DS2000の場合、中央に円筒(セントラルシリンダ)があり、それを囲う箱がある。シリンダの内側に燃料/酸化剤タンクを配置し、またシリンダがPAFと結合されて、衛星の質量の大半を占める推進系の荷重を直接ロケットに受け渡す。
電装系は外側の箱の内面に取り付けられる。南北面に太陽追尾パドルが取り付けられ、東西面は分解が容易な構造になっている。箱の地球側にミッション機器を取り付けて、反対の面にアポジキックエンジンが取り付けられる。
ただし、ひまわり8/9のような極めて高い姿勢安定が要求される場合は箱を経由せず、セントラルシリンダに光学ベンチを直接取り付けて、そこにミッション機器や姿勢決定機器を取り付ける構造となる。
うろ覚えだけど、ボーイングだったかの海外衛星も、やはりセントラルシリンダの中に推進系を入れて外箱に電装系を取り付ける構造だった気がする。ロケットとの結合部が円形で、円形のタンクからの大きな荷重を受け渡す必要があるから、こういう構造が最適なんだろう。推進剤は質量変化が大きいから重心位置に近づけたいという理由もありそう。
他の衛星だと、例えばひとみ(ASTRO-H)であれば、焦点距離の非常に長い光学系を衛星の端から端の向こうまで通す必要があるため、衛星本体の中身はスカスカな構造。トラス構造で八角柱を作り、その外側のパネルで強度を出しつつ電装系を取り付ける、というような構造らしい。
最近の日本のX線観測衛星はわりと数奇な運命をたどるせいかいまいち情報が出てこない。ミッション機器は学術色が強いのでいろいろ出てくるけど、バス周りはほとんど出てこない。
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