
GPSジャマー、通信妨害、レーザー照射、対衛星ミサイル、スペースデブリ、キラー衛星。
7ページ目、SSA運用体制。
高度5800kmあたりを境に、Near EarthとDeep Spaceを区別。
米軍のセンサーや防衛省のセンサーで情報を共有。センサーはJADGE等とも接続。
JAXAのレーダーや光学とも情報共有を行う。
衛星の接近等が懸念される場合は運用者へ警報を行う。
8ページ目、関連施設の場所。
山口県にDSレーダー設置予定。
岡山県に光学観測施設やレーダー監視施設。
東京都に運用システム。
茨城県に解析システム。
***
[パワー半導体デバイスを用いたマイクロ波加熱・エネルギー応用技術](http://pweb.sophia.ac.jp/horikosi/2017-EH-solid.pdf)
2017年頃
2005年頃に半導体でマイクロ波加熱をやろうという話をすると、「半導体は高価・低出力・低効率だからマグネトロンの代わりには使えない」と言われることがあった。ここ数年で改善が進み、こういう声は少なくなってきた。
1.3kWのマイクロ波半導体発信装置は電源や水冷も込で40万円で販売されていて、今後も値下がりが続くと言われている。マグネトロンと同価格程度の値段になっていて、価格面でのデメリットは少なくなっている。
出力も、現在では6kWがカタログ販売されていて、高出力化が進んでいる。また合成波を使用すればさらなる高出力化も可能。
変換効率でも、70%を超えるものが試作されている。
「驚くことではあるが、「10 年ひと昔前」という言葉ではなく、まさに「1 年ひと昔前」という言葉が合致するがごとく技術革新が進んだ」
電子レンジへの応用。
国産電子レンジは1962年に業務用として販売された。レストランや新幹線の食堂車とか。1965年に家庭用が販売されたが、値段や和食文化の壁に阻まれ、普及したのは核家族化や個食化が進んだ70年代後半。
機能の追加等で進化を進めているが、マイクロ波周りではほとんど変わっていない。企業と協力して研究を行っている。
電子レンジではマグネトロンを使っている。マグネトロンは安価で高出力発信ができるが、マイクロ波の高精度制御はできない。
マグネトロンは周波数安定性が悪いが、半導体なら高精度に周波数を設定できる。
周波数精度が高いので、位相を制御すれば任意の場所を加熱できる。
半導体発振器は小型化が可能で、GaN発振器を4台内蔵した電子レンジを施策した。
扉にタブレットPCを埋め込み、加熱領域の制御等を視覚的に行えるように。内部には可視光カメラや熱赤外線カメラを設置してある。
今後は弁当等のバーコードを読み取り、インターネット経由でデータベースにアクセスして加熱領域を自動的に設定したり、といった機能も予定。
具材を加熱せず、弁当の米の部分だけを加熱する、といったことも行える。
既存の電子レンジでアイスクリームの解凍を行うと、数秒で液体になってしまう。半導体化であれば数Wのような低出力が可能で、きめ細かい制御ができる。
水素エネルギー貯蔵/移動への応用。
有機ハイドライド法で水素を貯蔵・移動する。水素単体(超高圧or超低温)では取扱が大変。MCHとして保存すれば、石油程度の取扱で保存や輸送ができ、既存のインフラを流用できる。
MCHから水素を取り出すとトルエンになる。
MCH/トルエンは無極性で、マイクロ波を吸収しない。一方で、MCHから水素を取り出すPtはマイクロ波を吸収する。
既存のヒーターではMCHやトルエンも加熱する必要がある。水素を取り出そうとしても予熱に数十分かかり、停止する際にも30分程度の冷却が必要になる。
マイクロ波であればPt単体を加熱でき、加熱後30秒以内に水素を取り出せるし、マイクロ波を止めればすぐに冷却される。
マイクロ波であれば触媒だけを加熱できるので、エネルギー効率が高い。
総消費電力が15Wの場合、19W程度の電力を得られるだけの水素を取り出せる。セラミックヒーターで加熱する場合は120W程度が必要で、エネルギーが合わない。
マグネトロンでは細かい制御ができず、触媒が劣化する。半導体化によって実現できるようになった。
植物の育成。
マイクロ波を当てると植物の成長に差が出る。
半導体であれば小型な装置でマイクロ波を照射できる。
DJI Phantomに積んだ機材でマイクロ波を照射する写真。
育成期間の途中の一部だけ照射すれば効果があるので、植物工場のラインに組み込んだりとか。
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[000290771.pdf](http://www.soumu.go.jp/main_content/000290771.pdf)
1ページ目に2.4GHz前後の電波割当概要、2ページ目に5GHz帯の電波割当概要。
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[人工衛星軌道姿勢制御用セラミックスラスタの開発](https://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/425/425250.pdf)
2005年12月
2液スラスタは燃焼温度が2000℃を超える。
従来のニオブ系耐熱合金は耐熱温度が1300℃程度で、耐酸化コーティングが必要。
セラミックの耐熱性は1500℃。
20Nと500Nのスラスタを試作。
252ページ目
表2、燃焼試験結果。燃焼圧0.72MPaでO/F 0.78、推力533N、比推力319s、燃焼器温度1180℃。
252ページ目
耐衝撃性試験。スペースデブリの衝突とか。
直径0.3mmのガラス粒を4.0km/sで衝突させた。惑星間空間での直径0.1mm、20km/sのメテオロイドに相当する衝撃。
クレーターは発生するが、試験片自体は破壊されなかった。
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## 2019年03月分
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[超⼩型衛星による広視野・紫外線サーベイ計画](http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/hea/conference171121/2017_GRB_ICRR_yatsu.pdf)
予算規模がどんどん減らされる。2億円でできるミッション。
通常の大きさの衛星だと、試験や文書の作成だけで数十億かかる(各コンポーネントの開発だけでこの額、ということか?)。
9ページ目、観測波長の検討。
右上の図の網掛けの部分は、大気吸収率かな? この値が低い部分(虹色の可視光やパラボラアンテナの電波部分)は大気吸収率が低いから、地上から観測できる(衛星を仕立てる旨味が低い)。
オレンジの箱のエリア(MeV、SoftX、NUV、MHz)は競合する大型衛星が無い。
短期間で作れて軽量・低消費電力なミッション機材で観測できる必要がある。可視光前後の波長はガラスレンズで集光できるので小型化できる。
可視光はハッブル、赤外線はスピッツァー、といった大型衛星が競合する。一方で、近赤外線(NUV)の200-300nmは競合する衛星がなく、地上からは観測できず、通常の光学系が使える。
短期間で開発できれば世界初のデータを取れる。
11ページ以降、赤外線で見える現象。
重力波を伴う現象、超新星爆発、潮汐破壊、といった、高エネルギーが放出される現象では紫外線も出てくる。イベントレートも十分。
21ページ、競合相手。
今までのミッションは視野が狭い。広視野を実現できれば競合相手はいない。
23ページ以降、ミッションの流れ。
1) 重力波が届くのを待つ(地上のLIGOやKAGRA頼り)。
2) 怪しいエリアを衛星にアップリンク、サーベイ開始。
3) タイリング観測。全データのダウンリンクは不可能なため、オンボードで解析しイベントを検出する必要がある。
4) イベントを検出したら、速報値として時刻・明るさ・位置等をダウンリンク。
5) 速報値を元に大型衛星や地上の観測施設で追加観測。
30ページ以降、ミッション機材。
35ページ、データ量。
速報値は20バイト以下くらい。イリジウムSBDで転送できる。
画像はRAWデータが8MB+α/1枚。圧縮して50kB/minくらいの速度がほしい。Sバンドで転送できる。
36ページ以降、システム要求や各設計。
寿命3年以上。軌道トワイライトSSO(500km以上)。口径20cm望遠鏡と検出器は-30℃以下。太陽光がない状態で1時間以上の観測。その他姿勢制御とかの要求。
50x50x50cmでなんとか収まる。
H-IIAピギーバックで打ち上げ可能(H-IIAが一番きついので、こいつで打てるなら他のロケットでも打てる、とのこと)。
40、41ページ、回線設計。
144MHz、430MHz、2GHz、2.2GHz、1.6GHz。
各周波数帯での損失とかの計算した表。
42ページ以降、制御モードとか、クリティカルフェーズの運用とか。
44ページ、コスト。
1機作るのに1.5億。EMとFMを作ると3億以上。
2022年度打ち上げくらいのスケジュールか?
