そういえば、もうすぐOMOTENASHI他打上げだな。今回の宇宙の旅はひとりじゃないぞ! まぁ、ダイレクトに月へ突っ込むのは一人だけど。。。リコリコ、SLSの打上げタイミングまで気にして作ってるの? だとしたらしゅごい……
/* OMOTENASI、スピン安定だけど、固体燃料の試験の様子が凄まじいな。超巨大なねずみ花火みたいな感じ。動画で見てみたい。 */
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心臓を捧げよ!!
LCACのコックピット前部の小さいスペースはいろいろなイラストが書かれているらしい。どういう基準で描くものを選んでいるんだろうか。
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ぼくのかんがえたさいきょうのむせんきをえすでぃーあーるでじつげん!みたいなコンセプト。RF周りは業務用の無線機器と共通化してるんだろうか? LAN接続って例えばハブ経由で延長したりできるんだろうか。TCPとか使ってるなら1台の無線機に複数台のRFモジュールを接続してアンテナを選択したり冗長化したり、みたいなこともできるんだろうか? 業務用と共通化するならそういう機能があれば便利だろうし、機能としてはさほど労せず実現できそうだし、対応してても良さそうな気がする。PCからリモート運用できるらしいけど、本体側のネットワークを経由しなくちゃいけないのかな?
ここまでゴリゴリの多機能RFモジュールのクセして、拡張性が10GHzモジュール用のコネクタ1個ってのはちょっと微妙だよなー。適当なコネクタを1,2個つけておけば、あとからオプションでローテーターコントローラとか売れるのに。そこまでやるとPoEでは足りないとしても、電源配線を1本引くだけでローテーターやアンテナセレクタを外付けできる余地が残っていれば便利そうな気がする。まぁ、10GHzモジュールもIFやRFは通さずフルデジタルで通信してるっぽいから、デイジーチェーンみたいに使うこともできそうな気もするけど。
しかし、技術への好奇心・探究心を刺激する、なぁ。違法トラッカーしかいない田舎民としては、LoS専用のVHF-X帯の市販無線機なんて探究心とかミリも刺激されないバンドのような気がするけど。SDKとか公開して遊べるなら納得だけど、そういうこともないだろうし、ただハイテク無線機を買ってくるだけで満たされる探究心なんてそんなもの。
GPS基準でコヒーレント信号を作れるならQRPとかEMEで便利そうだけど、QPR用に低い周波数を出せるわけでもないし、EME用に高い出力を出せるわけでもないし。業務用無線と共用するならともかくとして、もしもアマチュア無線専用機として販売するのであれば、バランスが悪い感じ。アマチュア無線人口減って稼ぎ少なくなってきたから多機能な高価格機を売ってとりあえず売上増やそうぜ、みたいな印象。まぁ、ホビー用品だし、買う人がそれで満足するなら問題ないんだけど。どんどん高価格帯にシフトしてエントリーモデルが無くなって、世代交代のタイミングで完全に衰退しそうな雰囲気がある。ま、今更か。
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20日深夜、ALOSとQZS-4の接近。
やはりQZSはかなり暗い。月の影響もあるんだろうけど。
この時は時間的な余裕が大きかったので、ALOSの軌道がほぼ正確に対角線を通るような姿勢になっているはず。が、実際には少しズレてる。この程度が今の計算の精度ということかな。まぁ、予想してたほどは悪くない。f250mmくらいの画角なら十分な精度に収まってる。
晴れた夜は半袖じゃ長時間外に居られないくらい寒くなるし、厚い雲が垂れ込めた夜はどこかで暖房が付いてるんじゃないかというくらい暑くなる。宇宙は寒いし水蒸気の断熱効果は凄い。
遠赤外線に感度のあるセンサを外においておけばいちいち外に出て確認しなくても雲量とか把握できるんだろうな。とはいえ、そんなものを雨ざらしで放置するわけにもいかないので、運用は面倒そうだが。ゲルマニウムの窓か……
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軌道上物体、ALE-DOM 53314 19003Kという物が出ていたらしい。たぶんALE1号機に搭載されていたDe-Orbit Mechanismを分離したものじゃないかな? ALE-1自体は今は400kmくらいの高さにいて、ISSより若干低い場所を飛んでる(Ap/Prでは重なってる)。
ALE-1のDOM展開当初は「1年程度で400kmあたりまで降りてくる(ただし太陽活動に依存)」という見込み。2019年から2022年の頃はちょうど太陽活動周期24-25の隙間で、活動が穏やかな頃。DOMで軌道変更を行う時期としては最悪のタイミング。
