2025年9月17日水曜日

小ネタ








 ALMA望遠鏡、日本が担当したのは12m4台と7m12台。12mはCFRPやインバーで熱変形を抑止したけど、7mは低コスト化のために主鏡に鉄を多用したんだそう。熱設計や熱制御で対応したとのこと。12mも7mも重さは同じなので(おそらく同じ機材でハンドリングするからだろう)、CFRPで軽量化した12mより7mのほうが重量配分で余裕があるので、熱変異の大きい鉄でも成立したらしい。


「いんばー」を変換すると「inバー」になるの、そういう商品があるんだな。

 inバー プロテイン | 森永製菓株式会社

 inゼリーのシリーズでスティックなタイプ。

 熱膨張特性とか測った人いないかな? 暇な大学生とかやってそうだけど。

 コンビニとかで普通に売ってるのかな? 今度行ったときに覚えていたら…… 「amazon等のネット通販で売ってるよ」とはいうものの、最近のamazonの飲食品は販売単位がデカいから試しに買うのに使えないのが不便。かといって地元で気軽に買うのも難しいのが田舎。いや、まあ、田舎なら自分で足を持てよ、という話なので、結局自己責任というか自業自得というか、そのあたりに落ち着くわけだが。



 10年くらい前にJAXAで検討していたらしいCOMPIRAという海面高度計衛星。その後の話が見えてこないので具体的に設計を始めるみたいな話までは進まなかったようだけど。

 衛星の左右にアンテナを1個ずつ積んで、X帯の干渉SARで海面高度を計測する。空間分解能5km、計測精度5-7cm、観測幅160kmを観測する。従来の海面高度計衛星に対して精度は若干悪いが、面的な広さに強みを持つ(従来の海面高度計衛星は衛星直下しか見えない)。

 干渉SARのミッション機器はSHIOSAIというらしい。これとは別に衛星直下を計測するための海面高度計も乗せるのかな?(SARは直下が見えないので) SHIOSAIのイメージとしてはShuttle Radar Topography Missionと同じかな。

 海洋のモデルは、遠洋は時間的・空間的にあまり大きな動きがないから、低密度な衛星観測でもあまり問題は無いらしい。なので、COMPIRA/SHIOSAIの高密度な観測データは沿岸域を対象にしているようだ。

 ただ、COMPIRAで計測できるのはあくまでも海面高度の分布だけだから、衛星を1機打上げて得られるリターンが少ない、みたいな理由で開発まで行けなかったのかな。あとは、同時期にNASAがSWOTというほぼ同じコンセプトの衛星を検討していたので、わざわざ日本がやらなくても、みたいな感じになったのかも(SWOTは仏加英が加わって2022年に打上げ)。


 軽くググって出てくる資料だと2015年辺りまでだから、理学側の検討はこのあたりで終わっているはず。

 ただ、2020年に防衛省が出した資料に、COMPIRAの名前が出てくる(あとはSLATSも)。防衛省としては海洋観測衛星はやはり欲しいだろうな。あくまでも期待しているというような表現であって、それを防衛省が主導して作るとかいう話ではないけど。それに、たとえ防衛省でそういう衛星を作ったとして、観測データは非公開になるだろうから、理学側もその衛星に対して協力するインセンティブがない。やりないなら勝手にやれば、てな感じで。かといって自衛隊が一から十まで全部担当して衛星を作るというのも大変だろうし。

 海上保安庁も日本沿岸の海流データとかは欲しいだろうし、海洋国家として重点的に海洋観測を行うような衛星があっても良さそうな気がするけど、MOS-1(1987年、'90年打上げ、'96年まで運用)以降この手の衛星ってなさそうな気がする。一応、GCOMシリーズがMOSの後続として書かれることはあるけど、これは放射計で気候的な情報を得るのが目的であって、海保や海自が欲しがるような情報はほとんど取ってないはず。



 1パスで干渉して地形を計測するやつ、既存のSAR衛星(orその小改造)でできたりしないだんだろうか。例えばALOS-4ではビームの複雑な位相制御を行っているけど、制御プログラムの改造とか、あるいは多少のハードウェアの変更が必要にしても、PALSAR-4あたりで対応するとか。大面積化してアクティブフェーズドアレイでビームを振るなら、両端の開口だけ使って1機でさらに干渉させるような。

 あるいは、1枚のアンテナでは難しいとしても、受信用の素子を横に突き出す感じにしたりとか。ALOS-4でもSPAICE3を横に突き出しているから、その先にL帯受信素子を1個追加して、感度はメインのアンテナで稼いで、受信用の素子は基線長を稼ぐだけ。このくらいなら比較的シンプルに作れるし、ALOS-4の後続機で相乗り実証とかできそうだけど。

 理学側からそういう提案とかってないんだろうか? L帯だと分解能悪くて使い物にならないから、みたいな理由はありそうだけど。

 標高の計測は測地側からも要求はありそうだけど、とはいえ地形みたいに変動の少ない成分なら1機の衛星(開口)で2回帰分の観測を干渉させればいいから、別のアンテナでも受信して1パスでDEMを作るみたいな要求はなさそう。あるいは、日本の場合はALOS搭載PRISMの視差でDEMを作ったから、絶対値はそれを使って、InSARで相対値を追うとかでDEMの更新もできそうだし。


 QPS-SARにL帯受信機を追加してALOSと同時打ちしても面白そう。同時に同じエリアを(面積は狭いとはいえ)L/Xの2バンド同時観測ができるし、L帯で長基線長の干渉もできるし。同じアンテナサイズでもL帯は波長が長いからビーム幅も広くなる。利得が下がる分はALOSの大電力でゴリ押しする。

 GPSを干渉させて基線ベクトルを決定したり、衛星間通信で測距したりパルスを同期したり。QPS-SAR側にL帯受信機を追加する以外は双方とも小改造で行けそう。



 将来のALOS/PALSARで、ALOS-2みたいに機体下部に水平にアンテナを付けるような感じに戻ったりしないかな、という空想。

 ALOS-4/PALSAR3ではDBFでビームステアリングできるから、もっと大きく振れるようにすれば水平なアンテナから機体の左右を観測できるようになる。単純計算で一度にALOS-4の2倍が見える。さすがにフルスペックで左右同時観測は難しいとしても、姿勢変更せずに左右を切り替えたりとか、あるいは感度や分解能を多少下げて左右同時観測をできるとか、ミッションの柔軟性が上がるのは良さそうな気がするが。

 運用中に大きく姿勢を振る必要がないから、姿勢制御系も楽になる。とはいえ、A-4ではRWは5台だから、減らしてもせいぜい4台まで、生存性を重視するなら5台あれば嬉しいかな、と考えると、ハード的には大して楽にはならない。SAPを振り回さなくて良い分で構造系が少し楽になるかな、くらいか。やはり運用の自由度(短時間で左右を切り替えて観測したり、あるいは同時に左右を観測したり)が大きなポイントか。



https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jpgu2019/STT45-P09/public/pdf?type=in&lang=ja

 ALOSのSARでDEMを作って既存のSARとの比較を行った話の概要。数cmから数十m、平均して9.94mの誤差だそう。比較対象のDEMのソースが書いてないからどう考えればいいのかわからないけど。2019年発表で国土地理院のDEMなら、ALOSのPRISMで作ったDEMが相手なのかな?

 L帯SARの精度は数mとか数十mとかなのかな。それともハードやソフトの工夫で改善できるんだろうか。



https://www.jstage.jst.go.jp/article/rssj/41/2/41_258/_pdf

 2021年。ALOSシリーズの解説。

 元々、海洋観測衛星(MOSシリーズ)と陸域観測衛星(LOS)が計画されていて、MOSはMOS-1/1bとして、LOSはJERSとして開発され、その後MOSは中断、JERSはALOSとして発展、という感じらしい。なるほどなぁ。

 JERSは'92年に打上げて、設計寿命2年を大きく超える'98年まで運用された。その間には兵庫県南部地震のInSAR観測を行うことでSAR衛星の防災利用が議論されるようになった。

 JERSには光学で立体視ができる機器も乗っていたので、DEMの作成も。光学はADEOSに引き継がれたが、こちらは短命だった。ADEOSと同時期に開発が行われていたのがALOSで、SARと光学をどちらも搭載しているし、立体視も引き継ぎ。

 ALOSはそれまでの日本の観測衛星の集大成という感じでもあるけど、まあ、運用(特にリソース管理)がめんどくせーということでSARと光学が分離されたのは御存知の通り。で、日本の光学大型衛星が途絶えたのも御存知の通り。。。一応、情報収集衛星まで含めれば現在でも日本の光学衛星の開発は続いているけど。

 各ALOS衛星の特徴とか役割とかの説明が色々。

 ALOS初号機の説明(制約)で、「光学センサは衛星直下の観測を基本とするため、SARは左右どちらかしか観測できない」みたいな説明は、ちょっとミスリーディングというか、不適切な説明な気がするな。光学と干渉するからSARが直下を観測できないわけではなく、原理的にSARは直下を観測することができないから、光学と同居していることは関係ない(さらに厳密に言えば、合成開口技術(衛星進行方向の解像度向上)自体は直下の観測も問題なくて、SAR衛星で直下が見えないのは別の技術的制約(軌道に直交する方向の解像度向上ができない)によるものだけど)。

 ALOS-5/6に向けて。私案だし、ALOS-3打上げ前の話だし、大した事も書いてないけど。


 ALOS-4が打ち上がって、次期レーダ衛星の話がそろそろ出てきてもいいはずだけど、いまいち見当たらない気がする。 設計寿命がALOSの3年、A-2の5年、A-4の7年と伸びているから、次期レーダ衛星は2030年代始めに打上げればいいよね、みたいな感じで時間的に余裕があるんだろうか。それにしたってあと5年程度で打上げなきゃいけないから、最近の日本の衛星開発の遅さを考えれば設計寿命中に打ち上げるにはそろそろ作り始めないと間に合わなそうだけど。



https://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/conf/symp/2003/tomioka.pdf

 ALOSの観測機器の説明とか。

 各種観測機器の観測幅や首振り範囲の図がわかりやすくて良いな。他の衛星でもこういう図ほしい。



https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/33-06-kaisetsu3.pdf

 2004年。電波のビームフォーミングを光領域で行う方式の説明とか。

 電波のバトラーマトリックスを光領域に持っていった感じ。注入ポートを切り替えるとビームを振れる。同時に複数ポートに突っ込むとマルチビームを作れる。光電変換を行うので一方通行のはず。/* RFのバトラーマトリックス回路は双方向に通せる受動素子(導波管デバイス)を組んでるから双方向に使えるはずなんだけど、Googleで検索するとAI曰く「バトラーマトリックスに双方向の機能はない」との回答が出る。en.wikipediaには送受信に使えると書いてあるけど */

 用途は軍用レーダー(ある程度のコストを許容できる、民間用に比べてあまり量を作らなくていい)や、あるいは最近(2004年時点)では携帯電話の基地局で、ROFで配る前に制御したりの用途を考えているらしい。かつては衛星用にも研究が行われていたけど、近年では地上の通信網が発達したおかげで衛星通信の需要が減ったのでそっちの研究はほとんど行われていないそうだ。


 この方式は最近(現在)また衛星通信が見直されて、これが研究されていたりするらしい。

 衛星で使うには光デバイスの放射線による劣化が心配だけど、とはいえハードウェアで(パッシブに)ビームフォーミングできるのは良さそうだな。ASICとかFPGAとかでデジタルに振るより圧倒的に省電力で済みそうな気がする。軌道上でビームパターンを変えたりできないから、そういうことをやりたいなら細いビームを大量に並べて必要に応じてそれらを束ねて使うみたいな工夫が必要そうだけど、それはそれで光回路が複雑になりそうだ。

 あとは、双方向に使えないはずだから、送受信を個別に作らなきゃいけないのが面倒そうではあるけど、ETS8みたいに送受信を分離して作るみたいな感じにすればいいか。大抵の場合は上り回線と下り回線で必要な帯域幅は違うだろうから、送受信のビームパターンは個別に設定したほうが便利だろうし。



 大型航空機搭載フェーズドアレイレーダのためのパラメトリック位相スポイリング【JST・京大機械翻訳】 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター

 2023年。英語論文の概要の機械翻訳。

「望ましいパターン合成のフェーズスポリングはフェイズドアレイで使われる一般的な方法であり(後略)」

 日本語でフェーズスポイリングをググっても全く出てこない。

 英語でphase spoilingをググると結構出てくる。

 Phase Spoiling Technique for High Power and Wide Beam in Alos-4 | IEEE Conference Publication | IEEE Xplore

 トップに出てくるのはALOS-4搭載PALSAR-3レーダの話。最近の日本の衛星ってぐぐってもほとんど情報が出てこないけど、情報公開に消極的になったわけではなくて、単に日本語論文が減って英語論文が増えたってことなのかな。


 フェーズスポイリングの考え方としては、素直に(綺麗な)ビームフォーミングを行うとビームが細くなりすぎるから、適当に位相をスポイル(乱雑に)させてブロードなビームを作る、みたいなモノのはず。シンプルにやるならいろいろな方向の細いビームを加算してマルチビーム全体で1本のブロードなビームに見えるようにするとかだろうけど、メインローブの形状だけじゃなくて、サイドローブを抑圧したりとか、色々な評価基準があるそうだ。



https://www.jstage.jst.go.jp/article/pscjspe/2022S/0/2022S_296/_pdf/-char/en

 2022年。

 光学望遠鏡で、光学系の規模が大きくなると変位の影響も大きくなるので、それを補正(フィードバック)するような手法の提案。鏡を6本のロッドで支えてそれぞれにアクチュエータを付けて、6自由度のスチュワートプラットフォームを作ろう、みたいな話。この手の機構は例えばALOS-3の副鏡でも使っているはずなので、そう目新しい話という気もしないが。


 精密に(解析的に楽な)制御をしようとするとピエゾアクチュエータで、みたいなのはわかるんだけど、例えばCFRPロッドのフレームにヒーターを貼って熱制御で頑張る、みたいな方向って無いんだろうか? 少し冷やし目に熱設計しておいて、MLIで安定化させつつ、ヒーターで熱を与えてロッドの熱膨張を制御して、全体の寸法を目標値に収める。

 応答性と解析性が悪いので日本の宇宙開発には不向きな感じもする。あとはマージン(解析誤差)を多く見積もろうとすると消費電力が増える欠点もあるか。全体の均一な熱膨張はルーバ大雑把にで制御するとかもできるだろうけど。

 熱膨張ゼロのCFRP材を作ってアクチュエータでアクティブに制御するのと、熱膨張率の絶対値はゼロより有意に大きい材料をヒーターで熱制御するのと、どっちが楽なんだろうか。

 赤外線みたいに極低温に冷却した鏡を使いたいならゼロ膨張材+ピエゾアクチュエータのほうが安心だろうし、補償光学みたいにミリ秒とかの応答性が必要ならピエゾのほうが有利だろうけど、常温系の鏡/構造で応答速度がさほど必要ないなら、熱制御でやるほうが楽そうな気がする。ピエゾアクチュエータはそれ用の制御回路とかも必要になるだろうけど、熱制御ならON/OFF制御だけでいい。とはいえ、あまりにスイッチング速度が遅いと材料の熱容量が負けるけど、数Hzとかで制御するなり、あるいは電流で制御するなりでもいいし。アクティブに熱制御を行うならCFRPみたいに高コストな材料でなく、鉄とかアルミでフレームを作ったりもできそう。熱容量の大きい材料ならヒータもON/OFF制御だけで良さそう。

 波面センサとかで直接ヒータにフィードバックしてもいいし、あるいは精密(高分解能)な温度センサがあるなら先に温度でフィードバックループを作ってもいいし。MLIの内側で恒温制御したうえでフレームの温度制御も行えば、MLIの外の環境変動(地球の影に出たり入ったり)の影響もかなり減らせるだろうし。



 ALOS-3の光学系、地上の試験で一通り動作確認ができているから軌道上実証はできてないけどセンサとしては十分に動くことが確認できている、みたいな話。ALOS-4のSARだと宇宙に持っていったら一部の機能が満足に動かないみたいな事態もあったわけで、地上でどれだけ試験したところで最後は実際に宇宙に持っていかないとわからない、というのが衛星の怖いところだと思うし、その点ではALOS-3は宇宙では動作確認を行っていないわけで。TDI CCDのコンセプトは一応SLATSで実証しているし、TDI自体は目新しい技術ではないとしても。

 せっかく苦労して光学系を設計したんだから、HTV-XでISSに運んでJEMのロボットアームに持たせて使えるようなモジュールを作ったら良さそうな気もするけどな。高度が下がる分で観測幅は減るけど、計算上の分解能は改善する。ただ、ISSは振動環境が悪いだろうから、振動由来のブレでだいぶ解像度が落ちそうだ。防振マウントを作ろうとするとさらに時間が掛かるし、そんなことをやっていたらISSの運用が終わってしまうし。ISSの前途がもう少し明るければ、ALOS-3の光学系をJEMに持っていって、みたいな未来もあったのかもしれないけど。

 それに、ISS/JEMにはHISUIが乗ってるから、それなりに解像度の高いカメラがあるんだよな。ALOS-3カメラを持っていけば観測幅は2,3倍、分解能は数十倍(理想値)改善するけど、わざわざコストをかけて持っていっても…… ハイパースペクトルカメラに比べればたかだか6バンドだし。



 Anvil firing - Wikipedia

 金床飛ばし。もっとアホっぽいイベントだと思ってたら、結構ちゃんとした由来があるんだな。

 おおむね、まともな使い方としては大砲の代用として使うことが多いらしい。祝砲代わりに使ったり、大砲っぽい音を出して威嚇に使ったり。黒色火薬さえ用意できれば砲身や砲弾がいらないから、武器として大砲が規制されている場合でも使えそうだ(火薬自体が規制されている場合はどうしようもないけど)。



 Project HARP - Wikipedia

 1960年代の中頃の、米海軍の16インチ砲を流用した高層大気の研究プログラム(HARP; High Altitude Research Program)。他にも5インチや7インチの砲も使っていたらしい。/* 陰謀論でよく出てくる名前の似ているヤツはHAARP; High frequency Active Auroral Research Program */

 16インチ砲はライフリングのライナーを抜いて16.4インチの滑腔砲として使ったらしい。サボット弾を使用して、受動的または能動的な観測機器を乗せていたようだ。例えばアルミ箔のチャフを上空から散布してレーダー観測することでその場の風速を計測したり、あるいはラジオゾンデのような機器を打ち出したり。およそ180kgの砲弾(84kgのペイロード)を15000gで2.1km/sくらいまで加速して180kmあたりまで打ち上げるそう。/* 1.5万gだと2.1km/sに達するまで1mちょっとしか必要ないから、1.5万gというのは衝撃のピーク値であって、加速度はもう少し小さいはずだけども */