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[X-ray pulsar-based navigation](https://en.wikipedia.org/wiki/X-ray_pulsar-based_navigation)
「X線パルサーベースのナビゲーション」(google翻訳)
数kmの精度で測位できるとのこと。
GPSと違って、衛星に依存しないので、政治判断や戦争で失われることがない。
パルサーを受信するので、半径数光年くらいなら問題なく使えそう。
規模がデカイのがネックか。少なくともGPSほどお手軽なモジュールではない。
"沈黙のフライバイ"のような手段を使うなら、コンステレーションでフェーズドアレイして電波パルサーを受信する、みたいな方法になるんだろうか。ということは、ISPを受信して宇宙人を出迎える、ということはできない…?
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[D-SEND#2飛行異常䛾原因究明結果とJAXA䛾取り組み状況](http://www.jaxa.jp/press/2014/03/files/20140312_dsend2_j.pdf)
2014年3月11日付
D-SEND#2の1回目のフライト。
3ページ目、飛行時の時系列。
予定の飛行経路と実際の経路とか。
5ページ目、FTA。
計測機材の上空を飛行させる必要があるため、機体に高い運動性が求められる。安定性が低い機体になってしまった。
風洞試験で取得した機体モデルと実機に差があり、適切な制御ができなかった。
8ページ目、作り直した機体モデルでシミュレーションしたら、実際の飛行を再現できた。
15ページ目、D-SEND#2の諸元とか内部構造。
20,21ページ、FTAの判定結果。
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[低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)計測データの詳細解析結果について](http://fanfun.jaxa.jp/jaxatv/files/20151027_D-SEND2.pdf)
2015年10月27日付
D-SEND#2の2回目のフライト。
5ページ目、D-SEND#2をぶらさげた状態。大きな魚を釣ったときの写真みたいな感じだ。
7ページ目、計測したグラフ。
赤が何も対策をしなかった場合の衝撃波、青が事前に予想したD-SENDの衝撃波、緑が実測値。
10ページ目、大気のゆらぎを含めた予想値。実測値とほぼ同様。
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[低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)を成功に導いた第1回飛行異常からの教訓](http://sma.jaxa.jp/AQAS/h28/documents/files/doc_2.pdf)
3ページ目、ソニックブームの形状。
各部から発生した複数の衝撃波が伝播とともに合成され、「N型波形」という形状になる。
5ページ目
風洞の大きさでは、N型波形を実測することができない。
11ページ目、計測システム。
高度1kmの係留気球を使い、高度750m, 500m, 250m, 50mにマイクを配置。地表付近の乱流によりブーム形状が変化する。高高度では変化前の波形を計測。高度別で記録して変化の過程を捉える。
12ページ目、飛行エリア。
一定の高さ・大きさのドーナツの中に気球が入った時点で投下する。
14ページ目、飛行機でソニックブームを作る。
計測システムの実証?
スウェーデンらしくグリペンを使用。
19ページ目、円錐を投下してブームを計測。
Calcが解析値、Measが計測値。形状の違いで形が変わり、ちゃんと解析できてる。
20ページ目、計測点とかのマップ。
4箇所に係留気球を設置して計測。
ある程度の間隔でWiFiレピーターを設置。
26ページ目、風洞モデルと実機の違い。
29ページ目、1回目の教訓。
真の空力特性は飛ばさないとわからない。飛行制御も。
過去の経験を過信しすぎた。
地上で確認できない部分に対するマージン不足。
その他、運用体制とか。
***
[プロジェクタイル(D-SEND#2)の製作](http://etech.engg.nagoya-u.ac.jp/gihou/v17/030.pdf)
風洞で試験しようとすると、スティング("針"の意味)の影響が無視できない。
ならいっそ風洞で固定しないで、打ち出してしまえ。
アルミを切削して作成。主翼端で0.13mm、尾翼端で0.09mmと、非常に薄い。
底面だけ先に削り、それに合う治具に貼り付けて上面を削る。
最後に全体を加熱して接着剤を剥がす。
ヘリウムでマッハ1.3-1.7くらいで打ち出すんだそうだ。いわゆる"ライトガスガン"というやつ。
***
[Axobus® MIL-STD-1553データバスシステム](http://www.nihon-maruko.jp/products/earo/mil_std_1553b/data_bus_system.pdf)
2004年11月24日?
ケーブル屋さんのPDFっぽい。
70年代以降にMIL-STD-1553バスが航空機で使われ始めた。
2ページ目、バスの例。
外部に引き出したコネクタ(スタブ)には終端抵抗は必要ないんだろうか?
3ページ目、ケーブルの例。
ケーブルに関する指定は特にないそうだ。インピーダンスや容量、損失で指定されているのは現代の高速バスでよくある感じな気がする。
バランスが取れてるのはAWG24、挿入損失を減らすにはAWG20、軽量化にはAWG26、といった感じらしい。
ツイストペア+外部シールドと被覆で保護。
4,5ページ目、カプラ。
インラインカプラはケーブルAssyにインラインされている(取り外し・交換不可)というタイプ?
6ページ目、トランスとか終端抵抗。
終端抵抗は、バスラインが77Ω、スタブが3kか1k、あるいは指定できる。
7ページ目、コネクタ。
3軸のバヨネットタイプとか。
8ページ目、現場の話。
品質管理とか。
クリーンルームで作業。22±3℃、55±10%RHに管理。
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[衛星技術開発について](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/071/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2014/10/29/1352848_3_1.pdf)
2014年10月22日付
NECの資料。
4ページ目、実績。
1998年にPLANET-B(のぞみ)、2003年にMUSES-C(はやぶさ)、2007年にSELENE(かぐや)、2010年にPLANET-C(あかつき)とIKAROS、2014年にはやぶさ2(当時は予定)。
6ページ目、アンテナ。
のぞみのアンテナの写真。CFRPの3軸折り。はやぶさのアンテナでΦ1.6m/7kg。はやぶさ2はΦ0.9mで2kg。
7ページ目、計算機。
SpaceWireを使うSpaceCube2。
シマフジのSpaceCube Mark 2と名前は似てるけど別物。NECのSpCube2はフライト品、シマフジのSpCubeMk2は地上で使う用(のはず)。
28ポートのSpaceWireルータ。コネクタのオバケって感じ。
右側の面に4x4で16ポート、左側の面に3x4で12ポート、合わせて28ポートか。コネクタは2面に集中させてる感じ。残り2面がもったいないけど、コネクタの空間ロスは凄まじいから体積に制限がある用途だとこれが最適なのかな。
8ページ目、課題と期待。
国の中長期的な計画が不透明。下請けや部品供給メーカーが撤退。技術者の維持確保が困難。
中長期的な計画を立てて、安定的・継続的な実施に必要な予算を確保してほしい。
***
[「SpaceWire標準」に向けたR&Dの全体像](http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/sss14/paper/P2-213.pdf)
SpaceWireの目的。
各種標準化。低コスト化(1553比)。
「モジュールを差し込むだけの衛星組み立て」近年の自作PCみたいな感じにしたい、という感じだろうか?
