前回書き忘れたけど、なんでカメラの電池の話になったかというと、久しぶりにカメラを使ったからでした。
ヘリっぽい音がするなー、いつものUH-1かなー、と思って見たら、CH-47だった。このあたりで見かけたのは初めてかも。何日かに渡って飛んでたみたい。
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ミラーレスのテザーソフト、試してみた。
個人的に嫌いなメーカーなので期待してなかったけど、やっぱり期待を裏切らないっすね。さすがっす。GUIちょっと壊れてるんですけど。。。
パラメータ(シャッタースピードとか絞りとかISOとか)を変えるときのレスポンスが異常に悪いので、かなり使いづらい。本体側のダイヤルなら直ちに反映されるので、テザー撮影はあくまでも大きなライブビュー画面、位にしか使えない。
RAW+JPEGで撮影すればJPEGも一緒に保存されるので、PC側で準リアルタイムに画像解析するような用途にも良さそう。ただ、テザー撮影をやると、本体側のメディアにデータが記録されない。地味に不便。スタジオ撮影とかでもボディ側にバックアップ残す、みたいな需要ないんだろうか? そんなヘマするようなやついねーよ、ということか。
インターバル撮影機能とかもあるけど、「撮影始める前にフォルダの中のデータ全部削除しろ」とか出てくるあたり不思議。たぶんフォルダ直下に連番ファイル作るだけなんだろうけど。1個フォルダ作ってくれるような優しさが欲しかったよ……
しかし、このカメラ、手持ちのレンズが少ないので、衛星を撮るような用途には使いづらい。55mmだと全天を撮るには狭いし、910mmの望遠鏡だと望遠にしたって狭すぎるし。
400mmくらいの単焦点レンズ、安いやつでも遊びで買うには微妙な値段するしなー。古いミラーレス用にレンズ買い足すくらいならペンタのボディとか買ったほうがいい気がする。こっちなら公式にSDK出てるから自分で制御できるし。まぁ、安いレンズの10倍くらいの値段するんだけどね。。。ここ最近カメラ使う用事めっきり減ってるのでいまさらボディ買い足しても。
とはいえ、400mmの反射型とかコンパクトなレンズの市販品もあるので、それにUSB接続のCCDと組み合わせて小さなジンバルに乗せて衛星追尾とかやっても面白そうだし、レンズ買い足すのも一興ではあるのだが。しかしCマウントレンズの規模を超えるとエントリークラスの3Dプリンタで筐体作るには厳しい大きさ。一家に一台Fusion 1、みたいな時代来ないかなぁ。RICOHカメラSDKって開発状況どうなってるんだろう? デジイチ用は2018年5月のv1.1.0が最後っぽい。対応製品もK-1, K-1 MarkII, KP, 645Zくらいしか書いてなくて、K-3系とかは記載がない。一時期各社ではやったオープン〇〇に乗っかってSDK出したけどあとが続かず、みたいなパターンなのかなぁ。デジタル一眼のSDK欲しい人なんてほんの一握りだろうし、フォトグラメトリみたいなガチで制御する使い方だとキヤノンとかニコンとか使ってるっぽいしなー。THETAは一般ユーザーにも結構売れてるらしいし需要が多いのかある程度サポートが続いてる雰囲気だけど。
ミラーレスの方も、最近になってSDKが公開されてたみたい。もっとも、最近のカメラしか対応してないので、ウチにあるヤツは非対応だが。
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スタートラッカ、東工大曰く、現行が第2世代、開発中の次世代が第3世代らしい。第2世代は視野のカタログをアップリンクする必要があるので、姿勢の変更のコマンド作成に数時間(10時間前後)かかり、突発的な天文現象を観測するような、即応性が必要なミッションには不向き、らしい。
NEC曰く、現行の第1世代は撮影と星位置の計算だけを行う(輝点位置をダウンリンクして地上で姿勢決定?)、開発中の次世代型である第2世代は星カタログを内蔵して自前で姿勢決定を行い四元数で出力、らしい。/* 当時のPDFによると、次世代STTをASTRO-Hで飛行実証する、と書いてある */
gen2(TIT)は視野が(慣性空間に対して)固定されている必要があるので、地球観測衛星には使えない。使うとしたらISAS系しか無いだろうけど、ASTRO-E/F(すざく/あかり)はNEC製STTを載せてたらしい。gen1(NEC)とするとオンボードでの解析はやっていないはずなので、gen2(TIT)の説明と矛盾する。もしかしたら東工大は海外の天文衛星(に乗ってるSTT)とかも含めてるのかもしれないけど。
ALOS搭載STTもNEC製(ALOS自体がNEC関連会社だし)。gen1(NEC)を載せてたとすると、地上側ソフトの改修で対応したのかも。この方法なら衛星側はハード/ソフト共にほとんど触らずに対応できるはずなので、保守的な宇宙開発には沿ってる気がする。/* ALOSはNECだけど、ALOS-2は三菱。でもALOSにも三菱のコンポが乗ってたりして、なかなか複雑なご家庭。ま、宇宙関連みんな血筋は複雑なんだが。 */
