2020年1月10日金曜日

SRB-3の分離スラスタ

 IAの資料に書いてある図がいまいち分かりづらいので3Dモデルを作ってみた。



 あちこちデフォルメしてるけど、大きく外してはいないはず。
 3D化しても、分かりづらいものは分かりづらいなぁ。もう少し作り込んで、アニメーションの挙動を作って動くようにすればわかりやすくなるかな?

 形状としてはほぼ完全に軸対称なので、ターニングセンタで作るんだろうな。ガスジェネ周りとかロックピン周りは軸対称じゃないので切削だろうけど、それにしたってターニングセンタでワンチャッキングで加工できそう。

 いまいち腑に落ちてない部分がある。特に水色と黄色の部品が分割して作られているのが謎い。必要な強度が違うので、黄色の部品はより高強度な材料を使う、みたいなことなんだろうか? でも両方にネジ切って組んだりするくらいなら一体で作るほうがトータルでメリットが大きいと思う。
 そもそも概念説明用の資料を元にしているので、部品の分割とかはこっちが勝手に想像しているだけだから、誤って認識している可能性もある。


 SRB-3の分離試験は19年春頃?に行われていて、JDAにいくつか写真がある。が、分離スラスタ付近を拡大した写真はないので、あんまり参考にはならない。SLATSとかASTRO-Hのスラスタの写真を探したときもそうだけど、JDAは僕が見たい部分はあまりわかりやすい写真が無い。。。

 youtubeに分離試験時の動画がある。ダイジェストな感じだけど。
 ガスジェネの排煙が真っ黒。イプシロンのSMSJの排煙の色と似てる。同じような組成の火薬を流用してるのかな? 高性能化する必要ないし、むしろ燃焼温度低いほうが楽だろうし、アルミ抜いて樹脂増やせば別開発でも自然と黒くなってしまう可能性もあるけど。
 イプシロンの黒い煙、たまに熱電池の排煙という説明を見かけることがあるけど、これはH-IIA等の打ち上げを見ることで否定できる。H-IIA/BのSRB-Aも同様に熱電池を使っているが、黒い煙は出てこない。また、イプシロンの打ち上げの動画をよく見ると、黒い煙はロケット底部、左右2箇所から、それぞれ3方向に吹き出していて、内、前後2方向の煙が多く、残りの1方向(ロケット真横方向)の煙は少ない。これはSMSJの駆動モードに一致する。現行SMSJのガスジェネはスロットリングを行っていないので、推力が不要な場合はお互いに打ち消す2方向に同等のガスを噴射するため、煙が2方向に多く出ている。といったことから、イプシロンの黒い煙は熱電池ではなくSMSJの可能性が高い。

 SRB-3は首振りがなくなるけど、電源周りはどうなるのかなぁ。熱電池でなくリチウム電池で足りそうな気がする。シナジーイプシロンは首振りが必要なので熱電池を乗せるのかな? とするとH-3向けも同じコンフィグにするんだろうか? SMSJを大推力化して、SMSJだけで姿勢制御ができれば1段の首振りは不要になるけど、相当でかい推力が必要なんだろうし、SMSJはロール+燃焼終了後の姿勢制御に専念したほうがいいのかな。


 分離スラスタ、3Dプリンタで作ったらわかりやすいかな、と思う反面、3Dプリンタだと作りづらそうな形してるなぁ。作れないことはないだろうけど。

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