時系列。
2004年に日本で初めてSpaceWireを使ったミッション。ガンマ線観測気球(GRAINE関係だろうか? この年に南極で飛ばしたらしいが、写真に写った人は薄着だ)。
2009年、SDS-1でSpW/RMAPの軌道上実証。
ASTRO-H、SPRINT-A、ASNARO、BepiColombo/MMO、はやぶさ2、ERG等でSpWを使用。ひまわり8/9でも部分的に採用。
***
[タイトル不明](http://www.jst.go.jp/crest/dvlsi/topics/13rkJ/13DVLSIRKtakahashi.pdf)
2013年3月16日付
SpWは観測コンポーネント・レコーダー間のような、コンポーネント間の高速通信向けに開発されてきた。バスは1553、ミッションはSpW、という感じか。
ASTRO-Hが世界に先駆けてバス系にもSpWを採用。
バス系で使うには信頼性が高い必要がある。輻輳制御や再送、冗長系切り替えを標準で定義して実装することが不可欠。しかしSpWにはそれがない。
ガイドラインとしてこれらを規定し、それをソフトウェアで実装したRTOSを作る。
3ページ目の上半分、従来の1553/SpW混合のイメージ。
制御用の1553を使った低速バスと、観測コンポーネント・データレコーダー・通信系を接続する、RS-422等を利用した数十Mbps程度のインターフェース。
P2Pなので他の機器との干渉がない。標準プロトコルがない。データレートが頭打ち。
1553は高信頼(1マスタで衝突が発生しない、再送、等)。実績抜群。データレートは1Mbpsまで。IFチップが高価。冗長系の自由度が低い。
SpWを使う場合。
最大200Mbps程度まで。FPGAだけで実装できる。一部だけ(必要なところだけ)を冗長化できる。遅延時間の最大値が保証されない(コリジョンとか、ルーター経由回数とか)。再送無し。他のコンポがルーターを専有するとデータを転送できない。
SpWのケーブルは重くて硬い。伝送距離10m未満。
6ページ目、ルーターのブロッキング。
別のコンポーネントがルーターのポートを使用している場合、他のコンポーネントはそのポートを使用できない。
ルーター内でパケットを細切れにセグメント化し、最終的にルーター内で再び一つのパケットに戻してコンポーネントへ。複数のコンポーネント間の通信を通せる。入力と出力は通常のSpWなので既存のコンポーネントをそのまま使用可能。
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[What is SpaceFibre? | STAR-Dundee](https://www.star-dundee.com/knowledge-base/what-is-spacefibre)
SpaceWireの次世代、SpaceFiber。
データレートを10倍に、重量を半分に、信頼性は向上。
SpWと互換性を持つように設計されている。既存のSpaceWire用コンポーネントはそのまま、ブリッジを経由した上でSpaceFiberを通して通信できる。
障害耐性は、SpWで足りない部分が追加されている感じか。
Spartan 6, Virtex 4, Virtex 5, Kintex 7といったFPGAで実証済み。
衛星屋さん、Xilinx好きだなぁ。
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[SDS-1搭載SWIMについて~Space Wire demonstration Module~](http://www.astro.isas.jaxa.jp/SpaceWire/users/090121/Takashima_Swim.pdf)
6ページ目、SpaceCube2とかのスペック。
64bit。33MHz。2MBのFlash。Burst SRAMとAsync SRAMがそれぞれ4MB。記憶領域に1GBのSDRAMと1GBのFlash。SpWが3ch。
1553はデータハンドリングが詳細に規定されている。SpWはそれがない。結構自由にデータやりとりできる。(←あとで死ぬほど大変になりそうな予感。。。)
メーカー曰く、規格に則って作れば問題なく通信できる。試験が難しい。FPGAにSpWフル実装しようとすると大規模になる。通信しないときでも常時NULLが出てるので汎用のオシロだとデータにトリガできない(専用のアナライザーが必要)。
最初は敷居が高いが、後々便利になる、という感じ。
***
[宇宙用信号処理・通信システム I](http://tamago.mtk.nao.ac.jp/decigo/viewgraph_0804/1440_kokuyama.pdf)
2016年4月16日付
DECIGO Workshopの資料。
5ページ目
コンポ間は様々な接触があるが、通信系を規格化・共通化するだけでかなり簡素化できる。「USBを刺すと周辺機器が動く」「SATAと電源でHDDを増設」のイメージ。
熱設計とか構造設計やってる人が聞いたら怒りそうだが。。
6ページ目、SpW規格。
P2PでFull-Duplex。最大400Mbpsで機器ごとに可変。上下で異なる速度もOK。
様々なネットワークトポロジができる。スター型、リング型、メッシュ型、など。
9ページ目
ミッション機器側はFPGAにRMAPを乗せればいい。コンピューター側はRMAPライブラリのRead関数、Write関数を呼ぶだけで読み書きできる。
12,13ページ、開発の流れ。
***
[宇宙ステーション搭載用ルーターの開発](https://www.internetconference.org/ic2001/papers/S4-2.pdf)
JEMに搭載された、地上のイーサーネットとJEMのイーサーネットを接続する装置の、JEM側の機材。当時、イーサーネット機材を軌道上に持ち込んだのは世界初とのこと。
宇宙用のIPルーティングを作ると時間がかかる。民生品を活用。
当時の宇宙用のCPUは数MIPS程度。航空機用のCPUボードを流用。機械的・熱的な試験は実施済み。宇宙では放射線が厳しいので、その部分は追加で検討。放射線耐性の高いCPUを使ったボードを選択し、メモリエラー訂正がついたものを採用。
有人施設なので安全第一。
オフガス(有毒ガスの発生)が無いことを試験で確認(地上施設なら換気できるのであまり問題にならない。プリンタとか買うと「最初は換気した部屋で使ってね」みたいなことが書いてあるけど、宇宙ではそれができない)。
火災に関しては、機器を密閉して外に出さないようにし、内部に温度センサを設置して加熱した場合は電源を遮断する。
10年間の運用を前提にしているので、デバイスの劣化が発生しないように、耐湿コーティングを実施。メーカーのプロセスも調査を行い、内部に水分が入り込まないことを確認。
4ページ目、装置の外観と内部のブロック図。
DC120Vを1次電源として入力し、PSU(パワーサプライユニット)で+5V, +12V, -12Vに変換。
ボードは100MHzのPowerPC、RAM32MB、ROM10MB。
航空機用のボードらしく、オンボードで1553Bインターフェースがついてる。
OS(RTOS)にはVxWorksを使用。TCP/IPに関してはOSから扱えるので、衛星間通信のような固有の部分だけ開発すればいい。
地上→軌道(フォワード)と軌道→地上(リターン)で、要求は合計が3Mbps。実際には最大で4.5Mbps通せた。
フォワードとリターンの合計は非線形な感じ。
地上のイーサーネットを使って通信していた実験機材をそのまま宇宙に持ち込んで使えるようになった。
***
[階層化 FDIR による高安全性航法誘導制御系の提案と 宇宙ステーション補給機「こうのとり」での実現](https://www.sice.jp/ia-j/papers/10IA022.pdf)
2011年頃
FDIR: Fault Detection, Isolation and Recovery
故障を検知し、故障箇所を分離し、影響が出ないように回復する。
回復は、故障した部分の回復ではなく、システム全体として機能を失わないように回復する。
ETS-7で軌道上ランデブ技術の実証がおこなわれた。ただ、これは技術実証が目的なので、耐故障も従来の衛星の延長として開発された。
ISSのような、有人施設に接近する場合、ミッション達成のみならず、高い安全性が求められる。とくにランデブの場合は衝突する危険があり、これを避ける必要がある。
高い安全性を実現するために階層化FDIRを提案。HTVにも取り入れられてる。
従来の衛星では2種類のFDIRを使うことが多い。故障が発生した場合に、まずミッション継続を優先するが、回復できなかった場合には衛星としての生き残り(通信と電力の確保)を優先する。生存性のほうが優先度が高い。
ADEOS-II(みどり2)の例。9種の機器に28の故障モードを想定し、内3種類の故障に対しては即座に生存モードへ移行、残り25種類は冗長系への切り替えでミッション継続。
従来の衛星では、センサ(機材)毎に閾値を設定し、それを超えた場合は故障と判断する、といった判断が行われていた。