東工大曰く、「STTが故障すると直ちに衛星全損となるので非常に保守的」だそうだ(文中では「所望の観測ができなくなるので実質全損」というような表現だけど、それを上回る事故が実際に起きてしまった)。なので、天の技みたいな会社を作って小型衛星用のSTTを開発してるわけだが、いまのところはproductsには何も書いてない。2021年以降に量産と受注開始、らしいので、今年か来年あたりには何か出てくるのかな。RAISE-2で飛行実証してから受注開始するのかも。
衛星設計コンみたいな資料とかだとアクセルスペースのSTTを使うような例もあるんだけど、こっちも製品情報みたいなページは(少なくともトップページに見える場所には)無い。ALOS搭載STTの話題でLMのSTTの型番が出てくるけど、ググっても出てこない。宇宙関連の話題調べるのはなかなか大変。日本はITARみたいなのはないはずなので隠そうとして隠してるわけではないんだろうけど、積極的に広報するような物でもないし。
/* 小型実証衛星、型はSDS、号はRAPIS、だと思ってたら、RAPISなのは1号だけで、2号はRAISEになるのか。んで、RAISE-2には東北大のコンポーネントも乗ると…… */
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OPMアルゴリズムみたいな処理、ちまちま実装。
いままでやってた方法だと、最初から最後まで全部OPMで決定してたけど、OPMは一番最初の粗決定だけ担当させたほうが良さそう。OPMは三角形2個の相対姿勢を軽量に計測して移動・回転を決定できるけど、逆に言うと3点分の精度しか出せない。その後のベリファイで全点の比較をするときに位置と誤差も記録しておいて、それを使って最終的な移動・回転を決定する(何回か回す)。ベリファイ時は5ピクセル未満くらいの距離にいたほうがいいので、OPMはこの程度の精度が出れば十分。
f55mm@35mmだと解像度は0.08度/pixelくらいになるので、だいたい5分角くらい。位置情報は輝度の重心を使うので、サブピクセル精度が出せる。全体で見れば光学歪みとかカタログの誤差とか、いろいろある。そもそも恒星の固有運動とかも無視してるし。ま、遊びでスタートラッカ作るくらいなら十分な精度で姿勢決定ができる。
画角の影響はかなり大きい。0.01%くらいの差でも結構効いてくる。誤差が小さい方が収束が早い。場合によっては1発で終了する(2回目の残差が1e-5rad(2秒角)未満になる)。
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オリオン大星雲を横切る縞模様 スターリンク衛星の功罪と今後 | sorae 宇宙へのポータルサイト
わざわざ衛星が写り込んだフレームを強調した画像処理をしておいて、こういう論調にするのはなんだかなぁ。
昔みたいにフィルムで長時間露光して一発勝負みたいな時代じゃあるまいし、自分たちも新しい技術(デジカメ/画像処理ソフト)を使っているのに、他の人が新しい技術(衛星通信)を使うのは許さん、というような向こうの言い分は、なんか嫌だなぁと思うのです。
固定回線がkbpsまでしか提供されてないエリアに住んでいる身としては、地球全体をあまねくインターネットで包み込む通信コンステには期待してる。誰かが撮った写真を転載するウェブメディアのライターにはわからない価値観だろうけど。こんな田舎だってリゾート地が近い関係で長時間露光なんてできないわけで、衛星が増えたところで今更。
アマチュア天体写真家とかなら衛星の軌跡は画像処理でどうにでもできるだろうから、衛星に文句を言ってる人たちは、そういう作業をやりたくないとゴネてるだけな気がする。
時間領域が重要な掃天観測にしても、対策はどうにでもできるはず。というか観測地点を増やすだけで解決するわけで、1箇所しか観測地点がないプロジェクトに対しては「じゃぁ曇ったらどうすんの? お天道様にも文句言うの?」というだけの話で。むしろStarlinkみたいな僻地でも使える高速通信網が実用化されれば光害のないクソ田舎に観測機材をいくつか置いておけばリアルタイムにデータセンターに収集して信号処理したり、サイトダイバーシチで衛星や天候の影響を減らせるわけで、他にも周りに光害が一切ない会場とか、大気吸収の少ない大気球ともリアルタイムに大容量通信が行えるようになるし、むしろ掃天観測みたいな分野でこそ大容量衛星通信網を活用するべきなのでは?
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久しぶりに天気が良かったので天体望遠鏡を持ち出して撮影。望遠鏡使うのも久しぶり。もしかしたらHTV#9の時(の練習の時)以来か?
