2025年9月10日水曜日

小ネタ


【3Dコラボ】みんなと全力で遊ぶ~キッズの心を持って~【にじさんじ】 - YouTube

 気配切り、まるでホラーゲームのような悲鳴からの綺麗なヒットコール。石神、おまえサバゲーマーだったりするんか……???



 カイロス2号機失敗はノズルセンサー異常が原因 対策した3号機で比較検証へ | TECH+(テックプラス)

 アクチュエーターの反対側にセンサーをつけてノズルの回転中心を推定したりするのはイプシロンでもやってるはずで、カイロスでは単にそれを踏襲した(or結果的に同じ構造になった)に過ぎない気がする。けど、イプシロンってノズル周りでのトラブル(打上げ失敗とか)はやってないので、このあたりの話をどこで読んだのかは思い出せない(M-Vとかで読んだのかも)。

 対策としてワイヤハーネスの「クランプ点追加」「クランプ点変更」を重点的に挙げているのが謎いな。センサ本体の不具合ではなくて、ケーブルの振動とかで被覆が破れたりとか、そういう不具合だったんだろうか? あるいは、振動で静電気が発生して、それの放電でノイズが乗ったとか。


(前略)、問題が起きたのはひとつのセンサーからの信号のみで、電動アクチュエータ自体は正常に作動していた。ソフトウェアの工夫で対処できた可能性もある。

今回の場合、電動アクチュエータ側とリファレンスロッド側のストローク信号の動きがまったく連動していない時点で、何らかの異常が発生したことは容易に把握できる。にも関わらず通常時のロジック通りにノズルを動かしてしまっていたわけで、ここにまだ工夫の余地はあったかもしれない。

 最近の宇宙機はこういうふうに言われるトラブルが多いような気がする。HAKUTO-Rミッション2もLiDARの不具合で減速が間に合わなくて、「LiDARを過剰に信じないロジックなら成功してたのでは?」みたいな話とか(H-Rミッション1も似たようなものだったし)。頻繁にこう言われるのはソフトウェアが管理する範囲が広くなった証なんだろうけど。

 ただ、月着陸みたいなある程度時間軸方向に余裕のあるミッションならオンボードで慎重なロジックを組んだり、あるいは地上からコマンドで指示したりできるけど、ロケットの場合(特に姿勢制御系)は制御帯域幅が広い(一瞬で判断しなきゃいけない)分で、ハード故障をソフトでリカバリするのは大変そうだ。複雑なFDIRロジックを組んだところで、複雑になった分で故障(ソフトウェアならバグ)の可能性が増えたら本末転倒だし。

 センサが2系統(アクチュエータ側+対角側)しかない場合、相反する値が出てきたときにどちらを信用するかという問題もあるし。アクチュエータの制御信号に多少の振幅の正弦波を与えてフィードバック信号と相関を取るみたいなことは考えられるけど、それにしたって可動域でサチったら意味ないし(サチらないように制御するとかどうにでも対応できるけど)。

 あるいは、衛星は電源や熱環境が厳しいし、長期間(数ヶ月)に渡って(特に高トータルドーズ状態で)正常に動作する必要があるけど、ロケットの場合は比較的余裕のある電源(一次電池)を使って、稼働期間も早ければ数百秒から数分(第1段)、長くても数時間程度(最上段)だから、全体で見ればどちらが有利とか不利とか断定するのは難しそう。結局そういう機能が必要ならそれが成立するシステムを作るだけだし。


 しかし、jtSPACEのロケット(VP01)でもそうだけど、第1段がタンブリングしたあとに分離してそのまま第2段に火を入れるってロジックはどうなんだろう。SS-520-4の衛星分離みたいにシーケンスを進めても危険度が増えないようなイベント(分離したところでΔVが無いので落下地点に大して変化はない、とか)ならともかく、推薬に火を入れるのはもうちょっと慎重にやったほうが良さそうな気がするが。