 射撃時の音で近隣の住宅に破損(壁のひび割れとか)があったらしい。ただ、現地政府はそれに関する損害賠償請求を認めなかったので、周辺住民からは不人気だったそうだ。さもありなん。


 ロケットアシステッドな砲弾を使って、さらに高い高度であったり、あるいはペイロードを周回軌道へ乗せることも検討していたらしい。ただ、固体燃料が1.5万gもの加速に耐えられなかったそうだ。普通の砲弾であれば炸薬は充填率100%で詰め込んであるし、そもそも初速が低いから加速度も低いけど、固体燃料の場合は多かれ少なかれ多少の空洞が必要だから、そこから崩壊しそうではある。側面燃焼なら壁がボロボロ剥がれそうだし、端面燃焼だって全部がズルっと落ちてきそう。適当な詰め物(水とか)を入れて火工品で蓋をしておけば良さそうな気もするけど、1.5万gなんて物性の常識が通じるかも怪しいからなぁ。うまいこといい感じに減速してパラシュートとかで回収すれば損傷状態を確認したりもできるけど、コンピューターシミュレーションだって無いような時代だろうし。ポジティブに考えれば、耐衝撃性はそこそこ大きいからある程度大雑把な減速手段でもそれなりに健全に回収できる見込みはあるか。

 SS-520の弾道飛行のペイロードが140kgで、LEOのペイロードが4kgだから、16インチ砲で180kgを撃てばLEOに数kgのペイロードを投入できる可能性はありそう。ただし1.5万gに耐える構造分で実質のペイロードは減るけど。


 月ペネトレータの貫入時の衝撃が5000gだから、SpinLaunchはその2倍、HARPは3倍ということになる。一応ペネトレータは耐衝撃性はそこそこ見込みがついていたから、そこからあと2,3倍頑張れば…… いやぁ、大変そうだなぁ。

 ペネトレータは高感度な地震計(機械式の共振器)を持っていかなきゃいけないから大変そう(半田クラックとかも問題になってたけど)。それに対して最近の小さな衛星くらいなら軽い半導体とかMEMSとか色々使えるから、大型なハードウェアを持っていくよりは楽そうだが。


 SpinLaunchは1万gの遠心力から2.1km/sで打ち出して、60km付近でロケットに点火して、200kgのペイロードを軌道投入する見込みだそう。真空チャンバーで回転させて打ち出すよりは艦砲射撃のほうが楽そうな気がするけど、やはり火薬の取り扱いとかがネックなのかな? それにしたって軌道速度を得るための火薬は持っていかなきゃいけないから、なら最初から火薬を使うほうが楽じゃねって気もする。

 結局火薬を使うなら地上で全部燃やす砲弾型と途中で燃やすロケット型は似たようなものになるけど、砲弾型は火薬自身で火薬を運ぶ必要がないのが利点か。あと初速がアホみたいに速いので重力損失が多少減る? その代わり海面付近の濃密な大気をマッハ6程度の速度で(10秒とかのオーダーで抜けるとはいえ)通らなきゃいけないし、もちろん加速度も凄まじいことになる。


 極超音速の寸法のスケール則ってどうなってるんだろうか。常識的な物性だと、空気抵抗は面積に比例するがそれによる加速度(減速度)は質量に反比例するから、大きいほうが空気抵抗の損失は少ないはず。あるいは、エアロスパイクみたいなものを使えば規模を大きくしても抗力はさほど増えない可能性もある。とすると、ペイロード数kgのHARPよりは、ペイロード数百kgのSpinLaunchのほうが、空気抵抗の損失は少ないんだろうか?

 60年代というと電池や信号処理だってろくな性能がないだろうから、今同じ質量割当でなにか作れと言われたら、結構ちゃんとしたものが作れるはず(2kgあれば、構造質量を別にすればキューブサット1個分の衛星は作れる)。それに、第二次世界大戦中に使われていた砲身を流用した当時の砲に比べれば、現在の冶金や化学で作った砲や装薬のほうが性能はいいはずで、今HARPと同じようなものを作れば、当時よりはマシなシステムになるはず。

 が、そういう構想が出てこないってことは、やっぱりどこかに問題があるんだろう。一番ありえそうなのは兵器としての規制が強いとか? それにしたってロケットなんてICBMと同じじゃねーかという話になるし。大砲で衛星を打上げるというのはいかにもゲームやマンガの世界観っぽい感じでウケ狙い以上に見えないから予算が集まらない、とかの話はありそう。


 軌道投入できる大きさの砲身が1本200トンとして、周辺設備をあわせてもせいぜい数千トン程度で作れるなら、あまり大きくない貨物船にも載せられるくらいの規模。まあ、汎用の貨物船からそのまま撃ったら船底が抜けるだろうから、汎用船から気軽にシーロンチできる、というわけではないだろうけど。それにコンテナを10本取り回すのと200トンの貨物を取り回すのでは全く違うだろうしな。

 大砲で軌道投入とかは、真面目に検討すれば面白そうな題材ではあるけど、とはいえ最近の火砲だと大きくても155mmとかそのあたりだから、大口径の砲を作るとなると工場から作らなきゃいけない。バカでかいロケットを作るのだって工場から作るのは変わらないわけで、火砲で低コストに宇宙に行ける見込みがあるなら誰かやるだろうし、誰もやらないってことは……



 40ftコンテナに収まる大きさの地上発射型ロケットって無いんだろうか? ロケットの中で比較的小型なエレクトロンでも全長は60ft位あるから、40ftコンテナには収まらない。SS-520の全長10m弱なら2m程度の余裕を持って40ftコンテナに入れれる。SS-520を一回り太くして、立てたコンテナからそのまま打てるようなロケットがあれば、海上の好きな場所から打てるし、運搬も既存の設備をそのまま使えるから楽。固体燃料は色々剣呑だから、液体燃料を想定。LOX/LH2/ケロシンはコンテナタンクで運べば燃料系も既存の設備(港湾施設を含む)で容易にハンドリングできるから、ロケット打上げシステム全体の物流コストがかなり安くなる。

 衛星はロケットに積んでからコンテナに詰めて荷物として運んでもいいし、あるいはせいぜい数十kg程度のペイロードだから、船の上で組み立ててもいいし。海面がある程度穏やかなら、数十kgなら人力でも作業できる規模。もちろん適当な補助設備を使えば多少荒れた海でも安全に作業できるし。ロケット自身は海運で安く運んで、衛星は近くの空港まで貨物機で迅速に輸送して、そこで待っていた貨物船に積んでから発射海域へ移動する間にロケットに乗せたり、あるいは発射海域で待機している船へヘリコプターで運んでもいいし。

 しかし、ロケットの運搬コスト(陸上を含めた任意の場所へ気軽に運んで打てる)を勘案しても、SS-520より一回り大きいサイズとして、ペイロードは10kgとか20kgとかだから、小型衛星としてもかなり小さい部類。実用的な衛星を打とうとすると50kg~300kgくらい欲しいだろうし、40ftコンテナ数個で打てるロケットはちょっと厳しそう。

 コンテナ容積に対してロケットはかなり余裕があるから、例えば第1段を40ftコンテナに収まる大きさにして、第2段を隙間に詰め込んでおいて、打上げ直前に第1段と第2段を結合し、さらに衛星を収缶したフェアリングも結合して、エレクトロンくらいの大きさのロケットを作る、みたいなことは可能だろうけど、作業工数が増えるとその分作業コストが増える。

 どちらにしろコンテナを立てるジグは必要なわけだから、80ftくらいのジグを作って、その上にロケットが入った40ftコンテナを乗せて、残りの空間で第2段/フェアリングを結合する作業領域を作って、とかは考えられるか。

 あるいは、コンテナの中から打とうとするとホットロンチにしろコールドロンチにしろコンテナ側で色々と追加設備が必要になるから、コンテナ自体のコストが馬鹿にならない。せっかく周辺設備を使うなら打上げ用に耐える部分も別で持っておいたほうが楽そう。例えばコンテナから先に第1段を引き抜いて、その途中で第2段/フェアリングを結合して、コンテナの中で作業するから多少の風雨には耐えられる、とか。コンテナの中で作業するので狭いのが難点。結局、全部引き抜いてから作業するほうが楽そう。

 諸々を気にしなくていいなら、40ftコンテナに組み立て済みの固体燃料ロケットを1本入れて、コンテナ自身が起立して発射できる、みたいな構成が1番楽ではある。斜め上に向けてコールドランチして、点火してそのまま上昇、火をつけるのに失敗したら海にドボン、とか。ただ、コールドランチをやるとかなり大きな反作用が来るはずだから、強度的な問題が出てくる。ロンチチューブに駐退機をつけてとかも考えられるけど、せっかく海上コンテナで輸送コストを下げているのに、周辺機器でどんどんコストが嵩むデメリットが出てくる。



 C#で大量のコントロールを追加するときとか、一時的に描画を止めたい場合。今回はFormのコンストラクタの中で、Formのデザイナで配置したPanelの中にコントロール(CheckBox)を200個くらい配置する感じだったけど、この処理に600msくらいかかる(起動時に画面が表示されるまでにそれくらいかかる)。試しにSuspendLayout()/ResumeLayout()を呼んだんだけど効果はなかった。

 が、コントロールを追加する対象のコントロール(つまりPanel)のインスタンスに対してSuspendLayout/ResumeLayoutを呼ぶと、圧倒的に(体感的には一瞬で)終わるようになった(すぐに起動する)。

 一番根本(Formのインスタンスが持っているSuspend/Resume)を呼んでおけばいいんでしょ、と思っていたんだけど、実はそうじゃないらしい。

 Suspend/Resumeはあくまでも自身以下の描画を行う・波及させるかどうかのスイッチであって、上位側でSuspendしたからと言ってそのスイッチが下位へ波及するわけではないのかな。だから下位のPanelとかにコントロールを追加すると、Panelはスイッチが切られていないから、描画が行われる、みたいな感じで。



 rtl-sdr blog v3ドングルみたいな安いSDRドングルだと外部にトリガ信号を出したり入れたりできないから時刻決めに使えない、と思ってたけど、ダイレクトサンプリングの端子に外からマイコンとかで適当な変調信号を突っ込んで、時分割で相関させてやれば、その信号をGPS時刻に紐づけることができるから、その信号の時刻をマイコンに返してやれば、GPS時刻に同期した時計は作れそうだな。同期信号をうまく作れば1/sps/10くらいの精度は出るだろうから、50ナノ秒くらいの精度でGPS時刻に同期した時計を作れる。50ns*c=15mくらいだから、単独測位でもこの程度なら意味のある精度。さすがにマイコンでGPSの処理までやるのは手間がかかるからPCとかRasPiとかで処理してフィードバックするような感じになるだろうけど。

 ということで、安価なドングル+マイコンでGPS時計は、そこそこの精度で良ければ、ソフトウェアをフルスクラッチで(GPSモジュールみたいなブラックボックスを経由せずに)作れそうな気がする。少なくともR820T/RTL2832Uはブラックボックスになるけど、安く作るなら多少のCOTSは許容しなきゃ……

 RTL2832Uはダウンサンプリング周りに多分エラッタがあってたまにデータを取りこぼすので、そのあたりはうまくハンドリングしなきゃいけないけど、頻度は数分に何回みたいな頻度だから、なんとかなるはず。

 ただ、v3ドングルはダイレクトサンプリングのパスがRF端子にLPF経由で通っているはずなので、そのあたりが面倒そうな気がする。v4だとアップコンバータが入っているからダイレクトサンプリングの端子は丸ごと空いてるのかな?


2025年9月10日水曜日

小ネタ


【3Dコラボ】みんなと全力で遊ぶ~キッズの心を持って~【にじさんじ】 - YouTube

 気配切り、まるでホラーゲームのような悲鳴からの綺麗なヒットコール。石神、おまえサバゲーマーだったりするんか……???



 カイロス2号機失敗はノズルセンサー異常が原因 対策した3号機で比較検証へ | TECH+(テックプラス)

 アクチュエーターの反対側にセンサーをつけてノズルの回転中心を推定したりするのはイプシロンでもやってるはずで、カイロスでは単にそれを踏襲した(or結果的に同じ構造になった)に過ぎない気がする。けど、イプシロンってノズル周りでのトラブル(打上げ失敗とか)はやってないので、このあたりの話をどこで読んだのかは思い出せない(M-Vとかで読んだのかも)。

 対策としてワイヤハーネスの「クランプ点追加」「クランプ点変更」を重点的に挙げているのが謎いな。センサ本体の不具合ではなくて、ケーブルの振動とかで被覆が破れたりとか、そういう不具合だったんだろうか? あるいは、振動で静電気が発生して、それの放電でノイズが乗ったとか。


(前略)、問題が起きたのはひとつのセンサーからの信号のみで、電動アクチュエータ自体は正常に作動していた。ソフトウェアの工夫で対処できた可能性もある。

今回の場合、電動アクチュエータ側とリファレンスロッド側のストローク信号の動きがまったく連動していない時点で、何らかの異常が発生したことは容易に把握できる。にも関わらず通常時のロジック通りにノズルを動かしてしまっていたわけで、ここにまだ工夫の余地はあったかもしれない。

 最近の宇宙機はこういうふうに言われるトラブルが多いような気がする。HAKUTO-Rミッション2もLiDARの不具合で減速が間に合わなくて、「LiDARを過剰に信じないロジックなら成功してたのでは?」みたいな話とか(H-Rミッション1も似たようなものだったし)。頻繁にこう言われるのはソフトウェアが管理する範囲が広くなった証なんだろうけど。

 ただ、月着陸みたいなある程度時間軸方向に余裕のあるミッションならオンボードで慎重なロジックを組んだり、あるいは地上からコマンドで指示したりできるけど、ロケットの場合(特に姿勢制御系)は制御帯域幅が広い(一瞬で判断しなきゃいけない)分で、ハード故障をソフトでリカバリするのは大変そうだ。複雑なFDIRロジックを組んだところで、複雑になった分で故障(ソフトウェアならバグ)の可能性が増えたら本末転倒だし。

 センサが2系統(アクチュエータ側+対角側)しかない場合、相反する値が出てきたときにどちらを信用するかという問題もあるし。アクチュエータの制御信号に多少の振幅の正弦波を与えてフィードバック信号と相関を取るみたいなことは考えられるけど、それにしたって可動域でサチったら意味ないし(サチらないように制御するとかどうにでも対応できるけど)。

 あるいは、衛星は電源や熱環境が厳しいし、長期間(数ヶ月)に渡って(特に高トータルドーズ状態で)正常に動作する必要があるけど、ロケットの場合は比較的余裕のある電源(一次電池)を使って、稼働期間も早ければ数百秒から数分(第1段)、長くても数時間程度(最上段)だから、全体で見ればどちらが有利とか不利とか断定するのは難しそう。結局そういう機能が必要ならそれが成立するシステムを作るだけだし。


 しかし、jtSPACEのロケット(VP01)でもそうだけど、第1段がタンブリングしたあとに分離してそのまま第2段に火を入れるってロジックはどうなんだろう。SS-520-4の衛星分離みたいにシーケンスを進めても危険度が増えないようなイベント(分離したところでΔVが無いので落下地点に大して変化はない、とか)ならともかく、推薬に火を入れるのはもうちょっと慎重にやったほうが良さそうな気がするが。

 VP01はたぶん第2段も風見安定だろうからフライトコントローラは大したものは積んでないだろうけど、カイロスの場合は誘導をやるうえで各種センサを乗せているわけだから、第2段の点火判断(インヒビット解除)に角速度を入れてあっても良かった気がする。角速度センサが故障したら点火判断を誤るけど、とはいえ角速度センサが死んでたら以降の誘導もできないわけだし。追加のセンサとかも必要ないし、ロジックも非常にシンプルだし、角速度でリミットして点火を判断するみたいなのはあまりリスクを上げずに実現できそうだが。

 タンブリングしてるときに点火してもどうせやばくなったらそこで止めるし、極端にぐるぐる回ってるなら火を入れようが入れまいがあまり変わりはないし、それなら事前想定範囲から逸脱しない範囲で振り回してでもフライト実績を得たい(第2段の点火とか、極限環境での応答を見るとか)、みたいな判断なのかもしれないけど。そういう状態の電波環境で正常に判断・指示ができるかはともかく、まあ、それくらいは考えて設計しているだろうし……


 SRB-Aの資料を軽くググってみたけど、後方から見た図にアクチュエータは書いてあるけど、その対角側にセンサっぽいものが書かれていない。SRB-Aってノズルのセンサ単体は乗せてないのかな? 基本的にSRB-Aはコアから指示されたロール制御だけ担当しているだけだし、コアは大きな慣性モーメントを持っているし、多少の誤差は問題にならないということなのかな。イプシロンは慣性モーメントがめちゃくちゃ小さくなっているので許容できないからセンサを追加したのかも。

/* 固体燃料ロケットの電動TVCを比較した表に「モータ定格推力」と書いてあって、うーん、紛らわしい */


 蛇足だけど、アクチュエータに振動信号をいれるのは、たぶんFGM-148ジャベリンで使ってると思う。誘導用のアクチュエータがON/OFF制御(二値制御)なので、それを高速に切り替えながら、デューティー比を調整することで中間の制御量を与えているらしい。ただ、これは小型なミサイルの小さなフィンだからできることであって、MNTVCとかでそのまま使えるものじゃないけど。

 ただ、二値出力のアクチュエータは、M-VのSMSJが使っている方式ではある(イプシロンのSMSJは中間値を出せるようになっている)。M-V SMSJみたいに二値制御でいいのは単純なパルス幅変調で制御できるから便利そうではあるけど、アクチュエータが片側で固着した場合に過大なトルクが発生する欠点がある。Ep SMSJの複雑な構造を考えるとシンプルなM-V型のほうがいい気もするけど、Ep SMSJは大幅に数を減らしているからトータルではやはり3値(orさらにその中間値?)を出せるイプシロン型のほうが制御側からは楽そうではある。



 prime videoのCM、なぜか酒ばっかり出てくる。ビールとか、焼酎とか、ハイボールとか。ターゲティング広告なんだろうけど、酒なんて全然興味ないぜ? いや、まあ、イギリス人を茶化すためにウイスキーをググったりはしたけど…… あと、amazonで何年か前に安酒の小さい瓶を1本買ったか。それ以外で買ったアルコールが入っているものといえば、除菌用のアルコール綿とか。ターゲティング広告でほとんど全部を酒にするような履歴はないはずなんだけどなぁ。

 あと、prime videoの広告、普通の商品(amazonで扱っている商品)とか、あるいは他のprime videoのコンテンツでも、商品へのリンクがないのがかなり不便な気がする。なんでワンクリックでカートに入れるとかウォッチリストに入れるみたいな導線を用意してないんだろう。



 ウェザーニュースアプリ、フルスクリーンの広告が表示されるとAndroidの戻る(Pixelなら画面外側から水平にスワイプ)操作で閉じれないのめっちゃ不便。表示される頻度は低いけど、それ故に戻れないというのを覚えていなくて、何回も広告外をタップしたりスワイプして消そうとして、一向に消えてくれないので、ストレスフル。



 日没直後に飛んでたやつ。ベル412みたいな機体。

 f910mm、APS-C、トリミングなし。1/60s、ISO6400。

 Fr24に機影無し、Mode-CでFL45付近を飛行。腹にレジが書いてあるけど暗くて読めない。

 ホイストが付いてるから警察とか消防の機材だろうけど、このあたりをよく飛んでるヘリはもう少し近代的な見た目が多い気がする。


 Flyteamでベル412を探すと北海道警察のJA01HPってのがいるらしい。

 別の画像をトリミング&色調整。読もうと思えばJA01HPと読めないこともないかな、という気もする。


 Mode-3/A/Cだけで、E/ESは無し。インコヒーレントっぽ。



 某アルバム、とりあえず注文はしたもののサブスクで聴けるしな、と思ってたら、CD限定曲(少なくともYTM未配信、Spotifyで探しても出てこない)があるのか(曲というか、リミックスだけど)。積んでて良かった光学ドライブ。

 Pioneerも光学ドライブから撤退したし、最近のゲーミングPCはフロントパネルがガラスだから光学ドライブ自体取り付けられないし、ノートPCだって光学ドライブを積んでいないものが多いし、スマホだってもちろん光学ドライブ搭載モデルなんてないだろうし、CD限定曲とか売られても最近の若者はどうやって聞いてるんだろう? スマホ用の光学ドライブとかもググれば出てくるし、方法がないわけではないんだろうけど。これ、幅広い年齢層に向けているように見えて、実は光学ドライブに固執する30代とか40代とか以上が購入することを想定して作ってるとかそういう分かると怖い系の話だったりする??

