2019年10月30日水曜日
妄想:サブオービタルを使用した災害発生時の即時観測ミッション
主要諸元
1次電池(熱電池?)
3軸姿勢制御(リアクションホイール、固体モータを使用したアンローディング)
赤外線カメラ(4um付近・VGA以上)
レーザー送信系
地震等の災害発生後、即時(10分後から20分後)にサブオービタルへ投入する。高高度から中赤外線カメラで撮影し、火災の発生状況を撮影する。高高度から広範囲を迅速に撮影し、即座にダウンリンクして地上の火災発生状況を把握し、地上の関係機関へ情報提供を行う。
同様のコンセプトはコンステレーションを使う方式があるが、コンステレーションの場合は大量の衛星を軌道上に配備する必要がある。また、放射線環境の厳しい空間に、常時配備する必要があり、修理も困難なため、機体単価が上昇し、維持運用にも大きなコストが必要になる。
ドローンを使えば平時の運用コストを大きく圧縮できるが、他の航空機(救難活動を行う航空機や民間の商業航空機)と同じ空間に存在するため、運用調整に大きな手間がかかる。また可視範囲の問題や移動速度の問題も生じる。
サブオービタルを使う場合、温度・湿度等をある程度管理した空間で待機できるため、長時間の待機が行いやすく、故障が発生した場合でも即座に対応が可能となる。
空間は航空機より遥かに高い高度を飛行し、衛星より低い高度を飛行するので、被災地周辺の航空管制を行う必要がない(打上サイト周辺は調整が必要になる)。
大気の窓を考えると、撮影は3.8umあたりか10um付近になるが、10umだと常温の輻射が強いので判別が難しそう。3.8umだと低温な燃焼の黒体放射に対しての感度が低い。
高高度へ上げるほど、広範囲が見やすくなるが、300kmを超えるようになると他の宇宙機との兼ね合いの問題がある。撮影距離が長くなることによる画質の低下の問題もあるので、このあたりはトレードオフで決定か。
撮影距離が長い(40-300km)ので、かなり望遠な光学系が必要になるはず。広範囲を撮影するには高精度&高アジリティな姿勢制御系が必要になる。
ミッション期間は短いが、角運動量の蓄積がミッション失敗に直結するので、固体モータを使ったアンローディング機構を設ける。
撮影した画像は、レーザー回線を使用して中継衛星経由でダウンリンクする。
昼間の場合は、通信に使う波長が太陽光のスペクトルに重なるので、通信ができなくなる。
夜間限定のシステムとするにはちょっともったいない。
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回線設計さえ成立すれば、軌道投入を行う即時観測衛星よりは、現実的な設定ができるはず。
とはいえ、国家間の緊張(レーダー的には弾道ミサイルと全く変わらない)の問題もあるので、打ち上げができる方向はかなり限定される。例えば北海道や鹿児島のあたりから打ち上げて日本海に落とすような軌道は使えないはず。
落下物の影響を考えると太平洋上の地上から十分に離れた、航空路からも距離を離した場所に落下するような軌道を設定する必要がある。とすると、日本海側から発射する必要があるけど、結構大変そう。
周回軌道に乗せるタイプの即時観測ミッションでも、西側に打てない制限がある以上、少なくとも軌道上を1周してから観測する必要がある。早くても打上げ後1時間半後くらいが1回目の観測となるので、これなら軌道上の衛星を首振りしたほうが良さそうな気がする(というような理由で、僕は即時観測衛星には懐疑的)。
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そもそもこの妄想は、サウンディングロケット上段に姿勢制御機構を載せて、それを災害対応とかで使うにはどういう使い方があるか、みたいな思考の果に生まれたミッションなので、結構無理やり設定を作ってる。
情報収集を考えると、超音速巡航ができて、画像を撮ってダウンリンクできる機体を、日本各地に配置しておくのがいいんだろうな。
あれれぇ?それってえふさんじゅー(以下略
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