 VP01はたぶん第2段も風見安定だろうからフライトコントローラは大したものは積んでないだろうけど、カイロスの場合は誘導をやるうえで各種センサを乗せているわけだから、第2段の点火判断(インヒビット解除)に角速度を入れてあっても良かった気がする。角速度センサが故障したら点火判断を誤るけど、とはいえ角速度センサが死んでたら以降の誘導もできないわけだし。追加のセンサとかも必要ないし、ロジックも非常にシンプルだし、角速度でリミットして点火を判断するみたいなのはあまりリスクを上げずに実現できそうだが。

 タンブリングしてるときに点火してもどうせやばくなったらそこで止めるし、極端にぐるぐる回ってるなら火を入れようが入れまいがあまり変わりはないし、それなら事前想定範囲から逸脱しない範囲で振り回してでもフライト実績を得たい(第2段の点火とか、極限環境での応答を見るとか)、みたいな判断なのかもしれないけど。そういう状態の電波環境で正常に判断・指示ができるかはともかく、まあ、それくらいは考えて設計しているだろうし……


 SRB-Aの資料を軽くググってみたけど、後方から見た図にアクチュエータは書いてあるけど、その対角側にセンサっぽいものが書かれていない。SRB-Aってノズルのセンサ単体は乗せてないのかな? 基本的にSRB-Aはコアから指示されたロール制御だけ担当しているだけだし、コアは大きな慣性モーメントを持っているし、多少の誤差は問題にならないということなのかな。イプシロンは慣性モーメントがめちゃくちゃ小さくなっているので許容できないからセンサを追加したのかも。

/* 固体燃料ロケットの電動TVCを比較した表に「モータ定格推力」と書いてあって、うーん、紛らわしい */


 蛇足だけど、アクチュエータに振動信号をいれるのは、たぶんFGM-148ジャベリンで使ってると思う。誘導用のアクチュエータがON/OFF制御(二値制御)なので、それを高速に切り替えながら、デューティー比を調整することで中間の制御量を与えているらしい。ただ、これは小型なミサイルの小さなフィンだからできることであって、MNTVCとかでそのまま使えるものじゃないけど。

 ただ、二値出力のアクチュエータは、M-VのSMSJが使っている方式ではある(イプシロンのSMSJは中間値を出せるようになっている)。M-V SMSJみたいに二値制御でいいのは単純なパルス幅変調で制御できるから便利そうではあるけど、アクチュエータが片側で固着した場合に過大なトルクが発生する欠点がある。Ep SMSJの複雑な構造を考えるとシンプルなM-V型のほうがいい気もするけど、Ep SMSJは大幅に数を減らしているからトータルではやはり3値(orさらにその中間値?)を出せるイプシロン型のほうが制御側からは楽そうではある。



 prime videoのCM、なぜか酒ばっかり出てくる。ビールとか、焼酎とか、ハイボールとか。ターゲティング広告なんだろうけど、酒なんて全然興味ないぜ? いや、まあ、イギリス人を茶化すためにウイスキーをググったりはしたけど…… あと、amazonで何年か前に安酒の小さい瓶を1本買ったか。それ以外で買ったアルコールが入っているものといえば、除菌用のアルコール綿とか。ターゲティング広告でほとんど全部を酒にするような履歴はないはずなんだけどなぁ。

 あと、prime videoの広告、普通の商品(amazonで扱っている商品)とか、あるいは他のprime videoのコンテンツでも、商品へのリンクがないのがかなり不便な気がする。なんでワンクリックでカートに入れるとかウォッチリストに入れるみたいな導線を用意してないんだろう。



 ウェザーニュースアプリ、フルスクリーンの広告が表示されるとAndroidの戻る(Pixelなら画面外側から水平にスワイプ)操作で閉じれないのめっちゃ不便。表示される頻度は低いけど、それ故に戻れないというのを覚えていなくて、何回も広告外をタップしたりスワイプして消そうとして、一向に消えてくれないので、ストレスフル。