 久しぶりにiTunesを開いたら、最後に取り込んだCDは2023年だって。それ以降にもCDは買ってるけど、結局YTMで聴くし、そもそも以前は古いiPod touchを使っていたけど、最近はAndroidだからiTunesに取り込む必要性を感じてないんだよな。



 某宇宙プロジェクト(終了済み)、神棚を買って置いていたらしいんだけど、「宇宙システムの定石である冗長系の考え方」に従って、2つの神棚を置いていたらしい。紆余曲折はありつつ概ね大成功といった感じなので神棚は効果はあったとのこと。

 ぐぐってみると、神棚を複数置くのは問題ない、という考え方が主流らしい。というか、昔は神様ごとにそれぞれ神棚を設置したりしていた時代もあったそうだ。

 冗長系に複数の神棚を置くのはいかにも日本らしい運用なのかな? 海外の宇宙開発ってそういうのはないんだろうか。欧米の神様だとユーザーが活動するその場にユーザー端末を置くような状態はあまりない気もする。一番の末端は教会であって、それ以降は複数ユーザーが共有する形ではなく、個人で所有するアイコン的なものであって。

 そういえば『火星の人』でもそれっぽい話が出てくるよな。別のクルーが個人的に火星に持ち込んだ木製の十字架とか、あるいは地上スタッフの一人は多神教なのでたくさんの神様に願掛けしたとか。



 行列の掃き出し法の説明で3x3行列の各成分に1から9の自然数を入れて掛け算と引き算で処理すると最後の行がゼロ除算で発散するの、なかなかに面白い。よくある説明だと各成分を都合の良い値に設定してあったり、理由は説明せずに適当な場所で行の入れ替えをやっていたりで、あまり参考にならない感じが。

 GPSの行列はいい感じに分散するからあんまり手のこんだことをしなくてもいいよ、みたいな説明をどっかで読んだ気がするけど、計算の途中で偶然にゼロになる可能性は十分に少ないから、単に積と和で正規化していけば処理できるよ、みたいな意味だったのかな。



 国土地理院のSP3とエフェメリス(衛星が放送するケプラリアン)の差

 適当な日の20分程度をグラフ化。RAPのPG02とGPSのPRN2の差。SP3は自作の適当な処理で5分(RAPのデータ間隔)毎に8次(9点から)の係数を求めて、一番近い係数を使っている。縦軸はメートル(左軸、XYZ)と秒(右軸、S)。

 XYZには1次的な、S(クロックエラー)には2次的な傾斜があるけど、これは放送歴の精度に由来するものだと思う。Sはもっと低次な多項式でもいいらしいけど、4次元ベクトルの多項式で持っておけば計算処理が楽なので、XYZと同じ次数を使っている。


 ちなみに、4次(5点)くらいの係数を使うと

 みたいに、目に見えて振動が出てくる。

 8次くらいまでいけばグラフにして容易に見えるような振動は出てこない。


 また、奇数次を使うと、

 3次(4点)↓

 5次(6点、X軸だけグラフ化)↓

 みたいに、係数を切り替えた場所で不連続になる。ある程度次数を上げればジャンプは十分に小さくなるから、あまり気にしなくてもいいような気もするけど。あるいはうまく計算すれば除けるのかもしれないけど。



 固定点で受信した擬似距離を、複数の時間の組で位置座標を共有して測位演算する遊び。擬似距離の偶然誤差を測位演算の最小二乗法で吸収するような考え方。

 とりあえず適当な行列演算で処理。例えば6個の衛星の観測値が時間方向に100組あったとすると、行列Gは600行103列になるから、普通に(G^T * G)^-1 * G^T * dPRみたいな演算をやるとそれなりに時間がかかる。今回はお試しなので、double[,]で行列を作って普通に積を求めた(今回のGは例えば103列の中、実数が入っているのは3列だけで、それ以外の100列はほぼゼロ埋め(1箇所だけ1が入っている)だから、最適化しようと思えばかなり早くできるはず)。

 そうやって計算した結果は、元々の座標郡が水平面(正確には、地面に対して斜めに突き刺さった細長い楕円体の、短軸の大きさ)で半径15m程度に大半の座標が入るのに対して、100点を使った場合は半径4m程度まで小さくなる(高度方向も同様に改善する)。精度が3倍改善するのはそこそこ大きいけど、計算の手間とか計算コスト、あるいは固定点でしか使えないことを考えると、わざわざやるほどではないかな、という感じ。今回は10Hz100点で10秒間のデータだけど、10分毎に12時間とか24時間とか観測すれば、天球上を衛星が大きく移動するから、DOPの改善には有効かもしれない。ただまあ、実用的な測位であれば、数時間固定してサンプリングするのであれば、電子基準点と静的干渉させるべきだし、単独測位で精度を求めてもあまり意味はないんだろうな。

 で、試しに普通の単独測位から得られたECEFを単純に平均化したら、先の演算結果と全く同じ結果が得られた。なんでェ…… 実際に数値を比べたわけじゃないので本当に全く同じ結果が得られているのかはわからないけど、少なくともNMEAをGoogle Earthで見る限りは、全く同じ結果(計算が間違っていないのであれば)。

 時間方向で複数の観測値をまとめて測位演算する場合でも、共有できるのはXYZ座標だけであって、時間方向は独立しているから、結局は普通の単独測位で得たECEFを平均化したのと同じ結果になるのかな。

 空間座標は共有して単独測位の精度を改善する手法、みたいなのはあっても良さそうなのに、今まで見かけなかった理由もなんとなくわかった。やる意味がないからだ。納得。ECEFで平均化(移動平均)して同じ結果が得られるなら、軽い計算で出せるECEFを高レートで保存しておいて、あとから移動平均するなり、加重平均するなり、好きに加工するほうが使いやすいだろうしな。



https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/77/2/77_2_117/_pdf/-char/ja

 1960年代末頃? 測地の歴史や、人工衛星を使う方法の説明。



https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/79/1/79_1_49/_pdf

 1970年。人工衛星を地上から観測する事による測地。

 著者は終戦直後には東京天文台の天体写真係だったが、写真用の材料が入手できないので、その他の仕事に手を付けることにした。で、他国での天体観測との調和が悪い日本の観測結果を説明する作業を開始した。それによって日本の測地の原点の鉛直線が10~20秒角傾いていることを発見し、朝鮮半島や満州での測量が合わない結果も説明できるようになった。

 月による恒星の掩蔽を使って測地を行っていたが、月は地形(輪郭)に凹凸があるので、あまり精度があげられない(50m程度)。人工衛星なら時刻を1msで合わせれば7mの精度が得られるし、改良した方法を使えば時刻精度要求が下がる。

 その後は人工衛星を使用した測地が世界的に行われるようになる。スミソニアン天文台(SAO)が取りまとめを行って、世界中に観測網を敷いた。同様に人工衛星を打上げているソ連も観測網を作っていたようだ。

 フランスについては何も書いてない。近代的な地図を初めて作ったフランスが衛星測地に手を出さないわけがないような気もするけど、とはいえ世界大戦から間もない欧州だからなぁ(そんな時期に衛星を打上げてるフランスもすごいけど)。

 1969年12月に堂平で複数の観測機材の比較実験。SAOのベーカー・ナン、ソ連のAFU-75、国土地理院と海上保安庁はそれぞれ独自に開発した機材。「異常な記録的晴天続き」で無事に観測を終えた、とは書いてあるが、執筆時点で結果はまだ出てないのかな?

 日本では'69年にSLRの実験に成功しているし、堂平でもSLRの実験を行っているけど、この比較実験の時点では日本のSLRはまだ満足に動く状態ではなかったと思う(資料の中でもSLRの言及は無し)。

 三角網をつなげていくためには準拠楕円体を考える必要があったけど、人工衛星を使った測地では地心直交座標が直接得られるから、準拠楕円体を「追放」できると考えていたらしい。結局、衛星測位システムが普及した現代でも衛星システムで準拠楕円体が定義されているわけで、準拠楕円体を追放するには至らなかった。やはり既存の緯度経度を使う座標システムを残したかったんだろうな。緯度を最大0.2度弱動かせば地心直交座標(準拠楕円体ではなく真球近似)のatanで緯度が得られるようになるけど、世界中を20kmもずらすのはさすがに影響が大きすぎて許されなかったんだろう。/* 緯度経度を使うのはあくまでも測地結果を利用する側の話であって、測地を行う側は準拠楕円体は考えていない可能性もあるけど。GPSやVLBIとかの成果(ベクトルとか)だって地心直交座標で出てくるわけだし */



 内閣府・文科省が2年くらい前に書いたPDFを読んでいたら、「低軌道上での観測を継続するためには、重力に抵抗するために一定頻度で推薬を噴射する必要があり、衛星寿命等の課題が残る」と書いてあって、その直後には「静止軌道上に配置された観測衛星では、(中略)、重力への抵抗も不要となるが、(後略)」みたいな話を見かけた。

 LEO(特にSSO)に配置された衛星が重力の不均一性によって要求軌道から外れるから定期的に軌道保持のためにスラスタを吹かなきゃいけないというのは、完全に誤っているわけではないとしても、空気抵抗が支配的な気がするが。

 あるいは、静止軌道上でも地球の重力の不均一やあるいはその他の影響(地球重力、月重力、太陽光圧など)によって軌道がずれていくから、時々スラスタを吹かなきゃいけないので、静止軌道を使えば軌道維持に推薬を消費しなくてもいい、という話はちょっと怪しい。


 同じ資料の中で、分割鏡(せいめい望遠鏡やTMT、JWSTのようなやつ)を指して「(前略)一枚の大きな鏡として機能させる合成開口技術を研究開発する」という記述も出てくるけど、分割鏡はどちらかといえば開口合成の方だと思うのだが。

 補償光学みたいに能動的に光を位相レベルで制御する光学系は、反射型パッシブ開口合成に近い(基本的には周波数が違うだけで電波のPESAと同様の考え方ができる。電波の場合は空間が離散的、光の場合は空間が連続的、というような違いはあるけど)。合成開口は一つの開口を物理的に移動させることで仮想的に広い開口を作るものであって、考え方が根本的に異なる。電波の開口合成は離散的な開口を同時に使うけど、合成開口は一つの開口を時分割で離散的に使うような感じ。/* なお、この地球観測衛星は補償光学のような高周波のフィードバックは行わない方針だそう。まあ、大気中に鏡があるわけじゃないしね */



https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl/47/12/47_1007/_pdf

 2008年。ALOSの姿勢や軌道に関する知見とか。

 色々と書いてあるので一部だけピックアップ。

 STTはランダム誤差9arcsec@6mag、バイアス0.74arcsecを要求。CCD画素データも常時出力して後解析で使用。世界最高性能のSTTを開発したが、CCDが製造中止になったために同じものを作ることはできなくなった。/* そもそも宇宙用のVGAとかXGAとかのCCDってどういう用途で製造しているものなんだろう? */

 GPS受信機(GPSR)はL1/L2の擬似距離と搬送波位相を常時出力(12ch)。当初は受信電力の問題やEMC干渉でロックが外れることが多かったが、再プログラミングによって安定的に動作するようになった。

 その他、実績値とか、あるいは将来的な地球観測衛星のみならず、天文衛星に対しても色々と教訓をまとめている。



 Naval Gun Barrel Construction

 戦艦の砲の構造、特に尾栓や砲身の構造や強度、作り方の話。


 Built-up gun - Wikipedia

 第二次大戦頃の大口径砲とかを作るための方法。

 肉厚の圧力容器では、内側が塑性変形する(あるいは割れる)領域でも、外側では限界に比べてかなり少ない応力しかかかっていないから、厚肉の構造は強度には寄与しない(外側が強度を与える前に内側から割れが進行する)。複数層の円筒を焼き嵌めで重ねると、内側には圧縮応力がかかるから、内側が塑性領域まで膨らむ前に、外側のスリーブにも強い引っ張り応力が伝わる。ただ、応力は厚さ方向へ離散的に発生するので、あまり効率は良くないようだ。


 Autofrettage - Wikipedia

 現代的な砲身の作り方(他の圧力がかかる用途にも応用できる技術)。

 肉厚の円筒を内側から油圧等で負荷をかけて、内径は塑性領域まで拡大する。外径付近が降伏する直前まで負荷をかけるらしい。そこから圧を抜くと、内側は塑性変形で膨らんでいるが、外側は弾性で戻るから、圧縮応力になる。連続的にストレスがかかるから、build-upよりも効率がいいらしい(巨大な砲身を振り回して焼き嵌めとかする必要もない)。結局過大な引張応力をかけるんだからそこで割れないの?という疑問はあるけど、割れない金属が作れるようになったから実現した、みたいなところもあるのかな。


 最近は米軍の砲身工場(M777の155mm砲とか)の報道機関向けの公開が多いのでその時の動画も色々あるけど、それを見る限りは円筒を鍛造で整形して作るのであって、Autofrettageみたいに内側から圧をかけて膨らませて処理したりするのとはまた別の作り方っぽい。

 米海軍の戦艦でも大戦中は300発くらいでライフリングを張り替えてたのに、その後再就役させたときは火薬に薬品を添加して寿命を1桁くらい増やしたし、あるいはその後の砲身の作り方は全く違う方法になったし、冶金や化学の発達やら、運用の違いも相まって、一口に砲身と言っても構造や作り方は全く別物なんだろうな。

 たとえ第二次世界大戦の時代に現代の127mm砲を(プラットフォームごと)持っていっても、砲弾や砲身の補給は無理そうだな。当時も127mm砲自体はあるから砲弾や砲身は作れるとしても、ケミカルが作れないから砲身寿命が1桁下がるし、砲身にしても強度が大幅に下がるから発射時の圧力を下げざるを得ず、初速が落ちるから命中率も悪くなるし、射撃管制も作り直さなきゃいけないし、射表も取り直さなきゃいけないし。元々の薬室周りをそのまま使うなら砲身は当時の水準に比べてかなり細いだろうから、強度が劣る分で交換頻度もかなり高くなりそうだし。


2025年9月3日水曜日

小ネタ






 なんだかちらほら違和感があるPVだな。

 第1段で上がる高度が高すぎる気がする。1000kmくらいまで行ってそう。単に広画角だからそう見えるだけかもしれないけど。

 ペイロードの衛星も、おそらく地球観測衛星だと思うんだけど、ミッション機器が向いている方(地心側)に太陽電池セルが貼ってあるし。慣性ロックで観測する衛星だとしても、パドルの構体側にセルを貼るのは影ができやすくて効率が悪いから、普通は構体の反対側にセルを貼るはず。

 実際の搭載物やシーケンスを想定して映像化しているわけじゃなくて、アセットを組み合わせてバエる映像を作った、という感じなのかな。それにしちゃ太陽電池どうなってんねん、という感じではあるけど。よそから拾ってきたアセットがこうだった、ということなのかな。



 GPUをスパコン「富岳」に採用する5つのメリット(津田建二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

 そもそも富岳に追加するわけじゃないし、考え方も色々間違ってそう。

 GPUを乗せれば計算結果をレイトレーシングで「写真か絵か区別つかないほどの写実的」に動画化できて良い、とか、うーん、って感じ。後でグラボを交換すれば安価に性能を向上できるとか、スパコンを「ちょっと値段の高いゲーミングPC」程度に考えてそう。

 Nvidiaはスパコン用以外にも小規模なGPUも売っているから、それで小規模なスパコンを作って販売すれば、収益性が改善する(100%税金で作る必要がない)、みたいな事も書いてるけど、京や富岳だって計算ノード単位で販売してるわけだし、Nvidia製GPUを使わないと小売できないというわけじゃない。NVIDIAで固めた計算機が欲しいなら市販のワークステーションやゲーミングPCを買えば済む話で、富岳NEXTを切り売りする必要性がそもそもない。

 それに、切り売りしてる京や富岳の計算ノードはオリジナルより高性能化したCPUで売っているから、京や富岳にそれを入れれば継続的に高性能化したノードに置き換えることは可能。それをやらないのはコスト(機材の費用や作業の人件費)の問題だろう。それはGPUを使ったからと言って変わらない話。

 切り売りノードはオリジナルより2倍増しとか数倍増しの性能向上型だけど、新規で買うユーザーならともかく、スパコンの計算センターが高々数倍の性能向上を目的に改修を行うかというと、よほど費用対効果が良くないとやらないはず。例えばソフトウェアの改修であれば、ハードウェアを入れ替えるより比較的安価に性能向上を目指せる。対してハードウェアの改修は製品を買ったり廃棄したりするコストがかかるし、適用するのもソフトウェアのアップデートパッチを適用するよりはるかに労力がかかる。スパコンの世代間みたいにハードウェアで数十倍とかのインパクトが有るならともかく、数倍増し程度のためにコストを掛けるかというと、ねぇ。特にハードウェア性能はそろそろサチってきたからこっちでの大幅な性能向上は厳しいよね、とか言ってるわけだし。


 Yahooニュースのエキスパートトピ(or エキスパートが書いた記事)、他の記事(ライター)も含めて、ある分野のエキスパート(専門家)が周辺の分野についても詳しい訳では無い、というのがよくわかって良いと思う(これは皮肉です)。

 ある分野の専門家(その分野で仕事をしている技術者とか)が書いた本でも時々初歩的な間違いを堂々と書いていたりするし、いわんや外から見ている記者だったりが本当に「専門家」と言えるかというと…… まあ、その分野の技術者とかは自分の担当する範囲ばっかりで、そこから少し離れた場所は詳しくない、って場合もあるので、外から俯瞰して見ている人のほうが全体的には詳しいという場合もあるだろうけど。


 スパコンで計算した結果の可視化、20年くらい前の資料(地球シミュレータの時代)だと、スパコン外で処理する方針らしい。ただ、0.1度グリッドで大気シミュレーションを行うと1ステップで数GB、時系列でTBオーダーになるから、当時のワークステーションで扱うためには一部を切り出して使っていたりしたようだ。

 富岳の場合も、基本的には可視化は外部のコンピュータで行っているっぽい。このワークステーションにはGPUが積んであって、レイトレも使えるのかな?

