終盤にちらっと映るアンテナは三菱電機っぽい気がする。ただ、三菱電機の静止衛星通信用の大型アンテナは副鏡の支柱がもう少し複雑な形のはずなのだが。単に解像度が低くて見えていないだけなのか、あるいは受信メインの設備なのか、違うメーカーの製品なのか。/* 通信用に大電力を放射するカセグレンアンテナは支柱から特定方向に強い反射が出てしまうので、Dragon Tailと呼ばれる、文字通り竜の尻尾のようにギザギザした形状になっている */
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コンパクトな機械だと、M1を一回り大きくした感じのM2と、M1/M2と同じような規模感のターニングセンタT1/T2が追加? ターニングセンタはともかくとしても、低価格帯のシンプルな機械はやめるみたいな話を読んだばかりだったのでM2の投入はちょっと驚き。
M1は写真を見る限りごく普通のコントロールパネルがついている感じだけど、M2/T1/T2はアルファベットキーの無いシンプルなコントロールパネル。本当に必要なキーだけを配置した感じ。かといって2画面のCELOSみたいにソフトウェアキーボードが使いやすいような感じでもない(画面はもちろんタッチ操作対応だろうし、必要ならソフトウェアキーボードも表示できるだろうけど)。
機械の前に立ってGコードを直接入力するような使い方は全く想定していなくて、予めPCで加工プログラムを作ってシミュレーションもやって一発で動くコードを作って、ネットワークから空いている機械を探してプログラムを流し込む、みたいなソリューションをまるごと売り込もうとしている感じ。最低限の加工は対話式で可能だろうけども。
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STM32G474RE@170MHzのADCで遊ぶテスト。試しに6bitのデュアルADCで8.5Mspsでサンプリングして、複素テーブルをミックスしてヘテロダイン変換、CIC(R425,N2)で20kspsまで落として、NCOをミックスしてゼロIFへ落とす処理を書いてみた。これで6割くらいのリソースが食われる。さすがに6bitは垂直分解能が低すぎる気がする。8bitなら約7.08Msps、10bitなら約6.07Mspsが設定できる。分解能とナイキャストのトレードオフ。コアクロックを1%程低い168MHzに設定すれば、8bitで7Msps、10bitで6Mspsに設定できる。
とりあえずそこそこのサンプリングレートで取れるのは確認できたけど、ダウンサンプリングが大変。8.5MspsからSSBとかの復調まで走るかな? 計算リソースに余裕が無いので、ループはおろか構造体すら使えないようなベタ書きコーディングで、一つ一つの動作確認が大変。局所最適に落ちて抜け出せなくなる。
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CIC2段+FIR1段の周波数応答の計算
てきとーに数字をこねくり回して作ってるので正しい図かはわからないが。
見た目のわかりやすさのために、CICはそれぞれR4, N6、FIRはn95で0.1-0.3の補償フィルタ、という感じ。CICで16分の1になっているので、FIRの通過帯域は0.00625-0.01875で、帯域内はほぼフラットな特性。サイドローブは一番高いところで-50dBくらい、それ以降は-80dB以上切れている。
複数のCICをカスケードする場合、Nが同じであればRの積のCICと同じ応答になるはず。単純に計算量が増えるので、目的のR/NのCICを1段で組むほうが良いわけだけど、例えば32bitマイコンで64bit演算はかなり重い処理になるので、分割したいときもある。
あるいは、1段目はN2、2段目はN5、みたいな設定も可能。単純にRの積で近似できなくなるので補償フィルタとかを作るのは大変だけど、1段目のNが小さいからほとんどフラットに近似できるので、2段目のCICの補償だけでも十分な特性になるはず。1段目は例えば6Mspsだが、これをR12N2で落とせば500kspsで扱いやすくなるので、これをさらにR10N5で落として50kspsまで下げ、さらにFIRで4分の1に落として12.5kspsで素直な特性のフィルタを作る、みたいな感じになる。それでも結構な負荷になりそうだけど。
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なぜか古いテレビとかの資料を漁ってる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej1978/32/5/32_5_382/_pdf
1977年頃のテレビ。マイコン制御とかリモコンとか、だいぶ近代のテレビに近い感じ。
平成生まれからすると昭和って昔話の世界観だけど、CG-47タイコンデロガだって就役は昭和58年だからな。昭和後半近くはだいぶ情報化が進んでいる時代だ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej1954/9/3/9_3_74/_pdf
日立は重電関係で強かったので、発電施設の遠隔監視を目的に’50年代中頃からテレビカメラ装置とかにも関わっていたらしい(別の資料だと同時期に一般向けの受像用アンテナとかも作っていたらしいから、テレビシステム全体に関わっていたのかもしれないけど)。特に水力発電みたいに遠距離の監視が必要な場合は91.25Mcで変調して高周波を同軸線で運んでいたらしい。この周波数であれば市販の受像機を使えるので便利だとか。同じケーブルで周波数分割して制御信号も送る。ジンバルとか、投光器のON/OFFとか、いろいろ。同軸ケーブルは傾斜地に敷設するのでアルミの軽量なもので、インピーダンスに注意して製造され、敷設後には窒素ガスを封入して防湿したらしい。受像機は市販のテレビだけど、音声信号がないので音声受信部は除去してあるとのこと。