 日没直後に飛んでたやつ。ベル412みたいな機体。

 f910mm、APS-C、トリミングなし。1/60s、ISO6400。

 Fr24に機影無し、Mode-CでFL45付近を飛行。腹にレジが書いてあるけど暗くて読めない。

 ホイストが付いてるから警察とか消防の機材だろうけど、このあたりをよく飛んでるヘリはもう少し近代的な見た目が多い気がする。


 Flyteamでベル412を探すと北海道警察のJA01HPってのがいるらしい。

 別の画像をトリミング&色調整。読もうと思えばJA01HPと読めないこともないかな、という気もする。


 Mode-3/A/Cだけで、E/ESは無し。インコヒーレントっぽ。



 某アルバム、とりあえず注文はしたもののサブスクで聴けるしな、と思ってたら、CD限定曲(少なくともYTM未配信、Spotifyで探しても出てこない)があるのか(曲というか、リミックスだけど)。積んでて良かった光学ドライブ。

 Pioneerも光学ドライブから撤退したし、最近のゲーミングPCはフロントパネルがガラスだから光学ドライブ自体取り付けられないし、ノートPCだって光学ドライブを積んでいないものが多いし、スマホだってもちろん光学ドライブ搭載モデルなんてないだろうし、CD限定曲とか売られても最近の若者はどうやって聞いてるんだろう? スマホ用の光学ドライブとかもググれば出てくるし、方法がないわけではないんだろうけど。これ、幅広い年齢層に向けているように見えて、実は光学ドライブに固執する30代とか40代とか以上が購入することを想定して作ってるとかそういう分かると怖い系の話だったりする??

 久しぶりにiTunesを開いたら、最後に取り込んだCDは2023年だって。それ以降にもCDは買ってるけど、結局YTMで聴くし、そもそも以前は古いiPod touchを使っていたけど、最近はAndroidだからiTunesに取り込む必要性を感じてないんだよな。



 某宇宙プロジェクト(終了済み)、神棚を買って置いていたらしいんだけど、「宇宙システムの定石である冗長系の考え方」に従って、2つの神棚を置いていたらしい。紆余曲折はありつつ概ね大成功といった感じなので神棚は効果はあったとのこと。

 ぐぐってみると、神棚を複数置くのは問題ない、という考え方が主流らしい。というか、昔は神様ごとにそれぞれ神棚を設置したりしていた時代もあったそうだ。

 冗長系に複数の神棚を置くのはいかにも日本らしい運用なのかな? 海外の宇宙開発ってそういうのはないんだろうか。欧米の神様だとユーザーが活動するその場にユーザー端末を置くような状態はあまりない気もする。一番の末端は教会であって、それ以降は複数ユーザーが共有する形ではなく、個人で所有するアイコン的なものであって。

 そういえば『火星の人』でもそれっぽい話が出てくるよな。別のクルーが個人的に火星に持ち込んだ木製の十字架とか、あるいは地上スタッフの一人は多神教なのでたくさんの神様に願掛けしたとか。



 行列の掃き出し法の説明で3x3行列の各成分に1から9の自然数を入れて掛け算と引き算で処理すると最後の行がゼロ除算で発散するの、なかなかに面白い。よくある説明だと各成分を都合の良い値に設定してあったり、理由は説明せずに適当な場所で行の入れ替えをやっていたりで、あまり参考にならない感じが。

 GPSの行列はいい感じに分散するからあんまり手のこんだことをしなくてもいいよ、みたいな説明をどっかで読んだ気がするけど、計算の途中で偶然にゼロになる可能性は十分に少ないから、単に積と和で正規化していけば処理できるよ、みたいな意味だったのかな。



 国土地理院のSP3とエフェメリス(衛星が放送するケプラリアン)の差

 適当な日の20分程度をグラフ化。RAPのPG02とGPSのPRN2の差。SP3は自作の適当な処理で5分(RAPのデータ間隔)毎に8次(9点から)の係数を求めて、一番近い係数を使っている。縦軸はメートル(左軸、XYZ)と秒(右軸、S)。