 これまでのスパコンが画像化を外部で行っていたのは、単に画像化に適切なエンジンが無いから、という理由もありそうだけど、富岳NEXTでGPUを積んだとして、じゃあレンダリングエンジンも積みましょう、みたいな話にはなるんだろうか? 膨大なデータを外(別系統のシステム)に出さなくてもGPUで処理できるのは便利かもしれないけど、とはいえ貴重な計算リソースを可視化みたいな、スパコンを使わなくてもできるであろう仕事に使うのはコスパが悪そうな気がするけどなぁ。

 富岳NEXTのGPUクラスタが、もし可視化(複雑なレンダリング処理)に使いやすい構成・ライセンスになっていたら、それはそれで面白そうだけどな。普通の3DCGのレンダリングも従量課金で対応していれば、例えば日本の映画やアニメのスタジオが富岳NEXTでレンダリングをブン回して、複雑なシーンを短期間で作れるようになるかも。残業時間が減ってワークライフバランスの改善も!!

 まあ、わざわざそのために理研が税金を突っ込むのかよ、という話ではある。それが必要なら民間企業が独自の資金なり、あるいは経産省辺りから補助金を引っ張ってきて、レンダーファームを作るべきじゃね、って気がする。で、それが実現すれば、富岳NEXTで計算した結果もそっちでレンダリングすればいいじゃん、という話になって、結局スパコンで画像化する必要はないよね、という話になる。

 クラウドレンダリングとかでググれば色々出てくるので、サービスとしてはいろいろとありそう。あとは理研のスパコンを使うような研究者が容易に使えるサービスを用意するとか、あるいは研究者が用意したデータと要望からいい感じに可視化作業をやってくれる人(研究者と映像屋を仲介する人or会社)がいれば良さそうだが。

 あるいは、最近は災害のイメージをAIで画像化する、みたいな話もあるから、スパコンから吐き出されたデータをいい感じに人間が見やすく画像化するAIを作るって方向もありかもしれない。じゃあ、富岳NEXTにGPUを積んでAI学習を強化すれば、そういう作業も富岳NEXTで…… うん???


 富岳や富岳NEXTの計算ノードって、他の計算機とどれくらい互換性があるんだろうか。

 例えば同じArmコアを使うAmpereOneとは基本的な命令は共通だろうけど、A64FXで対応しているSVEはAmpereでは非対応だから、A64FX用のソースコードを流用してもあまり計算速度は高くならないはず(コア数で言えばAmpereはA64FXの2-4倍あるから、SIMD演算で比べれば最大5倍くらいは早いはずだけど)。

 あるいは、最近のMacはSMEに対応しているものもあるらしいから、富岳NEXTでもSMEが採用されれば、Macと富岳NEXTで似たような計算ができるようになる。Mac Studioとかでクラスタ組んで計算しているチームが、もう少し計算能力がほしい、となったときに、富士通から富岳NEXTのノードを買う、みたいなことはできるんだろうか? /* A64FX用のクロスコンパイラはx86専用だそうで、既存のMacユーザーに売り込むのは大変そうだ。Unix系で動くコンパイラって作らないんだろうか? */

 しかし、コンピュータって完全にバイナリ互換でない限りはリビルドすればISAの違いなんて、よほど最適化したコードじゃないと関係ないだろうしなぁ。そういう、カリカリに最適化したコードを流用できるのがArmの良いところではあるんだし、計算ライブラリはハードウェアの命令を直接呼ぶようなレベルで最適化していそうではあるけど。


 他の人も含めて、スパコンにGPUを乗せるべきだ、という主張の根拠は「富岳以外全部GPU乗せてるじゃん」という点が真っ先に出てくるけど、自分的には「GPU載せずにランキング上位に入れるならそれでいいじゃん」と思う。ランキングトップの全部がNVIDIAに依存して、それって大丈夫なんか?って。全世界のスパコンを使う研究や産業がNVIDIAという企業に依存しているという怖さもあるし、独占禁止法的なあれこれもあるし。

 富岳みたいに非NVIDIA(非GPU)なスパコンが1台でもランキングに入れるようなスペックがあれば、他のスパコンに対しても「もしNVIDIAが使えないような事態が起きても、自分たちもNVIDIA以外でスパコンを作ればいいや」という逃げ道が一つ用意できるのは利点だと思う。理研系スパコンが長年の経験(&莫大なコスト)でそれを実現していたとしても、一つ有るのと無いのとでは全く違うスタンスが作れる。

 あるいは、NVIDIAアクセラレータを使う場合でも、非NVIDIAスパコンが1台もない場合は「ウチのGPU使わないとスパコン作れませんよ? 高いけどしょうがないですよね~」という態度を取られたら反論できない。非NVIDIAなスパコンが1台でもあれば「お宅がそんなにGPUの値段を吊り上げるなら、じゃあNVIDIA非採用のスパコン作りますね~」で価格交渉ができる。

 生物の繁栄はわりと「寡占していたヤツが急にいなくなって、ニッチに生きてたやつが爆発的に広まった」的な状況が多いので、それに習うならNVIDIA寡占のスパコン業界でニッチなNVIDIA非依存のスパコンが1台くらいあっても良いと思うけどねぇ。



 希少生物発見の記事なのに“AIイメージ画像”──科学メディア「ナゾロジー」が物議 運営企業に見解を聞いた(1/2 ページ) - ITmedia AI+

 ナゾロジー、Googleニュースで時々おすすめに出てくるから名前は知ってたけど、タイトルだけ読んでGで始まる某まとめサイトみたいにクリックベイトのアフィサイトだと思ってたら、結構ちゃんとしたニュースサイトだったんだな(物議にはなってるらしいけど)。



 防衛省・自衛隊:国産スタンド・オフ・ミサイルの早期整備等について

 (前略)また、令和8年度には、上富良野駐屯地(北海道)及びえびの駐屯地(宮崎県)に、島嶼防衛用高速滑空弾を運用する部隊を新編し、配備する予定です。

 お、近所だ。

 近くには弾薬の保管施設もあるし、対艦ミサイルの部隊とかもいるし、既存のリソースを使いながら長距離能力を置くには便利って感じか。

 R8年度、ってことは、2026年の末か'27年の頭あたりから配備が始まるのかな? 早ければ再来年の駐屯地行事で展示されるかも、あたりか。まあ、どうせキャニスターに入ったまま(というかイナートキャニスタ)の展示だろうから、見て面白いものかというと……

 Wikipedia曰く、近所にある弾薬支処は「国内随一」の規模だそうだ(南西シフトが進む昨今はどうなっているのかわからないけど)。大規模に集積するならPAC-3も展開しておいてくれないかなー。PAC3の対BMの射程だとこのあたりの集積地と旭川あたりの市街地をまとめてカバーするのが難しい微妙な位置なのよなぁ。人口密集地からそう遠くない場所(10km程度)に弾薬が集積してあれば、両方をある程度余裕を持ってPAC3で防空できるけど、なまじ北海道みたいに離して置いてあると防空はそれぞれでやらなきゃいけない。Wikipediaに書いてあるPAC3の最大迎撃半径30kmをそのまま地図上に書けば、旭川空港に展開すると旭川市街地はかなり余裕で入るけど、弾薬庫は縁にギリギリ入ってる程度なので、あまり余裕がない。


 長射程ミサイル配備 木原稔前防衛相インタビュー なぜ健軍に? 標的にされるリスクは?【反撃能力 熊本へ】(熊本日日新聞) - Yahoo!ニュース

「発射機は可動式で、実際は違う場所に移動して発射すると考える。駐屯地は基地ではなく、部隊の寝泊まりや補給品調達のために駐屯する仮の場所。有事の際、ミサイルなどの戦力がどこにあるのかも分からないのに、他国が駐屯地を攻撃するとは考えられない」

 そもそも今の時代に戦争を始める国が人権(民間人への被害)とか考えるわけがないだろう、という気もするからなぁ。開戦初期になるはやで終わらせて相手国民の反発を減らすために付随被害を減らす、みたいな状況ならともかく、ズルズル長期化したら民間人への被害とか気にせずバコバコ撃ち込んできそう。この話に関してはこちら側の兵力とか関係ないから、配備の有無とはまた別の話。もっとも、相手のプロパガンダ用の口実を与えることにはなるけど。「おまえらの政府が兵器を配備したからその場所で民間人に被害が出てるんだぞ。民間人の被害を減らしたいなら政府に圧力をかけて降伏しろ」みたいな。そういうふうに言うような状態になれば迎撃される可能性が高い軍事施設より、むしろ民間人が多い場所(万が一迎撃されても破片等の付随被害が見込める場所)に積極的に撃ち込んでくるだろうし。



 何の話というわけでもないけど、電子レンジに2系統の水入りコップを入れて加熱・比較する実験、本当に均一に加熱されるんだろうか?

 1つ目は、体積と表面積の関係。電子レンジが使用する電波(大抵は2.45GHz付近)の水に対する透過性は、劣悪とまではいわずとも、さほど高くないはず。水でよく吸収される電磁波は数十GHzとか赤外線とか、もっと高い場所にある(電子レンジの周波数が2.4GHz付近なのを「水が最も吸収する電波だから」と説明するのは誤り)。ただ、吸収率が低いとはいえ、全く水が電波を吸収しないわけではない(そうでなければ水を加熱することができないから)。つまりコップに入れた水を加熱する場合、体積に対する表面積が大きいほど加熱効率が高くなるはず。

 ただ、電子レンジの電磁波は完全に等方的に入射するわけではないのが、話をややこしくする。完全に水平方向から入射する場合、直径が同じ(例えば同じ形の容器)であれば体積(高さ)が増えても体積に対する表面積の比は変わらないから、体積に差があっても体積あたりのエネルギー量は変わらないはず。電子レンジのターンテーブルが金属製の場合、底面からのエネルギーの入射はかなり少ないはず(冷凍食品とかを温めると底面の加熱が遅いから、大きく外れてはいないはず)。対して上面は自遊空間だから、多少のエネルギーは上面からも入射するはず。そう考えると、直径が同じで高さが違う2つの水柱を加熱する場合、高さが高い方は上面から入射するエネルギーをより多い体積に振り分ける分、体積あたりのエネルギー量は低下するはず。極端に大きくて高い水柱を考えた場合は電子レンジの天井との波の伝わり方も考えなきゃいけないけど、これはとりあえず無視する。

 2つ目は、水の誘電率(大雑把に電波の吸収量)は、温度に比例している点。何らかの理由で2つの系に温度差が発生した場合、温度が高い側がより多くのエネルギーを吸収し、温度差が拡大する方向に作用する。種となる温度差は、例えば水道から取水した順番(先に取水したほうが室温に近くなるはず)や、あるいは電子レンジで加熱を開始した瞬間の位置関係(電磁波が放射される場所に近いほうがより大きなエネルギーを受け取る)などが考えられる。もちろん、先に挙げた体積と表面積の比率の関係も考えられる。

 このような理由で、電子レンジに入れた2つのコップで同時に水を加熱しても、必ずしも均等に加熱されるとは限らないはず。例えば水道水(ガスの溶解度が高い)と蒸留水(ガスの溶解度が低い)を同時に加熱して、どちらが先に沸騰するか、みたいな実験をやる場合、1回の実験で予想していた結果が得られたからと言って、それを採用するとちょっと不味そうな気がする。あるいは、複数回実験して一貫した結果が得られているのかもしれないけど、それについては言及はされていなかった(別の話題の文脈だったのでな)。


 電子レンジ、定常波の腹で加熱して節では加熱されない、みたいなやつ、うまいこと可視化できないものかな。例えば小さなコイルにLEDを取り付けて、電磁波のエネルギーが強い場所(腹)では強く光って、節のあたりでは弱く光る、みたいな。

 電子レンジの扉等から漏れる電波をショットキーバリアダイオードで整流してLEDを光らせる、みたいな実験はあるから、2.45GHzの電波でLEDを光らせることはできる。ただ、扉の隙間から漏れるような電波で光るLEDを、庫内に突っ込んだときにどうなるか……

 アンテナを小さくして利得を下げて、1個1cmくらいの大きさで作って、それを数百個、立体的に配置して、ターンテーブルで回しながら光らせて、とかはやってみたら面白そうではある。



 最近某ニュースサイトがすごく使いづらいので面白そうなコンテンツはオリジナルのソースを見ることが多いので、大学のニュースリリースページを見比べた感想とか。

 東京大学のトップページは直近のニュースリリースがいくつか(7個)表示されているけど、それ以前のものはプレスリリースのページを開く必要がある。プレスリリースに飛ぶには一旦「UTokyo FOCUS」というポータルページを開いて、そこから中程までスクロールすると「PRESS RELEASES」というタイトルがあるので、そこの下にある「もっと見る」をクリックすると、プレスリリースが表示される(1ページあたり20個)。

 京都大学の場合、トップページを開くとすぐに「Latest research news」という見出しがあって、そこに直近4個のコンテンツがあって、その下に「最新の研究成果一覧を見る」というボタンがあるから、それをクリックすると1ページあたり16個の一覧が表示される。ただしコンテンツを表示するタイルの大きさ(高さ)は見出しの長さで動的に設定されているから、横方向(時系列)がガタガタに並んでいる。

 東大のプレスリリースは分野ごとに選択して見たりもできるから、ある領域だけ見たいときはこっちのほうが便利かな。1画面で表示される量も少し多い。数日前程度のリリースをワンクリックでたどれる可能性が高いのは京大のほうが有利そう。

 ただ、プレスリリースの内容は、東京大学のほうが圧倒的にボリュームが多い。若干読むのが面倒くさいレベル。京大は1文の解説と、掲載誌の情報が1文、それと研究者のコメントが1,2個、といった程度で、触り程度しかわからない。もう少し詳しい内容を知りたい場合はPDFのリリースを読む必要があるけど、PCならともかく、スマホみたいな小さい画面で見るのはかなり厳しい。あと、京大のリリース記事はCSSがちょっと悪そう。挿入された画像を表示できる幅がないウインドウサイズで見ると本文の文字が非表示領域にはみ出ている。

 東大はトップページからプレスリリースの一覧にワンクリックで飛べればかなり優秀なのになぁ。

 ちなみに、北大はトップページから一発でプレスリリースに飛べる。ただし東大・京大と違ってサムネイルが表示されないから、タイトルから内容を推測する必要がある。小さいサムネが1個あるだけでも内容がかなり分かるから、あったほうがわかりやすい気がする。森林の写真とか、量子スピンのイラストとか、タンパク質のイラストとか、小さい画像が1枚あるだけでもだいたいの分野がわかる。

 東大と京大はRSSも配信しているけど、京大は在学生・入学希望者向けの情報もあるので、プレスリリースだけ見たい場合はちょっと雑多な感じ。北大も一応RSS自体はあるけど、8月に入ってからは更新されてないっぽい。なんで急に止まったのか謎い。



 地図タイルのZと距離分解能の関係

 横軸がZ、縦軸は1ピクセルあたりの距離分解能(左軸:メートル)と横縦比(右軸)。

 例えば低緯度地域で100m分解能のグリッドが欲しい場合はZ10程度が必要になる。1kmでいいなら7程度でいい。Zが1上がると分解能は2倍になるから、分解能を1桁改善したければZを3.3倍(離散値なので3倍or4倍)する必要がある。

 地図タイル(特にDEM)のデータで遊んでみたら面白そうなことを思いついたので試してみたけど、かなり無理があるっぽいという結果だけ得られたのであえなく廃案。せっかく解像度のグラフを作ったので、貼った次第。


2025年8月27日水曜日

小ネタ



 Delta Force | Toxik × Exusiai·Midnight Delivery Theme Song - POST GIRL (Delta Force × Arknights) - YouTube

 POSTERGIRL (Delta Force x Arknights) - YouTube

 英語チャンネルより日本語チャンネルのほうが公開が早い謎事象。6時間差ってことはUTC+3あたりだけど、どこだ? モスクワとかトルコとかのあたり? なんでェ…… DF側のこのキャラってキリル文字圏っぽいけど、だからといって。

 メロディどっかで聞いたことあるような気もするけど、おそらくオリ曲のはず。FPSゲームのくせして、他IPコラボも含めてキャラソンとかをコンスタントに作り続けててすごいな。

 日本語版は日本語歌詞字幕をつけて1080で再エンコードしてるので画質悪め。英語(歌唱言語)字幕版は4Kでめっちゃ綺麗。日本語化チームはオリジナルの素材をもらって加工してるわけじゃないんだろうか? トレーラーは日本語版も4Kだけど、やはり再エンコード分か、見比べると若干ディティールが失われている感がある(あからさまに目立つような悪化ではないけど)。

 ゲーム内のキャプチャでは撃つとき以外はちゃんと指伸ばしてるんだな。じゃあトレーラーで指掛けっぱなしなのは手付モーションの手抜きか…… よく見るとトレーラーも一番最後のシーンは指伸ばしてるんだな。イラストは指を伸ばしているから、それに合わせたのかな?



