2026年7月22日水曜日

小ネタ



 この分野でアメコミっぽいの珍しい。さすがAndurilって感じ。



“ひきこもりリスク”の高い人は、オンラインゲームでも交流を好まない傾向。匿名でも“人付き合いはしんどい”可能性、日本人ゲーマーを対象に研究 - AUTOMATON

 相関関係はある、因果関係は不明、という段階。あとは実験上の注意点もいくつか。

 しかし、思い当たる節がいくつか…… あのゲームとか、あのゲームで減点判断した要素、プレイヤーの社会性の低さが原因だった可能性が。。。



 AUTOMATON、コンテンツの質が安定して高いので好きなんだけど、最近記事を読んでいるとポップアップが出てくるのが体質的に結構厳しい。あと、自分の場合はRSSで1日分のタイトルやヘッダーを見て読みたい記事を開いてから読むから、ポップアップで出てくる記事は「後で読みたいからすでに開いている」or「興味がないので飛ばした」の二択なので、余計にうるさい。RSSにはタイトルと序文が出てくるけど、ポップアップにはタイトルの一部しかないから、RSSを先に見ると情報量が増えない。RSS経由で入ってくる読者はURLパラメータで識別してポップアップを出さない、みたいな機能が欲しいなぁ。



 こういう計画性皆無のページ配分するメディア大っ嫌い。この程度の2ページ目を作るくらいなら1ページにまとめろよ。ページビュー(=広告収入)を水増ししたいだけのデザイン。どうしても広告費を稼ぎたいならせめてそれを前面に出さないデザイン(バランスの良い分割)にしろ。


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 fl2kでNTSCを出力する遊び。

 最初なぜかfl2kから信号が出なかった。カチャカチャやってたらなぜか出力するようになった。謎い。もしかしたらUSB 3.0の「ゆっくり挿したら正しく動かない」系のトラブルかも。

 とりあえず、CVBSで固定のカラーバー画像を出せるようにはなった。前回は正しい色が出なかったけど、おそらく座標系の取り扱い(特に33度のオフセット)の間違いだったっぽい。Y, R-Y, B-Yで変調すれば綺麗に出る。ただし色信号の帯域制限とかはやっていない(真面目に実装するとコストが。。。)。

 真面目に変調しようとすると、まずYIQで帯域制限して、それをRGBに戻して、色ごとにガンマ補正をしたうえで、Y, R-Y, B-Yで変調しなきゃいけないのかな? RGBの段階で非線形処理が必要だから、YIQ→Y,R-Y,B-Yへの直接変換はできないはず。FIRで帯域制限をやるならそっちの演算コストが圧倒的に高いから、3x3行列2回分のコスト程度は無視できるだろうけど。ただ、ロジックが圧倒的に複雑になるし、帯域制限にしろガンマ補正にしろ確認がとても面倒なので、今回は省略した次第。


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 fl2kで使用可能なサンプリングレートとfscの倍率の関係(倍率の誤差が整数比に対して1%未満に限定)

 x3, 10.740738 Msps ( 0.0006)

 x4, 14.318170 Msps (-0.0000)

 x5, 17.894733 Msps (-0.0008)

 x6, 21.481477 Msps ( 0.0012)

 x8, 28.636356 Msps (-0.0000)

 x9, 32.222216 Msps ( 0.0018)

x10, 35.789470 Msps (-0.0017)

x11, 39.375000 Msps ( 0.0000)

x12, 42.941173 Msps (-0.0037)

x13, 46.521732 Msps (-0.0035)

x15, 53.684205 Msps (-0.0025)

x16, 57.272713 Msps (-0.0000)

x17, 60.833330 Msps (-0.0053)

x18, 64.444443 Msps ( 0.0035)

x19, 68.000000 Msps (-0.0032)

x22, 78.750000 Msps ( 0.0000)

x23, 82.307683 Msps (-0.0061)

x27, 96.666660 Msps ( 0.0053)

x31, 111.000000 Msps ( 0.0095)

x38, 136.000000 Msps (-0.0063)

x44, 157.500000 Msps ( 0.0000)

x57, 204.000000 Msps (-0.0095)

x88, 315.000000 Msps ( 0.0000)

 実用的にはx38の136Mspsが最大かな?

 x11とその2^n倍はfscに対して整数比になる。x4とその2^n倍は厳密には整数比ではないが、-6乗程度に収まる。


 fl2kの高調波でアナログテレビ(ch1,2,3)を出す場合の配置




















 1つのチャンネルだけでいいならch1のx6かx8、2つ必要ならch1/ch2のx12、3つ必要ならx16かx22、あたりかな。x16は偶数ゾーン、それ以外は奇数ゾーンなので、そのあたりは注意が必要か。まあ、符号だけ気をつければ……


*


 映像/音声信号をfl2kで出力


 音声は44.056kspsを650倍して8fscへ上げて4.5MHzの周波数変調、映像も同じく8fscで負極性のNTSCを作成して、これを加算してから2倍にゼロパディングしたうえで、-1 - +5MHzくらいのざっくりした複素フィルタに通してVSB化したうえで、16fscのゼロIFに-17.3MHzの信号をミックスして、実部を吐き出して、これをfl2kで出力するとゾーン4の96-102MHzにアナログch2テレビ信号に相当する信号が出てくる。DAC/高調波のSinc特性は補正していない。

 オシロで受けてFFTで見れば、97.25MHzに映像のキャリアがあるのと、101.75MHzに音声のキャリアがあるのと、100.83MHzに色信号が見える。

 広帯域受信機のアンテナを容量結合すると、101.75MHz/WFMでテストに入れた音が聞こえる。少なくとも、音声信号(モノラル)は正しく変調できているはず。


 しかし、こうしてみると電波割り当ての6MHz間隔のなかで、アナログ放送ってかなり上に寄ってるな。映像信号は1.25MHzのVBSで、音声信号は上から250kHzの位置。たしかにこういうのが横にあると、デジタル放送は上に150kHzくらいオフセットするか、という感じもある。

 地デジ放送に+1/7MHzのオフセットがあるのはアナログ放送に対する保護みたいな目的なのかと思っていたけど、実際にはアナログ放送から受ける妨害を避けるためなのかも。


 現状最適化も何もせずDebugビルドで回しているので、変調するのに、実時間に対して数十倍の時間がかかる。Releaseビルドにしてもまだだいぶ遅いはず。基本的にコストが高いのはFIR系の処理だから、ここをマルチスレッド化すればだいぶ早くなるはず。とはいえ、それでもやはり実時間で処理できるかは怪しい気がするが。


