2017年1月18日水曜日

イリジウム・キューブサット

 名前が出てからにすると言ったな。あれは嘘だ。

 最近こんな調子ばっかりですね。。

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 まずイリジウムです。

2017-003A               
1 41917U 17003A   17017.57899505  .00000027  00000-0  00000+0 0  9995
2 41917  86.6680  84.9484 0008835 234.0187 263.9607 14.84016590   410
2017-003B               
1 41918U 17003B   17017.50436307  .00000027  00000-0  00000+0 0  9996
2 41918  86.6700  84.9807 0008753 232.4926 227.3472 14.84048504   408
2017-003C               
1 41919U 17003C   17017.57865630  .00000027  00000-0  00000+0 0  9999
2 41919  86.6697  84.9496 0008818 230.2099 266.8062 14.84100552   413
2017-003D               
1 41920U 17003D   17017.57885630  .00000027  00000-0  00000+0 0  9993
2 41920  86.6701  84.9491 0009052 229.1197 269.5957 14.84163542   414
2017-003E               
1 41921U 17003E   17017.57891256  .00000028  00000-0  00000+0 0  9996
2 41921  86.6697  84.9503 0009388 227.5116 272.2782 14.84240858   411
2017-003F               
1 41922U 17003F   17017.50385255  .00000028  00000-0  00000+0 0  9997
2 41922  86.6659  84.9757 0009739 226.4065 233.4208 14.84326853   403
2017-003G               
1 41923U 17003G   17017.50375748  .00000028  00000-0  00000+0 0  9994
2 41923  86.6643  84.9749 0010183 224.6100 235.2697 14.84384196   409
2017-003H               
1 41924U 17003H   17017.57109475  .00000028  00000-0  00000+0 0  9994
2 41924  86.6657  84.9475 0010052 225.5526 234.5977 14.84452793   400
2017-003J               
1 41925U 17003J   17017.57836038  .00000028  00000-0  00000+0 0  9997
2 41925  86.6665  84.9449 0010175 222.4349 276.9304 14.84493161   404
2017-003K               
1 41926U 17003K   17017.57828912  .00000028  00000-0  00000+0 0  9990
2 41926  86.6671  84.9467 0010162 221.4112 277.9671 14.84532336   401
2017-003L               
1 41927U 17003M   17017.61988723  .00000028  00000-0  00000+0 0  9993
2 41927  86.6644  84.9220 0010058 224.6476 135.3939 14.84388752   417

JS Orbit

 衛星が10機とR/Bを含めて11機です。今のところ全体的に一塊ですが、通信衛星として使う以上はある程度分散させる必要がありますから、これから移動するはずです。まずは衛星のシステムを立ち上げて、それぞれが正常なことを確認してから移動に入るのかな、と思います。

***

 さて、次にキューブサットです。

1998-067KS              
1 41930U 98067KS  17017.95464732  .00325713  00000-0  44798-2 0  9998
2 41930  51.6417  67.2329 0007822  70.6651 289.5001 15.55584022   132
1998-067KT              
1 41931U 98067KT  17017.95489692  .00016867  00000-0  25372-3 0  9996
2 41931  51.6424  67.2337 0009257  73.0121 287.1561 15.54923161   138
1998-067KU              
1 41932U 98067KU  17017.95501570  .00029840  00000-0  44475-3 0  9997
2 41932  51.6436  67.2362 0008109  64.9379 295.3500 15.54802664   137
1998-067KV              
1 41933U 98067KV  17017.95502292  .00038010  00000-0  56415-3 0  9996
2 41933  51.6432  67.2355 0008514  55.1435 305.0255 15.54790311   132
1998-067KW              
1 41934U 98067KW  17017.95504635  .00022724  00000-0  34123-3 0  9997
2 41934  51.6403  67.2351 0009549  78.9681 281.2141 15.54747425   229
1998-067KX              
1 41935U 98067KX  17017.95510838  .00027590  00000-0  41338-3 0  9992
2 41935  51.6415  67.2350 0007001  72.1050 288.0663 15.54711190   234

JS Orbit

 今回放出分は6機で、最初の3機、つぎに1機、1機、1機と、4回に分けて放出されました。
 1回目の放出が午後6時10分(JST?)、2回目の放出が午後6時20分(直前の放出から10分後)、3回目の放出が午後7時40分(80分後)、4回目の放出が午後7時50分(10分後)、となっています。
 JAXAが使用する放出機構(J-SSOD)は同時に12Uを捕まえておく能力があり、4x 3Uという組み合わせです。今回は1Uが3機、2Uが1機、3Uが2機という構成なので、J-SSOD1回分に収まりますが、同時に複数の組み合わせの放出を行わず、今回は10分間隔で放出しています。
 2回目と3回目に長い時間が空いているのがちょっと謎です。1回目と3回目の間が90分(軌道1周分)なので、ISSの位置と関係があるのかなと思いつつ、1-4回目の放出はすべて太平洋上で行われており、可視の陸地はほとんどありません。またインド洋上にいる、JEM(きぼうモジュール)と通信できる日本の通信衛星の可視圏からも離れています。もしかしたらNASAのTDRS-10あたりの帯域を借りてるのかもしれません。誰か詳しい人いたら教えてください。


 さて、キューブサットの軌道を見てみると、以下のようになっています。


 この図ではISSは左下から右上へ動いており、キューブサットはISSの前方にいます。これはISSから放出する際に、キューブサットを後ろ側へ投げているためです。
 地面にへばりついている我々からすると直感と反するかもしれませんが、軌道上から物体を後ろに投げると、自分と物体の相対速度はマイナスとなり、絶対速度は自分よりも小さくなります。速度が遅くなると軌道が下がるわけですが、軌道が下がるということは、軌道半径が小さくなるということです。半径が小さくなれば円周も小さくなります。衛星が遅くなった以上に外周が小さくなる影響が強いため、遅い衛星のほうが先行するようになるわけです。

 前に打ち出して加速したほうがキューブサットの軌道寿命は伸びますが、ISSとキューブサットはほぼ同じ軌道にいますから、キューブサットの軌道が下がってくればISSとキューブサットが衝突してしまう可能性があります。相対速度はかなり小さいですが、それでも1-3kgの物体がぶつかる可能性は排除するべきで、そのためISSよりも小さな軌道半径になるように、後方に打ち出しているわけです。
 衝突のイメージとしては、車に2リットルの飲料ペットボトルを放り投げる感じでしょうか。かなりヤバそうな気がしますよね。



 見づらい表で申し訳ないです。縦軸が平均運動、横軸が各衛星です。平均運動は上下逆で、上に行くほど数値が小さい(軌道半径が大きい)ということに注意して下さい。
 全体的にISSよりも平均運動が大きく、およそ1日に0.01周分くらい先行しています。3ヶ月でISSを1回、周回遅れにするくらいのほんのわずかな違いです。ただし、軌道半径が小さくなるほど大気の影響を受けてさらに軌道は小さくなります。

 TLEを見てみると、KSの1機だけ抵抗が一桁大きいです。まだTLEが出たばかりで誤差の可能性も排除できませんが、もしかしたら東北大のFREEDOMかもしれません。この衛星は放出後すぐに膜展開を行い、抵抗を大きくするようなミッションが行われているようです(と、どっかで見た気がするんですが、どこにも出てきません。キューブサットって情報が分散しすぎて欲しい情報が出てこない)。

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 とりあえず、今のところはこのような感じです。もうちょっと経てば様々な情報が出てくることでしょう。

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