2013年10月31日木曜日

米軍の航空機命名規則

1962年より使用されている米軍機の命名規則について




基本任務記号
A Attack 攻撃
B Bomber 爆撃
C Cargo 輸送
E Electronic 電子戦
F Fighter 戦闘
L Lazer レーザー
M Multi Mission 多目的
O Observation 観測
P Patrol 哨戒
R Reconnaissance 偵察
S anti Submarine 対潜
T Training 練習
U Utility 汎用
W Weather 気象(観測)
X Research(*1) 研究
 
任務変更記号(基本任務に含まれない記号のみ説明)
A    
C Transport(*2) 輸送
D Director 無人航空機管制
E    
F    
H *3 捜索救難
K tanKer(*4) 空中給油
L coLd weather(*5) 寒冷地仕様
M    
O    
P    
Q Drone(*6) 無人
R    
S    
T    
U    
V staff transport(*7) 要人輸送
W    
 
機体種別記号
無印 固定翼
G グライダー
H ヘリコプター(回転翼)
Q 無人機
S 宇宙機
V 垂直(短距離)離着陸
Z 気球/風船
 
現状接頭記号
G Grounded 地上設置
J temporary special test 特別試験(臨時)
N permanent special test 特別試験(永久)
X eXperimental 実験
Y prototYpe 試作
Z planning 計画
 
*1 Researchは研究の意味
XはeXperimentalで「実験」の意味と予想
*2 TransportにもCは含まれない 
しかしCargoと同じ意味だが「輸送機」ではないため
「運べる(運ぶ)」という意味でのTransportを使用したと思われる
*3 Search and Rescue/Medevacの意味であるが、Hがどこから出てきたかは不明
強いて言うならsearcH
*4 TankerのTは練習(Training)で使われているためにTを避けてKになったと思われる
*5 ColdのCは輸送で使われているので それを避けてLにしたと思われる
(Low Temperature(低温)とかけている可能性も)
*6 例によってコレも「どこにもそのアルファベット無いだろ」というパターン
無人の意味はUnmannedでこれにもQは無い
*7 例によってコレも(ry
Vは要人のVery important personからと思われる

詳しくはWikipediaを参照という感じですが
使い方について少し説明します

基本的に
 (1)(2)(3)(4)-(5)(6)
 1:現状接頭記号
 2:任務変更記号
 3:基本任務記号
 4:機体種別記号
 5:設計番号
 6:シリーズ記号
という使い方で
最低限必要なのは基本任務記号と機体番号であり、他の記号は必要な場合にのみ使われます
また、6の後ろにブロック番号等が続く場合があります

戦闘機であればF-15やF-16のような感じで
無人偵察機の場合はR(偵察)が基本任務であり、その後に種別記号で無人を意味するQが続きます 例えばRQ-4や 多目的に使える機体はMQ-1となります
しかし元々有人だった機体を無人にした場合は任務変更記号がつくため、FQ-16のようにはならず、QF-16のようになります
F-16は4500機以上も作られたベストセラー機で、バリエーションも多く、A/B型、C/D型、E/D型とあり、その中でも A型であればBlock1、Block5...のように複数のバリエーションが有ります
また余剰機材などを転用しGF-16という型番になった機体は地上設置型とされ、整備訓練などで使用されています


対空戦闘と対地戦闘を1機でできるFA-18という機体もあります
正確にはF/A-18とスラッシュで区切られますが、命名規則ではスラッシュ等の使用は許可されていないようです
これはFAと書くと「攻撃機を改造した戦闘機」となり
AFと書くと「戦闘機を改造した攻撃機」という意味になってしまうため
「最初から双方の能力を持っている」という意味で「FおよびA」としてF/Aと命名されたと思われます
正式な文書の中ではスラッシュは使えないため、「攻撃機を改造した戦闘機」の意味でのFA-18が使われます

F-15からF-16となり、17を飛ばしてFA-18になっている理由についてですが
これはFA-18を作る前にYF-17があり、YF-17は正式には採用されなかったためです
ただしF-117爆撃機のようにいきなり大きな数字に飛んだ機体もあります


基本記号Lはレーザーで、なんのこっちゃ という感じですが
かつてYAL-1というB-747ベースの機体がありました
Yとついてることからもわかるように、正式には採用されず、この機体は現在モスボール保管されていますが、計画自体は続いているようです。
このYALという記号は「レーザーを基本とした対地攻撃機能を付与した試験機」みたいな意味ですが、実際には「Airborne Lazer」の略だとされ、意味は「空中発射レーザー」みたいな感じです

YAL-1やF/A-18のような例外の他に
例えばF-117という爆撃機があります
爆撃機は本来Bのはずで、Fになるのはおかしいのですが 様々な憶測が有り、なぜF記号になったのか 本当の理由は不明なようです


輸送機は基本任務記号がCで、C-5やC-17、C-130等様々な機体がありますが
C-130を改造した対地攻撃機でAC-130という機体もあります
他に、北極や南極などの寒冷地で使える仕様としてLC-130という機体もあります


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