ALE-DOMのTLEは7月28日07時頃の1回。27日にはALE-DOMは出ていないけど、同日に出た物体は衛星番号が飛んでいるので、レーダーでは検出していたが軌道決定はできていなかった、という状態だと思われ。で、29日にはTLEは出ていない。27日にALE-1からDOMを分離して、29日には消滅、という感じか。
簡易的にALE-1とALE-DOMの距離をグラフ化
26日22時UTCちょうど(日本時間27日07時)に0.2kmくらいまで近づくので、この頃に分離したのかな。もっとも、空気抵抗の大きい物体で1回しか出ていないTLEなので、精度がどの程度あるのかは怪しいところだけど。
ALEの地上局ってどこにあるんだろう? 関東に地上局があるとして、例えばTKSCを想定すると、27日7時3分(JST)に最大仰角9度のパスがある。仰角は低いけど、タイミング的にはピッタリ。その次は8時35分に30度のパスがあるので、7時のパスで分離信号出しつつ撮影コマンドを設定してタイマで何枚か撮影、8時半のパスで低解像度の画像を下ろして確認、みたいな流れは有り得そうな気がする。
そもそもなんでALE-DOMを見つけたのかって、そういえばALE-1って膜展開やってるから明るく見えるんじゃね、とTLEを探したことが発端。あと1ヶ月早く気がついていれば。。。
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試しに複数枚の画像の中央値を取ってきて画像化。視野内の衛星位置を推定してトリミングし、中央値の画像を吐き出す。
QZS-2付近のデータ。9枚分の中央値を取ったのが左下のタイル。うーん、びみょう……
試しに、去年撮ったインターバルを食わせてみた
国際符号の後ろの丸括弧内は中央値を取るのに使用した枚数を示している。衛星の推定位置が画角内に入っていれば採用されるので、実際にはこの枚数よりも少ない場合もある(特に枚数が少ない物体で顕著)。名前の下のm, e, iはそれぞれ平均運動・離心率・軌道傾斜角を示している。
3回以上撮影された物体は、当時のTLEで27個が存在していた。そのうち、およそ10個に輝点が確認できる。DEBのように小型と思われる対象や、採用された枚数が少ない衛星以外は、大部分が確認できる。
ほとんどの物体はすべて同じ位置関係で、予測位置よりも右側に出ている。時間はEXIFを基準にしているが、90秒くらいオフセットすると予想位置の直近あたりまで移動するので、軌道計算の誤差というよりも、カメラのタイムスタンプの問題な気もする(このカメラはRTCの精度がいまいち良くない雰囲気がある)。平均運動が大きい物体が写っていないのはタイミングエラーの問題もあるかもしれない。
10個の衛星のうち、ETS-8は極端に明るい。が、OPS 1948もかなり明るい。SIGINT衛星で、"79年打上げながら38mの展開アンテナを装備していたという情報もあるらしい。ETS-8が20m弱のアンテナ2個だから、事実だとすればかなりデカい。輝度を考えれば、相当な大きさの構造物であることは間違いない。
INTELSAT IVがかすかに写っている(視野内の2個とも)。打上げ質量1.4トン程度と最近の静止衛星に比べれば軽量ではあるが、大きさはかなり大きい。英語圏のWebサイトでも情報が錯綜している感があるけど、NASAによれば直径2.4m程度、全高(アンテナ等を含む)5.3m程度、くらいらしい。まぁ、NASAも単位変換間違ってることあったりするのでアレだけど。。。
PALAPA 1(Palapa A1)は見えないが、これは打上げ質量600kg弱、直径1.9mくらいと、INTELSAT IVより一回り小さい。Astra 1Hもかなり暗いけど、これは打上げ質量3.7トン程度と、かなり大きいはず。
動きの大きな衛星であれば線状に写るので判断しやすいけど、動きの小さい衛星や短い露光時間の場合は画素ノイズとの判定は難しくなるので、30枚前後の中央値を取ってくる処理は便利かもしれない。数ピクセル程度の動きがあれば画素ノイズは分離できるので、静止衛星を除けば対地同期軌道を含めて見やすくなる。
例えばQZSを撮るときは30秒露光で細長く写るような撮影条件に設定して確認しやすくしているけど、もっと短い時間で撮影できるようになる。露光時間を短くできるなら感度を増やしてもサチらなくなるし、暗い物体も潰れずに済む。うまいこと設定を合わせられれば検出確率も増やせそう。
ウチのカメラはインターバル周期が最短15秒程度なのでここがネックになりそうだが。かといって動画(29.97fps)はさすがに露光時間短すぎるし、解像度も低くなるし。
蛇足だが、平均運動と離心率の関係
横軸が離心率、縦軸が地表からの高度で、同じ色の線は、上が遠地点、下が近地点を示している。遠地点は近地点が高度100kmを下回ったところで打ち切っている。つまり線で描画されていない範囲は軌道として成立しない(実際には250kmあたりが閾値となるので、もう少し狭い範囲でしか成立しない)。
