2018年2月6日火曜日

パルス圧縮:測距してみた


 パルス圧縮を超音波距離計に転用するには向かないだろう、という予感から、距離を計測する方向に向かっています。

 とりあえず壁に向けてパルスを送ってみました。
 一番大きなピークは0.0137秒後に帰ってきていて、音速で計算するとおよそ2.36mになります。約2.3m先に柱があり、おそらくこれの反射波だと思います。
 0.019秒後にもいくつかのピークがあり、3.25mくらいの距離になります。押し入れの壁がこのくらいの距離なので、おそらくそこの反射でしょう。ピークがガタガタしているのは、押し入れに入れたモノの乱反射だったり、押し入れの中でマルチパスが発生していたり、ということだと思います。
 0.0042秒や0.0082秒にもピークがあり、これは約72cm、1.4mに相当します。一応その距離にそれなりの面積のモノがあるので、そこからの反射波なのかな、という予想はつきます。

 ピーク検出のアルゴリズムを考える必要がありますが、人間が目で見る分にはかなり性能が良さそうです。

 相関を取るには、DAC/ADCが150kspsでパルス幅が20msec、レンジが約20m(130msec)の場合、3k*19.5kで、60M回くらいの乗算を行う必要があります。これにデータR/Wの時間もかかるので、マイコンで処理するのはかなり大変そうです。
 相関を取るのはひたすら乗算と加算を繰り返すしか無いので、マイコンには厳しい作業です。でもARMコアだと加算と乗算が1命令でできるので、その分は他のマイコンと比べれば楽なのかな?



 動作確認なので、手持ちのオペアンプを使って簡単に増幅回路を組んでみました。
 4558DDという種類で、動作電圧は±4Vなので、3.3Vや5Vでは動作しません。
 今回は安定化電源から12Vを与え、7809で9Vに落としてオペアンプを動作させています。増幅率は100倍固定で、出力を3分の1に分圧して、マイコンのADCに入力しています。
 1mから3m程度の距離であれば、100倍固定でも問題ありません。1.5m程度であれば、150mVppくらいでしょうか。2.4m程度なら70mVppくらいです。この程度でも十分に相関がとれます。1mで2.5Vppくらいになるようなゲインにしておけば、かなり長距離でもゲイン調整なしに測距できるかもしれません。

 秋月の超音波距離計キットは、1段目が100倍、2段目が5-20倍で、合わせて500-2000倍程度の増幅率です。

 今回はオペアンプの1回路しか使っていないので、あと100倍くらいは増幅できます。超音波の衰退がどれくらいなのかわかりませんが、単純計算で10倍位の距離までは測距できそうです。現在のレンジが5mとして、50mくらいまでは測距できそうかな、というところです。秋月のキットが3m程度、調整次第で10m程度まで、ということなので、予想通りに行けば5倍の性能になります。とはいえ、実際はそこまでの性能は出ないでしょうから、15m-20mくらい測距できれば十分かな、と思っています。50mとかになると、リファレンスの距離を測るのも大変ですし。


 十分な距離でテストするには屋外に出る必要がありますが、今の時期は外に出たくありません。あと超音波距離計は個人的に需要がないので、完全に興味本位です。ということで、飽きたらそこで終了です。ま、いつものことですね。

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