2019年1月25日金曜日

三菱電機の静止衛星

 [三菱電機の静止衛星事業の展開](http://www.sjac.or.jp/common/pdf/kaihou/201707/20170703.pdf)

 2017年7月付

## 図

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 図1、横軸に打ち上げ年、縦軸に発生電力/衛星質量の比。2010年頃から2kW/ton程度で頭打ち。

 図2、三菱電機が想定する準天頂衛星コンステレーション案。東西方向に間隔を開けた静止衛星が3機、準天頂衛星が4機。QZSSのみで持続的に測位ができるようになる。

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 図3、ひまわり7,8,9の比較。比較と言っても8,9は共通だから、8,9の宣伝、みたいな感じだけど。
 観測性能は可視光・近赤が0.5-1km分解能で6バンド、赤外線(熱?)が2km分解能で10バンド、全球観測10分毎と、領域観測が2.5分毎。
 姿勢制御では、長期が14uRpp/10min、短期が4uR(1σ)とのこと。
 静止軌道からの14uRは赤道上で500mに相当、4uRは150mに相当。
 観測データは67Msps。シンボルパーセコンド? 1シンボル何ビットだろう。1Gbpsから4.3Gbpsくらいかな?

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 図4、三菱電機の静止衛星の概要。2002年から2018年まで。
 2002年の通信衛星は打ち上げ2.8トンで2kW(EOL)だった。2011年で4.9t/12kWになり、18年でも5.2t/13kWと、このあたりで頭打ち。
 ひまわり(14年/16年)の3.5t/2.6kWや準天頂(17年)の4.1t/6kWのように、ミッションに応じて小規模なものもある。

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 図5、電化衛星の静止化にかかる日数の目標値。
 ボーイング702SPの2x XIPS-25では静止化に180日かかる。欧米の最新バスでも150日程度かかる。ETS9では120日程度にしたい。という感じの図。

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 図6、ETS9を反映した次世代通信衛星の概要(と、現在の衛星の概要)。
 現在は発生電力が13kWまで、化学推進、アンテナは4枚、TWTA(進行波管増幅器)が60台。
 次期通信衛星は発生電力25kW、電気推進、アンテナ6枚、TWTA120台。その他、ペイロード重量比40%とか、製造・運用での低コスト化など。
 また、衛星バスは共通で、必要に応じて筐体の地球側を伸ばしてペイロードを増やす構造。13kW級をベースとして、18kWまでは1段増やし、25kW級では2段増やし、という感じ。
 周波数の柔軟性を高めたい、ビームの柔軟性を高めたい。

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 図7、商用通信衛星の発注数とシェア。2005年から16年までの図。おおよそ年20機で推移。
 2020年台にな年間2機を受注し、シェア10%を取りたい。

## その他

 三菱の衛星は、衛星に係る保険料が欧米大手6社と比較してもトップクラス。品質が高い。
 少なくとも、保険の支払いが必要な事態が頻発しているわけではない。

 衛星内のデータバスに1553BとSpaceWireの2系統がある。ミッション機器の選択肢が増える。

 衛星を軽くしたい。4tonならFalcon9で、3.5tonならArian5のデュアルロンチで安価に打てる。
 MHI涙目(`;ω;´)

 ボーイングは2ton級を静止化するのに6ヶ月かかった。ETS9系では5ton級を4ヶ月台で静止化したい。

 IoTやCADを導入して生産段階での低コスト化を図る(←いままでCAD使ってなかったんかい)。

 19年に新衛星生産棟が稼働予定。既存設備と合わせて18機を並行して生産できる。
 1機作るのに3年とすると年6機作れる。商業衛星年2機+非商業や他軌道も含めてこの程度の生産能力がほしい、ということか。

 IoTやM2M、自動運転、海上や空中でのブロードバンド、4k映像の伝送、5G通信、といった通信ニーズが急激に増えてきた。
 乗るしかない、このビッグウェーブに! すばやく軌道投入するだけじゃなく、投入済みの衛星を他の用途に転用できるように柔軟化する。設計寿命15年の衛星で柔軟性が足りないと、需要が収束したサービスを延々続けることになる。ビームフォーミングで需要のある地域の帯域を増やしたり、周波数割当を調整できるようにしておけば、需要の変化についていける。ついてはトランスポンダーの高性能化とか、パラボラアンテナのビームパターンの可変化とかが必要。
 デジタルビームフォーミングでビーム形状を変えるらしい。そこはまぁAESAレーダー作ってる三菱電機なんで、得意分野なんだろう。

 オール電化衛星だけじゃなく、化学推進を併用したハイブリッドもラインナップする(静止化の高速化)。

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 最近転載ブログの様相を呈してきているなぁ。

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