 C#はC++のtemplateみたいな書き方ができないから、型を固定しないとフィルタのコードが膨大になって困る。下手にfloat, double, Complex32, Complexあたりから選んでデータレートを削るより、まずはComplexだけで、実数データも虚部0埋めの複素データで扱って、フィルタのアルゴリズム側で頑張るほうが速度が稼げそう。

 そもそもFIRみたいな基本的なコードを毎回書き直すな、という話なんだけど。


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 だいぶ前に買って積んでいた(開封すらしていなかった)中国製のアナログチューナー(アナログテレビで地デジを見るためのチューナーではなく、TV受信機能のないCVBSモニタでアナログテレビを見るためのチューナー)を開封。リモコンの電池トレイには絶縁シートが挟んであるけど、肝心の電池は入っていないという、いかにも中国クオリティな製品。

 とりあえず、通電する前にさらに開封

 中央(基板左側)にあるのがRF→IFのダウンコンバータ(左端の金属板はそのシールド)、右側の基板がIF→CVBSの変換とかのロジック周り。

 ダウンコンバータはフィリップス製のモジュール。このモジュールは本来2個の同軸コネクタ(IEC 169-2、日本ではPAL端子と呼ばれている、欧州・豪州のラジオ/テレビでよく使われているもの)があって、片方が入力、もう一方がパススルー出力、らしい(パススルー出力は無理やり外されている)。おそらくダウンコンバータ自体はHi-Z受けで、本来はスルー出力側にターミネータが必要なはず。こだわるならPAL端子にRFを入れる前にターミネータが必要になる。

 シールドの中身は、4MHzの水晶、PLLが入ったSOP、IFフィルタのSIP、他にコイルがたくさん、その他、という感じ。よく見るとPCBにもパターンコイルが作ってあったりする。シールドの蓋には調整用の穴が空いているけど、その下には触れるようなものは何もない。蓋は昔作ったものの流用で、かつては発振周波数やフィルタの調整が必要だったのかな?

 このダウンコンバータのモジュールは1990年代のものだと思うんだけど、2010年代に入るとE4000やR830Tのようにワンチップでこのモジュールをほぼ丸ごと構成できるわけで、半導体技術の発達とは凄まじいものよな。


 このダウンコンバータはフィリップス製らしく、PLLはI2Cでコントロールできるらしい? モジュール自体の入手性やデータシートの入手性が良ければ、ちょっとした受信機を作って遊ぶのに便利そうなのだが。数十MHzから800MHzまでを一気に適当なIFへ落とせるダウンコンバータって結構面白そう。IFと言ってもテレビ用だから40MHzあたりだと思うけど、それでもBPFを通っているから、アンダーサンプリングで受ければいいだろうし。

 それこそR830Tブレークアウトボードとかがあればそれで済むんだけど。


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 fl2kの映像出力とこのSTBのRFラインをAC結合してスキャン。STBはCVBS出力なので、これをRCA→HDMI変換に入れて、HDMI→USBキャプチャでPCに取り込み。いろいろなプロトコルを介して、PCから出した信号をPCに取り込むような形。


 STBのメニュー画面

 かなり操作性が悪い。SEARCHはおそらく周波数を直接入力できるっぽいんだけど、この項目に入ると二度と抜け出せなくなる(電源断でリセットする必要がある)。謎い。AUTO SEARCHでは非常に幅広い周波数レンジ(数十MHzから1GHz弱まで)をスキャンしている間、中断ができない。


 チューナーが映像を受信する前

 右上の1がチャンネル番号に相当する表示


 映像を受信している状態

 SMPTEカラーバーっぽい映像を変調していて、それらしい白黒映像が見えているので、少なくともモノクロのテレビ信号としては正しく変調できているっぽい。ただ、カラー信号が無いし、非常にノイズが多い。

 右上のチャンネル番号も乱れているから、テレビ映像→RCAで壊れているわけじゃなくて、RCA→UVCで壊れているんだと思う。見づらいけど、メニュー画面や映像受信前はPAL(モノクロ)としてキャプチャデバイスに認識されているけど、映像が入った状態ではNTSCとして認識されている。

 輝度映像信号はNTSCでもPALでも同じだから、色信号の部分で問題があるんだと思う。もしかしたら、スキャンして別のゾーンの映像信号を捕まえて、奇遇が違う場所でVSB映像信号がミラーになっている場所を受信していて、カラー信号(&輝度の高周波成分)が無いからノイズだらけのモノクロになっている、という可能性がありそう。輝度信号しかないからチューナー側がNTSCを認識できず、OSDがPALで書かれて、NTSCで受けているRCA→HDMIで映像が乱れる、とか。映像がない時点ではチューナーのOSDがPALの同期信号を作るからRCA→HDMIはPAL映像として認識するが、映像が入った時点でチューナーのOSDは輝度だけ上書きして、同期信号はNTSCの形になるから、RCA→HDMIはNTSCとして認識するが、チューナー側はPLAのまま、みたいな。


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 Forza Horizon 6を起動もアンインストールもできなくなった。

 Windows Updateを適用してOSを再起動後に起動できなくなった。前回PCがクラッシュして、その時もFH6が起動できなくなり、その時はアンインストール→インストールで起動できるようになった。今回はそれ以降初の再起動なので、OS再起動が原因で起動できなくなった、みたいなトリガはありそう。やはり前回のクラッシュでジワジワとダメージが入ってる感じがする。

 今回の再起動後、cmd.exeの外観も変わった。最近のタブや若干リッチなフォントと違って、シンプルなウインドウに簡素なフォントで表示される。このあたりもなにか不具合がありそう。


 FH6はMicrosoft Storeで購入/インストールしたので、とりあえずwsresetを打っておいて、sfcとdism。sfc /scannnowでは検出なし。dism /online /cleanup-image /restorehealthは数時間かかるとか書いてあるので恐る恐る打ってみたら、50%くらいまでものの数秒程度で走ってこんなのすぐ終わるじゃんと思っていたら、60%から遅々として進まない。と思って10分くらい目を話したら80%を超えていたりして、プログレスバーは残り時間の目安には使えなさそう。30分くらいで終わって、正常に終了したとのこと。再起動して再びscannnowをやって、問題なさそう。

 ただ、やはりFH6を起動したりアンインストールしたりができない。


 なんか、以前のクラッシュを引きずってWindowsが不調な気がする。

 さて、どうしたものかなぁ。最終手段はWin11のクリーンインストールだけど、さすがに気が乗らない。現在の起動ドライブは丸ごと残しておきたいし、数年使ったNVMeだから使いまわしも嫌だし、と考えると、少なくとも起動ドライブ用に7万円くらいかかる。データドライブの方もRAIDで組んでいて、念のためにバックアップを、とか言い始めると、また8万円くらいかかる。15万円かけてまで治すべきかというと。。。