 XYZには1次的な、S(クロックエラー)には2次的な傾斜があるけど、これは放送歴の精度に由来するものだと思う。Sはもっと低次な多項式でもいいらしいけど、4次元ベクトルの多項式で持っておけば計算処理が楽なので、XYZと同じ次数を使っている。


 ちなみに、4次(5点)くらいの係数を使うと

 みたいに、目に見えて振動が出てくる。

 8次くらいまでいけばグラフにして容易に見えるような振動は出てこない。


 また、奇数次を使うと、

 3次(4点)↓

 5次(6点、X軸だけグラフ化)↓

 みたいに、係数を切り替えた場所で不連続になる。ある程度次数を上げればジャンプは十分に小さくなるから、あまり気にしなくてもいいような気もするけど。あるいはうまく計算すれば除けるのかもしれないけど。



 固定点で受信した擬似距離を、複数の時間の組で位置座標を共有して測位演算する遊び。擬似距離の偶然誤差を測位演算の最小二乗法で吸収するような考え方。

 とりあえず適当な行列演算で処理。例えば6個の衛星の観測値が時間方向に100組あったとすると、行列Gは600行103列になるから、普通に(G^T * G)^-1 * G^T * dPRみたいな演算をやるとそれなりに時間がかかる。今回はお試しなので、double[,]で行列を作って普通に積を求めた(今回のGは例えば103列の中、実数が入っているのは3列だけで、それ以外の100列はほぼゼロ埋め(1箇所だけ1が入っている)だから、最適化しようと思えばかなり早くできるはず)。

 そうやって計算した結果は、元々の座標郡が水平面(正確には、地面に対して斜めに突き刺さった細長い楕円体の、短軸の大きさ)で半径15m程度に大半の座標が入るのに対して、100点を使った場合は半径4m程度まで小さくなる(高度方向も同様に改善する)。精度が3倍改善するのはそこそこ大きいけど、計算の手間とか計算コスト、あるいは固定点でしか使えないことを考えると、わざわざやるほどではないかな、という感じ。今回は10Hz100点で10秒間のデータだけど、10分毎に12時間とか24時間とか観測すれば、天球上を衛星が大きく移動するから、DOPの改善には有効かもしれない。ただまあ、実用的な測位であれば、数時間固定してサンプリングするのであれば、電子基準点と静的干渉させるべきだし、単独測位で精度を求めてもあまり意味はないんだろうな。

 で、試しに普通の単独測位から得られたECEFを単純に平均化したら、先の演算結果と全く同じ結果が得られた。なんでェ…… 実際に数値を比べたわけじゃないので本当に全く同じ結果が得られているのかはわからないけど、少なくともNMEAをGoogle Earthで見る限りは、全く同じ結果(計算が間違っていないのであれば)。

 時間方向で複数の観測値をまとめて測位演算する場合でも、共有できるのはXYZ座標だけであって、時間方向は独立しているから、結局は普通の単独測位で得たECEFを平均化したのと同じ結果になるのかな。

 空間座標は共有して単独測位の精度を改善する手法、みたいなのはあっても良さそうなのに、今まで見かけなかった理由もなんとなくわかった。やる意味がないからだ。納得。ECEFで平均化(移動平均)して同じ結果が得られるなら、軽い計算で出せるECEFを高レートで保存しておいて、あとから移動平均するなり、加重平均するなり、好きに加工するほうが使いやすいだろうしな。



https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/77/2/77_2_117/_pdf/-char/ja

 1960年代末頃? 測地の歴史や、人工衛星を使う方法の説明。



https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/79/1/79_1_49/_pdf

 1970年。人工衛星を地上から観測する事による測地。

 著者は終戦直後には東京天文台の天体写真係だったが、写真用の材料が入手できないので、その他の仕事に手を付けることにした。で、他国での天体観測との調和が悪い日本の観測結果を説明する作業を開始した。それによって日本の測地の原点の鉛直線が10~20秒角傾いていることを発見し、朝鮮半島や満州での測量が合わない結果も説明できるようになった。

