2025年8月20日水曜日

小ネタ



 Delta ForceのPVのおそらく手付のモーション、違和感あってあんまり好きじゃないんだけど、ライブサービス型でコンテンツ増やし続けるならいちいちモーションキャプチャで作ってもいられないんだろうなぁ。走ったりジャンプしたりする程度ならともかく、飛んだり落ちたりをキャプチャするのも大変だろうし。




 USN「宇宙軍の戦闘領域は世界最大? フンッ、たかだか地表から2万海里程度で何を言う……」

 まあ、彼ら(米海軍)は確かに(ごく一部の研究機関だけ見れば)作戦領域は広いけど、少なくともその場(100億光年程度先)で作戦を行うことを想定しているわけではないからな。米宇宙軍もその場に人が行って戦闘を行うことはないけど、少なくともリモートで戦闘を行うことは想定しているわけで。実際のところは探査機を含めれば太陽系円盤全域が作戦領域とも言えるし、将来的には月や火星に人間を送ったりもするんだろうけど。

 巨大な電波望遠鏡で天文観測した結果を人工衛星の運用に使うんだから、このあたりもUSSFに移管すりゃいいのにな。USNとしては何百年も続けてきた保時業務を簡単に手放すわけにもいかないんだろうけど。伝統とはかくも変えがたいものよ。


 しかし、ケープカナベラルが宇宙軍の施設とはいえ、こんなにも軍人が多いのか。

 めちゃくちゃ小さいドットマトリクスキャラクタディスプレイがあると思えば、ウルトラワイド曲面モニタも置いてあるし、かと思えばWindows XPも残ってるし。雑多よなぁ。機材の追加はともかく、リプレイスはよほど困らない限りはやらないだろうし、古い機材で特に問題を感じていないのであればわざわざ予算をつけて入れ替えようという話にもならないし。




 何箇所か違和感ありつつ(あと何箇所か誤字もありつつ)、全体としてはSFラノベっぽい雰囲気。もちろんゲームなのでBGMとかイラストとか色々あるけど。サイエンス周りの謎解きは結構サクサク進んだけど、文を読んで推測して選択するみたいな部分は結構手間取った。そういうのは苦手なのだ。。。

 自分の好みで言えばやはり気軽に読めるKindleみたいな文字媒体のほうがいいなーと思いつつ、ある程度の選択肢が提示されているゲームも面白いとは思いつつ、この作品はあまり分岐がないのでやっぱり小説っぽい感じがするかな。サイエンス側の謎解きは多少の前提知識を持っていたので苦労せず解けてしまったというのもあるだろうけど。

 光速が問題になるような分野の天文を布教したい、というような作品としては、ちょっと解説(作中のDocumentで読める本みたいな部分)が薄いような気もする。あまり細かく書きすぎると難しすぎるという判断なのかもしれないけど。あるいは、細かい部分は設定資料集みたいなもので突っ込むのかもしれないけど。布教用の最初の一歩としてはちょうどいいのかな?


 人間のテクノロジーみたいな領域はデモ版で読める範囲で一通り出ている気がする。新しく出てきた部分では、宇宙ベンチャーが関わるような範囲はかなり少なそう。デモ版の範囲はデモ版をプレイしたときに感じた感想をそのまま感じたので、このあたりは変えてなさそう。



【🎮 ステラーコード】宇宙の謎を解くミステリー!?🪐新作SFノベルゲームを遊ぶ!【 星見まどか 】#1 - YouTube

 ヘイルメアリーでもそうだったけど、その分野の知識があるTRPGerはすごいねぇ。



 まさかの「花王」が手がけるホラーゲーム『しずかなおそうじ』、いきなりSteamで無料配信開始 - AUTOMATON

 普通のゲームってよほど莫大な予算を入れたゲームでもない限りは商品デザインがかなり雑というか、いかにも安いアセットっぽさが拭えないから、実際に商品を売っている会社が作った広報用のゲームはそのあたりがすごいな。現代日本を舞台にしたかなり細かく作り込まれたオープンワールドゲームなのに、コンビニに入ると単色のカラフルな包装に商品名だけ書いてある飲食品が並んでいて違和感、みたいなゲームもあるわけで、そういう違和感がない。逆に実物過ぎてその他のアセットとの差が出てくる可能性はあるけど。

