2020年10月5日月曜日

Cマウントの延長アダプタ

 Cマウントの延長アダプタを3Dプリンタで作った。

 Cマウントのネジは1-32 UNという規格。直径が1インチ、ネジピッチが1インチあたり32山、ユニファイ、という意味。深さも決まってるんだろうけど、今回は現物合わせで作った。

 上下に1-32UNのネジと、横に1/4-20UNのネジが切ってあるだけ。内側に迷光対策でネジ切ってるけど、光当ててみた感じ、あんまり効果なさそう。気休め程度。

 Cマウントのスレッドピッチはミリで表すなら約0.8mmになる。かなり細かいけど、造形ピッチ0.1mmで作れた。ただ、ベッドに触れる面までネジが続いていると綺麗に造形できないようで、ベッド側の面(データ上は上面)を適当なところでネジを打ち切っている。このあたりの細かい調整は、Fusionだと結構手間がかかる。位相も、Fusionだと合わせるのはかなり大変だと思う。今回は、Cマウントのレンズ→Cマウント延長→Cマウント-M12P0.5アダプタ→USBカメラ、という構成なので、M12P0.5で位相を合わせている。


 テスト用のピースを出しつつ、ある程度い感じになってきたところで大型を出力。

 衛星追尾カメラ作ったときの光学系(画素+レンズ)に組み合わせてテスト。


 小さいやつが7mmとか、大きいやつが20mmとか。それぞれフィラメント1m/2mくらい、造形は1時間/2時間くらい。

 後の方に出したやつでは三脚用の1/4-20UNのネジもつけてるけど、どうやらスライサーがこのあたりを上手く処理できなくて、1-32UNの方に悪影響が出ている感じ。1/4がないやつはスルスルねじ込めるけど、1/4がついた、最後に出したやつは途中までしかねじ込めない。


 サンプル画像。


 上は0.65mmピッチのSOP20を自分ではんだ付けしたやつ。下はストリナのVL53L0Xのセンサ付近。トリミング無しでこの大きさ。

 三脚に載せてるのでブレもなく、ピントや輝度さえちゃんと合わせればかなり綺麗に写る。何回も画素むき出しにしてるので、画素とかレンズにゴミついてるけど、それは気にしないことにする。

 フォーカスリングと絞りリングがあるので、ガッツリ絞って強い光当てれば被写界深度かなり取れる。フォーカスリングでも数mmくらいは動かせるので、三脚のエレベータである程度合わせて、フォーカスリングでピント合わせて、絞って被写界深度広げる、という感じの運用。


 中華CNCを死蔵してるので、カメラをソイツに載せて微動できるようにしたら便利かな、と思ったり。ただ、三脚+手で細かく動かすのでも、結構ちゃんと使い物になる。大規模にすると取り回しが大変なので、あんまり便利にならないかも。数値制御で位置を調整できるとタイル撮影が簡単にできるので、ステッチすれば大面積も撮れるというのは利点。逆に言えば、それくらいしか利点がない。


 単純にCマウントの最短撮影距離を近くするだけなら、CSアダプタを3段くらい重ねれば済むけど、途中に1/4-20とかつけようとすると金属の切削オーダーメイドとかになるだろうし、そうすると凄まじい値段になりそうだけど、3Dプリンタならフィラメント代数百円+データ作成の手間だけで作れるので、なかなかいい感じ。もっとも、前述したとおり、精度的にはこのあたりが限界っぽい。細かいもの作りたい人間からするともう少し精度良く出してくれるといいんだけど、そういう用途ならレジンとか使ったほうがいいんだろうなぁ。もっとも、フィラメントなら洗浄とかしなくていいので遊びで使うのは楽。


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