【ロケ】国立科学博物館を貸し切ってクイズ!【#にじクイ #60】 - YouTube

 月1で5年くらいやってほしい。で、5年後に第1回のコースを回ってみると展示物が更新されていてまた最初からやり直し。


 博物館をフォトグラメトリでデジタル化してVRで歩いたり、あるいは映像コンテンツのアセットとして使えるようになったら面白そうだけど、細かいディティールが拡大に耐えなきゃいけないから、部屋1個分作るだけでも大変そうだな。

 展示物のデジタル化はあちこち頑張ってるけど、展示状態のデジタル化、みたいなのってやってるところはあるんだろうか? 「この展示品はこういう並びで、こういう説明がついて展示していました」みたいな記録は、その時代の世相を反映していて面白そうな気がするけど。最近話題のスミソニアンだと「2024年時点ではこういうふうに展示していました。2025年にトランプが展示内容に口出しして、2026年にはこういうふうに変わりました」とか。政治家の横槍からどうやってデジタルデータを保護するか、というのはまた別の問題だけど。



 [4K]群馬県立自然史博物館フォトグラメトリ(Gunma Museum Of NaturalHistory Photogrammetry) - YouTube

 ぐぐったらそれっぽいのが出てきた。


 Dinosaur - Gunma Museum Of Natural History by STUDIO DUCKBILL

 Webブラウザで歩き回れるサイト。

 Vで一人称視点、Fで自由移動ができる。右クリックするとマウス移動が視点移動になる。カーソルでクリックするとその場所までまっすぐ歩く(すぐスタックする)。スペースキーでジャンプできるから、普通は入れないような場所にも入って見回せるのが面白い。一人称視点で見ると流石にディティールが荒いし、説明パネルとかは全く読めない。せめて説明文だけでも高解像度テクスチャを用意しておいてくれたら嬉しかったな。



 マイクロソフトが、PCゲーム初回起動時にやたら待たされる「シェーダーコンパイル」要らずの新技術を開発中。早く遊びたい焦れったさ、なくなるかも - AUTOMATON

 こんなシンプルな仕組みがなんで実用化されてないんだよ、とはずっと思ってる。

 プラットフォーマー側で対応しなくたって、ゲーム開発側でデバイスのハッシュ値から問い合わせてオンラインからキャッシュをダウンロードする、位の仕組みはあったっていいはずなのにな。あるいはNVIDIAとかAMDがドライバレベルでDBを作るとか。「ウチの製品を買えば、対応したゲームならシェーダコンパイルの待ち時間がほとんどありませんよ」とか、アピールポイントとしては地味ながら良さそうだけどな。あるいはゲームの運営がそのゲーム用のDBを用意して、クラウドでコンパイルしてキャッシュするとかもできるだろうに。



 理化学研究所 スーパーコンピューター「富岳」の後継機 米半導体大手エヌビディアと連携し開発へ | NHK | サイエンス

 ついに独自システムをやめるのか…… 海外のスパコンで作ったソフトウェアとかライブラリをそのまま流用できるのは利点だろうけども。


 富岳NEXTの開発は「Made with Japan」、NVIDIAが加わりアプリ性能100倍の達成へ:人工知能ニュース(1/2 ページ) - MONOist

 NVIDIAはあくまでもアクセラレータ周りであって、引き続きArmベースのプロセサも使うのかな。まあ、せっかく富岳でArm向けに最適化したライブラリは使い続けたいだろうしな。SVEからSMEへ変わって結局またライブラリ作り直しじゃねーか、みたいな恨み節はありそうだけど(SMEは検討段階とのことだけど)。



 宇宙空間に広がった史上最大級の衛星アンテナ | WIRED.jp

「今回展開されたアンテナの反射器は、直径12m、重量64kgというNASA史上最大級のものだ」

 20年くらい前に19x17mのアンテナを2個積んだ衛星を打上げた国があってね…… だから本文では単なる「史上最大級」ではなくて「NASA史上最大級」と書いてるんだろうけど。


 日本の柔軟大型展開アンテナはETS8で原型はできたけど、その次に高周波化したASTRO-Gがコケたことで潰えたんだろうな。小さいものだとQPSのアンテナが柔軟構造ではあるが、構造は全く違う。

 日本で大型の展開アンテナを使う衛星というとSAR衛星が多いけど、日本の解説記事だと「SAR衛星のアンテナは小さいほど解像度が高い」とか言われてるので、大面積化はあまり要求されていないのかも。/* ScanSAR StripSARに限れば、パッシブなら(ビームステアリングとかビームフォーミングとかをやらないなら)アンテナサイズが小さい(ビーム幅が広い)ほうがalong-trackの分解能は稼げるとしても、ALOS4みたいにアクティブにやるなら面積は関係ないというか、大面積化したほうがSNRが稼げていい気がするんだけども、どうなんだろうか */

 A-Gでは理学側から43GHzが要求されていたけど、アンテナの鏡面精度が安定せず22GHzまでしか使える見込みがなかった。それでも当初予算の超過が見込まれたのでプロジェクトを終了した。一応、開発成果としてKu帯まで使える大型アンテナを開発した、ということになっているけど、じゃあそれが通信衛星とかで応用されたかというと、使われていないはず。

 もうちょっと予算をガッツリ突っ込んで飛行用のモジュールを作ったりしていたら「せっかく作ったんだから使わないともったいないじゃん」でツケを払う的なミッションを作れた可能性もあるけど、「傷が浅いうちに手を引こう」みたいな感じで早い段階で中断しちゃったので、せっかく開発したものも捨てることになってしまった。

 最近の通信衛星だと、基本的にはフェアリングに収まる大きさのソリッドな開口を使うことが多い気がする。そういう意味ではETS8の展開アンテナは通信衛星用としては需要を見誤っていた、とも言えるのかな。将来的にはまたデカい静止衛星を打上げるみたいなコンセプトの提案はあるけど、実際はどうなるか。当面はLEOコンステが強そうだから、大型展開アンテナの需要はあんまりなさそうな気がする。月とか火星にデータ中継衛星を打上げるみたいな話になると、超大型アンテナが欲しいって話になるかもしれないけど、少なくとも日本単独では月や他の惑星にデータ中継衛星を打てるようなミッション規模はないだろうし、海外との共同ミッションにしても、日本がデータ中継衛星を担当することになる事態は考えづらいし。

 最近Blue Originが出した火星周回の中継衛星のイラストは、NISARの展開アンテナと似たような外観をしている。NISARのアンテナはAstro Aerospaceという会社が作ったものらしい。YouTubeチャンネルは10年くらい前の投稿が最後だけど、そのチャンネルによるとロッキード・マーティン系列の会社らしい(ただしLMドメインのURLは404)。Astro Aerospace(アストロエアロスペース)という社名を使っている会社は複数あって、日本にもあるらしい(大型光学素子の研磨が得意な会社だそうだ)。ぐぐるといろいろな企業の説明が出てくるので何が何やらよくわからないことになってる。直交性の高い会社名、だいじ。

 月位の距離だととりあえず電波で頑張って、そのうちレーザーで大容量通信を、みたいな流れになりそうだけど、火星くらいの距離だと電波もレーザーもちょっと厳しそうな気がする。それに火星には(当面は)人間がいないから、地球→火星リンクは探査機のコマンド程度で済むから、基本的には火星→地球リンクに最適化すればいい。ETS8は送信用と受信用で干渉しないように(大電力の送信が受信回路に回り込まないように)送受信でアンテナを分離していたけど、火星データ中継なら1枚で軽く作ったり、あるいは2枚でガッツリ絞り込んだり、いろいろ考えられる。

 LDRの開発を継続していれば、DS2000を改造して火星にデータ中継衛星を打上げるみたいなこともできただろうにな。せっかくETS8で世界最大級(少なくとも知られているものの中では世界最大)のアンテナを展開したのに、それを科学衛星の「予算超過」とか言う理由で全部捨ててしまったんだから。日本の予算規模で100億円の予算超過(+ミッションの縮小)は許容できる規模ではないだろうけど、JWSTなんて当初計画で2000億円、最終的に1.3兆円を突っ込んでるんだからな。日本と比べて3倍にも達しないような経済規模なのにアホみたいな予算の使い方をしてる。そのツケが他のサイエンスに回っているというのはあるけど、とはいえ宇宙望遠鏡の中で比類なき性能を発揮しているのは間違いないわけで。



https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass/52/603/52_603_175/_pdf

 2004年。HAPSにシュードライト(PL; Pseudolite)を載せよう、みたいな提案。

 C/Aコードの数を1025個と書いている。おそらく、1023bitのm系列が2個に、それで作ったGold符号1023個をあわせて、1025個とカウントしているんだろうけども。

 送信出力は1.74mW(GPSは27W)。距離が近いのでGPSと同等以上の受信電力を得るための送信電力が少なくて済むから、送信機が小型化できる。C/Aコードで拡散するが、データは1000bpsで送る。

 1000bpsで送ってもFECを使えばSBASの250bpsと同程度の誤りになるらしい。ただ、その後のデータフォーマットの話では本当に1秒あたり1000bitの情報を送っている。どういうFECを使うつもりなんだろう? 畳み込み符号を使うなら2symbol/bitが必要だから、C/Aコードをそのまま使うなら500bpsが最大のはず。C/Aコードを前後で区切って1コード/bitで使う可能性もあるけど、さすがに既存のGPS受信機との差異が大きすぎるからありえないはず。

 メッセージの構造がかなり変わっていて、SBASとは互換性が無い。位置情報を4Hzで更新するから、空きスロットも無い。一応、最大で210bit/secの予備ビットがあるから、これでSBASと同様なメッセージを送れる、とは書いてあるが、SBASのプリアンブル・CRCを除いた218bitを1秒で送ることができない(文中ではさらにSBASのMessage Typeの6bitを捨てた212bitを実データ容量として扱っている。どうやってメッセージを識別するのかは謎)。

 あとは単独測位や相対測位での特性、特に対流圏遅延の見積もりとか、HAPS自身の位置決定や測位精度予測の話。

 HAPSの軌道決定にはキネマティックGPSとINSを使う想定。飛行機のように剛体で近似できるなら受信アンテナと送信アンテナの位置関係はINSから比較的容易に求められるが、飛行船のような柔軟構造は複雑なモデルが必要になる。

 別の軌道決定手法。逆PL法(inverted pseudolite)。PLから送信した測位信号を地上の複数地点で受信することで、送信アンテナの位置を精密に求める。PL側で測位する必要がないので、GPSのような外部システムに依存しないし、気球のような柔軟構造物のモデル化も不要(その代わり位置が既知な複数の地上局が必要になる)。各地上局から観測量を集約して軌道要素を作成し、何らかの手法(例えばHAPSでベントパイプ)でユーザーに配布する。一往復分増えるのでリアルタイム性が若干悪化し、測位性能に影響が出る可能性がある。

 まとめで、データレートを1kbpsにすることで成立することを示した、とのことだけど、そもそも1kbpsを通せる前提が間違ってる気がするんだが、どうなんだろうか。



 空港に設置するGPSのシュードライトで垂直確度が改善するのが謎だったんだけど、水平方向に1個増えるとTDOPが改善して、時刻にカップリングした高度の確度も改善する、みたいなことなのかな?



 最近またHAPSが復権してきたけど、PLを載せよう、みたいな話はあるんだろうか? 20年前に比べてコンステレーションが大幅に増えているから、わざわざPLを作る旨味は少なそうだ。

 とはいえ、昨今の(というか5年後10年後の)通信規格を考えると、時刻・時間共に測位衛星に近いような精度・安定性を持っているだろうから、測位用の信号を出すのは結構簡単そうな気がする。信号の帯域幅だってC/Aコードの2MHzより圧倒的に広い既知信号を放送しているわけだから、符号の時刻精度で言えばPコードより高いことも考えられるわけだし。その場合は複数のHAPSが見えないとだめだから使いづらそうではあるけど。

 昔のHAPSって軽航空機のイメージだけど、最近のHAPSって重航空機のイメージ。何が変わったんだろうか。太陽電池の性能(W/kgとか)が向上して軽量ガスの浮力で頑張らなくても浮かべるようになった、とか?



 別件の探し物をしていたら、IGS歴を17次で補間して使った、みたいな話が出てきた。

 IGS歴って、かなりスカスカなデータだから、他の軌道要素(特にケプラリアン)の補正値として使うものだと思ってたけど、そうではなくて、スカスカな3軸位置情報(カルテシアンですらない)だけを補間して使うものなんだな。まあ、言われてみれば、精密歴なんて数値計算で使うんだから点群の補間位はやってもいいか。


 国土地理院の速報歴

 上2個がGPS、下2個がQZSS。幅は1日、縦軸はkm単位。GPSは12時間/周なので1日2周くらいの動きが見られる。QZSSは24時間/周なので、1日周期。ただし左下のものは静止衛星なので時間軸でプロットすると直線になる。


 適当な1軸に対して計算で係数を求めて比較。とりあえず17次。

 青が読み込んだ速報歴、橙が係数から計算した値、緑がその差(右軸)。次数/2くらいの振動が見られて、振幅は数kmから最大10kmくらい。次数を増やせばある程度のところまでは誤差は減るけど、例えば21次の係数だと12時間後は4.32万秒^21で10^93位になるから、doubleで表現できる範囲を超えて急に発散する。

 計算方法の問題なのかもしれないけど、計算誤差がかなり大きい気がする。精密歴の精度がcmレベルなら補間でもその精度が欲しいわけだけど、今回の場合はその10万倍ほど悪い精度しか得られなかった。

 あるいは、スカラ(1軸単位)で計算しているのが問題なのであって、ベクトルの多項式で計算すればもっと綺麗にフィットするのかもしれないけど。しかし、慣性座標なら衛星の運動は綺麗な楕円に近づくけど、回転座標だから結構変な曲線になりそうだが。それでもスカラよりはマシなのかな? /* そもそもベクトルの多項式って結局スカラじゃね? */


 24点を9次で補間

 0.1mmくらいの精度にはなる(途中の精度は不明だけど)。ただし8次とか11次を選ぶと急に誤差が増えるので、次数のロバスト性が低い。両端部を捨てるなら15次とかにすると精度上がる感じはある。端のほうは係数で補間すると内挿というより外挿に近くなるはずだから、端部の精度が悪いのは納得できる気がする。

 1日みたいな長いアーク(アークっていうかサークルっていうかヘリックスっていうか)だと時間のn乗で桁が広すぎて精度が得られなくなるから、短い範囲だけ解析すれば、時間軸の桁数はある程度狭くて済むし、モデルの誤差も減るけど、かなり高い周期で係数を再計算しなきゃいけないのが面倒そう。

 国土地理院の歴は5分間隔で提供されるから、ある5分間の範囲を補間したい場合は、前後1時間の24点から係数を求めて、その係数から内挿して、5分毎に係数を求め直して、みたいな感じにすれば、それなりの精度は得られそう。ただ、計算コストが…… とはいっても、5分で24点から係数を求めて、それが衛星1機あたり3組、衛星数が50個として、3600点/5分程度だから、計算量としてはそれほどでもないか。


 このあたりの話はなぜかググってもほとんど見当たらない。既成のライブラリを使えば中身は気にしなくてもいいから楽だよね、みたいな話なんだろうか?



https://www2.nc-toyama.ac.jp/WEB_Profile/mkawai/study/celesmech/paper2006.pdf

 電子基準点の解析で、周期12時間(恒星時)、振幅数mの振動が検出された、プレートがこの周期で動いているのではないか(電子基準点の見かけ上の変動ではなく)、という話。

 自分の中の常識では短時間でプレートがそんなに大きく(1m/h位の速度で)動くなんてありえなくね?という気がするんだが。潮汐由来の地球の歪みが30cmとかそのくらいのはずなので、それより1桁大きい成分が見逃されていたってのは不自然な気がする。

 12時間周期を潮汐(月-地球-太陽の位置関係)でモデル化しようとしているけど、GPSの軌道周期って関係ないんだろうか? それぞれのGPSの時刻に一定のバイアスがあったりすれば、1周12時間周期で振幅が出そうだけど。解析に精密歴を使っているから軌道やクロックは十分に高い精度で得られている、という前提で除外しているっぽいけど。

 とはいえ、事の発端は別のソース(静止衛星に対する測距値のO-Cに対する12時間の振動)だから、GPS衛星(12時間周期)だけでなくて静止衛星(24時間周期)にも同じようなバイアスが出るとすると、GPS衛星側の問題とも言いづらいのよなぁ。GPS衛星と静止衛星は軌道周期が正確に12時間(恒星時)の整数倍だから、恒星時周期のバイアスが完全に除去できているかというと怪しい気もするけど。



 地球の潮汐による形状の変化、上下方向は光格子時計で重力ポテンシャルを計測して高さ変化を求めよう、みたいな話があるけど、水平方向の変動ってどうやって計測すればいいんだろうか。GPSやDORISみたいに衛星を使う方法だと、衛星に加えられた潮汐による軌道の歪みがあるから、精度としては悪そうな気がする。VLBIも視線方向の距離には感度がないはずだから、地球の広い面積が丸ごと動くような変動は見づらいはず。パルサーのタイミングの周期変動を探そうにも、1cmの精度が必要なら数十ピコ秒くらいの時間分解能が必要だから、パルサーの周波数帯域じゃ厳しそう。電離圏の影響も無視できないし。

 外惑星間空間に光格子時計を置いて超コヒーレント(数十cm/年とか?)な電波源を作って、それを使って地球や月の太陽系円盤上の位置を高精度に決定する、みたいなことはできそうだけど、それにしたって2次元しか計測できないし。基本的に公転面に垂直な方向の力は受けていないはずだから、2次元だけでも十分かもしれないけど。/* 適当にエイヤと書いた数十cm/年という数値、計算してみると-17乗くらいなので、光格子時計でちょうどいいくらいの目標だ(少なくとも地球上でメンテナンスした場合の精度に比べれば) */

 超コヒーレント光源に高性能なシンセサイザを積んで広い帯域をスイープできれば、運が良ければ太陽や内惑星の掩体観測もできるだろうけど、とはいえほとんど用途が無いから、緻密な時計を惑星間に飛ばすインセンティブは弱そう。かといって惑星探査ミッションに相乗りできるほど小型化するのは時間がかかるだろうしなぁ。探査機の軌道精度を考えると慣性飛行に近似できる短周期(数日前後?)の成分しか見えないだろうし。

 木星みたいな大質量天体に接近する軌道で光格子時計みたいな超高精度な時計を飛ばしたら理論物理側からすると面白そうな気はする。CsやRb、HM等の他のクロックもまとめて飛ばせればなお良し。けど、相乗りするには規模がデカすぎるし、単体で飛ばすには得られる物が……

 JUICEのバス機器(特に軌道決定用の無線機周り)ってどういう構成になってるんだろうか。最近の探査機ならVLBI用に広帯域化とか、高安定なクロックとか積んでそうだけど、とはいえ運用期間10年程度で木星まで行く探査機だから、なるべく冒険はしたくないし。


2025年8月20日水曜日

小ネタ



 Delta ForceのPVのおそらく手付のモーション、違和感あってあんまり好きじゃないんだけど、ライブサービス型でコンテンツ増やし続けるならいちいちモーションキャプチャで作ってもいられないんだろうなぁ。走ったりジャンプしたりする程度ならともかく、飛んだり落ちたりをキャプチャするのも大変だろうし。




 USN「宇宙軍の戦闘領域は世界最大? フンッ、たかだか地表から2万海里程度で何を言う……」

 まあ、彼ら(米海軍)は確かに(ごく一部の研究機関だけ見れば)作戦領域は広いけど、少なくともその場(100億光年程度先)で作戦を行うことを想定しているわけではないからな。米宇宙軍もその場に人が行って戦闘を行うことはないけど、少なくともリモートで戦闘を行うことは想定しているわけで。実際のところは探査機を含めれば太陽系円盤全域が作戦領域とも言えるし、将来的には月や火星に人間を送ったりもするんだろうけど。

 巨大な電波望遠鏡で天文観測した結果を人工衛星の運用に使うんだから、このあたりもUSSFに移管すりゃいいのにな。USNとしては何百年も続けてきた保時業務を簡単に手放すわけにもいかないんだろうけど。伝統とはかくも変えがたいものよ。


 しかし、ケープカナベラルが宇宙軍の施設とはいえ、こんなにも軍人が多いのか。

 めちゃくちゃ小さいドットマトリクスキャラクタディスプレイがあると思えば、ウルトラワイド曲面モニタも置いてあるし、かと思えばWindows XPも残ってるし。雑多よなぁ。機材の追加はともかく、リプレイスはよほど困らない限りはやらないだろうし、古い機材で特に問題を感じていないのであればわざわざ予算をつけて入れ替えようという話にもならないし。




 何箇所か違和感ありつつ(あと何箇所か誤字もありつつ)、全体としてはSFラノベっぽい雰囲気。もちろんゲームなのでBGMとかイラストとか色々あるけど。サイエンス周りの謎解きは結構サクサク進んだけど、文を読んで推測して選択するみたいな部分は結構手間取った。そういうのは苦手なのだ。。。

 自分の好みで言えばやはり気軽に読めるKindleみたいな文字媒体のほうがいいなーと思いつつ、ある程度の選択肢が提示されているゲームも面白いとは思いつつ、この作品はあまり分岐がないのでやっぱり小説っぽい感じがするかな。サイエンス側の謎解きは多少の前提知識を持っていたので苦労せず解けてしまったというのもあるだろうけど。

 光速が問題になるような分野の天文を布教したい、というような作品としては、ちょっと解説(作中のDocumentで読める本みたいな部分)が薄いような気もする。あまり細かく書きすぎると難しすぎるという判断なのかもしれないけど。あるいは、細かい部分は設定資料集みたいなもので突っ込むのかもしれないけど。布教用の最初の一歩としてはちょうどいいのかな?