ETS-7では将来的に有人機への自動ランデブも考慮し、2故障時でも安全性を確保する2 Fail Safe (2FS)の設計がされている。2故障発生後は対象から離れていく動作を実施。実際、軌道上でトラブルが発生し、FDIRにより冗長系へ切り替えて自動アボートが行われた。
従来の衛星は主系と従系の2系統だが、ETS-7では3系目を持っており、2故障に対応。
ただし、故障検出の手段は従来の衛星と同様。
従来の衛星では、「想定された故障モード」の対応として用意されているため、絶対的に高い安全性とは言えない。
階層化FDIRは広いカバレッジと素早い判断を実現する。
FDIRの設定にはFTAを使う。
事象1に対してのFDIR、事象1.1、事象1.2に対してのFDIR、事象1.1.1、事象1.1.2、事象1.2.1、事象1.2.2に対してのFDIR、という感じ。
根本原因(事象1.1.1等)が検出されればすばやく冗長系へ切り替える。根本原因に想定漏れがあっても、左側の事象(事象1.1や事象1.2)で検出する。そこを取り逃しても更に左側(事象1)で検出する。左側に寄るほどに検出までの時間がかかるが、カバー範囲は広くなる。
この例ではFDIRは3段だが、ミッションや安全要求に応じて任意に設定。
左側の検知を行うには、それに使用する情報が間違っていてはいけない。より右側で異常が検出されなかった情報のみを用いて判断を行う(根本的な部分で故障が検出された情報は使用しない)。
例えば、ジャイロセンサとは常に情報をやり取りし、一定期間情報が得れれなかった場合、一定の範囲を逸脱した場合、ある程度の変化が想定されるのに値が変化しなかった場合、といった場合はセンサの故障として判断し、以降その情報は使用しない。これによって作成された情報は使用しない(ジャイロであれば、それによって得られた姿勢で他の機器の故障判断は行わない、等)。ジャイロの場合、例えばスラスタで姿勢変更を行う場合は、計算から最大の変化量が求められる。その範囲を逸脱した場合はジャイロセンサの異常を疑う(推進系の異常の可能性もあるわけで、単純にジャイロの故障と判断することはできないだろうが)。
HTVの場合は、2FS以外に、1 Fail Operative (1FO)も要求されている。1系統の故障、あるいは1回の運用ミスがあっても、ミッションが継続できることを要求される。
ISSの損失やISSクルーの致命的な怪我などのカタストロフィックハザードに対しては、2個の故障、2回の運用ミス、あるいは故障と運用ミスの、いかなる君合わせによっても発生しないことが要求される(2FS)。
96ページ目、Fig 5、HTVのシステムブロック図。いくつかのコンポーネントとは1553で接続されているが、半数以上は「Other Signal line」で接続されている。特に推進系は1553の接続は無い。
階層化FDIRでは原因や結果の組み合わせが多岐にわたるので、検証が大変。計画的に検証を行う。
安全リスクの高い組み合わせを優先して試験。
故障箇所・故障モード・故障発生タイミング・そしてそれらが1FO/2FSを達成できるように、と考えていくとすべての組み合わせの検査は不可能にも思えるが、ま、そのための階層化FDIRか。
1号機では、何度かFDIRが動作したが、いずれもミッション継続が可能であった。
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[宇宙ステーション補給機(HTV)の安全設計](https://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/484/484035.pdf)
2011年頃
1) 射場安全要求 2) ISS安全要求 3) 再突入安全要求
射場は、作業員やロケットに関して。
ISSに対しては1FO/2FSを要求。
再突入に対しては、推進系が故障して地上に落下した場合。
1FO/2FSを達成するためにどのような対策を行っているか。
1) 誘導制御系 2) 推進系 ( a) 推力発生 b) 推薬漏洩 c) 爆発) 3) データ処理系 4) 通信系 5) 電力計 6) 熱制御系 7) 構造系 8) キャリア機能-予圧部 9) キャリア機能-非予圧部 10) リソース ( a) 推進剤搭載量 b) 1次電池搭載数 )
***
[革新的研究開発推進プログラム(ImPACT) 「オンデマンド即時観測が可能な 小型合成開口レーダ衛星システム」 ](https://www.jst.go.jp/impact/program/data/purezen13.pdf)
2016年頃
災害発生時に、即時打ち上げてファーストパスで被災地域の観測を行う衛星。
悪天候や夜間でも観測できるようにSARで観測。
分解能1mを目標。小型固体ロケットで打ち上げられるように、100kg級の衛星。打ち上げ後ファーストパスで撮影、その後のパスでダウンリンク。
現在のSARではAESAかパラボラ。軽量化するために第3の方式を選択。世界的に見ても例がない。最軽量で高密度に収納。
個人的にはかなり嘘くさい気がする。
防災で使うとすると、津波の影響が想定される太平洋側からは打てない。内陸や日本海側から打つ? そんなアホな… 航空機から打つ? じゃぁ飛行機にSAR載せて観測しろよ。
ALOSを始めとした衛星SARが防災分野で活躍できるのは、数cmといった小さい地形変化を観測できる点にある。ただし、これは観測分解能の問題ではなく、「イベント前の観測結果」と「イベント後の観測結果」を比較して「ここはこれくらい動いているね」というのを調べるから出せる情報。
災害発生直後に打ち上げると、イベント前の情報がないから、細かい地形変化が見えてこない。火山で山体が数cmヘコんだ、とか、断層が動いて地面が数cmずれた、とか、土砂崩れで表層が崩れ落ちた、みたいな情報が得られない。
機能が制限された衛星に対して、衛星1機20億+数十億を、24時間365日打ち上げ可能な状態に維持して、分散配置して、というのをやるには、さすがにコスパが悪すぎるはず。それならALOSクラスを数機打ち上げておいたほうがコスパが良いと思う。
長期間(半年程度?)保存しておいて、24時間365日好きなタイミングで打てる、というロケットは、少なくとも日本の既存のロケットでは実現できないはず。使うとすればイプシロンだろうけど、まぁいろいろ改造する必要はあるだろう。となると、衛星だけじゃなく、ロケット自体の開発も行う必要がある。
量産して1機20億、ということは、衛星だけで500億くらいか?ロケット込みで1兆円くらい?それを使い捨てにするの?本気?
***
[「きぼう」船外実験プラットフォーム利用の概要 ](http://www.jasma.info/journal/wp-content/uploads/past/assets/images/jornal/28-1/28-1/2011_p018.pdf)
2011年頃
20ページ目、Fig. 3 船外プラットフォームからの天頂方向と直下方向の視野。結構障害物が多い。
船外暴露プラットフォームは他の場所にもあるが、基本的に電力と1553Bのみ。高速通信や能動的な熱制御ができるのはJEMのみ。特に熱制御ができることにより、消費電力の大きい機材を採用できる。
取付箇所の使用率が低い。このままでは費用対効果が低い。
***
[新型宇宙ステーション補給機"HTV-X"サービスモジュール](https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2019/1902113.pdf)
2019年頃
50ページ目、図4、サービスモジュールのブロック図。
1553BとSpaceWireが混在。
その他、いろいろ書いてある。
NECはSpaceWireを積極的に活用し、MELCOは1553Bを使い続ける感じ(SpWも採用してるけど)。NECは小型衛星とかが得意でSpWのメリットが大きいのかな。MELCOは戦闘機とか防衛装備品にもガッツリ関わってるから、1553Bは使い慣れてるし、その分信用も置いてる、という感じだろうか? そもそもISSは1553Bだから、HTVは1553が(少なくともインターフェース部分には)必須、という理由だろうか。それとも現在のSpWは有人に使えるほどの信頼性(実績?)は無い、という判断だろうか。
***
[NEC標準バス「NEXTAR」の実績と今後の事業](http://www.sjac.or.jp/common/pdf/kaihou/201708/20170803.pdf)
2017年8月
6ページ目、表1と表2、光学衛星やSAR衛星の比較。
衛星には複数の計算機が搭載されているが、目的に応じて機能が異なる。計算機を統一して量産し低コスト化。同一設計を使うので信頼性向上。
ASNARO-1/2以外にも、ひさき、はやぶさ2、ひとみでも採用。
7ページ目、図3、従来の計算機とSpaceCube2を使った際の比較。
以降、どうやって売り込むか。
Step1、衛星自体の販売。Step2、基本的なデータ解析の販売。Step3、更に踏み込んだデータ解析。Step1とStep2はまとめて売り込むんだろうけど。
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[リモートセンシング事業を迅速に 立ち上げる標準プラットフォーム 「NEXTAR」](https://jpn.nec.com/techrep/journal/g11/n01/pdf/110115.pdf)
