2019年9月13日金曜日

H-IIBの首振り

 [H-II Bロケット アビオニクスシステムの開発](https://www.jstage.jst.go.jp/article/kjsass/58/678/58_214/_pdf/-char/ja)

 「第1段エンジンをジンバルさせるための油圧アクチュエータ」

 H-IIAの電動アクチュエータ化の話探しても全然出てこないと思ったら、そもそも電動化してなかったんか。IIA#1の頃の資料で電動化予定って書いてあるからもうやってあるんだと思ったら。
 1段目は機体を倒したり、SSOとか打とうとするとガッツリ軌道曲げたり、そもそもエンジンが大推力だったり、トルク必要だから電動化は大変なのかね?


 [H-IIAロケットの新技術と初号機打ち上げ結果](https://www.jstage.jst.go.jp/article/stj/1/0/1_0_27/_pdf)

 H-IIとH-IIAでの首振りの油圧システムの図がある。
 H-IIでは、エンジンから取り出した水素ガスでタービンを駆動してポンプで加圧、アクチュエータから戻った油はタンクに戻していた(タービン駆動後の水素ガスはLH2タンクに入れてLH2加圧に使用?)。
 H-IIAでは、高圧Heで作動油のオイルタンクを加圧してアクチュエータに供給、アクチュエータからの油は外に排出するらしい。ただし、作動油へのHeの溶け込みの対策として、打ち上げ直前まではHe下流・作動油タンク上流の遮断弁で加圧しないようになっているらしい。

***

 H-IIAの初期の計画だと、LRBを1/2本使うような構成とか、LUNAR-Aだとペネトレータの耐衝撃が1万Gとか、あの当時の宇宙開発って面白いというか、すげーなー、と思ったり。どっちも実現してないのでやっぱり無茶だったのかなぁ、とも思うけど。

 H-IIAの初号機の頃の資料、資料によって差はあるけど、思ったよりちゃんとデジタルデータ(のっと紙資料スキャン)で残っててびっくり。そりゃ結構最近のロケットだもんね。と思ったけど、初飛行だとM-Vと4年くらいしか違わないんだな。2000年頃を境に紙資料からPDF資料になってる気がする。あと、ある時期より前はA4縦配置だけど、最近は横配置が多い気がする。パワーポイントの影響力かねぇ。
 あ、でも前述H-IIBの資料は紙スキャンだし、縦書きだし。まぁ、例外もあるということで……

***

 リンク集だとあまり自分の主観を入れないようにしているので(あちこち入り込んでるけど)、たまに個別エントリで作ると書き放題書けて気楽でいいなー。


 /* なんとなくアンテナの首振りと同じような感じでエンジンも首振りという表現を使ったけど、場所的には少なくとも首じゃないよな。足「首」ではあるかもしれないけど。 */


***
追記:2019/09/14
 IAのPDF読んでたらエンジンの「首振り」という表現が出てきたので、それなりに使われてる用語らしい。

***
追記:2019/10/02
 H-IIA#37の安全計画によると、H-IIAの作動油は84リットルが1個らしい。
 H-IIB#7の安全計画によると、H-IIBの作動油は84リットルが2個らしい。
 この容量はタンク容量で、最大量かな?

0 件のコメント:

コメントを投稿