2017年11月29日水曜日

MS FSXのF/A-18のオートパイロット


 F/A-18のオートパイロットの使い方。

 戦闘機のAPなので、旅客機のそれとは全く別物。あくまで「人間の操縦がメインで、他の作業(交信とか)の合間だけ操縦する手段」というシロモノ。

 基本的にHUD直下のパネルだけで操作できるが、ヘディングを設定するノブだけ、左ラダーペダルのところにある。

 パネル下段には、A/PやILS、ON/OFFというボタンが有る。
 左端のA/Pを押せばオートパイロット設定に入ることができる。右端のON OFFボタンを押せばAPをON/OFFできるが、個人的には使い勝手が悪いと思った(使わなくてもON/OFFできる)。

 AP設定では、パネル右側の5段のディスプレイに、上からATTH, HSEL, BALT, RALT, CPLが表示される。
 ATTHは姿勢保持(Attitude Hold)、HSELは進路保持(Heading Select)、BALTは気圧高度維持(Barometer Altitude hold)、RALTは電波高度維持(Radar Altitude hold)の略だと思う。CPLは不明。
 この内、CPLの使い方は把握できていない。RALTは未実装らしい。

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 簡単に使えるのは、ATTHモードで、「現在の姿勢を維持する」というモード。アフターバーナを燃やして急上昇しながらATTHをONにしてエンジンを絞れば、失速するまで姿勢を維持する。姿勢を維持するだけなので、例えば200ktでATTHをONにすれば、速度を下げれば降下率が増えるし、速度を上げれば上昇率が増える。
 姿勢維持ではあるが、バンクについてはゆっくりと水平に戻してくれるので、数十秒くらいの期間で見れば上昇率/進路保持となる。

 BALTモードは気圧高度を維持するだけで、進路は維持されない。ある程度の高度を保ちつつ、進路は自分で調整するといった用途。

 HSELは進路保持セレクタで指定した進路を維持する。高度は維持されないので、自分で調整する必要がある。

 使う際は、使用したいモードの左にあるボタンを押せば文字の左側に点々が表示されて、そのモードが動いていることを示す。もう一度ボタンを押せばOFFにできる。
 排他動作の場合は、他のモードがOFFになる。例えばATTHモードが有効なときにBALTを有効にすると、ATTHは無効になる。
 BALTとHSELは同時に使用可能で、両方共ONにすれば高度と進路を維持してくれる。


 使い分けとしては、一時的(無線交信や地図の確認等の合間)な場合はATTHを使い、ある程度の長距離を移動するならBALT/HSELを使う、という感じだと思う。
 BALT/HSELでは進路セレクタを設定する必要があるので、気軽に、という訳にはいかない。レーダーの設定だとか、地図の確認といった、短時間で済む程度の自動操縦ならATTHのほうが便利。

 すべてのモードで、速度は調整されないので、スロットルについてはすべて人間が責任を持つ必要がある。

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 ILSの使い方。
 ILSボタンを押すと周波数入力モードになるので、テンキーで5桁の周波数を打ち込む(0.01MHzの単位まで)。受信できれば数字ディスプレイにONと表示される。
 ILSをHUDに表示するには、右側のディスプレイの右上にあるILSボタンを押してILSモードを選択する必要がある。
 
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 せっかくなので、ついでにレーダーの説明も。

 起動時には右の画面に進路等の情報が表示され、左にエンジンの情報が表示されている。基本的に左右どちらも同じ用途で使うことができる。下段中央のMENUボタンを押せばモードを切り替えることができ、HSIなら進路、ENGならエンジンの情報、HUDなら姿勢、RDRならレーダーを表示できる。

 レーダーを使う場合、どちらかの画面でレーダーモードを呼び出す。本物の戦闘機パイロットだと、空対空戦闘と空対地戦闘で表示する場所を変える、といったことをするらしい。ただFSXではせいぜいレーダーを表示するくらいしか戦闘機らしいことが無いので、今回はレーダーを左側に表示する。


 レーダーにはいくつかの設定があるが、上の画像では左上から時計回りに6B、80、IUP、TDN、4833、140、M 0.8、544、といった表示がある。

 順に説明していくと、6Bはレーダーの「6Bar」という動作モードで、80は表示距離が80海里(約150km)、4833は自機の気圧高度(ft)、80はスキャン幅が80度、M 0.8は自機のマッハ数が0.8、544は自機のノット数、という意味。

 また画面の中央あたりに0.3と17、それと四角と直線などの明るいシンボルがあるが、これはレーダーで捕捉した目標を示し、0.3は目標がM0.3で飛んでいて、高度は17000ftということを意味している。
 直線は飛行方向を示していて、この場合は奥から手前に向けて、若干自機の左側に向かって飛んでいる、という状態。
 他に薄い3本の横線がいくつかあるが、これが他の目標の位置を示していて、TUP, TDNで切り替えることができる。


 レーダーを起動すると2バー、40海里、40度のモードになっていると思う。
 とりあえず空域を自機だけでスキャンするなら、6バー、80海里、80度くらいがいいと思う。これは上下方向で20度、横方向で80度の三角錐をスキャンするモード。
 バーは1,2,4,6を切り替えることができ、バーが多いほうが上下方向のスキャンが広い。代わりに、1回あたりのスキャンに余計時間がかかる。
 横方向は20,40,60,80,140から選ぶことができ、数字が大きいほど広い範囲をスキャンできるが、時間が長くかかる。
 距離は5,10,20,40,80から選ぶことができる。

 正直、FSXではバーのシミュレーションはやってないんじゃないかな、という気がする。なので、設定としてはスキャン幅と距離だけで十分。


 面白そうなレーダーシグネチャがあれば接近してみよう。レーダーに表示された目標の高度と速度、進路で会敵位置を予測してそこに接近していく。基本的に、相手の後方下側から接近する。後方から接近する場合は自機のほうが早いので、うまく速度を落とさないと相手の前に出てしまう。下から接近すると、ある程度近づいたところで上昇すれば、速度エネルギーを位置エネルギーに変換して減速することができる。どれくらいの差で近づいて、どのあたりで引き起こすか、というのはかなり難しい。
 退官した空自パイロットがフライトシミュを飛ばす動画がyoutubeにあるけど、感動的なまでにピタッと吸い付いて接近する。プロってすごい。


 うまくすれば、数百mくらいまでは接近できる。目視距離になるとレーダーは使わない(or使えない)ので、レーダーの代わりにHUDを表示するのがおすすめ。
 TrackIRとかを使うなら別だが、PoVスイッチで視点を動かす場合、あっという間に空間失調に陥ってしまう。それを防ぐために、HUDで自分の姿勢を確認しながら操縦する。
 また、引き起こしを掛ける前に目標の速度を確認しておけば、モニタに表示された速度を確認しながら、スロットルを調整できる、という利点もある。

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 F/A-18には他にもキャノピーハンドルや主翼の格納を始めとした、様々な機能がある。とはいえ、それらを説明すると長くなりすぎるだろうし、僕自身もよくわかっていない部分があるので、とりあえず今回はここまで。

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