 かといって、15万円をベースラインにすると、かなり絞った構成にしたとしても新しいPCを組むこともできないし、微妙な線なのよなぁ。


 アンインストールができない、という点に限って言えば、Microsoft Store版はファイル管理が厳しいから手も足も出ない、という状況にある。これがSteam版だと、ストレージからインストールファイルを全部削除して、みたいな荒療治ができる。

 Microsoft系のゲームだからMicrosoft Storeで買ったけど、やはりゲームはSteam版とかで買ったほうが楽そうな気がする。あるいは、クラウドゲーミングに振り切るか。


 とかなんとか、ノートPCで経過を書きつつ、念押しのdism+sfcをやって、なんの問題もなく終わり、再起動したところ、cmd.exeも戻り、Forza Horizon 4/6も消えていた。appxpackageも触ってたので、どれが効いたのかはわからないけど。

 ただ、それで消えて、再インストールして、起動しても、また起動画面で止まって起動できない。そのまま10分くらい放置していたらエラーコード付きのクラッシュ画面が出てきて、もう一回起動すると、今度はうまく起動できた。

 いまいち安定しないけど、まあ、起動できたしいいや。


 ストレージ故障だと再起動でトドメになることもあるだろうけど、多少のソフトウェア的な問題なら、再起動で治るっぽいな。最近のWindowsってだいぶロバストな気がする。やはりクライアント用Windowsは高い頻度で再起動するのが良さそう。



 10年くらい前は小さい組み込みデバイスの試作の下請けみたいなのをやったり(量産品じゃないから実質本番用を作ってた)、あるいはイベントの撮影のバイトみたいなことをやっていたので、それなりのPCが必要だったけど、最近はそういうこともやってないので、PCの必要性があんまり無いんだよなー。ということで、バックアップ用途含め、値段の高いストレージの購入を渋っている次第。大量に溜め込んだ15TBくらいのデータが飛ぶと心が痛むし、多分しばらく寝込むけど、とはいえそれで商売をしているわけではないから、特に実害はないという。


***


 Windowsってctrlを押しながらタスクバーのアプリアイコンをクリックすると、ウインドウを一つずつ表示してくれる機能があるんだな。例えばExcelのウインドウを3個開いていると、タスクバーをクリックしたらサムネイルが表示されて、そこから表示したいウインドウをもう一度クリックするけど、ctrl+クリックだと最後に使った順?でウインドウが順番に表示される。ウインドウが3個なら3回クリックすればすべてを表示できる。

 多用する機能ではないけど、地味に嬉しい機能。


2026年7月15日水曜日

小ネタ



 2,3年前に出した動画のやつ。前のやつは天球の前半分しかなかったけど、後ろまで表示できるようになったらしい。戦闘機のシミュだとドッグファイトで後ろにつかれたりもやらなきゃいけないから、後方視界は必要なんだろう。飛行機用のシミュなので下の方の表示は無いが。

 シコルスキーもロッキードの傘下だし、スリング作業とかのシミュ用に下まで見える全球LEDディスプレイも需要はありそうだけどな。F-35みたいな巨大プロジェクトに比べれば、作業用ヘリのシミュはそこまで需要はないか。半球シミュが十分な数が売れれば、それを改造して全球(or上下逆さにおいて荷役特化シミュ)を作るか。


 全球LEDディスプレイってアミューズメント用で需要あったりしないんだろうか? 既存のLEDウォール(映像撮影向け)は巨大な平面(あるいは円筒)の組み合わせだから、個人が入る大きさの製品はあんまりなさそう。とはいえ、防衛用の信頼性だと(いくら地上用とはいえ)、B2C領域に転用するのもコスト的に難しそうだが。逆に、アミューズメント用で性能(&信頼性)の良い全球ディスプレイが商品化されれば、それをシミュに流用するみたいなことはできそうだが。でもこういう用途ってたいていVRゴーグルで事足りるから、わざわざ実空間で表示しなきゃいけない需要って少なそうなんだよなー。

 いちおうNHK放送技研がドームディスプレイも扱ってはいるけど、彼らは実用化というよりまずは表示デバイス(伸縮可能ディスプレイとか)の基礎研究があって、それの応用でドームディスプレイも作れるよ、みたいなことを言っている感じであって、すぐに商品化できるというものではなさそう。少なくとも今後四半世紀程度は平面映像の放送が主力だろうし、伸縮デバイスを使用した非平面ディスプレイはNHKでの実用化は難しそうな気がするな。

 モノとしては全球ディスプレイは切頂二十面体みたいな形を作ればいいわけだから、五角形と六角形のLEDパネルを量産すればいいわけで、需要さえあれば既存のラインナップの延長線で作れるだろうけど、とはいえその需要がな…… 結局、高コストを正当化できる防衛ドメインが自分たち専用のLEDパネルを作る、みたいな方向に落ち着くわけか。



 公共のUSBポートに差すのが怖い……そこで充電専用Type-Cケーブル - PC Watch

 Type-Cって高速通信用の配線が未実装でもPower Delivery(PD)に対応していれば機器間の通信ができちゃうので、「データ通信ができない充電(PD)専用ケーブル」=「本質的に安全なケーブル」とは言い切れないのが嫌なところ。PD用のConfiguration Channel(CC)で充電器から端末にパケットを送れるから、端末側に脆弱性があると色々悪用できてしまう。

 CCは300kbaud程度しか出せないから通信速度はさほど早くないけど、とはいえ充電を目的として接続する場合は少なくとも5分とか10分程度は接続していることを期待できるから、数分程度あれば、ちょっとした個人情報の搾取くらいならできなくはない。端末側の脆弱性がよほどひどい場合は数秒でも重要な個人情報を抜ける可能性もある。

 実際には、CC経由で端末内のストレージにアクセスするのは相当大変だろうけど。そもそも通信速度が遅いゆえに現実的に使うのは無理があるから、この通信プロトコルを真面目に実装してある端末も多くないだろうし。あくまでも規格上はそういうことも考えられる、という程度で。ただ、今まで使われていなかったということはセキュリティ側の研究対象にもなってなかったということで、あるいは、ということもありえる。


 本当に安全に充電をしたいなら、USB 1.0の2.5Wしか使えない。あるいは、PDシンク/ソースをセットにしてデータ通信を完全にアイソレートできるデバイスを探すか、作るか。例えばシガーソケット出力のトリガーケーブルと、シガーソケット→Type-C PDアダプタを組み合わせれば、データ通信は完全に止められる(それらの製品を品質的にもセキュリティ的にも信用できるかは別の話だが)。

