2019年3月11日月曜日

Int-Ball

 JAXA 「身近な宇宙開発」の実現へ。サポートクルー募集開始。(宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 2019/03/08 公開) - クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)

 ワイヤレス給電の研究、Int-Ball 3号機で使いたい、という感じ。

 Int-Ball 3のスケジュールが19年4月にクラウドファウンディング終了、7月頃から作り始めて秋頃に地上試験、という感じ。「1号機は9ヶ月で作って飛ばした」ということなので、この流れで行くなら3号機は19年度末(2020年前半)を目処に飛ばす、という感じだろうか。
 ところで、17年打ち上げのInt-Ballが1号機として、2号機はどこにいったんだ?

 n号機、というのが、開発フェーズと一致するのであれば、17年打ち上げの1号機がフェーズ1、20年打ち上げ?の3号機がフェーズ3、ということか。

 フェーズ1が「ラピッドプロトタイピングでサクッと実証」、フェーズ2が「ノーメンテで可動させたい」、フェーズ3が「物品管理や事故現場の調査、船外活動の予備検討」という予定。
 フェーズ2が省略されて一足飛びにフェーズ3、ということだろうか? まぁ、フェーズ2とフェーズ3は合わせて実証できそうな気もする。

 Int-Ball 1号機はUSBで充電していた。人間がコネクタを着脱する必要がある。
 ワイヤレス給電ができれば、かってに充電ステーションに飛んでいって自動で充電してくれる、みたいなことはできるはず。
 ただ、自動で充電したいだけなら、ワイヤレス給電にこだわる必要はないはずなんだよな。接点で問題ないはず。ワイヤレスだと高周波を扱うし、エネルギーも大きいから、国際宇宙ステーションの安全基準に対応するのは結構手間なはず。それでもワイヤレス給電を使う必要があるか?
 もしかして、これは船外で使うための布石だろうか? 真空中では電位差があると放電してしまう。ワイヤレスで充電するなら電極を露出させる必要がないので、真空中でも使えるはず。

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 リアクションホイールの写真にはBluetooth LEモジュールがついているが、Int-Ballも使えるんだろうか? BLEが使えるなら、外付けモジュールとの通信もBLEが使えるかも。

 外部にGN2のスラスタモジュールとかをつければ船外でも使えるようになる。4号機か5号機あたりでスラスタモジュールが付属するはず。
 Int-Ballでスラスタを使う場合にネックになるのが、推進剤の補給。電気はワイヤレスで供給できるとしても、高圧ガスを扱うのはちょっと面倒。人間が触らずに自動で接続・分離ができるカプラがあれば、便利そうだねぇ。

 例えば、超低高度衛星(SLAS)に応用すると、軌道上で自動で燃料を補給できる、ということになるかも。SLATSや、ETS-9は推進剤にキセノンを使っているが、高圧ガスの自動補給ができればこれらの衛星に対して推進剤の補給ができるようになる。通信衛星の場合は現状でも十分に長期間のミッションが可能で、わざわざ静止軌道まで上がっていって補給するメリットは薄い気がするが、SLASは推進剤の消費量が多いから、軌道上で補給できればSLASの「使い捨て」な運用が回避できる。
 ただし、現状のSLATSはキセノン+ヒドラジンの2系統なので、単純に気体を入れるだけではだめで、毒性が高く反応性の高いヒドラジンも補給する必要がある。もっとも、軌道上で推進剤を補給できるなら、PROCYONのような、電気推進もコールドガスもキセノンを使う、という組み合わせが現実的になるはずなので、ガス1系統補給できれば十分、というふうになるかもしれない。そうするとキセノンの値段がネックになりそうだけど。。

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