 人間のテクノロジーみたいな領域はデモ版で読める範囲で一通り出ている気がする。新しく出てきた部分では、宇宙ベンチャーが関わるような範囲はかなり少なそう。デモ版の範囲はデモ版をプレイしたときに感じた感想をそのまま感じたので、このあたりは変えてなさそう。



【🎮 ステラーコード】宇宙の謎を解くミステリー!?🪐新作SFノベルゲームを遊ぶ!【 星見まどか 】#1 - YouTube

 ヘイルメアリーでもそうだったけど、その分野の知識があるTRPGerはすごいねぇ。



 まさかの「花王」が手がけるホラーゲーム『しずかなおそうじ』、いきなりSteamで無料配信開始 - AUTOMATON

 普通のゲームってよほど莫大な予算を入れたゲームでもない限りは商品デザインがかなり雑というか、いかにも安いアセットっぽさが拭えないから、実際に商品を売っている会社が作った広報用のゲームはそのあたりがすごいな。現代日本を舞台にしたかなり細かく作り込まれたオープンワールドゲームなのに、コンビニに入ると単色のカラフルな包装に商品名だけ書いてある飲食品が並んでいて違和感、みたいなゲームもあるわけで、そういう違和感がない。逆に実物過ぎてその他のアセットとの差が出てくる可能性はあるけど。

 色々なメーカーにお願いして許諾取って「法律や公序良俗に過度に反しない限り自由に使っていいよ」的なライセンスで比較的安価に(できれば無料で)使えるアセットストアがあっても面白そうだよな。通販サイトみたいに商品を並べておいて、製品ページを開くと2Dデータや3Dデータをダウンロードしたり、使い方の説明が書いてあったり。文字通りCOTSでゲーム開発。

 メタルギアソリッドシリーズのいくつかの作品では実在する飲食品が色々出てきてたし、ちゃんと交渉すれば使えるんだろうけど。

 ポストアポカリプス的な世界じゃマキタ製品が使えれば強そうだけど、流石にねぇ。。。

 Quixel(Epic傘下のフォトグラメトリアセットライブラリ)の最近の動画で、市街地のゴミの動画があったけど、やはりというか、ライセンスで問題になるようなロゴはまったくない無地のものが多いんだよな。アセットとして公開しようとするとそのあたりは面倒なんだろうけど、あったら面白いと思うんだけどなー。




 PEAK(ゲーム)、一番最初のテレポート画面で表示される搭乗券の2次元コードをスキャンすると公式サイトのリンクが出てくるの、芸が細かくてすこ。まあ、PDF417なので対応のスキャンアプリが必要だけど……

 ラノベの挿絵でも絵の中のコードを読むと出版社の公式サイトにリンクされていたりするけど、こういうのってどれくらい読まれてるんだろう? ゲームにしろラノベにしろ、すでにそのコンテンツを見ているということは、公式サイトに誘導したってあんまり売上には関係ない気もするし、あくまでもイースターエッグ的なものであって、コマーシャル的な用途ではないんだろうけど。ゲームの場合、実況プレイ中の画面をスキャンして公式サイトに飛んで購入する、みたいな流れも作れそうではあるけど、とはいえQRコードならまだしも、PDF417なんて表示したところで…… 

 なお、航空会社のチケットに書いてあるコード(PDF417とか)には乗客の名前等の情報が書いてあったりする(OCRで読むのは面倒だから機械可読な形で情報が入っている)。ので、チケットの写真をSNSに投稿したりするときには注意する必要がある。郵便物とかもそうだけど、基本的に人間用の文字の横に置いてある機械可読なコードは人間向けに書いてある情報は大抵入っていると考えておいたほうがいい。



 オーストラリアのYouTuberが使ってる緑の養生テープ、芯の内側にDCMと書いてあって、3つのドットのロゴが書いてあるんだけど、なんでオーストラリアでDCMのプライベートブランドの養生テープが使われてるの??? 軽くググった程度だとDCMは日本国内にしか店舗は無いはずなんだけど。



 なろう系ローファン世界観のゲームって無いかなー。探せばそれなりに出てきそうではあるが。

 チュートリアルは画面の隅に表示されたコメ欄から指示コメの形で表示されたり、緊急クエストは鳩コメの形だったり、世界観を説明する資料は掲示板の形式だったり。古典的なRPGとはまたちょっと違う世界観が作れそう。とはいえゼンゼロみたいな現代~近未来の世界に比べてそう大きく差別化できるかというと怪しい気もする。高校生あたりが主人公で日本の市街地を日常パートにしつつビルか門かに入ればダンジョンに行ける、みたいにすれば、和風ではある。

 強い敵に遭遇したらコメ欄にWikiのリンクが表示されたり、付近で強敵がポップしたらその近くのプレイヤー風NPCの配信画面のリンクがコメントされたり。リンクを踏んだら通信料が徴収されたり、指示コメとかをBANしてアシスト情報無しでクエストをクリアしたらゲーム的になにか追加の報酬が得られたり。いろいろ考えられそう。

 コメやリンクはゲーム画面内の端末で表示できるけど、スマホアプリと連携したら自分のスマホでコメントを見たりWikiを開いたりとかもできそう。10年くらい前のゲームでそういう機能があったよな。コンソールと連携したスマホアプリでミニマップを開いたり、ゲームのコマンドを叩いたり。FFXIVのアプリもそういう機能があるのかな。ある程度古いゲームだとコンパニオンアプリがあるものもありそうだけど、最近のゲームではあんまりないのかな?

 配信者向けにYouTubeやTwitchの配信リンクを設定すればリスナーのコメントがゲーム内でスパチャみたいに表示される機能とかも作れそうだが。

 世界観はシャンフロっぽくもあるけど、あれは主人公がソロプレイヤーだし。そういえばシャンフロって今のところ(コミック最新刊時点で)配信者って出てきてないような気がするな。GGCの司会が配信者だった気がするけど、自分の配信を付けてるわけでもなかったし。



 エースコンバット7がこの間のSteamセールで安くなってたので買って積んでたのを消化。F-15Cに乗ったらMODE 3/Aのコードが9750に設定されてて笑っちゃった。

 難易度ノーマルで10時間弱でストーリークリア。3桁Hr必要なAAAゲームに比べればボリュームは少ないけど、とはいえある程度は周回するゲームだしね。

 エスコンシリーズは6がかなり好きで、かなりの時間遊んでいた気がする。当時(と言っても中古で買ったのでリアルタイムではないけど)は暇だったからそればっかり遊んでたというのもあるし。おそらく最高難易度(DLC除く)で全ミッションSランクとかやってた気がする。ただ、アサルト・ホライゾンは結構苦手というか、わりと嫌いだった印象。敵にミサイルを当ててもシステム上(少なくとも見かけ上は)ダメージが入らず、かといって放置していても進まず、とにかく何回も何回も攻撃を当て続けなきゃいけないシステムが好きになれなかった。自分で自由に飛行機を飛ばして攻撃する自由度がなくて、コマンドで攻撃しているような感覚(BF3のF/A-18ミッションが嫌いなのと同じ理由。こちらはもっと直接的にプレイヤーの思考が一切介在しない、完全に指示されたボタンを押すだけのシステムだからもはやゲームとも言えないような代物だけど)。

 AC7ではそういうのはほとんど無くなって、AC6に近い感覚かな。ただ、AC7では風の影響でめちゃくちゃ流されるようになったので、渓谷とか低空を飛んでいると気がついたら地面に激突していた、ということがままある(体感で場所によって300km/hくらいの安定した風が吹いてる気がする。それでFPMがビタイチ反応しないのが謎だが)。あとは、AC6にも増して無人機が増えたから、有人機で追いかけるのがめんどくせぇ、みたいな部分は若干フラストレーション。とはいえ、ボタンをポチポチしてダメージの通らない攻撃を続けないきゃいけない、みたいなシステムに比べればだいぶ遊びやすい。終盤のミッションだと難易度HARDでミサイル20発くらい撃って疲弊させないと1発も当たらない、みたいなヤツは居るけど。……無人機相手に疲弊を待つとは? まあ、戦闘機にMRM/SRM合わせて200本以上も積んでるゲームにあれこれ言うのも野暮というものだろうけど。



 WindowsのWEBPサポートってどれくらいあるんだろう? 試しにwebpファイルを壁紙に設定したら普通に設定できちゃったので、結構基本的なところで対応してるっぽい? ただ、一旦スリープに入れて再び起動すると(画像をストレージまで取りに行かせると)真っ黒な画像が表示されるから、OSの下の方(壁紙を管理しているあたり)では非対応っぽい。設定したときに見えるのは、GUI側はWEBPのデコードに対応していて、それで取ったビットマップデータを直接OSのバッファに渡して、という挙動なのかな?


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 このあたりでロビンソンはなかなか見かけない気がする。

 エキゾーストが左下なのでR44。R66の外観はR44とほとんど変わらないが、ジェットエンジン化してエキゾーストが中央上部にあるので、後ろから見たら条件が良ければ見分けられる。

 レジでググったらFlyTeamに同じデザインの機体の写真があって、法人所有のR44だそうだ。


 当該時刻のMode-3/A/Cログ

 Sq1200、FL14または35、Mode-S無し、といった感じ。Mode-3/Aは1200の一つしかないのに、同じタイミングで2グループのMode-Cが出ているのがちょっと不思議。FL14くらいのグループは明らかに強度が低いので、R44はFL35あたりのグループだと思う。おそらくたまたま同じタイミングでVFRの2機の信号が入ったということだと思うんだけど。


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https://www.jstage.jst.go.jp/article/sst/5/1/5_123/_pdf

 黒電話の説明とか。黒電話のダイヤル機構って金属製だと思ってたんだけど、樹脂なんだな。それで試験で300万回も回してるのか…… 湿度90%、温度は-20℃から60℃まで、後には公衆電話用に80℃まで拡張。凄まじい耐久性だ。オリジナルは金属製だったけど、金属は摩耗して20万回程度で規格を満たせなくなるんだそうだ。プラスチックすげーな。あまりに寿命が長すぎて電話機の販売で稼ぐことができなくなった、みたいな皮肉な結果も。


 関東大震災を機に迅速な通報を目的としてダイヤル式電話機や自動交換機を普及させた。いまやスマートフォンが普及し公衆電話は数を減らした。緊急時に使用できる電話機を設置することを法的に要求されていて、公衆電話はそれに該当するから通信規制を受けない。ところが東日本大震災のときには公衆電話が少なく、通信手段に欠くことになった。みたいなことも最後に書いてある。平時のニーズや経済性だけで技術の取捨選択をしていいのか、みたいな話。


 AMラジオ廃止論とかでも似たような雰囲気があるよな。スマホで情報収集ができるからって、災害時にスマホが使えるんか? AMラジオのほうが明らかに省電力だろ? みたいな。非常用の電源もセットで準備しておけばいい、というのは理想論であって、スマホユーザーの中のどれだけが非常用の電源(少なくとも1週間程度は使えるようなもの)を持ち歩いているのか。長期化すると基地局の非常電源に燃料を運ぶ手間もあるし。AMラジオは送信所の規模がデカすぎて、アンテナが損壊する規模で被災すると復旧が大変という問題はあるけど、少なくとも過去数十年くらいではその規模の損傷は経験していないはずだし。AMラジオは一方通行でしかないという問題はあるけど、被災時はスマホの電源は切ってAMラジオで情報収集して、必要なとき(情報を送る必要があるとき)だけスマホの電源をいれる、みたいな運用をしたっていいわけだし。

 HAPSでスマホを接続するにしても、これも経済性の問題があるし。日本全国をカバーするのには常時100機程度を飛行させておく必要があるし、常時空中待機させて置けるだけの経済性があるかどうか。地上待機させておくなら発災後の10時間程度は使えないと考えるべきだし、数十年に1度使うために地上施設を複数箇所用意して、そこに駐在する人員を維持するコストもかかる。普段から稼げないなら税金を突っ込むしかないけど、10年単位で全く役に立たない設備に税金を突っ込むのは、現在の日本では無理だろう。じゃあ普段から運用して民間が稼ぐしかないけど、移動体通信網が発達した日本でHAPSが稼げるかというと、おそらく無理だろう。では機材は他の国に貸与して被災時に日本に呼び戻すかというと、そんなことは全く論外なわけで。

 理想的には平時に使うシステムを強靭化して災害時にも不足なく使えるようにするべきだけど、東日本大震災ではそうはならなかったわけで。まあ、それを教訓に通信各社も強靭化を進めているところではあるのだけど。あと10年くらいすればスマホの衛星直結が普及しているかもしれないけど、どうなることやら。


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https://mitani.cs.tsukuba.ac.jp/lecture/old2015/cg/03/03_slides.pdf

 OpenGLの座標変換、透視投影周りの話とか。

 透視投影にFoVを指定する方法が書かれていない。


 gluPerspective — メモ庫 v1.0 documentation

 また別の透視投影の説明。さっきのPDFと説明が異なる。


 OpenGL の投影行列 | 雑記帳

 一番下の遠視法の行列表示がそれっぽいかな? 縦横比のaspectと視野角のfovy、それからfarとnearを指定して行列を得て、±1の正規化した立方体の範囲に入っているオブジェクトに対して、width/2とheight/2を掛けてスクリーン座標へ変換する。


 軽量なレンダリングエンジン(ちょっとしたワイヤーフレームの表示)を作りたいなと思って調べているわけだが、結局OpenGLを使うべきでは?って気がしてきている。あるいは、静的なデータだけ表示すればいいなら、座標類は適当なフォーマットでJSONで吐いてWebGLで描かせるほうが、C#でOpenGLを扱うより楽かもしれないけど。とはいえ、シンプルな図とはいえJSONで扱うにはちょっと大きすぎる気もするし。



 C:\Windows\System32にopengl32.dllが入っていて、dumpbin /exportsで見れば一通りの関数がそろっているし、これ叩いてどうにかならんのかな、と思って軽くググってみたりとか。画面に表示せずに画像として保存するのはスクリーンレスレンダリングというやつらしい。

 試しにC#でBitmapからGraphicsを作ってGetHdcでhdcを取ってからwglCreateContextを叩いてみたけど、ヌルポインタが帰る。GetLastWin32Errorでエラーコードを取るとCreateContextを呼ぶ前は0なのに対して呼んだあとは2000(7D0h)に変わっているから、こいつがエラーを吐いてるんだろう。

 しかし、OpenGLってググってもろくにドキュメントが出てこない。エラーコードは取れてもそれが何を意味しているのか全くわからない。

 C#やF#でOpenGLを叩いている人はいるらしいから、ちゃんと使えば.NETからOpenGLを使えるんだろうけど、気軽に使えるかどうかは怪しい気がする。自分で(ワイヤーフレーム程度とはいえ)レンダリングエンジンをつくろうとするよりは楽だろうけど。一旦使えるようになれば楽なんだろうけどなー。ドキュメントがあるならまだしも、ググって出てきた断片的な情報だけで使えるようにするのは結構面倒な気がする。



 自作レンダリングエンジンでテクスチャに対応させて、地図タイルを楕円体に貼り付ける遊び

 z=5(タイル1024枚)なら、このウインドウサイズであれば比較的軽量。z=6(タイル4096枚)はかなり厳しい。現状テクスチャ(ポリゴン)の裏表は判定していないので、その処理を追加すれば倍近くは早くなるはずだが。

 タイルは1枚256ピクセル四方だから、4096枚なら1辺は16384ピクセルで、16Kはゲーム用のテクスチャとしては巨大だけど、2Kテクスチャ64枚分と考えれば…… ちょっと多い気はするか。まともなレンダリングエンジンって触ったことないので目安がわからないけど。

 どちらにしろ、GDI+(2D用描画ライブラリ)のラッパーで3D空間(特にテクスチャ)を扱うのはちょっと荷が重いかな?


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 GPSの観測量をコード位相だけにした場合、つまり衛星と受信機の距離に約300kmの曖昧さがあるときに、時間方向の1msのズレはどうやって求めたらいいんだろうか、という疑問。

 位置の推定値が例えば100km誤っていた場合、曖昧さ(約300km)より小さいから、吸収できる。しかし例えば300km誤っていた場合は、誤った結果が得られる。

 そう考えると、時刻も1ms間隔で曖昧さがあるわけだから、時刻推定値はこれより良い精度で与えなきゃいけないんだろうか?