 結局、信頼できるメーカーのACアダプタを持ち歩くのが一番、って話に収まりそう。ケーブルとアダプタを個別に持ち歩くのが面倒って場合は、コンセントからType-Cまで直通できるケーブルを使うか。



 消失 | にわかSEは大忙し!(情報政策室ブログ)

共有のファイル操作はもう少し慎重にやってほしいものです

「部外者が口出ししてんじゃねーぞ」案件だけど、Windowsの設計思想によればストレージ内のドラッグ・アンド・ドロップは移動、ストレージ間のドラッグ・アンド・ドロップはコピーだから、USBメモリや外付けHDDでデータをやり取りしていた感覚がある人にとって、「外からデータをドラッグ・アンド・ドロップで引っ張ってくる」は原則すべてコピー操作になる。ところが、ドラッグ・アンド・ドロップがデフォルトで移動な共有ストレージシステムが導入されると(特にシステム管理者側から何も言われていない場合)、無意識にドラッグ操作をやって、コピーしたと思ったら移動していた、という事態が発生するんじゃなかろうか。あるいは、これまで使っていたNASもWindowsのエクスプローラーでファイルサーバーにアクセスすればドラッグでコピーがデフォルトだろうし。

 例えばOneDriveだと共有用のフォルダは%userprofile%\OneDriveでファイルはその下にあるから、Windowsからすればデスクトップにドラッグ・アンド・ドロップするとストレージ内判定になるはずだけど、実際にはデフォルトでコピー操作になる(ドラッグ中にshiftを押せば移動)。Microsoftが作ったシステムだからWindowsに細工がしてあるという可能性も無きにしもあらずだけど。

 記事の件は、システムの設計思想が食い違った部分でユーザーにストレスを与えている感じがする(で、システム管理者は自分の経験からそれに文句を言う状況)。COTSシステムだからこういう事態はいたるところで起きてるだろうし、あるいはそうならない対策がすでにありそうなものだけどねぇ。



 Windowsのレジストリの非公式な設定でDefaultDropEffectという項目があって、32bit値で0(標準挙動)、1(常にコピー)、2(常に移動)、3(常にショートカット作成)、という設定になるらしい。

 元々はdesktop.iniの[.ShallClassInfo]下に"DefaultDropEffect=1"みたいに書いて使うものらしい。この場合、iniが置いてあるフォルダに対するドラッグ・アンド・ドロップ操作に反映される(iniが置いてあるフォルダからのドラッグ・アンド・ドロップには非対応)。

 iniではそこに来るファイルにしか反映されないから、レジストリでファイル管理の根元の方にこの設定を書いて、広い範囲で上書きするような裏技が出てきたらしい。

 当たり前だけど、これをやるとすべての操作(例えば通常のストレージ内移動やストレージ間コピー)の挙動が上書きされるので、前述の対策としてはあまりよろしくはない。普通にPCを使っている人も戸惑うことになりそうだから、PCに詳しい人が自分で使うPCだけ変えるとかならともかく。



 Amazon.co.jp: フォールガイを観る | Prime Video

 アクションも派手で、ストーリーも良いし、面白かった。あと、エンドクレジットでメイキングっぽい映像があるのも良き。

 オーストラリアが舞台で、オペラハウス近くのシーンもあるけど、とはいえいかにもオーストラリアって雰囲気でも無いかな。分かる人が見ればわかるんだろうけども。



「キーボードを音で選んで買う」という人がいるらしくて、世界が違うなぁ、って感じ。パソコンパーツを店頭で触って選んで買うなんて、田舎者には想像もできないや。


 マウスを買い足し(実質買い替え)たいな、と思っているんだけど、狙っていたマウスは残念ながら先日のプライムデーでは値引きされなかったので、先送り。今使ってるやつでもそんなに困ってるわけじゃないし、多少の持ちづらさとかは感じているけど、高いマウスを買ってそれが手に馴染むかどうかもわからないし、2万円とかのマウスを博打で買うほどじゃないんだよな。

 最近のamazonのプライムデーとかブラックフライデーは高額商品の値引きが多くて、中途半端な買い物だと割安感があんまりない気がする。物によっては日用品等がちょっと安くなってるものもあるけど、自分が欲しいものに限って割引されていなかったり、せいぜい200円引き程度だったり。やはりお得感(割引額の絶対値)は高額商品で稼ぐしかないんだろうな。



 縦書きのPDFを自室外で読むタイミングがあって、自室なら4K液晶に表示すれば済むけど、小さいノートPCの画面だと見づらいので、90度回転させて、ノートPCも横向きにして読んでみた。これが結構快適で、不思議な感じ。このPCは13インチで800g程度だから、ちょっと大きめの本を持っているのと同じ感覚で読める。片側がキーボードだから、片方にしか表示できないけど。

 最近はキーボードを廃してタッチパネル化した2画面のラップトップがいくつか商品化されているけど、電子書籍リーダーとしてかなり優秀そうだな、という気がする。デバイスの重さ次第だろうけど。ASUS Zenbook DUOだと1.3kg程度だそうだから、電子書籍リーダーとして使うには大変そうだが。



 ちゃちゃっと書いた微妙に複雑なコード、自分なりに適当なデータセットを作って通したらちゃんと動いているけど、念のためにGoogle AIに投げたら「お前のコードバグってんぞ」って修正箇所を指摘してきて、それを適用したらテストデータが通らないし、その変更を考えるとちゃんとミスってるし、それを指摘したらアホみたいなハイテンションで「自分が間違ってました!」みたいなことを言い始めるし。これだからAIはだめなんだよ、みたいな典型例。

 いや、雑用AIにコードを見せるのが悪いのであって、適切なAIに投げればいいんだから、人間側の問題だろう、と言われたら返す言葉もないが。

 ちなみに、後でいくつかバグってる箇所(実行時の挙動の差で偶然正しく動いていた)を見つけたけど、それについてはスルーされていた。これだから(ry



 C#のRangeでoperator *が欲しいなぁ、とかちょっと思ったり。Span<T>arrayとRange range1, range2に対してarray[range1][range2]とarray[range1 * range2]が同一になるような演算。あとは、Indexにも演算子があると、[range1 + 2]や[range1 + ^3]みたいなアクセスもできて便利そう。とはいえ、相対座標(後ろからの距離)とか境界値チェックとかを考えるとvar range3 = range1 * range2;みたいな演算は無理だけど。そもそも、どうせarray[range1 * range2]で書いたところで、境界値チェックを2回やらなきゃいけないのは同じだから、コスト的な利点は全く無いだろうしな。