例えば静止衛星をトランスファ軌道に投入する場合、軌道傾斜角とかを考えなければ、遠地点は3万6千kmより少し低い場所(ドリフト軌道)に達するように設定し、近地点は200kmくらいに設定する。上の図より、近地点高度が200km付近で遠地点高度が3.5万kmに近いのは、平均運動2.0から2.5、離心率0.75くらいになる。実際、例えばH-IIA#43(JDRS-1)は、平均運動2.3、離心率0.724の軌道に投入された。
この点を踏まえてもう一度上の画像を見てみると、平均運動2.3前後で離心率0.7という物体が多いことがわかる。静止軌道を目標に写真を撮ると、静止トランスファ軌道へ投入されたロケット上段も多数観測できる。
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大量の画像をトリミングして中央値処理、メモリ消費量のバランスをとるのが難しい。10Mpxくらいのビットマップ画像を数十枚分メモリに置いておくとRAMに余裕がない。かといって都度画像を開くとIOアクセスがボトルネックになってめちゃくちゃ遅くなる。
試しにBitmapをMemoryStreamにPngで保存して持つようにしてみたけど、余計にメモリ食うようになった。C#のPng圧縮率って結構悪いのかな? ノイズだらけの画像突っ込んでるからそもそも圧縮率稼ぎづらい画像ではあるのだが。
頻繁に使うわけじゃない大容量データは積極的に仮想メモリにスワップさせる、みたいな指定とかできないものか。どうせRAM足りなくなったらスワップされるとしても、それをやられると全体のパフォーマンスが悪くなるので、アクセス頻度の低いデータだけ退避させてほしい。tmpフォルダ使えって話だけど、クリーンアップが面倒くさくてなぁ。。。勝手にクリーンアップしてくれてOS再起動したら完全に初期化されるRAMマジ優秀。
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軍艦のドアのマーキングの件。
ダメコン関連の資料に記載があった。
https://multimedia.3m.com/mws/media/906896O/damage-control-marking-guide.pdf
"Damage Control Closure Classification"という物らしい。WXYZの4種類を基本として、いくつかのバリエーションがあるらしい。
かなり前に書かれたダメコン関係の資料(空母エンタープライズの頃)
Operations Manual: Damage Control
これによるとVWXYZの5種類があるようだ。
Xは基本的に常時閉鎖。点検・清掃・修理などの場合にのみ開く。
Yは通常は開いているが、夜間等は閉じる。
Zは常時開いているが、戦闘時は閉じる。
XYZの3段階の中では、Xが一番厳しく、Zが一番ゆるい。この3種類はダメージコントロールに密接に関係しており、少なくとも戦闘時等には必ず閉じていることが求められる。
Vはダメコンへの影響はなく、戦闘時にも閉じる必要のないドア。Zよりも更にゆるい。
WはXYZとは逆に「戦闘時には開く必要がある(閉じてはいけない)ドア」だそうだ。火災等が発生した場合にはそこで食い止めるために閉じることができる。
アーレイ・バーク級の、外に通じるドア
DDG-105。大きな扉の中に小さな扉があって、そこに窓がついている。大きなドアはXで常に閉鎖、小さいドアはYで開放OK、窓の扉はZで常に開放OK。ただ、ここのXはNBC対策等を目的としたものではなく、高波対策とかの意味が大きそう。
別の艦の、艦橋構造後部
DDG-99。上の画像の反対側。この通路を進んでいくと上の画像のドアにたどり着く(左右逆だけど)。右端の開口部が通路で、後方側にはドアはない。艦内に通じるドアはX指定。
ウイング部
DDG-62。外側のマーキングは見えないが、内側はW指定。
DDG-64。小さいけど、左端の方に艦橋のドアがある。見づらいけど、ドアの外側にWマークがついてる。その奥に見える艦橋内のドアはZ指定。
DDG-64の反対側のウイング。内側はX指定。艦によって、あるいは内外によって指示が真逆。
DDG-54。おそらく除染室付近。フライトデッキの右側にある(DDG-54はFlight Iでヘリコプター格納庫がないので、フライトデッキの壁が1階分の高さ)。右端のドアが除染室に通じるドアで、その左側にあるのが艦内直通のドア。除染室はZ指定、艦内直通はX指定。
除染室の内側
DDG-105。もちろんX指定。105はFlight IIAなのでヘリ格納庫がある。格納庫の奥の方に除染室に通じるドアがあるはず。
DDG-74のどこかの扉、W指定。どこの扉だろう?
