2019年1月1日火曜日

キューブサットの軌道

 寝てる間にデータをダウンロードして、グラフ化してみました。
 Space-trackは頻繁にデータをダウンロードしてると結構簡単に制限されてしまうので、大量のデータをダウンロードする場合は1分程度の間隔を開けてリクエストしたほうが良さそうです。また、複数のNORAD_CAT_IDをまとめてリクエストしてもエラーになりやすいため、できれば衛星1機ごとにリクエストを出したほうがいいです。
 ISSから放出された物体(98-067の物体)は350個を超えているため、1分毎にダウンロードすると6時間くらいかかります。


 初期の放出物体は軌道寿命が100日前後が多い感じです。
 一方で、最近の放出物体は軌道寿命が500日程度と、数倍に伸びています。
 大気密度がそんなに大幅に変化したとも思えないので、投射特性が変更されているのかな、という気がします。
 最初はマージンを大きく取っていたが、ある程度余裕があることを確認できたので、起動寿命を延ばせるようにした、というところなのかもしれません。

 図中のFREEDOMとSpinsatはISS放出物体の中では特異な動きをしているものです。
 FREEDOMは膜展開機構を使用して急速に落下しています。
 Spinsatは直径で50cm以上ある大きな球体で、表面積の割に質量が大きいため、なかなか減速していません。軌道上に800日程度いたようです。
 その他にもストーンと落ちているものがありますが、詳細は不明。ISS DEBとかなので、何らかの方法で減速して落としてるんだと思いますが、どうやって減速してるんだろう?

 地球観測衛星コンステレーションのような用途で使うなら起動寿命は長いほうが嬉しいだろうと想像できるわけですが、大学衛星の場合はどうなのかなーとちょっと思ったりします。
 キューブサットでの技術実証とかの用途の場合は、軌道寿命は3-6ヶ月あれば十分なはずで、1年以上も軌道上にいられると、その運用で余分なリソースが食われるんじゃないかなーとか思ったり。
 例えばキューブサットのバスをある程度固定してしまって、ミッション機器に専念して開発頻度を上げ、4ヶ月に1回程度の頻度で打ち上げれば、1年で4回の製造&運用経験が詰めます。大学院2年でやるなら8回の運用を経験できますし、大学時代や高校時代に興味を持って運用に参加していれば、運用経験は30回以上、開発経験は10回以上、みたいな人間も作れるかもしれません。
 流石にそれだけやると飽きそうだけど。

 しかしまぁ、最近の日本でのキューブサット開発は下火になってきたのかな、という気も若干します。
 最初にウワッと盛り上がってその後はジワジワと、というのは日本の傾向かもしれません。3Dプリンタしかり、ドローンしかり。

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