2011年頃
「太陽系内の放射線環境では、 ほぼエラーフリーとなる高信頼性を実現しています」とのこと。
SpaceCube2のスペック。SpaceWireが8ch、UARTが2ch。およそ2kg。消費電力14W。軌道実証済み。
開発環境。SpCube2はTRONをベースとしたRTOSを使用。Eclipseベースの開発環境を提供。クラウドのポータルサイトで提供。
電源周り。SAP(Solar Array Paddle)が2翼で1.3kW以上を発電。APR(Array Power Regulator)で安定化(出力1.2kW以下)。PCU(Power Control Unit?)で電源系の制御。テレコマ、充放電制御、電源分配、故障分離、その他。リチウムイオン電池を使用。50Ahが11セル。
姿勢制御系。ミッション要求により要求精度が大きく変わる。
いくつかの機器とSpaceWireを接続するアダプタを用意し、カタログにラインナップ。それぞれを選択して組み合わせることで要求に合わせた精度・能力の姿勢決定・制御が可能。
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[小型人工衛星内部における UWB-OFDM 無線伝送特性](http://www.ieice.org/tokyo/gakusei/activity/kenkyuu-happyoukai/happyou-ronbun/20/pdf/91.pdf)
2014年頃
シミュレーションによって、400Mbpsで通信できそう、とのこと。
密閉された空間なので、マルチパスの影響が大きいらしい。
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[光データ中継衛星の検討状況について](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/059/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2014/10/01/1351678_3.pdf)
2014年9月16日付
東経90度付近の中継衛星で、日本のEEZからアフリカの一部までの広大な範囲をカバー。
ALOSの実績。直接伝送(地上局11箇所)では1日1時間程度の通信。データ中継衛星を使えば、1日8時間の通信ができる。地上局直通より8倍長い時間を通信に使える。
こだま(DRTS)を2002年に打ち上げ。通信速度240Mbps。だいち(ALOS)や国際宇宙ステーション(JEM)のデータを中継。
光データ中継衛星。2019年度打ち上げ予定。通信速度1.8Gbps。レーザーを使用。
電波の場合、直径3.6mのアンテナが必要になるため、マルチアクセス3回線以上のマルチアクセスは困難。光通信であればアンテナを小さくできるため、マルチアクセスが容易。
光通信は使用周波数の調整が不要。ビームが細いため妨害や傍受が困難。
6ページ目、ユーザー側のシステム重量と通信速度の表。ALOS-2では40kg程度の通信機で500Mbpsの速度(Ka帯)。OICETS(きらり)では150kgの通信機で50Mbpsくらい? 光データ中継衛星では50kgの通信機で1.8Gbps。
ALOSでは2.5m分解能、70km観測幅のPRISMで、圧縮後に240Mbpsのデータが出てくる。
先進光学衛星では0.8mの分解能、50km観測幅を想定すると1.3Gbpsのデータが出てくる。
きらりでは150kg、50Mbpsだった。小型化(50kg)、高速化(1.8Gbps)を行う。
きらりではアンテナ径26cm。10cm程度まで小径化。
きらりでは半導体レーザーをそのまま送信していた。100mW。増幅器を用いることで5Wで送信する。
きらりでは1bitあたり350フォトン。1bitあたり40フォトンまで感度を向上させる。
きらりでは振幅変調? BPSK? 光位相変調方式を使う。
電波で中継する場合、ユーザー側はアンテナ径77cm、約42kg、約200Wの通信系を使う。光の場合はアンテナ径10cm前後、50kg、180W程度になる。大幅な小型化、若干の重量増、若干の消費電力低減。通信速度は240Mbps→1.8Gbpsと大幅増。
中継衛星側はアンテナ径3.6m、260kg、590Wが、80kg、180W程度になる。アンテナ径は10cm?
9ページ目、利用計画。
先進光学衛星やJEMプラットフォームと通信。
11ページ目、開発スケジュール案。
13ページ目、OICETSの概要。
14ページ目、海外の光通信への取り組み。
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[光データ中継システムプロジェクト移行審査の結果について](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/059/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/02/17/1365278_1.pdf)
2016年2月2日付
8ページ目、システム構成。
9ページ目、主要諸元。
静止軌道に配置。
低軌道ユーザー衛星-静止中継衛星の間は光で接続。1.8Gbps。
静止中経衛星-地上局の間は電波で接続。1.8Gbps。
打ち上げ質量4000kg以下。4軸姿勢制御。EOL夏至で3.9kW以上。設計寿命10年。
13ページ目、衛星の高速化ニーズ。
先進光学衛星では5TB/day程度のデータが出てくる。DRTSの240Mbpsで伝送すると6日以上(観測時間の6倍の伝送時間)。実時間で伝送するには1.6Gbps以上が必要。光通信で解決できる。
地上1局の場合、通信できる範囲が狭い。中継衛星があれば広い範囲で通信ができる。海外の緊急観測に利点。
地上局の場合、数時間程度通信できない期間が1日に数回程度あるけど、中継衛星を使えば1時間半から3時間程度の間隔でコンスタントに観測データを取得できる、という利点もありそう。
14ページ目、中継衛星の性能比較。
縦軸がデータレート、横軸が打ち上げ年。日本は欧州に比べて数年遅れ。
15ページ目、サクセスクライテリア。
ミニマム、ダウンリンク1.8Gbps、アップリンク50Mbps以上。
19ページ、スケジュール。
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[宇宙における光エレクトロニクス技術 ~光衛星間通信を中心に~](https://www.nedo.go.jp/content/100751878.pdf)
2015年6月16日付
7ページ目、宇宙開発の特徴。
大規模、複雑、修理不可能。H-IIAで部品点数30万点。大型の地球観測衛星で25万点。一般乗用車で2~3万点。
少量生産。我が国で年間数機程度。世界的に見てロケット80機くらい、衛星200機くらい(2013年時点)。
特殊な環境(無重力、高真空、熱環境、放射線環境)。
使用環境では試験困難なものも多い。
日本の宇宙開発の問題点。欧米に比べて打ち上げ機数が少なく、経験やデータの蓄積が十分でない。
温度のグラフ。-60℃あたりから+60℃あたりまで、130℃程度の温度サイクルが100分毎に繰り返し。
ETS-8の例。無重力で展開する大型アンテナは地上での確認ができない。
ETS-8は特に例外的な感じもする。他の衛星でこのアンテナを採用した衛星ってどれくらいあったんだろうか?
14ページ目、地球観測衛星の比較。
左側のグラフ。縦軸が地上分解能、横軸が打ち上げ年。1995年あたりまでは分解能は横並び。それ以降は高分解能化が続いている。
右側のグラフ。縦軸が観測幅、横軸が地上分解能。高分解能では分解能0.5mで観測幅15kmあたり。観測幅を優先すると幅70kmで分解能8mあたり。次世代では観測幅を維持して高分解能化。
17ページ目、静止軌道上の中継衛星の配置。
下側がイギリス・欧州、右上が日本、左上がアメリカ、みたいな位置関係の図。
20ページ目、宇宙光通信の歴史。1970年頃から2000年頃まで。
22ページ目、ビームの大きさ。
Ka帯だと直径100km程度。光だと直径300m程度。東京ドームくらいの大きさ。
23ページ目、OICETS/ARTEMISの通信実験。
24ページ目、キー技術。通信の手順。
Step1、視野±0.2度で指向。送信側からビーコンを走査。
Step2、視野±0.01度で補足。±1uradあたりまで追い込む。
Step3、指向。光の往復に0.3秒程度かかるが、その間に2kmくらい動く。ビームは100mくらいの広がり。
26ページ目、OICETSの通信装置、LUCEの諸元。
28ページ目、光路。
ビームスプリッタいっぱい。
30ページ目、OICETSとARTEMISとの通信の際のシステム図。
平均ビットエラー10^-9くらいか。
35ページ目、海外動向。
NASA
月地上間の通信を実施し622Mbpsで通信。
117年打ち上げ予定の衛星。1.24Gbps、誤り訂正とか含めたトータルで2.88Gbps。
ESA
5.6Gbpsで通信。ただし最大6000km。低軌道コンステレーションの衛星間?