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小ネタ中の小ネタ
クラークと聞いてアーサーCクラークを思い浮かべるかウィリアムSクラークを思い浮かべるかでその人の属性がわかる…… なるほど……
北海道住みの僕としてはウィリアムのほうが印象強いかな。アーサーはたぶん『海底牧場』くらいしか読んでない気がする。amazonの購入履歴を見ると何冊か買ってるらしいんだけど、全く記憶にない。。。
映像編集の音声・動画のシンク、LEDとスピーカーからチャープ信号を出して映像処理・音声処理で同期する、みたいなソリューションってあるんだろうか? 音が入らないカメラとかの同期用。スマートフォンとか使うと空間情報も使えるから短時間で精度高く同期できそう。
Quixelのフォトリアルなキャプチャ、滅茶苦茶綺麗で、まぁフォトグラメトリ的なプロセスなのでフォトリアルなのは当然としても、静止画を普通に見ているだけだと実写かCGか判断できないようなクオリティなのに、それを動画にすると急に嘘くさくなる(=CGらしくなる)のはなんでなんだろう?
バイアスがかかっているだけで、実際には実写かCGかの判断なんてできていない、という可能性もあるけど。
落下25m走、おもしろそうだなー。Aエイチアイの仇はMエイチアイにとっていただきたい。あのひとたち固体燃料で浮上する製品とか作ってるから、スタートからゴールまでコース上を最短経路で高速移動できそう。さすがに各方面から怒られるか。。。
フライホイールで姿勢制御するようなチームが出てこなかったのはちょっと物足りなかった。最初に一気に加速して飛び出して、ホイールを逆回転して空中で180度マイナスのピッチング、背中から着地してバネの特性の差でプラスのピッチングをしつつホイールで姿勢安定、着地してそのまま走る抜ける、みたいなシーケンスは作れそうな気がする。もちろん車輪で走るのじゃ面白くないから、フライホイールから足を生やして4足歩行するみたいな構造を考える必要があるけど。
あの番組、ものづくり系の会社等に声をかけているけど、競技の内容と業務の内容はそれなりに離れているチームが多いので、試行錯誤を見せるとか「失敗してもいいじゃない」みたいな話にはし易いけど、競技として成立していない(完走が1チームしかない)点は見てて面白くない。ヘボコンと近いベクトルの感じ。そういう方向性が良い悪いの話じゃなく、僕の好みじゃないというだけ。
「失敗してもいいじゃない」を見せるだけでなくて、「大人が本気を出したらこんなにすごいものも作れるんだぞ!」みたいな方向性も見せてほしい。方向性がピッタリはまった会社を探せばアホみたいな記録が出せるはず。競技会として1回目である点をもってして「世界新記録!」と言ってはしゃぐのは自由だけど、胸を張って他の技術者や挑戦者に「俺たちが世界記録だ! 破れるものなら破ってみろ!!」と言えるような記録を出してほしい。
SpaceTrackのログイン画面の前後で特殊文字の復元に変なバグが有って地味に不便。例えば"/EPOCH/>now-30/NORAD_CAT_ID/<80000/"みたいな指定をしたときに、>nowはデコードされるのに<80000がデコードされない。特殊文字が駄目なので、/NORAD_CAT_ID/1--80000/みたいに範囲指定してやれば問題ない。
1988年の東芝のNi/H2, Ni/MHの資料、「単三電池が試作され、将来的には1000mAh以上が実現される可能性もある」だそうだ(現行の市販品だと例えばeneloopはmin1.9Ahやmin2.5Ah)。Ni/H2はセパレータにアスベストを使ってるのが時代だなぁという感じ。
「水素はクリーンで大量に確保でき、21世紀を目指す新しい電池と言える」だそうだ。実際のところは、2000年代に入ってからはLIBが急速にシェアを伸ばしていったわけだが。電池としてじゃなく、エネルギー貯蔵という意味では水素は注目されているけども。
LUNAR-Aフライトモデル用のNiMH電池一式、文科省の調達品の中に入ってる。落札日が「020403」としか書かれていないけど、資料内では上2桁の02が固定で、同じ資料にASTRO-EII関連(A-Eが2000年2月10日打上げ、A-EIIが2005年7月10日打上げ)が書かれているから、西暦2002年と思われ。ということは、2000年代に入ってからもL-A FMのバス機器に関する部品調達を続けていたのか?