 湿度が60%とか80%とかあってむしゃくしゃしたので、試しに保冷剤をサーキュレーターの前に放置。数時間後にほぼ常温になったところで見てみると、確かにずぶ濡れではあるけど、とはいえ思ったほどの量ではない。集めた水もサーキュレーターで飛ばしているというのもあるだろうし、そもそも表面が滑らかで層流がメインかつ表面積が小さいからトラップとしての性能もあんまり良くないだろうし。

 そう考えると、市販の除湿機の能力が5L/日とかは結構すごいんだな。5Lなんて加湿器なら12時間もあれば飛ばせるだろ、という程度なんだけど。片っ端から出せば広がっていく加湿器と、薄く広がっているものをかき集める除湿機の違いなんだろう。

 流量を稼ごうとするとトラップに高速の風を当てる必要があって、せっかく集めた水も再度空気中に供給することになる。それを防ぐにはトラップの表面状態も重要になる。表面状態に特化した方式がデシカント式で、これは物理的に微細な構造を作って水分を逃さないようにするわけだけど、そうすると取り込んだ水分を放出できなくなるから、連続的に使うためには外部からエネルギーを突っ込んで水分を逃がす必要がある。

 暖房や加湿器はエネルギーを突っ込むだけだし、エアコンも作動流体を除けば一つの流体からエネルギーを引き抜いてるだけだけど、除湿機はもっと複雑なことをやらないといけないという点で、熱力学の教材として面白そう。



 世間一般(特に学校機関)の夏休み・冬休みって絶対値のピーク付近に設定されているけど、でも実際には微分値の絶対値のピーク付近に設定したほうがいいんじゃね?って気がする。いわゆる季節の変わり目というやつ。/* 中途半端な時期に夏バテ気味なので言い訳 */


2026年7月8日水曜日

小ネタ





 酸素供給スーツで3時間潜水するサイボーグ昆虫を実現 – Global Research Center (GRC) 早稲田大学 研究活動

 何か月か前に、昆虫に過給器をつけたら面白いんじゃね、みたいなことを書いたけど、それに近いコンセプト。自分が想像していたのは過給器で強制掃気して大型化した昆虫の活動をアシストするファンタジー寄りな用途だけど、この手法は既存の(比較的大型の)昆虫の活動領域を水中へ広げるような方向性。



 産総研:世界最高精度で曲面ミラーの形状を測る装置を開発

 従来は平面の測定に限られていた手法を発展させ、曲面を測れるようにした。曲率を積分して絶対形状を出す。

 図の方法だと線1本分の曲率しか取れないはずだけど、今後回転軸を追加して3次元曲面も測れるようにするんだろう。



 ディスク生産終了に進むPlayStationが示す、あまりに暗い未来 IGN

 昔S◯NYハードを使っていた頃に電子書籍を何冊か買ったけど、あれもサービス終了で購入したもの全部消えたし(マンガ数冊程度しか買ってなかったと思うけど)、こういうデジタルで買ったものが所有物になるのか否かみたいなのは今更だろという気がするが(まだ解決してないのかよ、とは思うけど)。

 ディスク派の言い分も(過激な部分を除けば)わからないでもないけど、彼らは自身が所有する物理メディアが劣化したときはどうするんだろう? 中古市場から買い直したってそれもすぐ劣化するだろうし、買い直すのが前提ならデジタル版を買っておいてそれがダウンロードできなくなってから物理メディアを買い直してもいいだろうに。デジタル版が普及すると物理メディアの流通量が減って将来的に買い直せなくなる、とか?

 いくら大量に流通しているとはいえ、そのうち壊れるのが確実な物理メディア&専用ハードに依存するより、ローカル側が壊れる心配をしなくてもいいクラウドゲーミングをゴリゴリ普及させるように努力して、その上でstop killing  gamesも進めるほうが建設的な気がするけどねぇ。とくに影響力の強いメディアのライターなら。クラウドゲーミング全体の収益性が高くなれば売れていないゲームをサ終するためのしきい値も下がるし、単純にユーザー数が増えれば国家権力等へ訴える力にもなる。

 声の大きい人が過去に縋って未来を悲観しているのを見ると、なんだかなぁ、って感じ。この件に限らず、メディアがもう少し未来志向なら世の中もっと良くなるだろうに、ってのは結構多い気がする。


 ゲームの物理メディアに関して言えば、ジャンルによっては物理メディアのほうがいい分野もあるだろうけど、とはいえ物理メディアがどれくらい使い物になるかというと。今の時代、大抵のゲームは売ったあとにオンラインのアップデートパッチでバグフィックスが前提な気がするけど。バグフィックスをオンラインでやるならメインのバイナリもCDNで配ればいいし、だったら物理メディアは終了していいよね、という流れになるのは当然な気がする。

 もっとも、ソニーグループは例えば映画の配給とかで売上の少ないタイトルのプレスもやってるだろうから、物理メディアの少量多品種生産みたいなこともできるだろうし、ゲームの大部分の物理メディア販売は終了するとしても、いくつかのゲームは物理で売るようなスキームがあっても良さそうな気がするけどな。

 光学ディスクはランダムアクセス性能の悪さや記憶容量の上限(せいぜい50GB)がネックだけど、オンライン接続不可が大前提だから後からのバグフィックスは不可能であって、発売(プレス)前にバグを十分に取り切れる規模のゲームしか売らないと割り切れば、ランダムアクセス性能の悪さはあまり問題にならないだろうし(問題になるなら数GB程度をローカルストレージに展開しておけばいいし)、容量の少なさも問題にはならないはず。しかし、容量が小さいならオンラインで落とさせるほうが楽だろうし、逆に容量が大きいやつはバイナリをフィックスすることができないし、結局オンライン化が進むんだろうなぁ。

/* ソニー/パナが開発していたArchival Discは300GBから1TBまで規格化されているけど、en.wikipedia曰く2024年に製造中止だそう */



 Amazon.co.jp: プロジェクト・ヘイル・メアリーを観る | Prime Video

 しばらく映画館も行ってないし、映画館で見たいなー、とか思ってたのに、タイミングを逸して、結局Primeで配信されてから視聴。

「クソの山に突っこんでクソの香りをさせて出てくる」って感じの作品。とにかく酷い。原作へのリスペクトが一切感じられない。

 原作では専門知識があり思慮深いが結論に飛びつきやすい傾向のある内気なオタク(nerd)というような主人公が、映画では短気で快楽主義かつ暴力的なキャラクターになってしまった。ストーリ上重要な設定を大胆に変更した挙句、いくつかの設定は原作を維持していて、そこの整合性を保つために無理のある表現が行われている。