36ページ目、光データ中継衛星計画。
1.8Gbps。1.55um。先進光学衛星とJEM船外プラットフォームとで通信。将来的に他の衛星でも利用。地上と直結で通信実験したりとかも。
38ページ目、宇宙における光エレクトロニクスの利用。
太陽電池。開発初期から宇宙で活用。衛星・探査機のほとんどで使用。
観測センサ。フォトダイオード、CCD、CMOS、etc。
レーザー。ジャイロ、通信、LIDAR。
部品レベルでは、フォトカプラやフォトダイオードやいろいろ。
39ページ目、期待(と課題)。
電線で通信すると重い。光データハーネスで軽量化とか小型化とか低消費電力化とか。
広帯域で通信。電磁誘導がないのでそのあたりの試験を省略したり、引き回しの自由度が増えたり。
光ファイバを使った歪みの計測。
安価・製作短期化につながる?
宇宙用としての開発は困難。民生品の転用(スピンイン)がポイント。特殊な要求(放射線、温度、品質、実績)が課題。
40ページ目、スピンアウト、スピンイン。
昔は、宇宙開発で作られた製品や技術が民間でも使われるすスピンアウトが行われていた。太陽電池とか、断熱材とか、その他いろいろ。
現在は、民生用に開発された技術・部品を宇宙用に転用するスピンインが行われている。米国では、冷戦終結による宇宙予算の縮小が遠因の一つ。
光データ中継衛星で1.5umのレーザーを使うのもスピンイン。
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[第四次産業革命下における宇宙産業政策~「Tellus」 政府衛星データのオープン&フリー化~](https://www.usss.kyoto-u.ac.jp/uchugaku/seminar/2018/20181130_Kunisawa.pdf)
2018年11月30日付
7ページ目、世界宇宙産業市場規模の推移。
衛星サービス、地上設備、衛星製造産業、打ち上げサービス。
8ページ目、日本の宇宙機器製造産業の売上推移。
3000億円を超えたあたり。官需が91.3%、輸出が6.5%、民需が0.3%、その他が1.9%。
10ページ目、政府宇宙関連予算。
当初予算では10年前と比べて微減。補正予算も含めると微増。
内訳。文部科学省が1808億、内閣官房が755億、防衛省が411億、内閣府が248億、他。
15ページ目~、データ活用。
コメの品質の推定。石油の備蓄量の推定。
17ページ目、人工知能(AI)で戦車の型式を識別。
"Target Recognition of Vehicles: Depp Learning Theory"とのタイトルで、いろいろ突っ込みどころが。
SARデータを使う。装甲車やトラックや重機や。識別制度90%以上。
18ページ目、政府衛星データのオープン&フリー化の課題とか。
有償だったり、データ量が多くて一般のコンピューターで処理が困難だったり。
ユーザーフレンドリーなデータプラットフォームの開発・整備。さくらインターネットが採択。
将来の民営化を前提に、当初は政府予算で。
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[航空宇宙/軍事用スリップリングを利用したプロジェクト](https://www.moog.co.jp/literature/MCG/aerospace_military_ja.pdf)
いくつかピックアップすると、ブラッドレー戦車、AH-64、アベンジャー防空システム、H-60、LANTIRN、V-22、ストライカー機関砲システム、F-35JSF、AWACS、AIM-9Xなど。
スリップリングの写真とか簡単な図面。用途別にいろいろ。
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[「はやぶさ 2」衝突装置(SCI)](https://www.jsme.or.jp/publish/kaisi/151102t_.pdf)
2015年頃
衝突装置の外観、成型炸薬の図、その他。
諸元。衝突装置はΦ30cm、高さ20cmの円筒。本体は14kgで、爆薬部が9.5kg。衝突体は2kgで2km/s。スピン安定。爆薬部は、直径265mm、全長170mmの円錐。爆薬が4.7kg。銅のライナー。
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[初期検証時に撮影されたJEM自律移動型船内カメラ(Int-Ball)](http://jda.jaxa.jp/result.php?lang=j&id=c06d578b9597a9b1db673535f1a856a1)
Int-Ballの背中の写真。
左耳の部分に2素子の超音波距離計。その周りにファンの通気口。
頭の後ろ、上の方にJAXAのロゴ、中央部に各種インターフェース、下部にシール。
インターフェースは、USB mini BとUSB micro Bの2種類。その左横に1個ずつステータスLED? 右横にはRecovery Switchのマーキング。更に右側には電源スイッチ。
USBコネクタは、充電用とデバッグ用、みたいな用途があるんだろう。物理的にコネクタを変えて差し間違えを防止。Recovery Switchは、マイナスドライバーを突っ込んで開くフタ、みたいな形になってる。工場出荷時にリセット、みたいな機能だろうか? この場合は「打ち上げ状態にリセット」か。地上なら小さい穴から針金とか突っ込んでスイッチを押すだろうけど、宇宙だとそういう細かいものは機器の隙間に入ったりして大変、ということで使いたくないから、スイッチにカバーを付けて誤操作防止、みたいなことだろうか。
シールは上にESD保護マークとか。その横のシールはなんだろう? 下には機器の名前やシリアル番号。Int-Ballの正式名称は"JEM Camera Robot"らしい。
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[JEM自律移動型船内カメラ(Int-Ball)](http://jda.jaxa.jp/result.php?lang=j&id=cfed4959bcccda88d8afd31f6e09a579)
地上試験の様子。
暗いところに置かれて後ろから光が当てられ、目が光ってる。不気味な雰囲気。
寝てるときにふと違和感を感じて目を開いたら目の前に赤い目をしたコイツがいて、次の瞬間には意識を失い…… みたいなロボット反乱物の映画の最初のシーンが作れそうだ。
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[気象衛星センター技術報告特別号(2016)ひまわり8号及び9号の地上システム総合報告](https://www.data.jma.go.jp/mscweb/technotes/msctechrep_sp2016.pdf)
関連エントリ
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[パブリック事業説明会](https://jpn.nec.com/ir/pdf/library/140313/140313_01.pdf)
2014年3月13日付
NECの将来予想とか。
気になるところだけピックアップ。
2012年に社会ソリューション事業の中のパブリック分野(官公・公共・金融関係)の実績は売上の24%、15年の予想は24%に拡大。
パブリック事業では、官公が半数以上、次いで公共、金融。
行政サービス、防衛、パブリックセーフティ、公共・水、メディア。
5ページ目、社会ソリューションの例。赤丸が公共、青四角が公共、灰星が金融の例。いろいろ手広く。
行政サービス。国内でのシェアは30%で1位(2012年度末時点)。
防衛。国内でのシェアは4位(2008-2012年までの平均)。屋外通信システム、自動警戒管制システム、水中音響システム。強みとして、ソフトウェア無線、航空監視・管制、水中音響処理。
パブリックセーフティ。国内でのシェアは60%で1位(2010年-2013年度末、金額ベース)。「圧倒的なシェア」と。生体認証とか、消防の通信デジタル化とか、地球観測衛星とか。そのあたりが強み。
交通・水。国内では、交通管制ではシェア40%で1位(2012年度末時点、設置個数累計)、鉄道通信システムではシェア40%で1位(2012年度末金額ベース)。航空管制、交通完管制、鉄道情報、ダム・河川遠隔監視。強みはレーダーやビッグデータ処理、無線ネットワーク。
メディア。国内での営業放送システムはシェア40%で1位(2012年度末時点、納入社数累計)。国外でのデジタルTV送信機はシェア30%(2012年度末時点、納入システム数累計)。強みは、高効率電力増幅や超高精細圧縮(4k/8k)。
15ページ目、世界が直面する課題。2050年には、世界人口が90億人(1.3倍)。都市部に住む人口は70%。経済規模は4倍。エネルギー需要1.8倍、温室効果ガス1.5倍、食料需要1.7倍、水需要1.6倍。
人口増大をベースにした経済成長が期待される一方で、安心安全や効率的な資源活用を実現するソリューションが重要に。
社会インフラの市場規模。2007年から2020年の変化、投資額で、増加率は交通が37%、水と通信が+100%、都市開発・工業団地が+57%。
注力する社会インフラ、交通、水、通信、都市開発・工業団地、サイバーセキュリティ。
災害に強い通信インフラ。SDRを活用して基地局が無くても通信できる無線や、防衛省・消防・その他のネットワーク間での相互通信、その他いろいろ。
社会インフラの故障予知監視。発電所1箇所あたり3500個のセンサがあり、100Hzでサンプリング。3500×3499組(総当たり)で相関関係を監視し、「いつもと違う」を発見する。
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[「将来ソノブイシステムの研究」に関する 外部評価委員会の概要](http://www.mod.go.jp/atla/research/gaibuhyouka/pdf/Sonobuoy_17.pdf)
2005年頃?
