2020年1月19日日曜日

小ネタ

 Bluetoothドングルが届いたので交換。通信距離結構長くなった。
 今まで使ってたタイプは部屋の反対側(本棚が置いてある)に行くと途切れがちだったけど、新しいやつは特に問題なし。さすがに家の端とかだと全然つながらないけど。とりあえず、気兼ねなく本棚へ行けるようにはなった。試しにiTunesで音楽聞いてみたら途切れなくなった。マジか…… iTunesってWinで再生デバイス変えても追従しなかったり、結構低レベルな部分を直接扱っている感があるので、Bluetoothのバッファリングの問題もそのあたりに由来してたのかも。
 ただ、時々変なノイズが入る気がするのが気になる。たぶんデータ欠けてるんだろうな。WMPとかChromeでもたまに途切れるような感じがある。Chromeは比較的気にならない気がする。

 前に使ってたドングル、技適番号でググって出てくるやつだと、Bluetooth2.1の頃らしい。今回買ったのは4.0のクラス2。

 Bluetoothって日本語圏だと青歯と略されるけど、Bluetoothの名前の由来って本当に青歯だったのね。

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 衛星のフォーメーションフライト、知らない間にいろいろ提案されてるのね。重力波(LISAやDECIGO)以外にも、X線やγ線、赤外線や可視光、いろいろな用途があるらしい。

 可視光だと、赤道軌道上に衛星を配置して、ある地点を継続的に高解像度で撮像する、というような用途。東大もキューブサットで提案してるけど、例に漏れず何の情報も漏れてこない。
 反射鏡(デカイ)を静止軌道に置いて、撮像衛星(反射鏡よりは小型)をそれより下(数百m地球側)に置いて、分解能1mとか。現行のひまわりがバンドによって0.5-2kmだから、3桁の改善を目指す、という野心的な目標。
 可視光なので雲が邪魔という問題はあるけど、災害時の緊急観測とかに便利な衛星。普通の衛星だと数十分から数時間の待ち時間が必要だけど、静止軌道ならそれがない。災害発生時から即座に、かつ継続的に観測できる。
 撮像衛星が静止軌道の少し下で、周回速度(角速度)は静止軌道と同じなので、撮像衛星は軌道を維持できない。これのキャンセルのためにイオンエンジンで浮かせるらしい。例えばHTVもISSランデブ時はISSと同じ角速度で低い軌道に入るので、地球側のスラスタを吹いて浮かせている。HTVは比較的短時間だけど、静止フォーメーション衛星は数年のオーダーで維持する必要がある。
 撮影側の衛星が相対的に小さいのは概ね同じような傾向だけど、反射鏡の構成は、大型衛星1基で複数の鏡を展開する形式だったり、小型衛星が得意なチームの提案だと、小型衛星1機の1面を反射鏡にしてそれを複数浮かべる、みたいな案もある。
 後者の案だと多数の小型衛星を静止軌道に乗せることになるから、宇宙状況認識やってる人たちからは嫌われそうな気もする。前者も小型衛星が必要なことに変わりはないけど。イオンエンジンを乗せる衛星となると結構な大きさになりそうだけど、ミニマムでPROCYONクラスまでは小型化できるわけだから、地上から見えるかは結構微妙なところか。口径1m前後あればPROCYONクラスでも見えそうな気もするけど、どうかな。

 同様の衛星配置で、撮像衛星を外側に置く計画もある。そうすると、他の恒星を撮影できる。ただ、全天走査をやるなら静止軌道に置く旨味はあまりない気がする。せいぜい通信ウインドウが広いくらいか?
 地上重力波望遠鏡でイベントを検知して即座にアップリンク、フォーメーション望遠鏡で高解像度観測、とかはアリかも知れないけど、同じようなコンセプトをIridiumでリンクする衛星の計画もあるので、即時通信性に関してはあまり利点にはならない気もする。高分解能の望遠鏡に高解像度の画素を乗せるとデータ量が凄まじいだろうから、常時地上とリンクできるのは利点かもしれないけど、フォーメーションフライトで実際に飛ばす時代だと光中継衛星を前提にしてもいい気がする。

