2019年3月14日木曜日

キューブサットの自動撮影ミッション

 広角カメラで衛星直下付近を撮影。面白そうな対象(≒面白くない対象以外)を望遠カメラで撮影しストレージに記録、まとめてダウンリンク。

 対象の判断は、雲かそれ以外か、で判断?
 雲の判定は? 深層学習で判断?

 別の視点から。何を基準として「面白いか」「面白くないか」を判断するか。
 「一様な対象」、例えば雲や雪原や海洋や、こういったものは「面白くない」可能性が高い。
 逆に「高周波成分が含まれている対象」、例えば周期的な構造を持つもの(市街地等)は面白い可能性が高い。
 広角カメラで撮影して低周波成分が多ければ雲や雪原や海洋や、そういうものである確率が高く、高周波成分が多ければそれ以外の対象である確率が高い。

 最近のスマートフォン向け画像素子は、素子内部でJPEG圧縮を行ってデータを取り出すことができる。JPEG圧縮は周波数成分の空間分布を表したデータそのものだから、JPEG画像を解析すれば「面白いか」「面白くないか」を判断できる。
 あとは、広角カメラの画素の位置に対しての姿勢操作量のテーブルを作っておけば「領域x, yの周波数成分が高いのでこのエリアを撮影したい。ついては操作量テーブル[y, x]の値をリアクションホイールに与えて姿勢変更を行い、姿勢変更後に撮影を行う」というような運用が可能になる。

 画像を撮影できたとして、どうやってダウンリンクするか。GHz帯のトランスミッターを乗せる? 夜間に光通信? 要検討。

 撮影した画像もJPEGで取り出せば、周波数成分が高いエリアだけをダウンロードする、といったことが可能になるかも? データフォーマット次第か。


 ミッション機器として、十分な分解能を持った望遠カメラ、リアクションホイール、磁気トルカ、高速トランスミッター、が必要。
 広角カメラはそれほど大規模にはならないはず。
 Cマウントの光学系を使うと、地上分解能100mから50mくらい? ほんとにその性能が出るなら十分な気がする。キューブサットにも乗る大きさ。ほんとにその性能が得られるか?


 自前で姿勢制御ができるので、高速トランスミッターは細いビーム(数度?)に設定できる。パッチアンテナよりは有利か? RWの寿命が衛星寿命になる。ある程度の姿勢制御はMTQでも可能だろうが、細いビームを地上局に向け続けるようなアジリティは得られないはず。
 電波なら、2素子くらいのフェーズドアレイを構成? ノミナルは全素子を使って細いビームを送信。姿勢制御が行えない場合は一部の素子を切り離してビームを広げる。光通信なら、フォーカスを動かしてビームを広げる?
 コマンドや初期・非常運用にUHFくらいの無指向性は必須だろうし、そっちで頑張る?

 光学系をうまく設計したら、撮影と光データ送信を一つの光学系で行えないか? ただし、光通信だと通信の可否は地上局の天候に左右される。「運を天に任せて」ミッションを行うことになる。比較的小規模の光受信局を作って各地に分散配置?


 小型衛星で自動撮影ができたとして、どんなミッションが可能になるか。特に思いつかない。
 学習用のキューブサットで狙うにしては、RWや高速トランスミッターや、サクセスクライテリアが高すぎる。
 RWの信頼性がネックか。JAXAに3cmキューブを売ってもらう? RWの信頼性がクリアできれば、他のミッションは、ある程度代替が効くので、1,2箇所動かなくても「他のミッションは実証できたよね。次はフルで成功させよう」でつなぐことができる。

 ワイドエリアからの目標探索や、ピンポイント撮影は、JEMの機会を使って実証もできるか。まぁ、JEMに載せてもらえるだけの御題目を思いつけば、の話だけど。

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