 もしも暇をつぶすためにSFを見たいならいい作品だろう。しかし原作の設定をなんの説明もなく切り出しているから、少しでも内容を理解しようと思った視聴者には後味の悪い作品だろう。一方で原作のシーンは大部分が削除(あるいは改変)されているから、原作が好きだった人に対しては落胆や怒りが残る作品だろう。

『オデッセイ』では原作『火星の人』のシーンを取捨選択し、原作派からは物足りなさの残る作品となったが、とはいえ原作からの改変はあまり無かった。「映画の枠に入れるにはしょうがない」で納得できる範囲だった。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ではそれで収めることができない。あまりにも曲解がすぎる。



 Amazon | ケンコー(Kenko) 単眼鏡 CERES-M 7×18 7倍 18口径 コンパクト設計 重さ35g ケース・ストラップ付属 シルバー CRM01 | 単眼鏡 通販

 試しに買ってみた(およそ1600円也)。かなりコンパクトなので、普段から持ち歩くのにもいいかも。ただ値段が値段なので、シャープさに欠け、あまり明るくもない。アイボックスが小さいので、眼鏡との併用には不向き。恒星を見れば肉眼で見えない程度の星でも見えるが、本体が軽いので非常にブレる。僕は視力が悪いので裸眼で見ると、数百m程度離れた場所はピント調整範囲のギリギリで、場合によってはピンボケになる。ピント機構はグリスの粘性で保持しているので、低温環境では固まって動かなくなる(無理やり動かすと粘性が無いのでピント位置の保持ができなくなる)。

 全体的に、価格相応かなぁ、という感じ。

 概形は外径が28mm弱(突起除く)、全長が77mm程度、といった感じ。滑り止めや視度調整機構を除けばシンプルな形状だから、外側から適当な部品で掴んだりするのは容易な形状。

 屋外で使う場合は500mLのペットボトルとか、適当な質量(慣性)のあるものを一緒に持つとかなり見やすくなる。とはいえ、それでも画質はしれてるから、常用するものではなく、あくまでも念のために持っていれば便利かな、程度だと思う。

 10万円未満のスマホのデジタルズームよりは明らかに画質が良い、くらいの代物。ただ、スマホは手振れ補正があるし、写真や映像で記録に残せるから、安価な単眼鏡は電源無しで使える、くらいしかメリットが見いだせない。あとは、記録に残すのが憚れる用途(例えば鑑賞)に使うとかか。


 当たり前だけど、分解はせぬよう…… 接着で組み立ててあるから無理やり分解するとうまく戻せなくなる。



 Keyhole problem - Wikipedia

 経緯儀方式のオートガイドな天体望遠鏡のジンバルロックに関する記事。

 仰角が90度未満の場合は天頂付近を見れないし、仰角を90度に設定できる場合でも、方位軸の駆動速度が足りない場合は実質的に天頂付近が観測できない。この天頂付近に穴のある観測パターンをkeyholeと呼ぶらしい。鍵穴…… うーん、そんな形かなぁ。。。方位軸が360度未満しか回らない場合は、天頂付近の大きな穴と、水平まで伸びる細い隙間があって、いわゆる鍵穴みたいな形になる、ということはあり得るか?



https://subarutelescope.org/staff/miye/papers/wabun/200712%20butsuri.pdf

 2008年。すばる望遠鏡の解説。計画段階とか、主鏡の研磨とか、観測機器とか、ドームとか。この規模(8m級)の望遠鏡は3つが並行して進められたので、新しい知見もある(適切な温度管理をしないと自身が作る陽炎でシーイングが悪化する、とか)。他の望遠鏡では低コスト化のために省略した機能もあって、日本独自の観測が行える。



https://seimei.nao.ac.jp/files/UM/2023/pdf/32_tsutsuki.pdf

 Tomo-e Gozenのサーベイ用に雲の判定を行う赤外線天球カメラ。鏡の上にカメラを配置するが、ドーム状の鏡では天頂がカメラの影になるので、そうならない鏡(中央部が水平方向、周辺部が天頂方向を見込む)を使用する(この波長では屈折で天球を見るのが難しいので、鏡で視野を決める)。

 撮影後に雲が動くと検出性能が悪化するが、機械学習で2.6%改善、とのこと。たかだか2.6%かぁ、とも思わないでもないわけだが。雲画像から機械学習で未来予測するくらいなら、雲画像の時間微分で雲の運動ベクトルをモデル化するほうが良さそうな気がするが。


https://tomoe.mtk.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/skymap_pub/

 全天雲カメラの解析結果の実況画面。/* 何回か覗いても全部雲で埋まってるんだが、動いてない? 梅雨の時期だから? */



https://www.mod.go.jp/atla/funding/hyouka/R2seika_09jaxa.pdf

 豪州に置いた望遠鏡で取得した高速画像から軌道上物体の検出。データ量が多いのでワークステーションも現地に設置し、リモートで解析。CPU/GPUの最近の著しい発展で処理速度を大幅に改善し、今後も継続する見込み。

 将来構想。画像を重ね合わせて解析するものだけど、地上からの軌道上物体の検出のみならず、軌道上のカメラから軌道上物体を検出したり(天候の影響を受けず、日照条件が緩い)、軌道上から夜間の海域を撮影した画像を解析すれば漁船等の動向も検出できる。

 40cm級望遠鏡を大量に並べて軌道上物体を監視する例。米国レーダ監視網の1/100程度のコストで10cm程度の物体を追尾できる。ただし天候や日照の影響を受けるので、代替手段とはなり得ないから、補完的に使用することになる。


***


 フォトンカウンティング型の天体望遠鏡という空想。

 天体からの光子を1個1個、時空間で分解する。時間分解能が極めて高い映像を得られる(時間積分型の画素に比べて空間分解能は悪化する)。

 大量のナトリウム線ビームを照射し、これも同時にフォトンカウンティングすることで、空気の揺らぎも高時空間分解能で計測できる。これによって、天体からの光子の方向を高い精度で決定できる。かつ、補償光学を後処理で行えるから、AOのためのハードウェアを(レーザーを除いて)完全に削除できる。波面センサや波面アクチュエータのみならず、それらを高速に駆動するためのシステム(高速な計算装置等)まで一切不要。大量のデータが出てくるのでそれのハンドリングのための計算能力は必要だが、例えばHDDに書き込んでデータセンターへ輸送して解析する、みたいなこともできる(突発イベント時は周辺のデータだけ切り出して現地で解析とか?)。