2002年に買った電池なら、ノミナル運用で10年以内くらいだから、問題なさそうな程度ではあるのかな? IKAROSの運用では電力不足が悩みどころだったらしいけど、全日照の探査機なら電池容量が多かったところで関係ないし、緊急運用に足りる電力があればいいわけだけど、スピン安定ならよほどのことがない限りサンプレゼンスがなくなることはないだろうし、打上げ直後に足りる程度の電力があれば良いのか。分離姿勢によっては姿勢制御無しで発電できるだろうし。
ひまわりはSAPが小さいから暗い、と思っているんだけど、本当なんだろうか? SAPは光エネルギーを電気エネルギーへ変換するデバイスだから、光の吸収率は非常に高いはず。つまり拡散反射光に対するSAPの影響はかなり小さいはず。それの面積が見かけ上の輝度に大きく寄与するものだろうか? 静止衛星の見かけ上の輝度に大きな影響があるのは、反射率の高い大型アンテナが支配的な気がする。そう考えると、QZSが暗いのも納得ではある。準天頂衛星はLバンドアンテナのカバーが反射率高そうだけど。
QZS-5,6,7、SAPの大きさは2,3,4,1Rと同じ大きさなのかな。ただ、セルは変更されるらしい。2-1Rも5-7もGaAsのトリプルジャンクションだけど、発電量はEOLで6%くらい増えてる。DS2000のオプションで新しく追加されたものらしいけど、6%くらいだとわざわざ認定するだけのコストパフォーマンスが得られるかは微妙な気もする。古いものが入手できなくなったから、みたいな理由があるのかもしれないけど。
1号機(Si)と2号機の比較では、1号機(両翼3枚ずつ)の5.3kWから、2号機(両翼2枚ずつ)の6.3kWまで、面積あたりでは8割近く増えてる。ただし資料によって初号機が6kWと書かれていたり、2号機以降も6kWと書かれていたり、ばらつきがある。
5号機以降で使われるセル、型番をググるとキューブサットでよく見るようなやつが出てくる。セルの大きさのイメージ。80x40mmの角を切り落とした形状。ちょうど4インチに収まる。キューブサットの包絡域はレール端が100mmでレール幅が8.5mm以上なので、レール間は83mmくらい。80mmのセルはキューブサットに流用できる絶妙な大きさ。
QZSの地上局のアンテナ、クロスエレベーションを持った3軸のジンバルで駆動しているらしい。曰く、常時可視かつ非静止の衛星を追尾するために、配線の巻き込み対策として適用したらしい。ただ、QZSは(特に2号機以降は)実用衛星としての側面が強いし、安全保障関連とかに関わってくるせいか、情報がほとんど出て来ない。地上局のレドームの中も撮影禁止だそうだ。そんなところの情報を制限したところで……という感じではあるけど。
xELを持ったアンテナ、古くはADEOSの頃に採用されて、新GNにも適用されているらしい。船舶向けの衛星通信アンテナ(船の動揺ので駆動速度が大きい)でもよく使われているそうだ。クロスエレベーション、採用例が多い割に説明が少ない。
クロスエレベーションを使ったジンバルは、極座標のジンバルの上に直交座標のジンバルを載せたようなイメージかな。極座標系は方位360度(あるいは540度等)、仰角90度(あるいは180度)で自由に動くことができるが、天頂方向の特異点では駆動速度が劣化する。直交座標のジンバルは、前後左右に10-30度程度の狭い範囲しか駆動できない代わりに、範囲内では性能の劣化は無い。実際には、極座標と直交座標で共通の軸が一つあるので、これを共通化して、アジマス・エレベーション・クロスエレベーションの3軸で制御を行う。この方式だとxELの駆動範囲が広くなるので、大きな構造が必要になる。例えば東芝の監視カメラ向けの自動追尾ジンバルみたいな物ではもう少し違った制御(&構造)を使っているらしい。
