2018年1月11日木曜日

AAM-4

 AIM-120の気分転換に、99式空対空誘導弾を調べてみました。
 といってもwikimediaの写真を眺めるだけだけど。

 用語(俺々用語)
 フィン:固定翼(AAM-4の場合は前側)
 ウイング:動翼(AAM-4の場合は後ろ側)


AAM-4




JASDF AAM-4 in Hamamatsu Air Base 20140928

 F-15に搭載された状態。フィン/ウイングには「訓練用ミサイル専用」と書いてある。フィンの後ろにはホースバンドが巻いてあるので、このまま飛ぶのではなさそう。もしかしたら飛べるのかもしれないが。。。
 フィンとウイングの厚さの違いにも注目。フィンはかなり薄いが、ウイングの根本は裾広がりで非常に分厚くなっている。
 AIM-120によくある「LIFT HIRE」「NO LIFT」や、重心マーク、シリアルナンバーといった文字は一切かかれていない。


JASDF AAM-4 left front low-angle view at Gifu Air Base November 19, 2017

 ノーズコーン付近のネジがよく分かる写真。ノーズコーンのボルトは六角穴だが、その後ろは十字溝になっている。メーカーで組み立てる部分が六角で、基地で触る部分が十字溝? 不用意に回されたくない場所は頭が変えてあるのかもしれない。六角穴ボルトを回すならそれに合った工具が必要なので、作業場に工具が無いようにすれば不用意に触ってしまうことはない。
 配線ダクトはかなり厚ぼったい感じ。


JASDF AAM-4 left front view at Gifu Air Base November 19, 2017 01

 「試験用飛しょう体(フラッタ計測用)」みたいなことが書いてある(ボケて読めない)。AAM-4B(AAM-4(改))かな?
 米軍に倣うなら、装薬ではなくイナートなので、実際に発射はできない。機体に搭載した上で、様々な速度・姿勢をとって、その際に致命的な振動が発生しないか、といった試験を行うための弾体だと思う。あちこちにひずみゲージとか貼ってあるんであろう。あとで回収して超音波診断だけ、というわけではないはず。併用はしてるかもしれないが。


JASDF AAM-4 left front view at Gifu Air Base November 19, 2017 02

 これもウイングの厚さがわかりやすいアングル。ランチラグの形状も。こんな小さな金具で220kg*10g機動とかに耐えるわけだから、末恐ろしい。おそらく後ろ側の金具1個で荷重を支えてるだろうから、これだけで3トンくらいに耐えられるんじゃないかな。破壊するなら6トンとか10トンくらいの荷重が必要?


JASDF AAM-4 left front view at Gifu Air Base November 19, 2017 03

 ノーズコーンの先端部。塗装の上からでは素材の違いとかは見られない。AIM-120だとノーズコーンの先端は空力加熱対策?の金属パーツが入ってるんだけど。


JASDF AAM-4 Warhead Section 20131124

 AAM-4Bのフィン部分。フィンに時計回りの矢印とともに「解除」の文字がある。この方向に回すとロックを解除して、フィンの着脱ができるのかな。CWにまわして解除???
 SAFE/ARMの部分にはカバーがついてる。目立たないのでこのまま飛ばしそうで怖い。


JASDF AAM-4B 20131124

 こちらも4B。上の背景ブルーシートの弾体とくらべて、ノーズコーンの後ろの構造が大きく違う(ネジの本数が増えてる)。
 ミサイルを置いているスタンドに「取扱責任者」みたいなタグがある。スタンドが壊れると上に乗ってる数千万円のミサイルも道連れになるので、管理が厳重なのかも? そういう配慮をしてるってことは、そういう事故があったんだろうか。