 位置の誤りは冗長な衛星(5個目以上の衛星に対する観測値)があれば、擬似距離残差に大きなRMSとして出てくるから、たいていは簡単に見つけられそうな気がする。例えばS/Aが実施されていない現在では、残差が100mを超えたときは観測値が誤っている、と推定できそうだし、観測値が300kmも誤っていれば、数kmでは収まらない残差が発生するはず。

 しかし、時刻が1ms誤っていても、衛星位置では接線方向に4m程度の差でしかないし、視線方向にはそれより遥かに小さな差しか観測されないから、擬似距離残差にはほとんど現れない。100msずらしてようやく残差に20mか30m増える、程度。

 通常の擬似距離を使う場合、時計誤差の成分は全擬似距離に同じ距離が乗るから、それがW軸に出てくるわけだけど、コード位相(&受信機時刻のミリ秒未満)だけを使う場合はミリ秒以上の時計誤差に相当する成分がないから、その値が得られないのは納得できる気もする。

 ミリ秒(±0.5ミリ秒)未満の時計誤差は計測できるわけだから、受信機の時計がその精度(実際には±0.1ms程度)に収まっていれば、ロックは維持できるはず。1ppmの発振器を使っていれば100秒程度はフリーランしていても引き込める。もう少し悪くて20ppmのクロックを使っていれば5秒程度しか維持できない。データレートが1Hz程度で良くて測位精度もさほど必要ないけど、時刻精度はそこそこ欲しい、みたいな場合は1秒に1回10msくらいサンプリングして、とかはできるだろうけど、そうでない場合は厳しそう。

 そもそもスナップショットGNSSのサンプリングレートって位置間隔で言えば数十kmとかを想定しているはずだから、そういう状況なら時刻精度も1秒程度で十分なんだろうけど。



 What Is Snapshot Positioning and What Advantages Does It Offer? - Inside GNSS - Global Navigation Satellite Systems Engineering, Policy, and Design

 スナップショットGNSSの説明。擬似距離の計算方法とか。整数ミリ秒の曖昧さがあるよ、みたいなことは書いてあるが、それ以上の話は読み取れなかった。後処理でどうにかする、みたいな感じなのかな?

 やはりスナップショットGNSSで時刻が得られない(整数ミリ秒の曖昧さを除去できない)のは正しい実装なのかな?



 Snapshot GNSS receivers for low-effort, high-gain space situational awareness - ScienceDirect

 流し読み。スナップショットGNSSでLEO衛星の運動を高精度に解析して、熱圏の密度を推定する。いくつかの衛星で熱圏の密度を精度良く推定できれば、それ以外の衛星の軌道減衰の推定も改善できる。スナップショットGNSSでSSAに役に立つデータが得られる。みたいな話だと思う。

 スナップショットGNSSの宇宙実証は結構歴史が古くて、早いものでは1997年まで遡るらしい(Centaur上段に取り付け)。まあ、当時は生データを連続的に長時間記録できる宇宙用のストレージ(&伝送手段)がなかったからスナップショットで取らざるを得なかった、みたいな理由なんだろうけど。


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 PRN137とPRN199をグラフ化する遊び。


 まずはPRN199(つまりGPSのエフェメリス)

 横軸が経度、縦軸が緯度。グリッドの間隔は同じだが縦横比は1でない点に注意。東経127.0度を中心に東西南北とも±0.1度の範囲を維持していることがわかる。


 緯度と経度を時系列で表示

 7月の4日頃と24日頃に経度が不連続になっている。摂動で西に動こうとしているのを、西端に達する前に東向きのインパルスを与えて一旦東へ送り出して、みたいなサイクルなのかな? 24日頃は緯度も不連続なので、この時は南北(軌道傾斜角)制御もやっているっぽい。


 高度の時系列

 4日頃と24日頃に高度が不連続になっているから、離心率の制御も一緒にやっていそう。まあ、ワンショットのインパルス噴射で東西制御すればそりゃ離心率も変わるだろうけど。


 PRN137(つまりSBASエフェメリス)も含めたグラフ

 LNAVとSBASから計算した位置の距離を表示している。

 LNAVとSBASのエフェメリスは同じものだと思っていたのだけど、こうしてみると10mから最大100m程度の差があるから、LNAVとSBASのエフェメリスは別のモデルで作っているらしい。軌道制御のタイミングで差は縮まるが、その付近(軌道決定前)ではピークで50km以上もずれる。


 LNAVとSBASの差をENU(LNAV基準)でグラフ化

 東西方向はかなり誤差が少なく、南北方向は最大で40m程度の差があり、上下方向は最大(定常時)で100mとか200m程度の差がある。


 LNAVとSBASのΔTsvの値

 LNAVのΔTsvはかなり小さい値で推移しているが、SBASのΔTsvはかなり大きくて、0.3usとか現在は0.7usあたりまで達している(LNAVでは約970usまで表現できるが、SBASでは約0.95us程度がリミット)。

 おそらくLNAVエフェメリスが実際の軌道情報を放送していて、SBASは軌道制御時に決定した軌道を伝播させていて、モデルと現実の差はモニタリング局で取得した擬似距離からの誤差情報をΔTsvに吸収させている感じなんだと思う。それにしても水平方向の精度がいいのに垂直方向の精度が悪いのが不思議だけど。

 LNAVのΔTsvは軌道制御のタイミングで0に戻しつつ、その前後で傾きが不連続。もしかしたら軌道制御に合わせて原子時計のバイアスも調整しているのかもしれない。

 SBASで使用しているモデル精度が悪いと視線方向の誤差をΔTsvで吸収する必要があって、あまりにもズレが大きくなると(具体的には0.95us * c = 約290mを超えると)誤差を吸収しきれなくなる。そういう場合ってどうするんだろうか。その時はその時でエフェメリスもろともリセットするのかな?


 PRN137と199は同じ原子時計を使っているだろうし、少なくとも同じ衛星から出しているんだから軌道情報はほぼ同じものが出ているはずだ、と思っていたんだけど、実際には別らしい。なんで個別に軌道推定するような面倒な運用を行っているんだろう?

 衛星(測位信号)の運用を行っている内閣府とSBASの運用を行っている国交省の縦割り行政とか? じゃあ電子基準点を運用している国交省が運用するSBASのほうが精度が高くあるべきでは? 電子基準点はone-wayだから奥行方向の情報が得られないから、とかなのかな。


 SBASではECEFの位置情報がダイレクトに放送されているから、これと比較すればケプラリアン(LNAV)の計算が正しいかどうかを簡易的に判定できるのでは、と思っていたけど、残念ながらそういう使い方はできないようだ。

 LNAVとSBASの差が実は計算ミスによるもので、実際は同じ位置が放送されている、という可能性もあるけど、その場合は上下方向の差とΔTsvが相関していることを説明できないから、おそらく正しく計算できているはず。


 衛星の上下方向を時刻で近似できなくなるような使い方、例えばMEOから斜めに見上げると問題が起きそう。とはいえ、わざわざ衛星軌道でSBASを受信する意味もないはずなので、実用上は全く問題ないんだろうけど。

 PRN199(QZSS L1 C/A LNAV)も軌道・姿勢制御時にクロックが不連続に飛ぶわけだから、なにか問題がありそうな気もするけど、100nsで30m相当なら、単独測位なら衛星受信数が多ければ最小二乗法である程度吸収するだろうし、相対測位なら衛星誤差情報が送られてくるまでの数秒間位置が少しずれる程度だろうし、それにしたって他の衛星である程度は吸収できるだろうし。搬送波を干渉するような用途の場合は、擬似距離が変化したところで搬送波はコヒーレントだろうから関係ないだろうし。実用上は問題ないからこういう運用なのかな。


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 C#でマイナスのゼロをフォーマット付きで文字列化すると正数として処理したうえで負数記号をつけるんだな。つまり(-(0d)).ToString("+0;-0");を実行すると"-+0"が得られる。"+0;-0; 0"みたいなフォーマットを指定すると、正のゼロも負のゼロも" 0"が得られる。double.ToString(string)で正負のゼロを区別して文字列化するのってできないのかな? 今のところその必要性も感じていないので特には困ってはいないけど(強いて言えば"+0;-0"を指定したときの結果がキモいくらい)。


2025年8月13日水曜日

小ネタ


『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ネタバレ検閲おじさん

「本文が始まる前の絵は見るな」



【📕 同時読書】完全初見で『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読む!【星見まどか】 - YouTube

 初見リアクションみたいなのはゲームプレイ動画は見てるけど、内容を知っている物の初見リアクションを見るのはあまりやったことがないので面白いな。特に自分が好きで何回も読んでいるような物を、自分も読みながら反応を見てると。あと、その人がある程度詳しいから読みながらの考察を聞くのも面白いし。


 一時期、近畿霊夢局の実況を漁っていたことがあったけど、期待した通りのリアクションをしてくれる人ってあんまりいなかったんだよなー。その時は企業Vばっかり漁ってたからというのもあるんだろうけど。



『宇宙のランデヴー』とかそうだけど、異星人って逆ネジ作りがちよな。ハードSFに出てくるエイリアンが作った回転機構の方向(右で締めるか左で締めるか)の統計を取ったら明らかにバイアスがありそう。


 地球人と宇宙人の差異を明示することで「凝った設定を作っている」とアピールすることはできるけど、あえて地球人と宇宙人の共通点を作ったうえで、それをうまく読者に伝える、みたいな設定があっても良さそうな気がする。ネジしかり、スペクトルしかり。

 相手が地球生物と同様の水に依存した生命体の場合、生息する環境はある程度のリミットがある。例えば温度が低すぎてはだめだから、最低でも温度が2,3℃を下回らない環境で、かつ上限は100℃より明らかに低く、体を構成する化学物質(タンパク質)まで共通なのであれば最大でも40℃程度が上限になる(温度が高い環境では化学的に壊れづらい(その環境で再利用しやすい)温度特性の化合物が使われるかもしれないけど)。同様にして、圧力(気圧)もある程度の制限がある(水面で1,2気圧程度、とか)。そういう環境でコミュニケーションを取る場合、音はだいぶ有力なはず。もし相手が声(耳)を持っていたとして、彼らが使う周波数帯は人間とそう離れたものにはならないはず。周波数が低くなると情報量が減るから使いづらい。周波数が高くなると伝搬距離が減るから使いづらい。コウモリが超音波を使うのは、彼らは遠距離でのコミュニケーションではなく、近距離(数m程度)でしか使わないため。イルカが超音波を使うのは、生息環境が違うから(媒質の違い)。

 光の場合は、パッシブなものであれば、恒星のスペクトルで赤外線から可視光あたりが使える範囲であって、人間と重ならない場合も考えられる。ただ、赤外線は熱エネルギーとしては使えるけど化学エネルギーとしては使いづらいから、高度な文明レベルに達するには可視光域の恒星だけ考えればいい、みたいな考え方もある(広く合意が得られているかは別として)。あとは、赤色矮星みたいな星はフレアが多いから生物には厳しい、みたいな説もあるらしい(そういう環境ならそういうのに強い生物が生まれるだけでは、という反論もあり得るだろうけど)。

 アクティブに光を出そうとする場合、出す方はそこまで難しくはないはず(少なくともゆっくりなモールス信号程度の情報速度であれば)。逆に、受信する側が面倒なはず。人間みたいに空間的・周波数的に分解できる視覚はエネルギーコストが悪い。それに加えて情報速度を高くするには時間分解能も稼ぐ必要がある(人間の視覚はたかだか30Hzあたりで飽和する)。コリメートして空間・周波数的に分解する必要がないもの、時間分解能だけに特化した受光器官はそれほど苦労せず作れるはずだけど、コミュニケーションを考えたときに、視野が狭いのは難しい。ただ、先に広視野角・低情報量な受光器官でハンドシェイクして(注意を引いて)、その後で情報量の高い器官に切り替える、みたいなことは考えられる。人間の場合は聴覚だけでコミュニケーションができるから基本的に必要ないけど、それでもまず声をかけて存在を認識させて、相手が視覚的に自分を捉えたと判断してからより高い情報密度で送る、みたいなことはやっているわけだし。

 生物の起源を深海に求めて、かつ海中でも地球よりも遥かに高いエネルギーが得られる状況であれば、視覚(光)に依存しない生物とかは考えられるけど、海中は生物が活動する領域として結構厳しい気がする(運動のエネルギー効率が悪い。逆に中性浮力が得やすい利点はある)。空気から直接酸素を取り出せる陸上の方は活動がしやすそう。空中は飛ぶためにエネルギーがいるし、それを減らすために色々と切り詰める必要がある。水面上は使えるかどうかちょっと怪しいな。食物連鎖だけ考えれば、気液界面を生活圏にした生態系があってもいいけど、文明を発達させようとしたときに、重元素が得られないから、植物由来の建築物以上の文明を作れない気がする。刃物程度であれば海から生体濃縮した元素(骨とか、殻とか)を使うことはできるけど、それ以上が難しい。

 惑星の形成を考えても、小さい惑星は大気(&水)が早くに失われるし、巨大な惑星を作ろうとするとガス惑星みたいになるから、生命が発生して文明を作れる大きさはある程度の範囲に収まるはずで、重力値がリミットされる以上は、そこで進化できる生物の大きさもある程度制限される。神経伝達物質の密度や応答性にもよるけど、知能を発達させるにはある程度の規模の計算リソース(脳)が必要で、それを収容できる体の大きさもある程度決まる。人間より2桁小さい異星人とか、人間より2桁大きい異星人、というのは、ちょっと厳しい気がする。大きい方はエネルギー収支次第である程度広がりそうな気もするけど。

 そういうのを考えると、異星人の視覚や聴覚、体格は人間とそう離れたものにはならなさそう。人間原理じみてきたけど、人間原理ってそういうものだし……


 個人的には体内で核分裂反応を使ってエネルギーを得るような生物とか出てこないかなーとか思ったりするわけだが。放射線で切れないような分子で体を作るのであればそれに応じて化学的に安定な分子になるだろうけど、環境温度が高くなるとその分得られるエネルギーの割合が下がるからなぁ。あとは、例えば数百億年後の宇宙を考えて重元素(ウラン等)が多い環境を考えても、結局はウラン235の半減期があるから、超新星爆発とかで元素を作ってからすぐに惑星まで作らなきゃいけない。あまりU235濃度の高い環境では自然に連鎖反応が起きて消費されるという問題もあるし。重元素(特に放射性元素)リッチな宇宙は今の宇宙よりも物質密度が低いはずだから、そういう環境で惑星系を短期間で作れるかは怪しい。そもそも星の進化を繰り返したところで放射性元素は濃縮されるわけじゃないからな。やはり鉄か…… 金属生命体か。。。

 半導体プロセスがある程度発展してきた現代を考えると無機生命体も希望がありそうだけど、とはいえ現代の最新のプロセスを使ったGPUだってクソみたいなエネルギー効率で人間より遅い思考速度程度のAIしか作れないからなぁ。ニューラルネットワークを直接実装すれば効率は良くなるとはいえ。そういう神経系をどうやって自己複製するんだって問題もあるし。



“激ヤバ納期”必至!? 初の「護衛艦輸出」への高い壁 「日本ファースト」は通用しない!(乗りものニュース) - Yahoo!ニュース

 1番艦をスライドして外国製装備(特に自衛隊が運用していない米国製ミサイル等)を搭載できるように改造して輸出する、ってのは、短期的な「日本ファースト」から考えれば欠点かもしれないけど、長期的に見れば良さそうな気がするけどねぇ。適当な理由を作って、その分の費用も多少なり外国が負担してくれて、日本が運用する気のないミサイルを運用するための改修や評価を実施できるんだから、万が一有事になったときにはその実績を元に米国から買ったり、あるいはオーストラリアが在庫しているミサイルを積むことができる。実際にやるか(できるか)は別としても、そういう能力(海外から弾薬を調達して使用できる能力)があると相手に警戒させるだけで、日本のミサイルの在庫量だけを見て「(日本が本格的にミサイルの在庫を増やす前の)今のうちにやっちまおう」みたいな短慮な判断を遅らせることができる。まあ、ミサイルを買ってきて積める能力を取得する前にとっととやっちまおう、と考えられると困るわけだが。

 後続艦で評価しても同様の結果は得られるだろうけど、1番艦を使うとその分作業が早く終るし、ハード的な改修が必要だと判明したときに、すでにある艦を改修するのはハードルが高いけど(特にすでに問題なく運用できていた場合)、1番艦でその作業をやっておけば、それ以降の日本向けを作るときに「今更新しい設計をやり直して実績もない設計に変えるの面倒ですよね。輸出用の設計でも特に問題ないのでこのまま流用しましょうよ」で能力をそのまま受け継げる可能性がある。

 使うかどうかわからないけど、というような部分だと、日本が運用する艦を、オーストラリア向けからas-isで作っていれば、イザというときに豪州まで船を持っていって修理するなり色々できる可能性も出てくる。損傷した艦を持って行くには遠いし、日本の造船所が軒並み使えない時点でもう詰んでるだろ、という状況ではあるけど。


 オーストラリアが日本案を採用するうえで、タイムゾーンとかが有利になったりすることってあるんだろうか? 「建造中(or運用中)にトラブルが起きたら、そちらの営業時間中に連絡を貰えればすぐに対応できますよ、時差が6時間もあるようなところが相手だと返事は翌営業日になりますよね」みたいな。日本と豪州西部には1時間の時差(日本が1時間進んでいる)があるけど、まあ、今どきの日本の会社なら残業を含めれば同じタイムゾーンで仕事をしているとも言えるし…… これくらいの規模のプロジェクトなら現地に技術者を駐在させるとかもあるだろうし、わざわざ本国が対応しなきゃいけない事態ってのも少なそうな気もするけど。



 教育用電波望遠鏡キット活用ワークショップ | 国立天文台(NAOJ)

 国立天文台は、簡易電波望遠鏡キットを用いて電波天文学の基礎的な理解を普及させることを目的としたワークショップを開催します。特に高校・大学の教育現場、科学館等での活用を視野に入れたものです。

 説明がこれだけしか書いてないからどういうものなのか全くわからない。ホーンアンテナを作るなら材料費を払ってね、みたいなことが書いてあるから、ホーンアンテナを作って宇宙電波を受信するようなことをやるんだろうけど。どんなものが見えるんだろうか。やっぱり太陽とか?


