2018年2月3日土曜日

パルス圧縮


 簡単に正弦波で計算してみた。
 見たことある形になってる。
 ある程度接近していてもそれなりにピークが出てる。あんまり近すぎると打ち消す方向になってしまうけど。

 チャープとか符号とか色々あるけど、結局のところGPSとかのCDMAと全く同じもの(雰囲気の話)。


 単純なチャープ以外にも、符号でパルス圧縮を行う方法もあるらしい。これの場合、複数の送信系で相関の低い符号を使うことにより、クロストークの対策とすることができるらしい。複数の超音波距離計を符号多重にして全周に向けて取り付けて、全方位を測距できるロボット向けのセンサに、とかもあるんだとか。

 時間精度は、位相が180度ずれるとマイナスにピークが出て、かつ相関が低いのでピークは小さくなる。位相が90度ずれるとピークが小さくなる。位相のズレが無いときが一番ピークが高く出る。ということで、タイミング精度は位相誤差90度未満ということになる。
 入力値が複数のbitで表現されている場合、DCオフセットが有ってもそれなりにちゃんと計算できるっぽい。HPF通してDC成分切らなきゃいけないかと思ってたけど、必ずしもその必要はないみたい。フィルタは計算コスト高いので不要ならそれに越したことはない。


 次の課題としては、マイコンで処理しやすいような相関処理を作ること、その計算負荷がどれくらいかを確認すること、あたりか。
 超音波測距をするだけなら相関器は1個でいいけど、モノパルスシーカーを作るなら相関機は4組必要になる。
 最悪、マイコン1個に相関器が1個しか組めないなら、受信1chあたりマイコン1個、合計4-5個使う、という手も有る。嫌だけど。

 超音波風速計に使うなら、0.2フェーズくらいだとちょっとタイミング精度悪いかも。最終的には波形データから直接ゼロクロス点を探す必要があると思う。とはいえ、今まではゼロクロスを検出してもそれがどのフェーズなのかがわからなかったから、パルス圧縮を組み合わせればそのあたりの信頼性は向上するはず。


 パルス圧縮は船舶レーダーとか、エコー検査とか、いろんなところに使われているらしく、様々なPDF資料が出てくる。どれも全部同じように難しくてよくわからんが。


 相関の計算がちょっと自信なくて、もっと別のやり方をするべきじゃないか、という気がしてきたけど、とりあえず今のままでも動いてるので、まずはこの方式でもうちょっと試してみる予定。


追記:2018/02/04


 試しにパルス圧縮比(PCR)128の波形を作ってみる。サンプリングレート1MHz、周波数100kHz、ΔF100kHz、パルス幅1.28msecの想定。
 正弦波は±1の範囲だけど、ノイズとして±5の乱数を加算しても、ちゃんと相関が取れてる。かなりSNR悪くてもちゃんと動作しそう。計算量凄まじいけど。

 AN/SPY-1はPCR128で、最小パルス幅は6.4usだが、このパルス幅ならΔFは20MHzになる。3.3GHzの内の20MHzはかなり小さい変化幅。51usなら2.5MHz程度で済む。フェーズドアレイレーダーは周波数に応じて遅延量を調整するから、あまり周波数が大きく変化するとマズいんだろう。あと大電力発振器の特性の問題とかも有るんだろう。


 とりあえず、リニアのパルス圧縮はなんとなくわかるようになってきたかな。本当に正しい理解なのかは分からないけど。
 amazonでレーダー関連の本を探してみるとそれなりにお高い。仕事で使うなら安い分類だろうけど、ちょっと興味本位で買うのはなぁ、っていう値段。その辺りは追々。

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