2017年12月5日火曜日

メモ:軌道計算のコスト

 STM32F4でTLEの計算、最低限方位仰角を計算するのに1msec未満@168MHz。ここからジンバルの補正とかが必要だけど、そんなに計算コストは高くない。ただしISSの軌道なので、離心率が大きい軌道では収束まで時間がかかるから、もうちょっとかかるはず。
 STM32F4はFPUを内蔵しているが、それは単精度で、軌道計算には全く足りない。例えばTLEは時間を日単位で与えられるから、年末になると精度は80秒程度に悪化する。8km/sec*80sec=640kmの誤差となり、高さ400kmに対して誤差が大きすぎる。
 そこで今回はすべての計算をdoubleで行った。本来は精度が不要な部分をfloatにするといった工夫をすべきだが、今回は動作確認が最優先。それでも1msec以内に計算できるので、しばらくはこのままで。

 ワンチップで軌道計算ができるので、あとはGPSで自分の位置と時間を得て、SDカードからTLEを読み出せば、スタンドアロンで軌道計算を行える。TLEはSDカードに入れるようになるはずなので、数日置きに更新する必要がある。場合によっては、FlashAirでWiFi経由で更新させたり、TCPに対応させたりできるはず。僻地に設置して使うなら、イリジウムのSBDでもTLEの更新には十分。そんなところに置いてどんなミッションができるかという問題はあるが。
 TLEは衛星打ち上げ情報部分を除いてアルファベットは不要だから、テンキーとスペース、ピリオドと正負記号だけで入力ができる。小さな液晶とキーパッドをつけておけば単体で打ち込みもできる。F/A-18のテンキー風インターフェースとかつけても面白いんじゃないかと。さすがにパンチカードは大変そう。

前回、衛星追尾をやったときにはPCのC#アプリで方位仰角を計算してシリアルポートで転送していたが、次回はスタンドアロンで動作できるようになる予定。

 衛星追尾そりゅーしょんをご用意しておりますので、キューブサットの追尾等のご入用の際はご連絡をお待ちしております。(嘘)

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