 色々なメーカーにお願いして許諾取って「法律や公序良俗に過度に反しない限り自由に使っていいよ」的なライセンスで比較的安価に(できれば無料で)使えるアセットストアがあっても面白そうだよな。通販サイトみたいに商品を並べておいて、製品ページを開くと2Dデータや3Dデータをダウンロードしたり、使い方の説明が書いてあったり。文字通りCOTSでゲーム開発。

 メタルギアソリッドシリーズのいくつかの作品では実在する飲食品が色々出てきてたし、ちゃんと交渉すれば使えるんだろうけど。

 ポストアポカリプス的な世界じゃマキタ製品が使えれば強そうだけど、流石にねぇ。。。

 Quixel(Epic傘下のフォトグラメトリアセットライブラリ)の最近の動画で、市街地のゴミの動画があったけど、やはりというか、ライセンスで問題になるようなロゴはまったくない無地のものが多いんだよな。アセットとして公開しようとするとそのあたりは面倒なんだろうけど、あったら面白いと思うんだけどなー。




 PEAK(ゲーム)、一番最初のテレポート画面で表示される搭乗券の2次元コードをスキャンすると公式サイトのリンクが出てくるの、芸が細かくてすこ。まあ、PDF417なので対応のスキャンアプリが必要だけど……

 ラノベの挿絵でも絵の中のコードを読むと出版社の公式サイトにリンクされていたりするけど、こういうのってどれくらい読まれてるんだろう? ゲームにしろラノベにしろ、すでにそのコンテンツを見ているということは、公式サイトに誘導したってあんまり売上には関係ない気もするし、あくまでもイースターエッグ的なものであって、コマーシャル的な用途ではないんだろうけど。ゲームの場合、実況プレイ中の画面をスキャンして公式サイトに飛んで購入する、みたいな流れも作れそうではあるけど、とはいえQRコードならまだしも、PDF417なんて表示したところで…… 

 なお、航空会社のチケットに書いてあるコード(PDF417とか)には乗客の名前等の情報が書いてあったりする(OCRで読むのは面倒だから機械可読な形で情報が入っている)。ので、チケットの写真をSNSに投稿したりするときには注意する必要がある。郵便物とかもそうだけど、基本的に人間用の文字の横に置いてある機械可読なコードは人間向けに書いてある情報は大抵入っていると考えておいたほうがいい。



 オーストラリアのYouTuberが使ってる緑の養生テープ、芯の内側にDCMと書いてあって、3つのドットのロゴが書いてあるんだけど、なんでオーストラリアでDCMのプライベートブランドの養生テープが使われてるの??? 軽くググった程度だとDCMは日本国内にしか店舗は無いはずなんだけど。



 なろう系ローファン世界観のゲームって無いかなー。探せばそれなりに出てきそうではあるが。

 チュートリアルは画面の隅に表示されたコメ欄から指示コメの形で表示されたり、緊急クエストは鳩コメの形だったり、世界観を説明する資料は掲示板の形式だったり。古典的なRPGとはまたちょっと違う世界観が作れそう。とはいえゼンゼロみたいな現代~近未来の世界に比べてそう大きく差別化できるかというと怪しい気もする。高校生あたりが主人公で日本の市街地を日常パートにしつつビルか門かに入ればダンジョンに行ける、みたいにすれば、和風ではある。

 強い敵に遭遇したらコメ欄にWikiのリンクが表示されたり、付近で強敵がポップしたらその近くのプレイヤー風NPCの配信画面のリンクがコメントされたり。リンクを踏んだら通信料が徴収されたり、指示コメとかをBANしてアシスト情報無しでクエストをクリアしたらゲーム的になにか追加の報酬が得られたり。いろいろ考えられそう。

 コメやリンクはゲーム画面内の端末で表示できるけど、スマホアプリと連携したら自分のスマホでコメントを見たりWikiを開いたりとかもできそう。10年くらい前のゲームでそういう機能があったよな。コンソールと連携したスマホアプリでミニマップを開いたり、ゲームのコマンドを叩いたり。FFXIVのアプリもそういう機能があるのかな。ある程度古いゲームだとコンパニオンアプリがあるものもありそうだけど、最近のゲームではあんまりないのかな?