JASDF AAM-4B at Gifu Air Base October 25, 2015

 2枚上のフィン拡大写真の、突起のところに、REMOVE BEFORE FLIGHTタグが付いている。
 RBFがついてるということは、この棒状の部品はワンタッチで着脱できる?
 赤に斜めの白帯は、ミサイルをどの方向から見てるかを知るためのマーキングだと思う。白が赤の中間部に見えれば、ランチラグ側がこちらを向いていて、白が赤の端に見えれば、配線ダクト側がこちらを向いている。発射試験(or投下試験)のときの映像解析に使うマーキングだと思う。赤の前にある黒い四角も同様。ミサイルの直径がnピクセルで、1フレームで黒がnピクセル動いていると、1秒間に何回転している、というのを計算できる。


JASDF AAM-4B Guidance Section 20131124

 点検ハッチ?のボルトに締付けトルクが書いてある。0.85N・m±7%くらい。トルクで言うと、M3.5かM4くらいのビスかな。
 ノーズコーンに変な模様が見える。ワインディングの跡?


JASDF F-2 , 航空自衛隊 F-2 - panoramio (2)

 ちょっと解像度低い。全景だからしょうがない。
 手前のオレンジが500lb LJDAM、F-2についてるのは端から90式空対空誘導弾、99式空対空誘導弾、93式空対艦誘導弾、かな? チンステーションにはJ/AAQ-2ポッド(FLIR)がついてる。チン=顎(chin)の意味。F-16SEADとかでもHTSとか、ポッド類を吊るのによく使われる場所。
 F-2のあちこちにマーキングがついているので、試験を主にしている機体かな? 画像解析ソフトだと、マーキングの位置を解析して、姿勢や歪みを計測できるものもあるらしい。空自がそういうシステムを使っているかは不明だが、これだけあちこちにつけてるんだから使ってるんであろう。


JASDF XAAM-4 Propulsion Section 20131124

 ウイング部の拡大。
 四角い黒のマーキングがない。
 ウイングにはLOCK PINの文字がある。ということは、ここからピンを差し込んでウイングを固定するのであろう。反対側にも穴があるから、抜き取るときはそこから細い工具を差し込んで、ピンを押して抜くはず。前から後ろに向けてピンを差すのは、飛行中に空力等で抜けるのを防ぐため、と思われる。後ろから前向きに差し込むと、風圧で抜けてしまう可能性がある。
 AIM-120のウイングはナットで固定するので、取り付けには多少の手間がかかる。ピン方式なら、ウイングを差し込んで、ピンを差すだけで終わるので簡単。ピンを無くすと目も当てられないが。ウイングの根本がこれだけ太いなら、ピンの抜け止めみたいな細工もしてあるのかもしれない。

***

 AIM-120の息抜きにAAM-4を調べてみたけど、こっちも面白そうだなぁ。120が一段落したらこっちも作ってみたい。

 色々考えても、謎が謎を呼ぶ、みたいな状況。「百聞は一見にしかず」とはよく言うけど、1回詳しい人に根掘り葉掘り聞いてみたい。誰に聞くんだ、って話だけど。空自関係者に聞いてもあんまり教えてもらえないだろうしなぁ。

 空自基地って、予め予約しておけば見学できるみたい。
 最寄りの千歳基地だと、1ヶ月前までに予約してね、という感じ。最寄りと言っても、片道4時間位かかる長旅なんだが。
 Webページの説明によると、基地の説明と、F-15/UH-60の説明があるらしい。おそらく周辺住民向けの説明だろうから、通り一遍の、ググれば出てくるような話が大半だろうなぁ。残りはそこでしか聞けないこぼれ話とか。
 Mk 13ミサイル発射機とか調べようと思ったときは、ミサイル護衛艦を見学したくなった。どっちにしろ北海道のど真ん中からだと、空自も海自もとても遠くて、気軽に行ける距離じゃない。
 陸自駐屯地は気軽に行ける範囲にあるけど、陸自装備はあんまり心惹かれないからなぁ。
 陸自演習場(砲弾弾着地点)が徒歩数分で見える場所ってのは、地の利があるか。海自も空自も演習海域/空域は気軽に見れる場所じゃないから。
 照明弾を使った演習をしてる時とかはとても綺麗だし、楽しい。
 「た~まや~」「か~ぎや~」「よ~そろ~」
 陸自はようそろは違うか。

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