 光の帯域でも、焦点距離を稼ぐ目的でなく、掩体観測を目的とするものもあるらしく、オカルター(Occulters)と言うらしいんだけど、ググってもほとんど出てこない。系外惑星の直接撮像を目的として、恒星を掩体して惑星を撮影する?みたいなミッション。フォーメーションフライトに輪をかけてオカルティックなコンセプトだからか、日本ではあまり話題にはなっていないっぽい。フォーメーションフライトの使用例に出てくる程度。
 他恒星系の惑星の直接撮像は興味深い話題だが、さすがにファンタジーすぎるんじゃないかなぁ。それともSF小説(e.g. 星のパイロット)を読んでファンタジーだと思いこんでいるだけなのか。あるいは、すでに米軍が打ち上げてS-E L2に配置している可能性も…… おっと、こんな時間に誰だろう?

 X線やγ線の高解像度化のためにフォーメーションフライトを使う案もある。例えばASTRO-Hは12mの進展ブームを使っているが、更に解像度を得るには更に長い焦点距離が必要。20mクラスとなると単一衛星では厳しいらしい。
 X線に必要な焦点距離のフォーメーションフライトを重力波衛星のスケールモデルとする案もあるらしい。重力波衛星(e.g. DECIGO)は衛星内部でドラッグフリー構造になっているが、その可動領域はあまり大きくないので、衛星の位置精度をその可動領域内に収める必要がある。X線の集光は、それに比べれば位置精度は低くても良い。まずはX線望遠鏡の高性能化を目指してフォーメーションフライトを実証し、その延長線上で重力波の観測を目指す、みたいな。X線と重力波では要求に数桁の差があるようなので、X線から直接重力波にスケールアップするのは厳ししそうだけど、いきなり重力波をやるよりは、X線で実績を作ってからのほうが良さそう。

 上記の例だと波長の短い側の話がメインだったけど、電磁波でのフォーメーションフライトもある。開口合成だったり、合成開口だったり、用途はまちまち。
 例えばALOS系のInSARは単機が複数回取得したデータを使って行われているが、その間の変化(植生や降雪等)で画像が劣化してしまう。より波長の短いX帯とかを使う衛星ではより顕著になる。それを避けるために、複数の衛星をほぼ同じ軌道に投入して、十分に短い時間間隔で同じ場所を観測する、といった運用もある(e.g. TerraSAR-X / TanDEM-X)。こういう用途だと厳密に位置関係をそろえたフォーメーションフライトである必要はないので、すでに実運用段階にある(すでにというか、だいぶ前から)。
 SIGINT衛星でフォーメーションで開口合成をやってるという話をだいぶ前に読んだ気がするけど、ググっても出てこなかった。。。


 単純に大きさを考えるなら、例えばISSは長軸で100mほどあるので、宇宙空間にこれだけの構造物を設置すること自体は、可能。ただ、費用とかいろいろ考えると割に合わねぇ、って話なんだろうけど。
 あるいは、HTV-Xベースの大型宇宙望遠鏡とか。中空構造の衛星バスを作って複数基連結して細長い居住空間を作るコンセプトがあったはずだから、与圧抜いて両端の壁外せば細長い構造が得られる。1機あたりのミッション質量が数トンで、複数機をH-3で打ち上げて軌道上で自動ドッキング。かんたん!有人ミッション譲りの信頼性!!量産して安い!!! ほんとにそんな使い方できれば面白いけどねぇ…… クッソ高そう。。。そりゃ小型衛星で仕立ててイプシロンでフォーメーションって話になるよなぁ……

 フォーメーションフライトでも、VLBI測位とかはキューブサットで実証できそうだし、軌道制御とかも今後ISSから大型の衛星の放出機会が増えれば容易に実証できそう。キューブサットや小型衛星でチマチマ実証していけば「あと予算つけるだけですよ? 基本要素は軌道実証済みですよ? 早くやっちゃいましょうよ!今なら世界初!!」みたいな流れに(妄想
 せっかく小型衛星の環境が整ってきてるのに、あんまり活用されてないような雰囲気がして残念。JAXAが管轄してる小型・超小型衛星って、最近は海外大学との共同とかが多くて、それはそれで大事だけど、もうちょっと国内勢も頑張ってほしい。

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