マルチスタティックソーナー技術の研究。
4ページ目、運用構想。
5ページ目、所内試験結果の概要例。
音源ブイと受信ブイを焦点とした楕円の線上に目標がいる、という感じの図。
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[インフラ技術としての静止光データ中継衛星の提案](https://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/senmon/dai13/siryou4_2.pdf)
何かの資料の別紙、A4で1枚分くらい。
宇宙・宇宙間の光通信は、技術的に実現性が確認済み。光通信は大きなアンテナや大電力がなくても数Gbpsの伝送が可能。多数の衛星の打ち上げが予想される低軌道衛星が、いちいち周波数申請する必要がない(いまでも混雑、さらに混雑)。宇宙・地上間と比べて、天候や昼夜の制限が生じない。中継衛星は地上と常時リンクが可能なので、大容量の通信が可能で、即応性に優れる。
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[光衛星通信の実用化にむけて](http://www.soumu.go.jp/main_content/000462911.pdf)
2017年1月25日付
スカパーJSAT株
データ中継衛星は、1983年からKaバンド等の電波を用いてLEO-GEO間で利用。
データ伝送容量がGbpsオーダーとなり、光通信が求められている。
光衛星通信は小型・軽量化が可能で、LEO小型衛星や航空機への適用も可能となる。
3ページ目、日米欧の動向。
日本。電波データ中継衛星を2002年から90.75Eで運用。欧州と実施した光衛星感通信等の実績をもとに、19年度を目標に光データ中継衛星(JDRS)を開発中。JDRS利用を前提とした先進光学衛星も2020年度を目標に開発中。
米国。1983年から電波データ中継衛星(TDRS)を3機運用中。次期TDRSは未定。米空軍機(無人)に搭載する光通信機器を開発中。LEO-LEO間光通信を備えた小型衛星コンステレーションを計画する民間事業者もある。
欧州。エアバスは光データ中継衛星EDRS-AをEutelsat-9Bと相乗りで16年10月に世界初の商用光衛星通信サービスを開始。21年までにEDRSを3機配備し、LEG-GEO、GEO-GEOの中継ネットワークを構築する予定。
実用化に向けての課題。日米欧で波長やリンク確立手順に互換性がなく、相互運用性の確保が課題。小型化とか。
4ページ目、グローバル光データ中継サービス。
日欧(JDRS/EDRS)の互換性の追加。各国安全保障ユーザーの情報保全基準を満たすセキュリティ機能の追加。
5ページ目、利用事例1、航空機(UAV含む)による情報収集の非探知性・抗堪性の強化。
光通信であれば、細いビームの中に入らない限り探知・妨害が不可能。GEO-UAVでは地上のビーム幅が500m、UAV-GEOでは高高度のビーム幅が30cm程度、GEOでのビーム幅が1.3km程度。
7ページ目、利用事例3。
地上の電波望遠鏡の高速データ通信の中継(光結合VLBIの経路を宇宙に?)。
月・惑星からのデータ通信の中継。
8ページ目、実用化に向けてのお願い。
運用する民間事業者(スカパーJSAT)から国に対して、という感じか。
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[Dichroic(2色性)ミラーを用いた 複数通信レートを 効率よく受信する 光無線通信装置](https://shingi.jst.go.jp/var/rev0/0000/6598/2016_jaxa_2.pdf)
特許技術の説明資料。
髪の毛ほどの太さの光ファイバで、1秒間にブルーレイディスク数枚~数十枚を、太平洋を横断して日米間でやりとりできる。固定の2地点間の通信では、通信速度の点では最強。
でも、衛星は、とても遠い(少なくとも数百km)、衛星は動く、という点で、光ファイバを使うことはできない。
宇宙では、今の所、ほとんどすべてが無線による通信。
移動する相手とは無線での通信が必要。短距離通信(携帯電話や無線LAN)では利用が広く進み、研究開発も盛んに行われている。ただし、電波帯域が逼迫。
宇宙では光通信が必須。
現在でも、サーチライトのように光を飛ばす通信機材もある。ビル間通信とか。
ただし、雲や霧が出ると通信ができなくなる。バックアップに別の回線が必要。じゃぁ他の経路でいいじゃん、ということで光経路はあまり普及していない。
5ページ目、電波と光の比較。
6ページ目、光データ中継衛星(JDRS)の説明。
LEO-GEO間を光で、GEO-地上間をKa帯接続。ユーザーレート1.8Gbpsの固定速度。
7ページ目、電波と光の、アンテナの図。
ALOS-2の衛星間通信アンテナ。Kaバンド(26GHz帯)。ビーム1.2度。アンテナ径78cm。質量50kg。電力130W。通信レート277Mbps。
JDRSのLEO用装置。ビーム角10urad。アンテナ径10cm。質量TDB。電力TDB。通信レート1.8Gbps。
8ページ、目標とする光データ中継システム。
大型の衛星は高速通信(2.5-10Gbps以上)を、中型衛星は1.25Gbpsとか、小型衛星は312.5Mbpsとか、通信レートを選びたい。
地上とも光で結合。悪天候時は電波で接続。
小型化を目指した研究も行っている。
小型化には、低速化、低送信出力化が有効。
しかし、受信側で必要な光量が一定なので、送信側を低出力化できない。小型化も困難。
今回の発明。通信速度に応じて使用する波長を選択する。
ある波長は強い出力、ある波長は弱い出力、に対応した光学系の設計。
波長によって反射率・透過率が違うビームスプリッタを使う。
1555nmと1565nmを使う場合。通信速度は、前者が2.5Gbps、後者で312.5Mbpsのレートになる。どちらも20フォトン/bit。送信側のアンテナ口径は、前者が10cm、後者が5cmと、小型化が可能。送信出力は、前者が2.5W、後者が1.35Wと、省電力化も。
***
[先進光学衛星の検討状況について](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/059/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2014/10/01/1351678_4.pdf)
2014年9月16日
2011年のALOS運用終了以降、光学観測は途切れている。
3ページ目、目的や期待される成果。
分解能1m以内で日本全域を高頻度に観測し、様々なニーズに対応する。
設計寿命を5年→7年に長寿命化。データ継続性確保。
ALOS-2と連携。昼夜天候を問わず撮影できるALOS-2と、肉眼に近いALOS-3。
4ページ目、観測能力に対するニーズ。
災害の観測では、建物の倒壊や道路の通行可否を観測するには、分解能1m以内が必要とされる。
災害前後の比較が被害把握の基本となるため、平時は全世界の地図を高頻度で更新する。災害観測時は被災地域全体を迅速に観測する。国内の主要な災害の規模を考慮すると、地震では40-70km、風水災害では30-50kmの観測幅が必要。
地震の被害範囲は35-120kmに及んでおり、南海トラフ等を想定すると、早期に被害範囲を把握するためには35kmを超える観測幅や、視線方向を変えながら観測することが必要。
ALOS/PRISM後続に対するニーズについてヒアリングを実施。
5ページ目、ALOS後続に対するニーズ。
様々な分野。省庁以外にもいくつかの組織に対して。
日本・アジア地域に強いニーズが有る。
6ページ目、世界の高分解能光学センサのベンチマーク。
縦軸が分解能、上に行くほど高性能。横軸が観測幅、右に行くほど幅広い。
「低分解能で広範囲」か「広範囲で低分解能」という傾向。先進光学衛星では「高分解能で広範囲」
7ページ目、観測幅や観測距離。
先進光学衛星では幅50kmで長さ4000kmに渡って観測できる。1周回あたりの観測面積では、既存衛星の6-30機分に相当。
観測できる長さが短いと、災害観測に時間がかかったり、平時での地図のアップデートに時間がかかる。
8ページ目、開発方針。
開発早期からニーズを調べて反映。
既存技術を最大限活用することを基本とし、新規技術はミッション達成に必須な範囲で採用。開発期間が伸びるとあいのり衛星に迷惑をかける(近年では、静止軌道や情報収集衛星を除いて、ほとんどの打ち上げで大学等のキューブサットを相乗りさせている)。
その他。
9,10ページ目、技術開発。
光学系。軸外し鏡光学系。コントラストが高い。高度な技術が必要で、「我が国が有する貴重な技術」
1次元検出器。1ライン62kピクセル(ALOSは28kpx)。
高速・高品質データ圧縮。データレートはパンクロで6.5Gbps。低ノイズかつ高速な圧縮(非可逆圧縮?)
