JS Orbit
wikipediaのアリアン5打ち上げリストによると今回の打ち上げはStar One D1という衛星とJSCAT-15の2機を打ち上げたようです。前者はブラジルの通信衛星、後者は日本の通信衛星です。
打ち上げ時に固体ブースターからパネルがペリペリと剥がれているのが面白いですね。低温燃料が入ってるというわけではないと思うので、霜の付着とかは無いはずなんですが、何のためのパネルなんだろう。
あと管制チームがお揃いでキラキラしてるのも面白いです。
この打ち上げは今年82回目の打ち上げですが、このグループでは4個の物体が打ち上げられています。衛星2機とR/Bが2機だと思われます。
アリアン5は極めて大きなロケットなので、1回の打ち上げで2機の衛星を軌道に投入できるわけですが、ロケット最上段に1個目の衛星を包み込むような構造体(Sylda、シェルダ?)が有り、その上に2個目の衛星が乗っています。フェアリングはシェルダを含めたすべてを包み込む大きさになっています(詳しくは下にある動画リンクで確認して下さい)。
同時2機打ち上げでは、昨年初めに打ち上げられた「オール電化衛星」とも表現されるボーイング702SPバスがあります。この衛星は上下2機を組み合わせて打ち上げられるように設計されており、実際にそのように2機同時打ち上げが行われています。
この方法ではシェルダという、ロケット側からすれば「余分なお荷物」を載せる必要はありませんが、下の衛星から見れば打ち上げ時は上に数千kgの重りが乗っていることに耐える必要があり、しかもその強度を確保するための構造材は軌道上で運用する時には余分な重りとして最後までくっついてきますから、軌道変更等では衛星に搭載された限り有る燃料をより大量に使用してしまいます。
それぞれ一長一短が有るわけですが、アリアン5はロケット側で「棚」を用意する選択をし、1回の打ち上げでR/Bが2個発生するのはそういった理由によります。
フェアリングの分離が18分頃、44分頃にStar One D1が分離、46分頃にシェルダを分離し、58分頃にJCSAT-15を分離しています。
JCSATは近地点250kmあたり、遠地点35700kmあたり楕円軌道を回っています。これは典型的な静止トランスファ軌道です。現在のところ軌道傾斜角が6度ほどありますが、これは射場が北緯5度付近に有るためです。
***
最近は打ち上げのたびにJS Orbitのリンクを張ってるだけになってますね。
追記:2016-12-25
TLEが更新されてR/B等も確定しました。
JS Orbit
1つは"ARIANE 5 R/B"でもう1つが"AREANE 5 DEB [SYLDA]"となっています。前者が最上段、後者がシェルダです。ロケットボディではなくデブリの扱いになるんですね。
それからJCSATの方も静止化が進んでいるようです。前回紹介したときは離心率0.73で平均運動2.3ほどでしたが、今では離心率0.30で平均運動1.5ほどです。それに伴い近地点は16000km、遠地点は36000kmほどになっています。
0 件のコメント:
コメントを投稿