 配信者向けにYouTubeやTwitchの配信リンクを設定すればリスナーのコメントがゲーム内でスパチャみたいに表示される機能とかも作れそうだが。

 世界観はシャンフロっぽくもあるけど、あれは主人公がソロプレイヤーだし。そういえばシャンフロって今のところ(コミック最新刊時点で)配信者って出てきてないような気がするな。GGCの司会が配信者だった気がするけど、自分の配信を付けてるわけでもなかったし。



 エースコンバット7がこの間のSteamセールで安くなってたので買って積んでたのを消化。F-15Cに乗ったらMODE 3/Aのコードが9750に設定されてて笑っちゃった。

 難易度ノーマルで10時間弱でストーリークリア。3桁Hr必要なAAAゲームに比べればボリュームは少ないけど、とはいえある程度は周回するゲームだしね。

 エスコンシリーズは6がかなり好きで、かなりの時間遊んでいた気がする。当時(と言っても中古で買ったのでリアルタイムではないけど)は暇だったからそればっかり遊んでたというのもあるし。おそらく最高難易度(DLC除く)で全ミッションSランクとかやってた気がする。ただ、アサルト・ホライゾンは結構苦手というか、わりと嫌いだった印象。敵にミサイルを当ててもシステム上(少なくとも見かけ上は)ダメージが入らず、かといって放置していても進まず、とにかく何回も何回も攻撃を当て続けなきゃいけないシステムが好きになれなかった。自分で自由に飛行機を飛ばして攻撃する自由度がなくて、コマンドで攻撃しているような感覚(BF3のF/A-18ミッションが嫌いなのと同じ理由。こちらはもっと直接的にプレイヤーの思考が一切介在しない、完全に指示されたボタンを押すだけのシステムだからもはやゲームとも言えないような代物だけど)。

 AC7ではそういうのはほとんど無くなって、AC6に近い感覚かな。ただ、AC7では風の影響でめちゃくちゃ流されるようになったので、渓谷とか低空を飛んでいると気がついたら地面に激突していた、ということがままある(体感で場所によって300km/hくらいの安定した風が吹いてる気がする。それでFPMがビタイチ反応しないのが謎だが)。あとは、AC6にも増して無人機が増えたから、有人機で追いかけるのがめんどくせぇ、みたいな部分は若干フラストレーション。とはいえ、ボタンをポチポチしてダメージの通らない攻撃を続けないきゃいけない、みたいなシステムに比べればだいぶ遊びやすい。終盤のミッションだと難易度HARDでミサイル20発くらい撃って疲弊させないと1発も当たらない、みたいなヤツは居るけど。……無人機相手に疲弊を待つとは? まあ、戦闘機にMRM/SRM合わせて200本以上も積んでるゲームにあれこれ言うのも野暮というものだろうけど。



 WindowsのWEBPサポートってどれくらいあるんだろう? 試しにwebpファイルを壁紙に設定したら普通に設定できちゃったので、結構基本的なところで対応してるっぽい? ただ、一旦スリープに入れて再び起動すると(画像をストレージまで取りに行かせると)真っ黒な画像が表示されるから、OSの下の方(壁紙を管理しているあたり)では非対応っぽい。設定したときに見えるのは、GUI側はWEBPのデコードに対応していて、それで取ったビットマップデータを直接OSのバッファに渡して、という挙動なのかな?