バスの長寿命化とか。寿命を伸ばして充放電サイクルも増える。リチウムイオン電池を採用。Kaバンドで直接伝送。リアクションホイールを高トルク化。
11ページ目、諸元。
衛星質量2トン級。設計寿命7年。目標10年。
その他搭載機器。光データ中継衛星と光通信の実証。防衛省のミッション機器(赤外線センサ)を搭載。
13ページ目、開発スケジュール案。
15ページ目以降、ALOSの実績。
累計312件の緊急観測を行い、情報提供。国際災害チャーターやセンチネルアジアで国際的な災害対応に貢献。
東日本大震災では被災地の緊急観測を最優先に実施し、400シーン以上の画像を取得。
累計654万シーンを観測(光学センサで全球を10回、SARで全球を16回、に相当)。
年度別の災害緊急観測件数。
国際災害チャーターへ加盟。要性に対して106件の観測を行いデータを提供。運用終了後にも13件の要性に対してアーカイブを提供。
海外の大規模災害に対してデータを提供。東日本大震災では国際災害チャーターやセンチネルアジアなどの国際協力による集中観測が行われ、約5000シーンの提供を受けた。
19ページ目、過去の主な震災被害地域。
被災域の幅の概算。35kmから140kmまで。
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[JAXAのリモートセンシング 衛星データについて](http://www.soumu.go.jp/main_content/000534387.pdf)
2018年2月1日
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[産業界から見た宇宙関連技術の動向について -防衛目的での宇宙開発利用の技術的可能性について- (産業界からの視点)](http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/board/uchukaihatsu/pdf/02/shiryou_03.pdf)
2008年11月7日
4ページ目、宇宙利用の条件。
兵器を置いちゃだめですよ、とか。
7ページ目、2006年時点での政府宇宙予算。
アメリカだけ別枠。この時点で日本はアメリカに次いで2番目。だいたい比率で20対1くらいの差がある。フランスと日本はかなり近い。ただ、日本は宇宙の軍事利用を行っていないが、フランスは軍事利用も含めた予算規模。アメリカは民間利用<軍事利用な感じ。
14ページ、2006年の、国内宇宙産業の構造。
15ページ、2006年の、主な宇宙事業者。
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[JAXA の先進光学衛星プロジェクト向けに極低膨張ガラスセラミックス『クリアセラム™-Z』を納⼊](http://www.ohara-inc.co.jp/jp/news/dl/pressrelease170622.pdf)
2017年6月22日
先進光学衛星以外にも、TMT(30m望遠鏡)とか、半導体製造装置とか、いろいろなところで使われてるよ、とのこと。
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[2波長赤外線センサの研究及び衛星搭載型2波長赤外線センサの研究の紹介](http://www.sjac.or.jp/common/pdf/kaihou/201607/20160702.pdf)
2016年7月
先進光学衛星に搭載する防衛装備庁のミッション機器関係の話。
2章に開発組織の説明、3章に赤外線の話、4章にセンサの種類、5章に2波長センサの研究、6章にデータ処理、7章に衛星搭載、8章にまとめ。
2ページ目、図1、研究分野。
3ページ目、図3、防衛用途での赤外線センサの使い方。
車両搭載、ヘリコプター搭載、航空機搭載、無人機搭載、艦艇搭載、ミサイル搭載、個人携行。
最後のを除き、基本熱赤外線かな。
防衛用途での赤外線の利点。昼夜関係なく使える。車両・艦艇・航空機・ミサイル等の排気ガスとかを探知できる。パッシブなので、自己を秘匿しやすい。
情報化が進んだ現代の戦いでは、有効な情報を多く集めれば戦いの優越が得られる。
今日では640x480の画素も比較的簡単に入手できる。逆に言えば、商業ベースで高解像度化が進んでいる以上、情報優越を得るには高解像度化以外のアプローチが必要。
防衛用途では遠方の目標を創作するため、大気の窓の波長帯を使う。10um(遠赤外線)と3-5um(中赤外線)。常温程度の物体は10um付近をピークとし、温度が上がるにつれて短波長(中赤外線側)へシフト。
人体や車両のボンネットのような、低温の目標には遠赤外線が適しており、ジェットエンジンの排気のような高温には中赤外線が適している。
6ページ目、図5/図6、波長の比較。
ライターの火炎は遠赤外線より中赤外線のほうが強く出る。
冬の富士山のような、低温の目標は遠赤外線のほうが強く出る。
7ページ目、図7、遠赤と中赤を融合した画像。
2波長を画像処理することによって、煙突から出た直後の排気ガスを強調して表示できる。これを応用すればミサイルや航空機の、排気ガスと本体を識別できるシーカーが作れるかも。
赤外線センサで目標を捜索する場合、太陽光の反射が問題になる。画像処理でどうにかする。
7ページ目、図8、太陽光クラッタを画像処理で低減し、海に浮かんだ船を強調する。
7ページ目、図9、背景の街に同化した船の高温部を強調する。
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[SS-520-4号機のミッション概要](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/060/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/06/09/1371895_7.pdf)
[SS-520 5号機のミッション概要](http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/060/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2017/10/12/1396928_13.pdf)
[超小型衛星「TRICOM-1R(たすき)」打ち上げ・民生カメラによる画像取得実験・即時観測の機能実証実験・S&F 実験に成功 ](https://www.t.u-tokyo.ac.jp/shared/press/data/setnws_201802211351495770963444_207260.pdf)
[東京理科大学開発の CubeSAT 用搭載計算機とカメラが 「TRICOM-1R(たすき)」に搭載・軌道上実証に成功](https://www.tus.ac.jp/ura/pressrelease/pdf/180221.pdf)
関連エントリ
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[Air Force invests $4.8M in FIU origami antenna technology for aircraft, UAS, satellites - Intelligent Aerospace](https://www.intelligent-aerospace.com/articles/2018/05/air-force-invests-4-8m-in-fiu-origami-antenna-technology-for-aircraft-uas-satellites.html)
2018年5月4日付
紙バネの一種に導線を巻き付けてアンテナとして使うアイディア。
小さく折りたたんでおけるし、展開も簡単。衛星搭載のアンテナや、歩兵が持ち運ぶアンテナにも使えるだろう、とのこと。
日本の折り紙に触発されて、とのことだが、この形状を考え出したのは英国人だそうだ。
この折り紙、何年か前に作った気がするけど、ものっそい面倒なんだよな。
少なくとも、「歩兵が使うんで1万個作って納入してね」とか言われたら、まずは政府から逃げる手段を考えなきゃいけないレベルで作りづらいと思う。
表面にループ状の銅テープを貼って導波器を構成しているようだ。歩兵が使うとなると繰り返し折るから耐久性に問題がありそうだな。衛星なら1回きりだから問題なさそう。導波器の直径と位置を自由に設定できないのが難しそうだな。確実に狙った形状になるか、とか、不安要素はいろいろありそう。
でも、約5億円も突っ込めば大抵の問題は解決できるか。折り紙にポンと5億も出す国ってすげーな。
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[Orange Logic - Patriot Advanced Capability (PAC-3) Missile](https://secure.boeingimages.com/CS.aspx?VP3=SearchResult&ITEMID=2F3XC5XYQTR&POPUPPN=1&POPUPIID=2F3XC5XYQTR)
パトリオットPAC3の弾頭部の写真。シーカーとか、信号処理部とか。もっとも、高解像度版は購入しなきゃいけなくて、用途によっていろいろ値段が設定されているようだ。200ドル前後から~という感じ?
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