 月による恒星の掩蔽を使って測地を行っていたが、月は地形(輪郭)に凹凸があるので、あまり精度があげられない(50m程度)。人工衛星なら時刻を1msで合わせれば7mの精度が得られるし、改良した方法を使えば時刻精度要求が下がる。

 その後は人工衛星を使用した測地が世界的に行われるようになる。スミソニアン天文台(SAO)が取りまとめを行って、世界中に観測網を敷いた。同様に人工衛星を打上げているソ連も観測網を作っていたようだ。

 フランスについては何も書いてない。近代的な地図を初めて作ったフランスが衛星測地に手を出さないわけがないような気もするけど、とはいえ世界大戦から間もない欧州だからなぁ(そんな時期に衛星を打上げてるフランスもすごいけど)。

 1969年12月に堂平で複数の観測機材の比較実験。SAOのベーカー・ナン、ソ連のAFU-75、国土地理院と海上保安庁はそれぞれ独自に開発した機材。「異常な記録的晴天続き」で無事に観測を終えた、とは書いてあるが、執筆時点で結果はまだ出てないのかな?

 日本では'69年にSLRの実験に成功しているし、堂平でもSLRの実験を行っているけど、この比較実験の時点では日本のSLRはまだ満足に動く状態ではなかったと思う(資料の中でもSLRの言及は無し)。

 三角網をつなげていくためには準拠楕円体を考える必要があったけど、人工衛星を使った測地では地心直交座標が直接得られるから、準拠楕円体を「追放」できると考えていたらしい。結局、衛星測位システムが普及した現代でも衛星システムで準拠楕円体が定義されているわけで、準拠楕円体を追放するには至らなかった。やはり既存の緯度経度を使う座標システムを残したかったんだろうな。緯度を最大0.2度弱動かせば地心直交座標(準拠楕円体ではなく真球近似)のatanで緯度が得られるようになるけど、世界中を20kmもずらすのはさすがに影響が大きすぎて許されなかったんだろう。/* 緯度経度を使うのはあくまでも測地結果を利用する側の話であって、測地を行う側は準拠楕円体は考えていない可能性もあるけど。GPSやVLBIとかの成果(ベクトルとか)だって地心直交座標で出てくるわけだし */



 内閣府・文科省が2年くらい前に書いたPDFを読んでいたら、「低軌道上での観測を継続するためには、重力に抵抗するために一定頻度で推薬を噴射する必要があり、衛星寿命等の課題が残る」と書いてあって、その直後には「静止軌道上に配置された観測衛星では、(中略)、重力への抵抗も不要となるが、(後略)」みたいな話を見かけた。

 LEO(特にSSO)に配置された衛星が重力の不均一性によって要求軌道から外れるから定期的に軌道保持のためにスラスタを吹かなきゃいけないというのは、完全に誤っているわけではないとしても、空気抵抗が支配的な気がするが。

 あるいは、静止軌道上でも地球の重力の不均一やあるいはその他の影響(地球重力、月重力、太陽光圧など)によって軌道がずれていくから、時々スラスタを吹かなきゃいけないので、静止軌道を使えば軌道維持に推薬を消費しなくてもいい、という話はちょっと怪しい。


 同じ資料の中で、分割鏡(せいめい望遠鏡やTMT、JWSTのようなやつ)を指して「(前略)一枚の大きな鏡として機能させる合成開口技術を研究開発する」という記述も出てくるけど、分割鏡はどちらかといえば開口合成の方だと思うのだが。