JARE57で砕氷船にxELを含むジンバルを積んで、カメラで太陽追尾を行って大気中のエアロゾル観測を行ったそうだ。が、A4用紙1枚くらいの簡単な報告が出てくるだけで、装置の詳細とか解析結果とかの話が見当たらない。
某大学の小型衛星、推進系の軌道実証を目標としたやつ。サクセスクライテリアが、ミニマムがCWの受信、フルがHKの取得、アドバンスドが実証機器の動作、らしくて、ちょっと目標低くねって気が。推進系の実証はあくまでも相乗り程度の感じだったのかな。まぁ、それでも打上げ後短期間で通信途絶しているので、かろうじてフルは達成できたかな、くらいらしいけど。
で、2号機は5年ほど前に打上げ予定だったけど、完成が間に合わず、当該ロケットはダミーマスを積んで打上げ。それ以降の話は出てこないので開発はキャンセルされたのかな? Raspberry Pi/Linuxをメインコンピューターとして使って、eneloopを電源にする、みたいな構成を考えていたらしい。この組み合わせで軌道実証できたら面白そうではあるが。
1号機で積んだ推進系は宇宙実証できていないが、2号機では衛星自体が大型化し、推進系も全く異なる構成にする予定だったそうだ。なんかもう、傍から見たらグダグダって感じの衛星プロジェクト。まぁ、あの頃の日本の大学関係の小型衛星プロジェクトらしくはあるか。
/* 日本の小型衛星界隈、一時期は雨後の筍の如く出てきた参加者が、やる気のないところは一通り淘汰された感がある */
衛星を撮影していて、やっぱり固定姿勢でなく追尾がやりたくなってくる。Cマウントにf35mmくらいの光学系ならNEMA17クラスのダイレクトドライブでも駆動できるけど、ミラーレスのデジイチにf250mmのレンズとかのクラスだとそういうわけにもいかない。
鏡で2回反射させて折り返して、集光系は固定、鏡だけ動かす、みたいな構造なら楽なんじゃね、とか思ったり。AN/AAQ-40みたいなイメージ。人工衛星が相手なら1軸の制御だけでも追尾できそうではあるけど、パスごとに光軸調整が必要になる。2軸を制御するなら設置時にキャリブレーションすれば、極論すれば無人で自動運用も行える。ADS-Bで飛行機追いかけるみたいな遊びの余地もあるし。
3次元空間の指向(2軸の制御)ができれば、運用中に動かない程度の剛性で支えればいいので、今みたいに微動付きのクッソ重い三脚とかも必要なくなる。運用の機動性が上がるのは嬉しい。
ただ、比較的画角が狭く、小口径の光学系を使うとは言え、平面鏡で2回折り返すとなるとそれなりの面積の鏡が必要になるはず。小さな3Dプリンタで作るには心もとない。っていうか、ガッタガタの3Dプリンタで光学機器作るなんぞ。。。やっぱりCNCフライスとかでそれなりの精度の部品を作りたい。どこかにマシニングセンタとか無いものか。
それと、やっぱり新しい世代のボディ欲しいなぁ。キッチリ制御するならカメラ側にもSDKが提供されてないと、フィードバックが回せない。
高い機材が欲しくなったときはたいてい飽きの前兆現象なので、衛星の撮影もそろそろ飽きそうな雰囲気。ある程度の大きさの衛星なら撮れば写るのはわかったので、興味が薄れてきたというか、なんというか。





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