2019年3月15日金曜日

開口合成と合成開口

 祝!笹本祐一新刊! ということで前巻からだいぶ時間が経ったので読み直してた。確か正月前後に読んだ記憶があるので、2年以上前か。

 で、パラボラアンテナを大量に並べた電波天文台(ALMAを含め)が「合成開口レーダー」として紹介されていたシーンが有った。
 これは放置ならん!

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 開口合成と合成開口の覚え方。
 まぁ、ちゃんと文字として覚えればいいんだけど。。。

 開口合成と合成開口は、英語でaperture synthesisとsynthetic apertureとして書かれる。開口はどちらもAperture。写真関係でもよく出てくる単語。
 合成は開口合成と合成開口で違う単語が割り当てられているが、頭文字はどちらもsになる。
 重要なのは、「開口」の頭文字が"a"で、「合成」の頭文字が"s"、という点。
 頭文字だけを書くと、開口合成は"as"、合成開口は"sa"、となる。
 asは複数形のsで終わるので、「複数のa」と読むことができる。後者は「sで終わらないから複数じゃない」とか「single apertureの略」として読むとか、そんな感じ。

 実際のところ、開口合成(as)は開口(アンテナ)が複数で構成されている。逆に、合成開口(sa)はsingle apertureと書けるように、1つの開口を使っている。

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 開口合成は、いわゆるフェーズドアレイレーダーのことで、最近の戦闘機のレーダーやイージス艦や、また複数のアンテナを組み合わせた電波望遠鏡も開口合成に含まれる。
 一方で、合成開口は、一つのアンテナを動かして仮想的に大きなアンテナとして使うもので、地球観測衛星でよく使われるSARがそれにあたる。また、戦闘機でもF-15EやF-35等で使われている。
 どちらもレーダーに関する技術で、特にF-15EやF-35は「開口合成レーダーを使って合成開口を行う」という構成だったりするわけだが。

 深宇宙探査機の測位だと、地球の自転を使って角分解能を向上させる手法もあり、近年はよく使われているらしいが、これは一つの開口で仮想的に大きな開口を作る技術なので、合成開口に含めることもできるかもしれない。

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