 SPADはスペクトル(エネルギー)を分解できないので、天体からの光の色やナトリウム線を識別できない。このあたりの光学系の設計が難しそうだ。天文用の画素はスペクトルの広い画素とフィルタを組み合わせる使い方だけど、今回の提案では補償光学用を主に考えているから、天体からの光とナトリウム発光を区別する必要がある。

 高時間分解能を活かして、ナトリウム線を適当な信号(PWMやM系列等)で変調し、そのタイミングで入ってくるフォトンを区別する、みたいなこともできるかもしれない。リアルタイムで解析する必要性はないからある程度重いフィルタを組むこともできるかもしれないけど、厳密に区別できないのが天体観測に対するノイズになる。超短パルスで天体由来のフォトンは無視するという考え方もあるが。

 ナトリウム線を使う場合は高度90km程度に輝点を作るけど、せっかくSPADの時間分解能があるなら、大気中で散乱した光をLiDARとして使って、3次元的な屈折マップを作るという手もある。照射後70usまでに帰ってきたフォトンは体積屈折マップとして処理し、600us前後に帰ってきたフォトンは高度方向に積分した平面屈折マップとして処理し、その間の500usおよび次の照射までに入ってきたフォトンは天体からの光として扱う、みたいな。

 照射するタイミングはGNSSで高精度に時刻決定しておけば、照射した瞬間のSPADが飽和したタイミングをそれに紐付けられるから、天体からの光もマイクロ秒程度で時刻決定ができる。数kmオーダーのコンパクト天体が猛烈な速度で変調していても、位相を決められる。


 大型の天体望遠鏡は方位軸+仰角軸+光軸周りの回転で3軸の回転を制御するが、SPADイメージセンサでは後処理で座標変換ができるから、光軸周りの回転は不要になる。アクチュエータを1軸分省略できるだけでもその下がだいぶ楽になるはず。時間積分する前の画像を得られるから、方位・仰角軸をステップ状に駆動することもできる。とはいえ、後解析でそれをモデル化する必要があるのが面倒。結局方位・仰角軸は慣性にまかせて定速駆動するほうが楽そう。


 ググると「SPADはエネルギー分解能が高い」というような説明が出てくるけど、これはシンチレータが入射したエネルギーに比例して吐き出す光子数を計数することでエネルギーを分解するというものであって、SPAD自体にエネルギー分解能力があるわけではないはず。ダイロックミラーでいくつかのスペクトルに分解して受光するしかないかな?

 Faveon X3みたいに垂直方向で色を分解できるSPADイメージセンサがあれば面白そうだが。それにしたってせいぜい4bin程度だから天文に使うのは難しそう。


 SPADイメージセンサもまだ新しいデバイスだし、望遠鏡への応用はまだ先になりそう。偏光観測みたいな用途で使われている物はあって、それの応用(偏光フィルタを外した状態)で天体のイメージングに使ったりという例はあるけど、最初から高時間分解能のイメージング用だったり、後処理型補償光学用の観測を想定したものはまだなさそう。

 時間分解能重視でもTomo-e GozenみたいにCMOSで読み出したりとか。SPADの高時間分解能を活かすには高周波なイベントが対象だけど、これは非常にコンパクトな天体からしか出ないから、光学望遠鏡で積極的に探すような目標は難しそう。まあ、今までの光学望遠鏡で見えていなかっただけで、実は近所にも……という可能性は、全く無いとはいえ。


 SPADとかPPD/MPPCは素粒子の方で20年くらい前から積極的に研究されているっぽいから、そのうち天体用にも展開されるかな?


 超高画素数のSPADを作るなら、ADCや非可逆圧縮ロジックも張り合わせて、2k*1kとか適当な面積単位で処理するようになるんだろう。例えば1msくらいの積分時間で1ピクセルごとに入射したフォトン数をカウントしてバースト的に転送する、とか。それでも相当なデータレートになりそうだけど。PPD/MPPCはサンプリングするのにアナログデータが必要だけど、シングルピクセルならロジックでパルスを読むだけで行けるか。画素にロジックを張り合わせるならそのほうが楽かな?

 画素単位で高電圧を扱うのはちょっと面倒そうだけど、高電圧と言ってもせいぜい80V程度だし、最近は能動素子も受動素子もかなり進化しているから、そのうちトランジスタ1個でスイッチングして半導体型コイルで平滑化して、みたいな感じで調整できる高圧源も作れそうだし。下手したらロジックの横に高電圧回路すら一体化できる可能性も考えられる。あるいは、100VDC程度の高圧給電でロジック用には5V程度を経由して、SPAD用には1段で70V程度まで降圧して、とかでもいいわけだし。


 SPAD型(非時間積分型)天体望遠鏡の利点は、なにより時間分解能が高いので、突発的なノイズに対する耐性が非常に高い。例えば上空を通過する人工衛星が1ピクセル内に滞在する時間は極めて短いが、時間積分型の画素では1ショット数十秒~数分の画像すべてで衛星軌道上の画素が無効データになってしまう。時間非積分な画像であれば衛星が通過する短時間(時間ビンで数個、数ミリ秒程度?)のデータが欠落するだけで、その前後のデータはすべて有効なデータとなる。

 今後各国の衛星コンステレーションが大規模化するにあたり、天文界と没交渉気味なコンステレーション(商業製最優先の民間企業や国家間で緊張のある国に所在するシステム)に対して、反射率を下げた衛星の打上げや運用を「お願い」する必要がない。

 逆に、超高感度・高時空間解像度な輝度データがあれば、それを利用して衛星軌道上の非協力物体(小さなデブリ等)を高精度に追尾することも可能になる。天文観測データの流用で大量のデブリデータベースを作成できれば、衛星オペレーターに対する天文のプレゼンスの向上にも役に立つ。ただ「人工衛星は天文観測に邪魔だ」と言うだけでなく、天文観測でも衛星に影響を受けづらいシステムを作って、しかも衛星側にデータを提供することで、衛星側にも天文へ協力するインセンティブを作れる。



 マルチスペクトルSPADイメージセンサが実用化されれば、スマホのカメラとしても便利そう。暗所から撮影できるし、IR LEDと組み合わせればdToF LiDARとして使えるから奥行き情報も撮影できる。可視光フラッシュと組み合わせて撮影する場合でも、距離の逆N乗則を打ち消すようなゲインをソフト的に処理すればいいから、より自然な明るさで撮影できる。小さな開口で撮影できるから、1台のスマホに複数のカメラを搭載して、視差を利用した画像処理も容易になる。


***


 読み物でカール・フリードリヒ・ガウスの話題を(特にKindleで)探したいんだけど、適当に探すと全く出てこない。ガリレオとかアインシュタインとかはKindleで探してもいろいろな本があるのに、なぜかガウスは出てこない。

