2017年12月10日日曜日

イージス艦のCICのスケール

USSTiconderoga(CG-47)CIC

 タイコンデロガ級イージス巡洋艦1番艦 CG-47"タイコンデロガ"のCICの写真。
 1984年3月1日、あるいは1984年3月13日17字29分撮影(前者はファイルの説明に書いてあった日付、後者はディスプレイに表示されている日時)。


 左から2番めのディスプレイ、AAW(対空戦闘)の状況表示だが、レンジは256NM(海里:ノーティカルマイル/Nautical Mile)と書いてある。
 レバノンで作戦行動中の写真だそうだ。
 ということで、ほい、レバノン周辺の衛星写真。


 黄色い円は、半径256海里の円。おおよそ、ディスプレイに表示された海岸線と一致している。
 ということで、RANGE SCALE 256NMというのは、「半径256NMの円に内接する正方形の範囲」(正方形:ディスプレイのアス比に依存?)という感じらしい。対角で512海里、辺方向で約360NMの範囲を表示している?


 表示されたアイコンは海軍戦術情報システム(NTDS: Naval Tactical Data System)に準拠しているが、wikipediaのアイコンとは違い、単色で表示されている。
 味方は円、的は辺が斜めな正方形、敵味方不明は辺が水平・垂直な正方形、中立は辺が水平・垂直な多角形、で表示される。
 海軍のシステムなので、洋上目標(船舶)が基準。船なら円形、航空目標なら円の上半分だけ、水中目標なら円の下半分だけ。ミサイルなら噴射炎っぽい記号が増えたり、ヘリコプターならローターっぽい記号が増えたり。魚雷は円形に水平線が追加される。魚雷は水中目標ではなく、水面目標の扱いになってる。地上目標はクロスで表され、仲間はずれ感がすごい。
 上の写真では、マップに水上目標や空中目標がいくつか書いてある。地上目標のアイコンもある。いくつかの空中目標は破線で表現されてるけど、どういう意味なんだろうか。
 ASWディスプレイでは、対潜戦なので水上だと思うんだけど、水上にも地上目標のアイコンが有る。あと円形の味方や正方形のアンノウン以外に、斜め四角の敵アイコンもいくつかある。

 ASWディスプレイはスケール64海里で、海岸線の形からして、左上はキプロス島の半島の付け根南側で、右下の線はレバノン南西部(中西部?)の海岸線と思われる。画面の中央部大部分は洋上で、画面の中心は34d8'N、34d24'Eあたりかな。
 左上の海岸線上から伸びる線は長さが25海里くらいかな?25海里/1分なら約2800km/h(1500kt)、25海里/5分なら約550km/h(300kt)、25海里/10分なら約280km/h(150kt)くらい。
 同じ画面の洋上目標は、最大で3分の1くらいの長さなので、それぞれ500kt、100kt、50ktくらいか。船舶と考えると、アーレイ・バーク級で最大30ktくらい、フリーダム球でも最大50ktくらいなので、80年台前半ということを考えると、もっと遅くても良さそう。となると、30分後として30km/h(16kt)とか、長いやつは90km/h(50kt)とか? でもたかが100km/hでこの長さだと、イージス艦のコンセプトだった、対艦ミサイルの迎撃とかをやろうとすると、線の長さはこの10倍くらいになってしまう。

 必要に応じて速度スケールは変更できるのかもしれないけど、それにしては速度の説明が書いてあるようには見えないし、そもそも頻繁に変更しては状況認識に問題がありそうだから、ちょっと考えづらい気がする。

 うーむ、謎は深まるばかり。。。

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