2020年3月5日木曜日

リンク集:打ち上げに失敗したロケット

 リンク集の番外編。目的の軌道への投入に失敗したロケット。有人機は含まない。
 基本的にイベントの日時順で、新しいものから記載。人力ソートなので間違ってたらごめんね。
 原因等や簡単な解説も加えているけど、間違ってたらごめんね。

* 記載済み
 日本:H-II、H-IIA、M-V、SS-520
 米国:ファルコン9、エレクトロン
 欧州:アリアン5、ベガ
 ロシア:プロトンM
 インド:PSLV (Mk.I / II/ III)

## 2023年9月19日 エレクトロン#40

 第2段分離後、T+151秒頃に電源システムに短絡が発生した。
 地表付近の気圧や宇宙空間の真空度では高い絶縁性が得られるが、ロケットが通過する高度では一時的に絶縁破壊しやすい圧力領域を通過する。ここで電源が短絡した。


## 2023年3月7日 H3ロケット試験機1号機 / ALOS-3

 第2段が着火せず指令破壊。

## 2022年10月12日 イプシロン#6 / RAISE-3 (+ 小型衛星・キューブサット等7機)

 姿勢異常のため第3段の燃焼を行わず指令破壊。
 第2段RCSタンクの気液分離膜の破損により燃料が押しガス側へ流入し、燃料出口ポートを閉塞したことが原因。

## 2022年12月21日 ベガC#22 / プレアデスネオ5,6

 第2段のスロートインサート(C/C材)が脱落し正常に燃焼が行われなかった。

## 2021年5月15日 エレクトロン#20 / BlackSky-10, BlackSky-11

 昨年7月の13号機以来3回目の失敗。
 第2段の点火装置で新たに発生した故障モードによりフライトコンピュータの信号処理に異常が発生し、第2段TVCが制御範囲を逸脱したためにエンジンがシャットダウンされた。

## 2020年11月17日 ベガ#17 / SEOSat-Ingenio, TRANSIS

 15号機に続き2回目の失敗。
 3段の固体と1段の液体の組み合わせのロケットで、液体段で最終的な軌道に投入する。この液体段のアクチュエータが人為的なミスによって誤配線されていた。

 Vega flight VV17 - Wikipedia

## 2020年7月4日 エレクトロン#13 / CE-SAT-IB, SuperDove x 5, Faraday 1

 電気的な接触不良が原因。樹脂で固めてあったために初期は接触していたが、発熱によって樹脂が溶けて配線が外れ、電動ターボポンプの電源を失い、燃焼が停止した。

## 2019年7月11日 ベガ#15 / FalconEye1

 アリアン5のSRBを流用した小型ロケット。UAE空軍の衛星を搭載。
 ベガとしては15回目で初の打上げ失敗。第2段上側ドームの破損が原因と考えられている。
 打上げ失敗に伴う保険の支払額は4億ドルを超え、過去最大。

 Vega flight VV15 - Wikipedia

## 2018年1月25日 アリアン5#41 / SES-14/GOLD, Al Yah 3

 部分的な失敗

 SES-14 - Wikipedia
 Global-scale Observations of the Limb and Disk - Wikipedia
 Al Yah 3 – Wikipedia
 Independent Enquiry Commission announces conclusions concerning the launcher trajectory deviation during Flight VA241 – Arianespace

 目標としていた軌道傾斜角3度、遠地点4.3万kmのGTOではなく、軌道傾斜角20度の軌道に投入されてしまった。

## 2017年8月31日 PSLV / IRNSS-1H

 ほぼ完全な失敗(目的の軌道への投入が行われず、衛星分離も行われなかった)

 IRNSS-1H - Wikipedia

 故障したIRNSS-1A(静止軌道上の測位衛星)を代替する目的で計画された衛星。
 打ち上げ203秒後に計画されたフェアリング分離が正常に行われず、約1200kgの重量増によって目的の軌道への投入ができず、また衛星の分離も行われなかった。
 火工品の不動作によりフェアリングの分離が行われなかった。

