2016年6月20日月曜日

DMMの3D造形覚書

DMMの出力でナイロンを造形した。半分失敗、半分成功、と言った感じだけど、いろいろちょっと書いておく。

可動部分。

内径42mmの円筒に外径40mmの筒を入れて、円筒の両端は閉じている、という形状。切削加工で作るのは結構面倒なはず。わざわざこんな形状作る必要もないと思うけど、作ることもできる。ただし粉末を除去するのが相当に大変。隙間が1mmくらいあるので、その隙間に薄いプラの板とかを押し込んで粉末を少しずつ削り取っていく。円筒の半分を削れればそっち側にグリグリ動かして反対側を剥がせる。内側の筒は回転するように作っているが、軸受けはベアリングを使用した。

ベアリング(圧入)について。

円筒の軸受けに外径8mm、内径6mmのフランジ付きベアリングを使用した。モデルは8mm、6mmちょうどで作成した。ベアリングは両端に計2個使うが、片側は良い感じに圧入できた。もう片方はスカスカで簡単に落ちてくる。そもそも造形の誤差があるのであんまり圧入とかは考えないほうが良いと思う。
今回は金属シールドのベアリングを使用したが、回転数とか回転抵抗が気にならないならゴムシールのベアリングを使ったほうが良いと思う。粉末を綺麗に除去できないとどんどん粉が出てきて気分的によろしくない。

細い溝を刻みたい。

厚さ0.4mm、幅6mmくらいの板を並べて固定したい部分があった。ということで幅0.7mm、深さ3mmの溝を刻んだ部品を上下に配置して挟むようにした。力を込めて押しこめば入るが、スカスカな感じではない。あとこの板は可動部の隙間に入り込む予定で、可動部の方も0.7mmの隙間を作ったが、こちらも固くてとても稼働するような状態ではなかった。

ネジ止めしたい。

部品を固定するのにネジ止めをしたかった。手持ちにM3のキャップボルトが大量にあるので、それを使えるようにしてみた。とりあえず3mm厚に2.5mmの下穴を開けて、こっちでタップ加工をした。簡単な固定程度なら問題なさそう。もうちょっと厚さを増やせばかなり強固に締め付けれるはず。
保険として幅5.6mmの六角形の穴を付けておいた。タップが使えなかった場合は3mmに広げてM3のナットを入れる予定だったが、この六角形の穴は結構いびつな形になっていた。もっともM3のナットを圧入できるという意味では良かったのかもしれないが。


今回の目的はちゃんと動くものを作ること、その過程で可動部が作れるかどうかを確認すること、だった。可動部が作れる事は確認できたが、ちゃんと(目的通りに)動くものを作るという目的は達成できなかった。
精度の目安として±0.15mm、長軸方向に±0.15% という数字が書いてあるが、体感的にはもっと悪い気がする。計算上は誤差最大でこんな感じになるのかなぁ って程度だけど、とにかく精度はあまり信用しない方がいいと思う。どうしても精度が必要な部分は金属の切削をどっかに頼むとか、いろいろな手段を用意するべき。もっとも精度以上に値段が跳ね上がりそうだけど。

全体的に精度の悪さが気になる結果となった。この辺りは数をこなせばどんな形に作れば狙い通りの機能を果たすかとかわかってくるのかな。今回を除いて大きく分けて2種類くらいのモノを作ったが、2個目とか3個目あたりで狙い通りの機能を実現できてる。今回ももう一回作れば狙い通りになりそうな気がする。あと1ヶ月もすれば値段が下がるみたいなので、そのあとでやってみようかな(7月中旬から値段が変わるみたいだけど、今の値段の設定が書いてないのでどれくらい変わるのかよくわからない)。
DMMである程度精度を求める部品を作る場合、値段は4倍を考えておけば十分足りると思う。それくらいの覚悟をして、2回目か3回目で狙い通りに作って、「思ったよりは安かったな」とか考えたほうが健康に良いと思う。もしくは精度とか関係ないような設計にして一発で目的のものを作るか。

0 件のコメント:

コメントを投稿