https://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1969/10/1969_10_08.pdf
日立の15型カラーテレビのオールトランジスタ化の話。真空管では消費電力が330Wだったところ、トランジスタ化で70Wまで下がった。トランジスタは予熱が不要だから、電源ONで即起動できる。ブラウン管は予熱が必要なので常時5W程度を入れておく。ブラウン管は予熱しておくことで長寿命化も。
テレビの受像機はトランジスタ化がかなり積極的に受け入れられている感じがする。
https://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1969/11/1969_11_11.pdf
「輝くばかりに明るく美しい色彩、鮮明なカラー画像」すごい。
白黒テレビは昭和44年度中にはすべてトランジスタ化する予定。通常の真空管式では起動するのにおよそ30秒かかる。トランジスタ式なら1秒で起動できる。定電圧電源によって、電源電圧が変わっても揺れたりせず、「クーラのスイッチの投入時にも、びくともしない」だそうだ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej1997/57/12/57_12_1657/_pdf
当初は白黒テレビのトランジスタ化だけど、不良や故障が多くて営業や販売店からの信用が得られなかった。信頼性を含め様々な面で徹底的に改良を行う目標を設定。
カラーのブラウン管には白黒に比べて数倍の大電力が必要になる。日立は社内で半導体の生産からテレビの設計、販売まで一貫して行える体制。一番厳しいトランジスタに対しては、全数に対して実条件での最悪テストを実施、壊れなかったものだけを出荷するように半導体工場へ要求。歩留まりは悪かったと思うが市場不良は皆無に近かった。販売店はトランジスタ回路に不慣れなため、修理性を考慮してモジュール化。壊れた基板だけを取り替える。生産時にもモジュールごとに調整ができるので生産性や品質確保にも好都合。
オールトランジスタ化により、消費電力は半分以下、故障率は10分の1以下、ブラウン管以外は半永久的な寿命。瞬時に受像を開始でき、明るくて鮮明な映像。カラーテレビの普及期に重なったこともあり、飛ぶように売れた。オールトランジスタカラーテレビは税制優遇があったので、真空管式と同じ価格帯で販売しても十分な利益が得られた。税制優遇は期間限定だったため、早い段階で参入したメーカーに利益が大きいから、製品開発のインセンティブにも。
他社の真似ではなく、独自技術で開発を行った。トランジスタに関しては先輩技術者がいないので、若い技術者が活躍し輝いた時代だった。同時期にはモトローラがオールトランジスタカラーテレビを販売していたが、生産量は少数にとどまっていた。
テレビ技術は米国の後追いだったが、カラーテレビの開発では日本が競争力のある製品を開発できた。半導体やブラウン管などで日本が国際市場へ躍進する原動力となった。
https://www.shmj.or.jp/makimoto/pdf/makimoto_01_01.pdf
日立の半導体関係の歴史の話。ファイル名の連番で膨大な量。トランジスタからメモリ、マイコンとか、アーキテクチャの問題とか。
2005年前後のどこかだと思うけど、一時期H8マイコンを少し触っていたことがあって、電子工作キットみたいな感じで今で言うScratchみたいな開発環境と一緒になっていたやつ。その記憶があるのでH8も2000年以降の製品だと思っていたんだけど、実際にはそうとう古い製品なんだな。H8が’88年頃、SHが’92年、くらい。もっとも、H8とSHは価格帯(性能)が違うから初心者向けの電子工作キットにはH8が使われ続けていたんだろうけども。
1972年のテレビ関連の話で「近年における若年労働者の減少と、労務費の高騰に伴い、省力化および原価低減の要求が強まり、(以下略」みたいな話が出てくる。’68年の工作機械の話でも労働人口が減少しているので数値制御で省力化したいよね、みたいな話があったけど、会社や業種を問わず人口減少みたいな話はあったんだな。
真空管とは縁遠い生活だったからなぁ。いや、電子レンジを使ってるだろとか昔はブラウン管テレビを見てたじゃないかとか今だって衛星放送を見てるじゃないかとか突っ込まれると困るけれども。アナログ回路をほとんど触ってこなかったのでトランジスタの特性も理解しているとは言い難いけど、真空管はそれ以上に未知の分野。真空管を多用した回路図とか見ても何がなにやら。一度くらい触れておくべきか。しかし、今どき真空管というとオーディオアンプくらいしかないんじゃないだろうか? オーディオも特に興味はないからなぁ。Bluetooth最高! 高NRRイヤホンしか勝たん!! 最近の真空管は高周波大電力に適しているイメージ。オーディオはその対極という感じ。
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今週はターミナル・リストを見たりラノベを4冊くらい読んだりしてたので進捗ありません。デジタルコンテンツやばい。どんどん時間食われる。
気まぐれにSTM32で遊んでるけど、特に作りたいものがあるわけでもないしなぁ。どうしたものか。
未読のPDFも溜まってるし、当面はこっちかなー。
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