 補償光学みたいに能動的に光を位相レベルで制御する光学系は、反射型パッシブ開口合成に近い(基本的には周波数が違うだけで電波のPESAと同様の考え方ができる。電波の場合は空間が離散的、光の場合は空間が連続的、というような違いはあるけど)。合成開口は一つの開口を物理的に移動させることで仮想的に広い開口を作るものであって、考え方が根本的に異なる。電波の開口合成は離散的な開口を同時に使うけど、合成開口は一つの開口を時分割で離散的に使うような感じ。/* なお、この地球観測衛星は補償光学のような高周波のフィードバックは行わない方針だそう。まあ、大気中に鏡があるわけじゃないしね */



https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl/47/12/47_1007/_pdf

 2008年。ALOSの姿勢や軌道に関する知見とか。

 色々と書いてあるので一部だけピックアップ。

 STTはランダム誤差9arcsec@6mag、バイアス0.74arcsecを要求。CCD画素データも常時出力して後解析で使用。世界最高性能のSTTを開発したが、CCDが製造中止になったために同じものを作ることはできなくなった。/* そもそも宇宙用のVGAとかXGAとかのCCDってどういう用途で製造しているものなんだろう? */

 GPS受信機(GPSR)はL1/L2の擬似距離と搬送波位相を常時出力(12ch)。当初は受信電力の問題やEMC干渉でロックが外れることが多かったが、再プログラミングによって安定的に動作するようになった。

 その他、実績値とか、あるいは将来的な地球観測衛星のみならず、天文衛星に対しても色々と教訓をまとめている。



 Naval Gun Barrel Construction

 戦艦の砲の構造、特に尾栓や砲身の構造や強度、作り方の話。


 Built-up gun - Wikipedia

 第二次大戦頃の大口径砲とかを作るための方法。

 肉厚の圧力容器では、内側が塑性変形する(あるいは割れる)領域でも、外側では限界に比べてかなり少ない応力しかかかっていないから、厚肉の構造は強度には寄与しない(外側が強度を与える前に内側から割れが進行する)。複数層の円筒を焼き嵌めで重ねると、内側には圧縮応力がかかるから、内側が塑性領域まで膨らむ前に、外側のスリーブにも強い引っ張り応力が伝わる。ただ、応力は厚さ方向へ離散的に発生するので、あまり効率は良くないようだ。


 Autofrettage - Wikipedia

 現代的な砲身の作り方(他の圧力がかかる用途にも応用できる技術)。

 肉厚の円筒を内側から油圧等で負荷をかけて、内径は塑性領域まで拡大する。外径付近が降伏する直前まで負荷をかけるらしい。そこから圧を抜くと、内側は塑性変形で膨らんでいるが、外側は弾性で戻るから、圧縮応力になる。連続的にストレスがかかるから、build-upよりも効率がいいらしい(巨大な砲身を振り回して焼き嵌めとかする必要もない)。結局過大な引張応力をかけるんだからそこで割れないの?という疑問はあるけど、割れない金属が作れるようになったから実現した、みたいなところもあるのかな。


 最近は米軍の砲身工場(M777の155mm砲とか)の報道機関向けの公開が多いのでその時の動画も色々あるけど、それを見る限りは円筒を鍛造で整形して作るのであって、Autofrettageみたいに内側から圧をかけて膨らませて処理したりするのとはまた別の作り方っぽい。

 米海軍の戦艦でも大戦中は300発くらいでライフリングを張り替えてたのに、その後再就役させたときは火薬に薬品を添加して寿命を1桁くらい増やしたし、あるいはその後の砲身の作り方は全く違う方法になったし、冶金や化学の発達やら、運用の違いも相まって、一口に砲身と言っても構造や作り方は全く別物なんだろうな。

 たとえ第二次世界大戦の時代に現代の127mm砲を(プラットフォームごと)持っていっても、砲弾や砲身の補給は無理そうだな。当時も127mm砲自体はあるから砲弾や砲身は作れるとしても、ケミカルが作れないから砲身寿命が1桁下がるし、砲身にしても強度が大幅に下がるから発射時の圧力を下げざるを得ず、初速が落ちるから命中率も悪くなるし、射撃管制も作り直さなきゃいけないし、射表も取り直さなきゃいけないし。元々の薬室周りをそのまま使うなら砲身は当時の水準に比べてかなり細いだろうから、強度が劣る分で交換頻度もかなり高くなりそうだし。


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