 ガウスはエピソードが少ないから、みたいな理由もあるっぽいけど、とはいえ影響範囲がでかすぎるから各分野を触り程度に紹介する程度でも相当な文章量になるだろうに。


2026年7月6日月曜日

バーティノフマスクとそのパチモン、あとキャリーマスクの比較


 3Dプリンタでバーティノフマスク(Bahtinov mask)やそのパチモノを印刷して比較してみた


 左上から1段ずつ右向きに、通常のバーティノフマスク、スリット幅を減らしたバーティノフマスク、Y型等積バーティノフ、T型等積バーティノフ、面積比を大きく崩したバーティノフ、キャリーマスク、バーティノフの縦のみ、バーティノフの斜めのみ、バーティノフの縦を中央に配置した線対称型、バーティノフの斜めを中央に配置した線対称型、スリットを1本ずつ配置したバーティノフマスク、スリットを2本ずつ配置したキャリーマスク、の12種類を比較。


***


 通常のバーティノフマスク


 およそ1km離れた街灯をターゲットにしている。上がほぼ合焦、下が少し遠目にずらしている(他の画像も同様の条件)。バーティノフマスクについては縦スリットが上に、斜めスリットが下に来るように設置している(光線はスリットと直交する方向に写る)。

 バーティノフマスクは合焦すると交差した線の中央に線が乗るようになる。



 スリットを狭くしたバーティノフマスク

 

 光の干渉効果が強く出ている。画像処理で線の交点を得る場合、こういう画像はかなり処理が難しくなるはず。スリット幅を狭くして回折角を大きくしたバーティノフマスクは干渉効果が強すぎて使いづらそう。

 開口率が低いので線が細く見えるけど、単に飽和で広がった分が無いだけで、通常のマスクでも撮影時の露光を減らせば同様の効果が得られるはず。



 Y型等積バーティノフ


 写真だとあまり分かりづらいが、3本の線の輝度が等しくなる(通常の交点が中央にあるT型バーティノフではクロスのラインの輝度が若干低い)。フィールドで小さいモニタを見て線の位置を確認する場合、等積マスクのほうが見やすいかもしれない。



 T型等積バーティノフ


 薄い線が1本増えているけど、おそらくマスクの印刷上の問題だと思う。



 非等積強化T型バーティノフ


 縦線の面積が大幅に増えているので、斜め線より中央の線が明らかに明るい。

 等積・非等積強化ともに基準線が光軸から大きくズレているわけだが、この画像を見る限りはその影響は確認できない。バーティノフマスクと光軸の一致度はさほど影響はないようだ。ただ、よく見ると線の太さに違いがあるような気もする。等積は縦線が短い分、線が細く、非等積強化は縦線が長い分、線が細い。これらを含めると、等積Y型が良いかもしれない。



 キャリーマスク


 バーティノフマスクはクロス線の中央に線を入れるように調整するが、キャリーマスクは二つのクロスの交点が一致するように調整する。実際には交点は見づらいので、線のバランスを取るように調整する。

 今回は10度/12度で作成したが、もう少し狭いほうが見やすいかもしれない。

 バーティノフマスクは3本の線を引くが、キャリーマスクは2本の線なので、線の輝度が若干向上するはず。



 縦線のみのバーティノフ


 当然、1本線。よく見るとピン外しでは線が分裂して見えるから、ピント調整に全く役に立たない、というわけではない。とはいえ、ピントの前後を区別できないので、実用上の利点はない。



 斜め線のみのバーティノフ


 同上



 線対称縦線中央型バーティノフ




 線対称斜め線中央型バーティノフ


 これらも線は分裂するが、前後が決まらないのも同じ。



 スリット1本型バーティノフ


 通常のバーティノフに比べて線のズレが見やすい気がする。とはいえ、単に輝度が下がって飽和が改善されただけという気もする。

 輝度にむら(色相の回転)があるのは光が干渉した結果だと思っていたのだけど、スリット1本でも出るのが謎い。



 スリット2本型キャリー


 同上


*


 露出を大幅に下げて、Y型等積バーティノフ、通常型バーティノフ、狭バーティノフ、キャリーを比較




 全体的に干渉が出ている。

 バーティノフは交点付近を使うので、飽和しない程度に輝度が低いほうが確認しやすい気がする。対してキャリーは線を使うので、輝度が低いと全く見えない(キャリーは合焦していても線が2本に分裂して見えるが、露光が足りないと線が重なった(分裂していない)部分しか見えなくなる)。ただ、今回は合焦位置でしか撮影していないが、ピンズレの場合は線の長さの差として見えるはずだから、こちらのほうがわかりやすいという可能性はある。

 輝度を下げた場合、通常のバーティノフでは線の明るさに差があるから、見づらい気がする。等積バーティノフは中央の線の輝度は下がるが、全体的には同じ輝度になるから、暗くても線が見やすくなる。


*


 スリットの角度を変更して、再撮影


 Y型等積バーティノフ(±5度)



 キャリー(±4度/6度)


 バーティノフにしろキャリーにしろ、角度が狭いほうが見やすい気がする。


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 実際の恒星に対して使用した例


 Y型等積バーティノフ(狭角)


 キャリー(狭角)

 使ってみた感じだと、バーティノフのほうが使いやすい気がする。カメラに設置するときも向きが楽にわかるし、線の方向に対して調整の向きも楽。縦を上に置いて、線が上にあれば奥にフォーカシング、線が下にあれば手前にフォーカシング。キャリーも慣れれば使いやすいのかもしれないけど。


 今回はカメラ内蔵のトレーサー機能を使ったが、キャリブレーションがうまくいかなくて、日周運動が完全には消えない。日周運動が残った状態でマスクをカメラ座標系に置くと、線がぼやけてピントオフセットが把握できなくなる


 マスクの向きを日周運動に合わせると(バーティノフの縦を天の北に向けると)見やすくなる。タイムラプス撮影とかで日周運動を残して撮影したい場合はこれを気をつけて調整を行うと良さそう。


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 狭スリットバーティノフマスクを適当に画像処理

 青色だけを取り出して色を強調。狭スリットでは光の干渉で破線に見えるから、画像処理を行う場合はこれの重心を求めて、各々の重心を直線にフィッティングする、みたいな処理も考えられる。

 スリット幅の広い(白色の実線に見える)バーティノフマスクを画像処理で計算しようとするとちょっと面倒なロジックが必要になりそうだけど、狭スリットだとわりと簡単な処理で計算できそうという可能性はある。それ専用のロジックが必要というのが欠点。