手始めにアライメント調整を兼ねて木星を撮影。
木星に近い4個がガリレオ衛星。一番左のやつは背景の恒星。Vmag7くらいのやつ。
910mm、1/25sec、F11、ISO25600、くらい。
アルタイル付近。
(自分用メモ:-0.18231541, 0.19786528, 0.4765147, -0.8369852、くらい)
右端の明るいやつがアルタイル。
910mm、1/6sec、F11、ISO51200、くらい。恒星の数はかなり多い。画像処理に使えるかというとまた別の問題(後述)。
たて座アルファ星付近。
撮影地から見て静止軌道の方向。
910mm、5sec、F11、ISO51200、くらい。
シャッタースピードが遅めで地球固定なので恒星は線状に流れて、静止衛星は点状に写る。いくつか点があるので静止衛星も写り込んでるはず。予想以上に点状が多いのでただのノイズかもしれないけど。厳密に角度を調整したわけじゃないので、静止軌道とは違う場所を撮ってる可能性もある。
撮影中の様子(カメラは外してある)。
ドローチューブ付近。
ドローチューブにレールを取り付けてマルイのドットサイトを載せてる。ISS撮影用につけたやつだけど、恒星を撮るときも便利。ファインダーは(当たり前だけど)覗き込まないと見えないので、結構不便。それにファインダーは暗い星も大量に見えるので、天体撮影初心者には厳しい。どれがどれやら。。。あとレチクルの照明も無いのでどこが中心かわからないし。ファインダーの前に手をかざせば見えるけど、そうすると微動ハンドルを動かす手が足りなくなる。
レールは別のカメラ用に作ったやつで、カメラのファインダーを右目で見ながらドットサイトを左目で見えるような位置関係なので、ミラーレスとかテザー運用で使うには結構不便。別のマウントを作り直したほうが良さそう。
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この画角(910mm/APS-C)だと、SAOカタログでは、1画面に5個くらいしか恒星が無い。姿勢決定に使うにはかなり厳しい。
同軸で別のカメラを載せて、姿勢決定はそっちが担当して、望遠の中の数個の恒星を同定してから後処理を行う、みたいな流れで処理すれば、望遠の画角の恒星は少なくてもいいんだけど、そうするとカメラ2台を同時に撮影する必要が出てくる。ちょっと大げさすぎる気がする。
SAOカタログの恒星は25万個くらい。25万とかそんなにいらないよ、とか言ってた頃が懐かしい。500万個くらい欲しい……
ハッブル宇宙望遠鏡のガイド用のカタログだとVer1.xで2000万個らしく、数としては十分。ただ、1990年代のデータなので、その当時の機材や回線でやり取りできるように、非常に扱いづらいデータになってる。はず。ちゃんと確認してないけど、1万個弱に分割されたバイナリファイルで配布されてるっぽい。分割されたバイナリは連番になっていて、それが赤緯?毎に別のディレクトリに突っ込んである。なので、一括して一気にダウンロードができない。あるディレクトリに連番でダウンロードリクエスト出して、404来たら次のディレクトリに移動して、みたいな感じで処理すれば落とせるかもしれないけど。
ちなみにVer1.xはすでに非推奨になっていて、新しい観測リクエストにはVer2.xのデータを使う必要がある。こっちは10億個だそーだ。200GBもあるらしく、インターネット経由では提供されてないらしい。Ver1.xはビットフィールドみたいなケチケチしたデータフォーマットだけど、Ver2.xはSAOみたいなテキストデータなのかな? 最終更新の2009年としても、Blu-rayが研究室レベルで数百GBとかの時代。研究者に対してどうやって配布してたんだろう? HDDを郵送するのかな。とにかく、HST用のカタログはVer1にしろVer2にしろ簡単に扱えるデータではない。
米海軍天文台のカタログが1億個くらいで、データが80GBくらいだから、数はちょっと多いけど、結構良さそう。問題なのは、「唯一の入手方法は、それを持っている人からコピーしてもらうことです」とか書いてあって、ふざけんな!って感じ。合衆国政府の職員が作ったデータはパブリックドメインで配布してるんじゃないのかよ!? いや、配布してたとして米国籍を持ってない僕からすれば入手できなくても文句は言えないんだが。
そもそも、今回の用途に比べて910mmだと画角が狭すぎるので、もっと画角の広い光学系を使えば、カタログの問題も解決できる。まぁ、前述の通り、テザー対応のカメラはレンズの手持ちが無く、レンズの手持ちがあるやつはテザーができないという、厳しい状況。
どうしたものか。やっぱりレンズ買い足すしかないかな?
さらっと流したけど、姿勢決定用の広角と衛星狙いの望遠を同軸で組み合わせるのは、意外とアリな気もしてきた。本物の観測衛星っぽいぞ!!
テザーできる方(広角レンズしか手持ちにない)をSTTに使ってPCで画像解析やりながら画角を決めて、テザーできない方を望遠鏡につないで撮影する。同時にシャッターを切るのがちょっと手間。片方は短絡でレリーズ、もう片方はIRでレリーズができるので、必要なら小さいマイコン1個で同時にレリーズは可能ではあるのだが。
研究室とか仕事で開発するならSDKが公開されてるカメラ2台買うだけで済むんだけどねぇ。っていうか、話を戻せば適当な焦点距離の望遠レンズ1本買うだけで済む話なんだけど。。。
とりあえずは広角で撮影することを前提に画像解析ソフトをゴリゴリせねば。
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