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 このあたりでロビンソンはなかなか見かけない気がする。

 エキゾーストが左下なのでR44。R66の外観はR44とほとんど変わらないが、ジェットエンジン化してエキゾーストが中央上部にあるので、後ろから見たら条件が良ければ見分けられる。

 レジでググったらFlyTeamに同じデザインの機体の写真があって、法人所有のR44だそうだ。


 当該時刻のMode-3/A/Cログ

 Sq1200、FL14または35、Mode-S無し、といった感じ。Mode-3/Aは1200の一つしかないのに、同じタイミングで2グループのMode-Cが出ているのがちょっと不思議。FL14くらいのグループは明らかに強度が低いので、R44はFL35あたりのグループだと思う。おそらくたまたま同じタイミングでVFRの2機の信号が入ったということだと思うんだけど。


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https://www.jstage.jst.go.jp/article/sst/5/1/5_123/_pdf

 黒電話の説明とか。黒電話のダイヤル機構って金属製だと思ってたんだけど、樹脂なんだな。それで試験で300万回も回してるのか…… 湿度90%、温度は-20℃から60℃まで、後には公衆電話用に80℃まで拡張。凄まじい耐久性だ。オリジナルは金属製だったけど、金属は摩耗して20万回程度で規格を満たせなくなるんだそうだ。プラスチックすげーな。あまりに寿命が長すぎて電話機の販売で稼ぐことができなくなった、みたいな皮肉な結果も。


 関東大震災を機に迅速な通報を目的としてダイヤル式電話機や自動交換機を普及させた。いまやスマートフォンが普及し公衆電話は数を減らした。緊急時に使用できる電話機を設置することを法的に要求されていて、公衆電話はそれに該当するから通信規制を受けない。ところが東日本大震災のときには公衆電話が少なく、通信手段に欠くことになった。みたいなことも最後に書いてある。平時のニーズや経済性だけで技術の取捨選択をしていいのか、みたいな話。


 AMラジオ廃止論とかでも似たような雰囲気があるよな。スマホで情報収集ができるからって、災害時にスマホが使えるんか? AMラジオのほうが明らかに省電力だろ? みたいな。非常用の電源もセットで準備しておけばいい、というのは理想論であって、スマホユーザーの中のどれだけが非常用の電源(少なくとも1週間程度は使えるようなもの)を持ち歩いているのか。長期化すると基地局の非常電源に燃料を運ぶ手間もあるし。AMラジオは送信所の規模がデカすぎて、アンテナが損壊する規模で被災すると復旧が大変という問題はあるけど、少なくとも過去数十年くらいではその規模の損傷は経験していないはずだし。AMラジオは一方通行でしかないという問題はあるけど、被災時はスマホの電源は切ってAMラジオで情報収集して、必要なとき(情報を送る必要があるとき)だけスマホの電源をいれる、みたいな運用をしたっていいわけだし。

 HAPSでスマホを接続するにしても、これも経済性の問題があるし。日本全国をカバーするのには常時100機程度を飛行させておく必要があるし、常時空中待機させて置けるだけの経済性があるかどうか。地上待機させておくなら発災後の10時間程度は使えないと考えるべきだし、数十年に1度使うために地上施設を複数箇所用意して、そこに駐在する人員を維持するコストもかかる。普段から稼げないなら税金を突っ込むしかないけど、10年単位で全く役に立たない設備に税金を突っ込むのは、現在の日本では無理だろう。じゃあ普段から運用して民間が稼ぐしかないけど、移動体通信網が発達した日本でHAPSが稼げるかというと、おそらく無理だろう。では機材は他の国に貸与して被災時に日本に呼び戻すかというと、そんなことは全く論外なわけで。

 理想的には平時に使うシステムを強靭化して災害時にも不足なく使えるようにするべきだけど、東日本大震災ではそうはならなかったわけで。まあ、それを教訓に通信各社も強靭化を進めているところではあるのだけど。あと10年くらいすればスマホの衛星直結が普及しているかもしれないけど、どうなることやら。


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https://mitani.cs.tsukuba.ac.jp/lecture/old2015/cg/03/03_slides.pdf