 軌道上に残った上段や衛星は2019年3月に再突入し消失。

## 2017年5月25日 エレクトロン#1 / ダミーペイロード

 地上システムのソフト的な問題によってテレメトリを正しくデコードできなくなり、指令破壊が行われた。当該ソフトウェアに影響を受けない別のシステムで受信したテレメトリによると、ロケットは正常に飛行していた。

## 2017年1月15日 SS-520 / TRICOM-1

 元々はサブオービタル(1000km程度)を観測するためのロケットにキックステージを搭載し、近地点180km程度に3kg程度の衛星を打上げる計画。いくつかの設計変更により、単体では問題はなかったものの、複合的な要因で電装系の電源を喪失、第2段点火を中止した。タイマーによる衛星の分離は計画通りに行われ、衛星からの信号が受信された。

## 2016年9月1日 Falcon9 / Amos-6

 Amos-6 - Wikipedia

 地上試験中の事故。この際、すでに衛星が搭載されていたため、衛星自体も失われた。

## 2015年6月28日 Flacon9 / CRS-7(ドラゴン補給船)

 スペースX CRS-7 - Wikipedia

 設計不良により、第2段高圧ヘリウムが漏出、内圧の上昇により破壊された。
 Falcon9の、打ち上げにおける失敗としては、2019年時点で唯一。

## 2015年5月16日 プロトンM、ブリーズM / Mexsat 1

 Mexsat 1 – Wikipédia, a enciclopédia livre
 Аварии ракет-носителей «Протон» — Википедия

## 2014年5月16日 プロトンM、ブリーズM / エクスプレスAM4R

 Экспресс-АМ4Р — Википедия

 打ち上げで失われたエクスプレスAM4の代替機として打ち上げられたが、これもまた打ち上げで失われた。

## 2013年7月2日 プロトンM、ブロックDM-03 / グロナスM No.39-41

 Глонасс-М — Википедия

 3機の衛星が失われた。
 ヨーセンサが上下逆に取り付けられていたことが原因。
 財政面から、また量産衛星には保険をかけないという決定のために、衛星には保険がかけられていなかった。

## 2012年12月8日 プロトンM、ブリーズM / ヤマル402

 部分的な失敗

 Ямал-402 — Википедия

 ミッション期間15年の予定だったが、11.5年に短縮が予想される。

## 2012年8月6日 プロトンM、ブリーズM / テルコム3、エクスプレスMD2

 部分的な失敗

 Телком-3 — Википедия
 Экспресс МД2 — Википедия

 ブリーズMの燃焼が、加圧ラインの閉塞によって、18分5秒の予定のうち、7秒後に終了した。

## 2011年8月18年 プロトンM、ブリーズM / エクスプレスAM4

 部分的な失敗

 Экспресс АМ4 — Википедия

 ソフトウェアエラーによる?
 後に代替機が打ち上げられたが、これも軌道投入に失敗した。

## 2010年12月25日 GSLV Mk.I / GSAT-5P

 GSAT-5P - Wikipedia

 液体ブースタの不具合により制御が行えなくなり、司令破壊。

## 2010年12月5日 プロトンM、ブロックDM-03 / グロナスM No.30-32

 Глонасс-М — Википедия
 ФЕДЕРАЛЬНОЕ КОСМИЧЕСКОЕ АГЕНТСТВО (РОСКОСМОС)| Новости

 3機の衛星が失われた。

## 2010年4月15日 GSLV Mk.II / GSAT-4

 GSAT-4 - Wikipedia

 第3段の極低温エンジンの不具合による。燃焼開始直後にLH2ターボポンプが停止した。

## 2008年3月14日 プロトンM、ブリーズM / AMC-14

 AMC-14 - Wikipedia

 ブリーズMのガスジェネレータとターボポンプの接続が失われたことによる早期の燃焼終了。
 月面フライバイによる軌道変更を計画したが、これはボーイングにより特許申請が行われていた。当時SESとボーイングは係争関係にあり、ボーイングの特許の使用ができなかった。後に米国防総省の手に渡り、静止化が行われた。

## 2007年9月5日 プロトンM、ブリーズM / JCSAT-11

 JCSAT-11 - Wikipedia

 第2段付近の不具合により墜落、有毒な推進剤によって墜落地点の周辺が汚染された。
 衛星は軌道上予備機として計画されたものであったため、衛星群の運用への直接的な影響はなかった。

