ミッション、S-E L2点から外側(惑星や小天体)の観測。
DS2000をベースとし、ある程度軽量に仕上げる。ロケットの能力に余力を残し、それを利用して大きな初速を得る。AKEを使用して更に加速し、S-E L2付近を目指す。元々GTO/GSOを目的とした打上げ/衛星だから、深宇宙へ行くためのハードルは低い(少なくとも、LEOから出ていくよりは楽に行けるはず)。
探査機の大雑把な構造。通常のDS2000衛星と同じように、PAF反対面にミッション機器を搭載する。通常はこの面が地球を指向するが、この探査機では外宇宙を指向することになる。観測機器は赤外線メインの光学機器と鏡筒。低温な天体の観測を目指すため、ミッション機器を冷却する(数-数十K程度)。バス機器周りは通常のDS2000と同じものを用いて、探査機本体の低価格化を目指す。
地球との距離が比較的遠いため、通信がネックになる。ミッションデータが大きいから、ダウンリンクが課題。通常のDS2000の場合、ミッション機器搭載面の方向に地球があり、そちらに向けて電波を飛ばすようにパラボラアンテナが展開される。探査機の場合は電波を飛ばす向きが逆になる。可能な限り展開機構を流用するために、通常は反射で用いられるパラボラに変わって、透過型の平面アンテナを使用して地球方向へビームフォーミングを行う(固定ビーム)。
消費電力はさほど多くないはずだが、信頼性の観点からもパドルは2枚とする。太陽追尾機構は不要(探査機に対して太陽の位置が常に同じなため)。ただし惑星観測を考えると多少の首振りが行えるほうが都合がいい。とはいえ、あまり大きな姿勢変更を行うと、放熱面に太陽角が近くなってしまうし、それを避けるために10度程度しか首振りしないのであれば、固定パドルでも若干の発電量のロス程度なので、発電量の低下はほぼ無視できる(EoLの劣化より少ないはず)。
既存の静止衛星バスを流用するので、探査機としての特性はある程度犠牲になるが、その分安価に作れるはず。まぁ、いうほどは安くはならねーだろうけども。「GTO相乗り超小型衛星で惑星間ミッション提案されてるよね。じゃぁGSO衛星も惑星間軌道に入れればいいんじゃねーの?」という思いつきで考えただけなので、静止衛星バス流用ありきで考えてる部分は大きい。とはいえ、DS2000自体は信頼性はかなり高いし、継続的な開発で姿勢擾乱とかもかなり少なくなっているようだし、ひまわり8/9やQZSのおかげで姿勢決定や軌道制御もかなり細かくできるようなので、通信や地球観測以外にも色々使えそうな気はするな。もっとも、打上げ質量4トン前後とかになると相当大規模なミッションだから、求められる成果とか考えると汎用バスの流用でなく、大部分を専用に設計したい気はする。
大本の元ネタは衛星設計コンの資料から得たもの。
宇宙関係の話題を探してると衛星設計コンの資料は頻繁に出てくるけど、願望多めの設計が多い気がする。ミッション案自体は願望マシマシで突飛なアイデア出してこそだと思うけど、詳細設計で願望を多めに入れられると、ちょっとアレ。高校生が出す資料には詳細設計は求めず、突飛なミッションの提案だけガンガン出してもらったほうがいい気がするな。と思って年のために確認したら、これ大学生が書いた資料なのか。。。うーん、この願望多めなポンチ絵を大学生が書いたとすると…… もうちょっと頑張って欲しいなぁ。
0 件のコメント:
コメントを投稿