 OpenGLの座標変換、透視投影周りの話とか。

 透視投影にFoVを指定する方法が書かれていない。


 gluPerspective — メモ庫 v1.0 documentation

 また別の透視投影の説明。さっきのPDFと説明が異なる。


 OpenGL の投影行列 | 雑記帳

 一番下の遠視法の行列表示がそれっぽいかな? 縦横比のaspectと視野角のfovy、それからfarとnearを指定して行列を得て、±1の正規化した立方体の範囲に入っているオブジェクトに対して、width/2とheight/2を掛けてスクリーン座標へ変換する。


 軽量なレンダリングエンジン(ちょっとしたワイヤーフレームの表示)を作りたいなと思って調べているわけだが、結局OpenGLを使うべきでは?って気がしてきている。あるいは、静的なデータだけ表示すればいいなら、座標類は適当なフォーマットでJSONで吐いてWebGLで描かせるほうが、C#でOpenGLを扱うより楽かもしれないけど。とはいえ、シンプルな図とはいえJSONで扱うにはちょっと大きすぎる気もするし。



 C:\Windows\System32にopengl32.dllが入っていて、dumpbin /exportsで見れば一通りの関数がそろっているし、これ叩いてどうにかならんのかな、と思って軽くググってみたりとか。画面に表示せずに画像として保存するのはスクリーンレスレンダリングというやつらしい。

 試しにC#でBitmapからGraphicsを作ってGetHdcでhdcを取ってからwglCreateContextを叩いてみたけど、ヌルポインタが帰る。GetLastWin32Errorでエラーコードを取るとCreateContextを呼ぶ前は0なのに対して呼んだあとは2000(7D0h)に変わっているから、こいつがエラーを吐いてるんだろう。

 しかし、OpenGLってググってもろくにドキュメントが出てこない。エラーコードは取れてもそれが何を意味しているのか全くわからない。

 C#やF#でOpenGLを叩いている人はいるらしいから、ちゃんと使えば.NETからOpenGLを使えるんだろうけど、気軽に使えるかどうかは怪しい気がする。自分で(ワイヤーフレーム程度とはいえ)レンダリングエンジンをつくろうとするよりは楽だろうけど。一旦使えるようになれば楽なんだろうけどなー。ドキュメントがあるならまだしも、ググって出てきた断片的な情報だけで使えるようにするのは結構面倒な気がする。



 自作レンダリングエンジンでテクスチャに対応させて、地図タイルを楕円体に貼り付ける遊び

 z=5(タイル1024枚)なら、このウインドウサイズであれば比較的軽量。z=6(タイル4096枚)はかなり厳しい。現状テクスチャ(ポリゴン)の裏表は判定していないので、その処理を追加すれば倍近くは早くなるはずだが。

 タイルは1枚256ピクセル四方だから、4096枚なら1辺は16384ピクセルで、16Kはゲーム用のテクスチャとしては巨大だけど、2Kテクスチャ64枚分と考えれば…… ちょっと多い気はするか。まともなレンダリングエンジンって触ったことないので目安がわからないけど。

 どちらにしろ、GDI+(2D用描画ライブラリ)のラッパーで3D空間(特にテクスチャ)を扱うのはちょっと荷が重いかな?


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 GPSの観測量をコード位相だけにした場合、つまり衛星と受信機の距離に約300kmの曖昧さがあるときに、時間方向の1msのズレはどうやって求めたらいいんだろうか、という疑問。

 位置の推定値が例えば100km誤っていた場合、曖昧さ(約300km)より小さいから、吸収できる。しかし例えば300km誤っていた場合は、誤った結果が得られる。

 そう考えると、時刻も1ms間隔で曖昧さがあるわけだから、時刻推定値はこれより良い精度で与えなきゃいけないんだろうか?