## 2007年9月2日 GSLV Mk.I / INSAT-4CR

 部分的に失敗

 INSAT-4CR - Wikipedia

 液体ブースタの不具合により打ち上げに失敗したINSAT-4Cの代替機。
 第3段(最上段)の不具合により、計画値より低い軌道へ投入された。

## 2006年7月10日 GSLV Mk.I / INSAT-4C

 INSAT-4C - Wikipedia

 4本の液体ブースターの内の1本の不具合により飛行コースを逸脱したため司令破壊。
 翌年、代替機のINSAT-4CRが打ち上げられたが、ロケットの不具合により目標軌道への投入が行われず、衛星によって静止化された。

## 2006年2月28日 プロトンM、ブリーズM / Arabsat-4A

 部分的な失敗

 Arabsat 4A – Wikipédia, a enciclopédia livre

 ブリーズMの不具合により目的の起動への投入に失敗。デブリ化を防ぐために衛星の軌道変更によって大気圏へ突入。
 ブリーズM自体は軌道上に残っていたが、2007年2月19日に約1000個の破片が発生した。

## 2003年11月29日 H-IIA#6 / 情報収集衛星(2機)

 H-IIA2024形態

 H-IIAロケット6号機 - Wikipedia

 SRB-A(第1段ブースタ)の不分離が原因。
 2019年時点で、H-IIA唯一の失敗。
 デュアルロンチのため2機の情報収集衛星が失われた。以降、実証機を相乗りする以外は、情報収集衛星のデュアルロンチは行われていない。

## 2002年12月11日 アリアン5#17 / Hot Bird7, Stentor

 Vol 517 d'Ariane 5 — Wikipédia

 冷却システムの不具合によりノズルが変形、ロケットの制御ができなくなり司令破壊。

## 2001年7月12日 アリアン5#10 / Artemis, BSAT-2b

 部分的な失敗

 ARTEMIS - Wikipedia
 BSAT-2b - Wikipedia

 遠地点3.6万kmのGTOではなく、遠地点1.7万kmの楕円軌道に乗ってしまった。
 Artemisは化学・電気エンジンの組み合わせで時間をかけて静止化に成功したが、化学エンジンのみだったBSAT-2bは静止化に失敗した。

## 2001年4月18日 VSLV Mk.I / GSAT-1

 部分的な失敗

 GSAT-1 - Wikipedia

 上段の燃焼時間の不足による。
 衛星による静止化が完了する前に推進剤が枯渇した。

## 2000年2月10日 M-V#4 / ASTRO-E

 第1段のノズル破損による速度不足。

## 1999年11月15日 H-II#8 / MTSAT-1

 H-IIロケット8号機 - Wikipedia

 第1段LE-7の推力喪失による。
 5号機と6号機の順番が入れ替わり、また7号機と8号機の順番が入れ替わり、6号機→5号機→8号機、と打ち上げられ、5号機の目標軌道への投入失敗、8号機の打ち上げ失敗、が連続して発生したため、7号機の打ち上げがキャンセルされてH-IIロケットの運用が終了した。

## 1998年2月21日 H-II#5 / COMETS

 部分的な失敗

 H-IIロケット5号機 - Wikipedia

 第2段の早期燃焼終了による。
 静止トランスファ軌道を目標としていたが、遠地点1900kmの低軌道へ投入された。

## 1997年10月30日 アリアン5#2 / MaqSat-H, TEAMSAT, MaqSat-B, YES

 部分的な失敗

 Young Engineers’ Satellite – Wikipedia

## 1997年9月29日 PSLV / IRS-1D

 部分的な失敗

 PSLV-C1 - Wikipedia

 ヘリウム漏れのために目的の軌道へ到達できず。

## 1996年7月4日 アリアン5#1 / クラスター

 Vol 501 d'Ariane 5 — Wikipédia

 プログラムの不具合によって発生。

## 1993年9月20日 PSLV / IRS-1E (もしくはIRS-1P)

 PSLV-D1 - Wikipedia
 IRS-P1 - Wikipedia

 PSLVの初打ち上げ。第2段でのソフトウェアエラー。

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