拡散符号の総当り、N43では4個見つかったが、その次(N47)ともなると単純計算で探索に16倍の時間がかかるので、なかなか終わらない。
今は総当たりでやってるけど、本来はセットビットの数が固定になるはずで、候補はN=47なら23!個で済むはず。2^47と比べれば7桁くらい少なくて済む。とはいえ、セットビットの数がm個の数列を作るアルゴリズムなんて知らないわけだが。
うまい方法はありそうだけど、さっさとM系列とか調べたほうが良さそう。
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VLBIの話題探してて、いろいろおもしろい話が出てきてる。VLBIって結構最近なんだな。んで、VLBIが出てきてやっと大陸の位置と速度が確定したので、プレートテクトニクスの直接観測はこの頃。地学って足元を見る学問の割に、かなり新しい学問。手が届かない場所を見る天文学のほうがよほど歴史ありそう。天体は1年周期で見えるものが変わるので観察対象として興味深い、地面はそこにあり続ける不変のもの、みたいな感じだったんだろうか。
それはともかくとして。
宇宙VLBI、はるか(VSOP)の後、VSOP2/ASTRO-Gがキャンセルされて、しかしその後も宇宙VLBIの話題は時々出ているらしい。最近だとEHTによるブラックホールシャドウの撮影から、「もう一度さらに解像度の高いVLBIを!」という話とか。そもそもVSOP2でETH撮影を目指していただけに、それが実現した以上、キャンセルされた計画を復活させる必要があるのか、という反対勢力が多いらしいが(もっとも、それはETH撮影を目指したすべての計画で言われることだろうけど)。
ASTRO-Gでネックとなった鏡面精度は、「一体型の鏡面を打ち上げればいいんじゃない? H3なら直径4mを打てるよ!」だったり、「むしろ電離層によって地上観測ができない低周波側(数十MHz)を見よう」だったり、いろいろある。
一体型だと感度が稼げないので、相関相手(地上側)は少なくとも35mクラスが最小だろうか? ALMAが12mと7mだということを考えると、35mって凄まじくデカイ。美笹GREATが54mだから、これより一回り小さい程度、余裕を考えるとこの規模が必要、という感じか。測地VLBIだと口径小さめでも良い雰囲気になってきて小型の望遠鏡が増えてるので、宇宙VLBI用に大きな望遠鏡が必要になると、それの確保が課題になりそう。
低周波側だと、そもそも地上からは見えないという問題と、波長が長くて解像度が悪いので、宇宙に出るのが必須。ただ、単純に宇宙に持っていっても、地上からの電波とか色々都合が悪いらしい。SELENEのVHFレーダーも、月の地球側はノイズが凄まじいんだそうだ。電離層といえど、完全に遮断できるわけではないらしい。そりゃ、人類は「宇宙からVHFが来ている」ことを知っているんだから、ある程度は透過しているんだろうけども。
「軌道決定面倒だよね、月面に置けば地震とかないし地上電波遮断できるし良いよね!」という話も。もっとも、波長が長い分で位置精度は多少下げて1m程度でいいらしい(VSOP2では10cm要求だった)ので、GPSで単独決定しても結構いい感じになりそうな気がする。地上からの雑音で相関処理して位置決定しても良さそうだけど、そうすると電離層遅延が悪影響してきそうだなぁ。
月面に置くと温度差が厳しそうな気がする。太陽以外を観測したいのであれば、夜の間に観測する必要があるから、エネルギー貯蔵が問題か。あと、軌道上であれば自身の軌道速度を観測に活用できる利点が結構大きそうな気がする。月面だと自転速度が小さいのでドップラーシフトが使いづらい。かといって無視できるほど小さいわけでもないだろうし。
気球VLBIも話題には出てるけど、あんまり活発ではなさそうな感じ。高周波(数百GHz)だと大気の窓が暗い分、高い場所に行ける気球のメリットは多少あるけど、今度は位置精度の要求が厳しいので気球だと大変そう。そもそも気球だと地表にへばりついてるのとそう変わらない位置なので、観測地点の制約が少ない以上のメリットはなさそう。というか、任意地点で観測したいなら複数の海上から同時に放球しなきゃいけないから、そのための船を揃えるだけでも大変そう。
数十MHz程度だと、最近の高速ADCを使えばそれなりに簡単にダイレクトサンプリングできそうな気がする。アンテナの大きさがネックだけど、展開機構はどうにでもなりそう。周波数が低い分データレートも少なくて済みそう。要するにキューブのコンステでイケそう。
放射線が厳しそうだけど、地上用(or航空機グレード程度)のADCやFPGAを組み合わせて、3Uキューブ程度で低周波宇宙VLBIはできそうな気がする。3方向にダイポールアンテナ3組出して3ch受信して、ダウンサンプリングと圧縮かけて姿勢データと一緒にダウンリンク、地上側で合成して指向性作って、複数の衛星と相関。信頼性の低さは数で補う方針。複数の軌道に並べていくのが大変か。ISSの放出機会を使って1面にある程度距離を置いて並べながら、ELECTRONとかを使って軌道傾斜角200度くらいに並べる、とか? まずはISSから1機出して低周波観測の実証だろうなぁ。1機だけでも太陽とか見れば指向性の確認とかはできるはず。
100kHzくらいならマイコン1個で受信できるだろうけど、数十MHzのオーダーになるとちょっと厳しい。だた、LPC4370みたいな、max80Mspsまで行けるようなマイコンもあるので、ワンチップでもなんとかなりそうな気はしないでもない。
前にやったワンチップマイコン衛星の空想の延長線上に、ワンチップマイコン宇宙VLBIもできそうな感じ。さすがにワンチップだと厳しいだろうから、せめてアナログ周りやらFlashやSRAMを外付けして5チップくらいで……
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