 位置の誤りは冗長な衛星(5個目以上の衛星に対する観測値)があれば、擬似距離残差に大きなRMSとして出てくるから、たいていは簡単に見つけられそうな気がする。例えばS/Aが実施されていない現在では、残差が100mを超えたときは観測値が誤っている、と推定できそうだし、観測値が300kmも誤っていれば、数kmでは収まらない残差が発生するはず。

 しかし、時刻が1ms誤っていても、衛星位置では接線方向に4m程度の差でしかないし、視線方向にはそれより遥かに小さな差しか観測されないから、擬似距離残差にはほとんど現れない。100msずらしてようやく残差に20mか30m増える、程度。

 通常の擬似距離を使う場合、時計誤差の成分は全擬似距離に同じ距離が乗るから、それがW軸に出てくるわけだけど、コード位相(&受信機時刻のミリ秒未満)だけを使う場合はミリ秒以上の時計誤差に相当する成分がないから、その値が得られないのは納得できる気もする。

 ミリ秒(±0.5ミリ秒)未満の時計誤差は計測できるわけだから、受信機の時計がその精度(実際には±0.1ms程度)に収まっていれば、ロックは維持できるはず。1ppmの発振器を使っていれば100秒程度はフリーランしていても引き込める。もう少し悪くて20ppmのクロックを使っていれば5秒程度しか維持できない。データレートが1Hz程度で良くて測位精度もさほど必要ないけど、時刻精度はそこそこ欲しい、みたいな場合は1秒に1回10msくらいサンプリングして、とかはできるだろうけど、そうでない場合は厳しそう。

 そもそもスナップショットGNSSのサンプリングレートって位置間隔で言えば数十kmとかを想定しているはずだから、そういう状況なら時刻精度も1秒程度で十分なんだろうけど。



 What Is Snapshot Positioning and What Advantages Does It Offer? - Inside GNSS - Global Navigation Satellite Systems Engineering, Policy, and Design

 スナップショットGNSSの説明。擬似距離の計算方法とか。整数ミリ秒の曖昧さがあるよ、みたいなことは書いてあるが、それ以上の話は読み取れなかった。後処理でどうにかする、みたいな感じなのかな?

 やはりスナップショットGNSSで時刻が得られない(整数ミリ秒の曖昧さを除去できない)のは正しい実装なのかな?



 Snapshot GNSS receivers for low-effort, high-gain space situational awareness - ScienceDirect

 流し読み。スナップショットGNSSでLEO衛星の運動を高精度に解析して、熱圏の密度を推定する。いくつかの衛星で熱圏の密度を精度良く推定できれば、それ以外の衛星の軌道減衰の推定も改善できる。スナップショットGNSSでSSAに役に立つデータが得られる。みたいな話だと思う。

 スナップショットGNSSの宇宙実証は結構歴史が古くて、早いものでは1997年まで遡るらしい(Centaur上段に取り付け)。まあ、当時は生データを連続的に長時間記録できる宇宙用のストレージ(&伝送手段)がなかったからスナップショットで取らざるを得なかった、みたいな理由なんだろうけど。


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 PRN137とPRN199をグラフ化する遊び。


 まずはPRN199(つまりGPSのエフェメリス)

 横軸が経度、縦軸が緯度。グリッドの間隔は同じだが縦横比は1でない点に注意。東経127.0度を中心に東西南北とも±0.1度の範囲を維持していることがわかる。


 緯度と経度を時系列で表示

 7月の4日頃と24日頃に経度が不連続になっている。摂動で西に動こうとしているのを、西端に達する前に東向きのインパルスを与えて一旦東へ送り出して、みたいなサイクルなのかな? 24日頃は緯度も不連続なので、この時は南北(軌道傾斜角)制御もやっているっぽい。


 高度の時系列

 4日頃と24日頃に高度が不連続になっているから、離心率の制御も一緒にやっていそう。まあ、ワンショットのインパルス噴射で東西制御すればそりゃ離心率も変わるだろうけど。


 PRN137(つまりSBASエフェメリス)も含めたグラフ

 LNAVとSBASから計算した位置の距離を表示している。

 LNAVとSBASのエフェメリスは同じものだと思っていたのだけど、こうしてみると10mから最大100m程度の差があるから、LNAVとSBASのエフェメリスは別のモデルで作っているらしい。軌道制御のタイミングで差は縮まるが、その付近(軌道決定前)ではピークで50km以上もずれる。


