2019年1月24日木曜日

オール電化衛星の静止化

 ボーイング702SPを使用した衛星の軌道高度をグラフ化してみた。


横軸は1目盛り30日、縦軸は1目盛り1万km。

 (MeanMotionのグラフ入れるの忘れた。。。今更計算し直すの面倒。。。)

 スペースX、2機の「オール電化衛星」の打ち上げに成功 - ロケット着地は失敗 | マイナビニュース

 ABS-2とEUTELSAT 117W Bの2機。
 EUTELSATは値が急に飛んでるところがあるので、数値としては信頼性に欠ける。

 最初は近地点が地表スレスレ、遠地点が6万2千km程度、軌道傾斜角が25度程度の、いわゆる「スーパーシンクロナス軌道」に投入されている。
 打ち上げ後半月程度の段階で近地点を持ち上げ始め、2ヶ月後頃から遠地点を下げ始めている。静止化が完了したのは打ち上げから6-7ヶ月といったあたりか。


 ETS-9が4ヶ月で静止化できれば、1.5倍から2倍程度の高速化、ということになる。


 wikipediaによると、702バスは電気推進化したことにより、従来より10倍効率的になり、年間5kgの燃料で維持できる、とのこと。
 XIPS-25(25cm径のキセノン(Xe)・イオン推進システム)は比推力が3500秒程度とのこと。ヒドラジン系の1液が220秒、2液が310秒として、それぞれ16倍、11倍、くらいか。

 ETS-9のホールスラスタは1500秒台後半なので比推力は半分弱だが、XIPS-25の推力165mNに対して330mN前後と、2倍の推力がある。推力が高いほうが静止化は早いが、燃費の悪さを補えるかな? 燃費が悪いと言っても化学推進よりは高燃費だから、それほど問題になるほどではないのかも。
 不必要に高燃費を追求して推進剤を多く持っていったって、ミッション機器の老朽化や陳腐化が進んでしまえば、長すぎる軌道寿命は足かせになるから、適度なところがいいんだろうな。702が5kg/year、ETS-9がその倍として10kg/year。設計寿命16年として200kg程度あれば足りる。静止化に必要な燃料ってどれくらいだろうか。それも含めて500-1000kgの推進剤、ということかな。

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