 LNAVとSBASの差をENU(LNAV基準)でグラフ化

 東西方向はかなり誤差が少なく、南北方向は最大で40m程度の差があり、上下方向は最大(定常時)で100mとか200m程度の差がある。


 LNAVとSBASのΔTsvの値

 LNAVのΔTsvはかなり小さい値で推移しているが、SBASのΔTsvはかなり大きくて、0.3usとか現在は0.7usあたりまで達している(LNAVでは約970usまで表現できるが、SBASでは約0.95us程度がリミット)。

 おそらくLNAVエフェメリスが実際の軌道情報を放送していて、SBASは軌道制御時に決定した軌道を伝播させていて、モデルと現実の差はモニタリング局で取得した擬似距離からの誤差情報をΔTsvに吸収させている感じなんだと思う。それにしても水平方向の精度がいいのに垂直方向の精度が悪いのが不思議だけど。

 LNAVのΔTsvは軌道制御のタイミングで0に戻しつつ、その前後で傾きが不連続。もしかしたら軌道制御に合わせて原子時計のバイアスも調整しているのかもしれない。

 SBASで使用しているモデル精度が悪いと視線方向の誤差をΔTsvで吸収する必要があって、あまりにもズレが大きくなると(具体的には0.95us * c = 約290mを超えると)誤差を吸収しきれなくなる。そういう場合ってどうするんだろうか。その時はその時でエフェメリスもろともリセットするのかな?


 PRN137と199は同じ原子時計を使っているだろうし、少なくとも同じ衛星から出しているんだから軌道情報はほぼ同じものが出ているはずだ、と思っていたんだけど、実際には別らしい。なんで個別に軌道推定するような面倒な運用を行っているんだろう?

 衛星(測位信号)の運用を行っている内閣府とSBASの運用を行っている国交省の縦割り行政とか? じゃあ電子基準点を運用している国交省が運用するSBASのほうが精度が高くあるべきでは? 電子基準点はone-wayだから奥行方向の情報が得られないから、とかなのかな。


 SBASではECEFの位置情報がダイレクトに放送されているから、これと比較すればケプラリアン(LNAV)の計算が正しいかどうかを簡易的に判定できるのでは、と思っていたけど、残念ながらそういう使い方はできないようだ。

 LNAVとSBASの差が実は計算ミスによるもので、実際は同じ位置が放送されている、という可能性もあるけど、その場合は上下方向の差とΔTsvが相関していることを説明できないから、おそらく正しく計算できているはず。


 衛星の上下方向を時刻で近似できなくなるような使い方、例えばMEOから斜めに見上げると問題が起きそう。とはいえ、わざわざ衛星軌道でSBASを受信する意味もないはずなので、実用上は全く問題ないんだろうけど。

 PRN199(QZSS L1 C/A LNAV)も軌道・姿勢制御時にクロックが不連続に飛ぶわけだから、なにか問題がありそうな気もするけど、100nsで30m相当なら、単独測位なら衛星受信数が多ければ最小二乗法である程度吸収するだろうし、相対測位なら衛星誤差情報が送られてくるまでの数秒間位置が少しずれる程度だろうし、それにしたって他の衛星である程度は吸収できるだろうし。搬送波を干渉するような用途の場合は、擬似距離が変化したところで搬送波はコヒーレントだろうから関係ないだろうし。実用上は問題ないからこういう運用なのかな。


***


 C#でマイナスのゼロをフォーマット付きで文字列化すると正数として処理したうえで負数記号をつけるんだな。つまり(-(0d)).ToString("+0;-0");を実行すると"-+0"が得られる。"+0;-0; 0"みたいなフォーマットを指定すると、正のゼロも負のゼロも" 0"が得られる。double.ToString(string)で正負のゼロを区別して文字列化するのってできないのかな? 今のところその必要性も感じていないので特には困ってはいないけど(強いて言えば"+0;-0"を指定したときの結果がキモいくらい)。


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