 SETI教材を作っている会社がVLBI学習機材を作るみたいな話もあったけど、あれもどうなったんだろうか。市販のSDR受信機を使って受信性能を大幅に向上したよ、みたいな概要は出てくるけど、細かい話は見当たらないな。数千円くらいのSDRを使うなら性能もそこそこだろうし、数十万円くらいのSDRを使うなら導入できる学校は少ないだろうし。VLBIというからには独立したクロックを使うんだろうけど、どんなクロックを使うんだろうか。それだけでも相当な価格になりそうだが。

 太陽が見えたみたいなことは書いてあるけど、学習用の教材なら基線数はそれほど多くはないだろうし、太陽表面を分解するような能力ではなくて、せいぜい「このあたりに太陽がありそうだね」程度のイメージしか得られなさそうな気がするけど。


 全国の高専に1,2m程度の電波望遠鏡を導入して、全国規模で結合すれば数百~千km規模の開口を作れる、みたいになれば面白そうだけど、とはいえ日本は国土が細長いからなぁ。UV平面がスカスカになりそう。

 そういえば高専で衛星地上局ネットワークを作る、みたいな話はどうなったんだろうか。それが構築されれば高安定クロックを追加すればVLBIとして運用したり色々使えそうだけど、昨今の小型衛星もなぁ……



 米AOLダイヤルアップ接続サービス、9月で終了 映画やドラマに登場した90年代の象徴 - CNN.co.jp


 ダイヤルアップ接続のサーバー側って作れないものかなーとちらっと考えてみたり。

 一番基礎的な接続は300bpsFSKだからデータ速度で言えば大したことはない。低ビットレートとはいえ搬送波周波数も低めだからうまいこと処理しなきゃいけないけど。しかし、全二重通信が必要なのがちょい厳しいのよなー。例えば特小トランシーバ1台(半二重)でキャリアする、みたいなことができない。あるいはATコマンドにビジーを返すとか、半二重になるように遅延させるとかで対応できるのかもしれないけど。

 YouTubeでは時々Home Labでダイヤルアップサーバーを組んでる人がいるし、日本でも同様のことをやっている人は稀によくいるらしいけど、基本的には既製品を入手して組んでるっぽい。

 オープンソースのPPPサーバーとかあったら面白そうだが。例えば上り144MHz/下り430MHzのアマチュア無線を使ってダイヤルアップ接続できるサーバー、とかがあれば、欲しがる人は一定数いそうな気がする。企業や政府に検閲されないネットワーク、みたいな売り文句で。平文でデータ飛ばして検閲もクソも無いだろ、というところではあるけど、それはまあ、E2EEで頑張るとか。キャリアはV/Uフルデュプレックス対応の無線機をそのまま流用してもいいし、アメリカとかならUV-5系の無線機を2台使うなり、受信はSDRで処理するなり、どうとでも作れる。ただ、こういう需要は最近はLoRaみたいな通信プロトコルの端末が市販されているから、そっちに吸われてるんだよなー。

 まあ、そのうちどこかのタイミングで誰かが簡易的なPPPサーバーを実装して、それに触発された人がさらに性能の良いものを作って、みたいなことが起こるんじゃないだろうか。



 DEEP DIVE Cast、以前はしょうもない誤字(人間なら常識判断で除外できるようなもの)があまりにも多い印象だったけど、ここ最近はかなりマトモになってきた気がする。今度は誤変換が増えたけど、AIでアホみたいな誤字を量産するよりはマシ。情報で商売している人たちだし、正しい情報を提供して判断に役立ててもらう、みたいな方針の人たちだし、そういう人たちが大量の誤字が入っている動画を公開するのはあまり良くない印象だった。

 今は人間が文字起こししているんだろうけど、まだ若干「この人ミリオタではないんだろうな」みたいな人格が透けて見える気がする。まあ、ああいう組織でミリオタを採用していいかというのは諸説だろうからなぁ。とにかく経験を積んで耳を慣らしていくしかないんだろう。兵器の名前や地名が聞こえたら聞き逃さないような耳に。



 Ubisoft+の契約がようやく終了。

 ACSのプレイ時間は206時間なので、この1ヶ月で49h(1.6h/d)くらいか。この1ヶ月は暑さに体が慣れたというのもあるし、涼しい日も多かったから、比較的プレイ時間が長い。

 最近のアプデで、装備を引き継いでニューゲームしたり、レベル上限が更新されたので、そのあたりを遊んでいたけど、しかしACSは周回するにはフィールドが広いな。経験値を稼ぎたいならめぼしい城を漁ってマップを1周したら転生して、を繰り返すべきか。まあ、そのあたりはまた次回。次は涼しくなってからかな。

 Steamのセールで買ったゲームとかもあるし、Ubisoft+のゴタゴタで放置していたので、そっちも手を出さないと……



 amazonの定期おトク便って、次をスキップすることはできるけど、次を直ちに(早めて)注文することはできないんだな。本当に定期的に欲しいものならいいけど、不定期かつコンスタントに欲しいものは普通に注文するほうが圧倒的に楽。定期便、意外と不便な気がする。



 気がついたらKindleで連続1年以上毎日読んでたらしい。夜中の23時頃とか1時頃とかに読んでるので、タイミングが悪いと24時間以上空いてJSTではある1日は全く読んでないみたいな扱いになっている。基本的には毎日10分とか30分とか、3年くらい続けて読んでいるのかな。



 GPSの精密歴、フォーマットをググってもほとんど情報が出てこない。なんでこんなに少ないんだ、ってくらい出てこない。

 データは直交座標系とクロックエラーを羅列している感じなのかな? カルテシアンなら6要素が必要なわけだから、このデータを使って軌道伝播させることはできない。厳密に言えば、複数時刻(例えば5分間隔)の位置情報が与えられているわけだから、その点群にフィットするカルテシアン軌道要素を求めることは可能だろうけど、現実的ではない。

 もしかして、他の軌道要素(例えばサブフレーム2/3)で求めた位置と、精密歴等で得た位置から位置誤差を求めて、それを時間方向で内挿して、元の軌道要素から求めた位置に加算する、みたいな処理をやるべきなんだろうか?


 RINEX等のフォーマットはかつてJPLが公開していたらしい。が、現在はリンク切れしている。

 Internet Archiveに残っているので、とりあえず参考程度には使える。

https://web.archive.org/web/20150320015216/https://igscb.jpl.nasa.gov/components/formats.html

 ちゃんと見てないけど、おそらく「分かっている人には分かる」系の説明文だと思う。


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 3Dプリンタで画鋲の試作


 スライサーでオプショナルストップを追加して、造形途中に中に小さい釘を入れる(今回は1.2x19mmの釘を使用)。

 使えないことはないけど、釘が固定されていないから、あまり使いやすくない。造形後に接着剤を流して釘が動き回らないようにするとか、なにか工夫が必要。あるいは、オプショナルストップの後で隙間に樹脂を流し込むようなコードを追加してもいいけど、座標とか色々考えなきゃいけないのが面倒。

 縦に作れば釘1本分の穴を開けておけばいいからグラつきは少なくなるけど、今度は全体をどうやって浮かせるか(サポート材が無駄になる)とか、断面積が小さい方向で積層しなきゃいけないから折れやすくなりそうとか、いろいろ懸念がある。


 今回はプリンタに入れっぱなしにしていた黒のフィラメントを使ったけど、蓄光のフィラメントを使えば、蓄光の画鋲も作れる。

 作るのがそこそこ面倒なのが難点。この大きさならベッドに敷き詰めれば1回で130個造形できるけど、1個1個釘を入れる手間がな。。。オプショナルストップはXY平面で原点に移動するので、ヘッドが左側手前にある状態で作業しなきゃいけない。面倒。



 軽くググってみたところ、ノベルティのショップで画鋲を作ってくれるところが2,3あるらしい。300-1000箱が1ロットだそうだ。普通の樹脂に染料をいれるようなものだけじゃなくて、クリア系の樹脂に蓄光塗料をいれるようなものも作ってくれるんだろうか? 小さい実店舗1個のショップで1000箱の発注は厳しそうだなぁ。クラファンで集めようにも、1人10箱買って100人集めるのは大変そう。


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 Mode-3/A/Cログ

 上が8月9日、下(後ろ)が8月8日のログ。普段は110MB/day~170MB/day程度なのに、9日は395MB/dayもある。旭川空港への離着陸がかなり増えているのかな。3(or 9)連休の初日で便数が多かったのかな?

 翌10日も250MB/dayと、かなり多かった。その後は190MB/day(11日)、160MB/day(12日)と、だんだん減ってきているかな。


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 amazonで買ったHMC7992ボード。を、改造。

 HMC7992はアナデバのRFスイッチで、1対4を選択できる。1個のアンテナに4系統のRF回路(例えば2組の送受信機を1個ずつとか)を接続したり、1個の送受信機(無線機モジュールとか)に4個のアンテナ(指向性とかバンドとか違い)を接続したり、ということをやれる半導体スイッチ。同軸リレーみたいに嵩張らないし、機械可動部がないし、何よりソリッドステートだから安い。

 安いとは言え、チップの単価はDigiKeyで1500円を超えている。ちなみに、amazonで買ったこのボードは周辺回路付きで400円未満とか言うアホみたいな製品。どう考えてもマトモなモノじゃないけど、遊びでちょっと試しに使ってみたいだけだし…… ちなみに、メーカー純正の評価ボードは4.2万円。2桁違う。

 COMをSDRドングルに接続して、Bias TeeをLで取り出して、L経由でRF2に出力するのと、制御端子に突っ込んで、Bias TeeがOFFならRF1へ接続、ONならRF2(DC通電)へ接続、という感じにリモートでスイッチできるようにしてみた(RF3/4は未使用)。

 電源は4x Ni-MHで、Bias TeeからD経由で電池にも逆流させているので、Bias TeeがONなら電池の充電が行われる。Ni-MHならテキトーに電力突っ込んでもそう酷いことにはならんだろ、という慢心。とはいえ多少の怖さはあるので、Bias Teeから電池までL-D-Rを直列に入れて、Rは47Ωを選択。電池側が地絡していてもBias Teeからは100mA程度しか引っ張らない。逆に言えば、DoDが浅い場合はほとんど充電が行われない。どのあたりで平衡するのかがわからないけど、たぶん平衡するまでに数週間から数ヶ月かかるので、評価するのも難しい。Bias Teeのデューティー比によっても変わるしな。


 一応、Bias TeeのON/OFFでRF1とRF2が切り替えられているっぽい雰囲気は得られている。少なくとも、適当なリード線を片側につけてON/OFFしたら、それに応じてFMラジオが入ったり切れたりする。ただ、本当に欲しい帯域(Lバンド)まで通っているのかは不明。解析ソフトを書かなきゃいけないけど、それが面倒でなぁ。。。

 あとは、理想的にはこれを計3組作って、それぞれをAirSpy Miniで受信したいんだよな。ただ、ドングル1本2.5万円として3本で7.5万円、それぞれにデータ収集用のNUC的なものが必要になるし、電源とかも考えると30万円とかは行きそう。流石にそこまではできない。とはいえ、R820系だとちょっと厳しそうだよなぁ、という感もありつつ。まあ、まずはR820で大雑把に期待した通りの処理ができるか試してから、という感じかな。



 今回は片側の先にLNAがついているのでBias Teeを貫通させているけど、もちろんRF2行きのインダクタを外せばAC結合でも使える。電池及び制御ラインだけ接続すれば、単にBias TeeでRF2系統をスイッチすることもできる。ただ、通過電力は33dBm(2W、終端させるなら27dBmまで)だから、そう大きな電力は通せない。アマチュア無線とかで送信したい場合はかなり低出力じゃないと使えない。

 終端27dBmというのは、3ポート合計で1.5Wを吸えるのか、全ポート合計で0.5Wなのかは不明。データシートには底面パッドもソルダリングしろと書いてある。まあ、当然だろう。が、このボードは底面パッドは未接続っぽい(貫通ビアがるけど濡れてる感じがまったくない)。まあ、安物ボードだからね。しょうがないね。今回はもっぱら受信専用なので、吸収電力はたいしたことないはず。ベタGND取れてないから特性が悪い、みたいな可能性はありそうだけど、まだそこまで評価してない。



 うまいこと制御回路を組めば4ポートを選択できるから、例えば無指向の1本と、北向き南南東向き、南南西向き、みたいな4組を選択できるようにしたり、あるいは東西南北の4本とか、あるいは144MHzダイポール、430MHzディスコーン、1200MHzコリニア、2400MHzコリニア、を切り替える、みたいなことは考えられる。ただ、周波数を切り替えたいなら適当な混合器(BPF)を使えばいい話なのでな。

 同軸1本で制御信号を入れるのはまたちょっと面倒な気がするな。制御回路/RFスイッチ用の電源をBias Teeで送って、制御信号はさらに10kHz程度の低周波ACで送るような感じになるのかな。例えば10kHzを基準にして、11kHzが出ていればコントロールAをセット、12kHzが出ていればコントロールBをセット、とか、あるいは10kHzならClear/Clear、11kHzならSet/Clear、12kHzならClear/Set、13kHzならSet/Set、みたいに選択するとか。マイコンを使わずに完全にアナログ回路でBPFや増幅素子を使って組むこともできるだろうけど。ただ、rtl-sdr blog v3は低周波(14.4MHz以下)はダイレクトサンプリングができるから、数kHzの強い制御信号をいれるとRTL2832の耐入力を超える危険性がある。v4だとアップコンバータが入ったはずなので、こちらはミクサの耐入力がある。

 受信機側(選択信号エンコーダ側)をシンプルに作りたいのであれば、例えばBias Teeをダイヤルパルス的に使う方法もある。デコーダ側は容量の大きなキャパシタで一時的に電源を確保して、Bias TeeがOFFになった回数を数える。これなら受信側だけ作ればいいし、追加のインターフェース(RTLのGPIOとか)を使う必要もない。ただ、Bias Teeの制御周期がどれくらい確保できるかによって応答性が変わる。おそらく10Hz程度は出せるはずだから、切り替えに要する時間は1秒未満に収まるはず。短い周期で切り替えたいという場合はオーバヘッドが大きいけど、片側は連続35秒、1周期5分で切り替え、とかなら、1,2秒のオーバーヘッドはある程度許容できるはず。ダイレクトサンプリングの問題と同じで、4.5Vのパルスを連続して(大量に)入れても大丈夫なのか(アナログ回路が劣化しないか)の懸念はあるけど。


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 アクティブGPSアンテナを直結したSDR受信機でFMラジオを受信すると、感度は悪いけど同軸で入ってきたノイズ的な電波がちゃんと受信できるけど、ローカルで受信できる84.2MHzと77.1MHzの内、77MHzはLNAのON/OFFでは変化がないが、84MHzの方はLNAをONにすると明らかに強くなる(IQのヒストグラムが広がる)。謎い。両方とも変化があるならまだしも。比で言えば1割程度は離れているわけだから、共振的な特性の違いがあるってことなのかな。


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 適当なGUIアプリを作って、4つの点を配置して、1点とそれ以外の距離差から双曲面を書いて、交差する2点を表示。上から見ると基準点が中央、3点が周囲に約120度ずつ配置されている、みたいな状況で、基準点とそれ以外は高さが少し違う。交点は2箇所あって、下の黒丸塗り潰しと、見づらいけど上に黒丸線がある。もっと複雑な配置でもちゃんと交点らしき場所を推定できているから、計算は正しいはず。

 今回使っている計算式(Copilotに教えてもらった)だと、4点が同一平面上にあると計算が発散する。方向余弦行列?の逆行列でNaNが入る(元の行列式がゼロになる)ため。行列の計算はとりあえずそれっぽいコードをベタ書きしているけど、同じ行列をオンラインの計算機で逆行列を求めても解無しになるから、一応これで正しい動作なんだと思う。


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 C#のSystem.NumericsのVector3, Vector4, Quaternion, Matrix4x4, あたり、doubleの実装も追加してくれないかなー。座標変換で精度が欲しいときに自前で用意しなきゃいけないのだいぶめんどい。あと、ソースリンクの中身はカリカリに最適化してあるのでどういう計算をやっているのかがわからない(自分でdoubleで実装するときに参考にできない)。

 C++のジェネリックってこういうときは羨ましいよなー。一つコードを書けば、floatとdoubleを使いまわしたりできる。まあ、それは理想論であって、三角関数の精度をどうやって分けるんだ、みたいな課題はあるんだろうけど。


2025年8月6日水曜日

小ネタ



 デジタルコックピットだからトラディショナルな計器とはだいぶ表示が違うな。あまり変なことをやろうとすると人間側が対応できなくて事故ったりしそうだけど、そのあたりはちゃんと考えているんだろう。

 モックアップにいろいろな機器が接続されているけど、主要部はこれで全部なんだろうか? ここからアクチュエータとかセンサとか、末端が色々増えるんだろうけど。そこそこ配線が多いような気もするけど、ヘリ1機まるごとでこの量はだいぶ少ない気もする。根本は太いけど、データバスをスタブにせずルーターでスター型に分配している感じなのかな。

 Attiセンサを傾けてディスプレイに表示するデモをしているけど、ちょっとレイテンシが大きそうな気がする。完全に計器だけを見て飛ぼうとすると体感のAttiと表示のAttiのタイムラグが違和感になりそうだけど、そもそもHX50はIFR用の信頼性とか認証とかを省略して安くする、みたいな方向だから、少なくともAttiの表示はプライマリではないわけで、とりあえず今の段階ではこれで問題ないということなんだろう。

 ディスプレイプロセッサはXilinxのFPGAかな? 開発用のボードは同じものが秋月に在庫があるけど、1枚20万円だそうだ。実際にレンダリングを行うのはNXPのi.MX 8かな? このボードはマシンビジョンとかいかにもそういう用途で使うためのCortex-Aチップらしい。で、i.MX 8でレンダリングした映像は液晶に表示しつつ、Zynqで読み込んでピクセルレベルで表示内容をチェックしているらしい。それで不整合が出たらなんか対策を行うようだ。メーカーから違う2つのプロセッサで同一のレンダリングを行って、比較をするみたいな設計思想なのかな。やたらと複雑だけど、デジタルコックピットで不正な表示が出たらめちゃくちゃ危険だしな。




 レイセオンの軍用機のトランスポンダのコントロールパネル。Mode 1/2/3/A/C/S/4/5あたりに対応しているらしい。TA/RAモードが有るってことはTCASもあるのかな。

 背面のGND端子がセンターを抜いたTNCコネクタっぽいのが面白い。おそらく元々はM3の丸端子とかで、それにアダプタをけて変換してるんだと思うんだけど。なんでわざわざそんなものを使うんだろうか。


 トランスポンダのモードは、少なくとも使う周波数は同じなわけだから、モード1から5まで、民間用含めて各種取り揃えても、MCUで(デジタルで)応答を作る分には大して手間ではなさそうな気がするな(PSKやPPKの変復調はちょっと面倒としても)。モード4とか5みたいにセキュアなヤツは何らかの拡散とかしているのかもしれないし、そうだとすると民間用に比べれば帯域幅が広いのは大変だろうけど、先に広帯域の無線機を作ってしまえばモード1/2/3/A/C/Sあたりは簡単に作れるだろうし。

 むしろスイッチ類が大量に増えて、人間側のほうが大変そうだ。これだけスイッチが多ければ操作ミスやヒューマンエラーも多そうだが、はたして。民間機ほどの数は飛んでないから運用面で気をつければ大丈夫、みたいなことなのかな。それにしたって直接的/間接的にトランスポンダ周りが原因の航空機事故(事件)だって古今いろいろ起きてるからな。複数のトランスポンダモードを使うとそれだけ誤ったコードを設定する確率が高くなる。1個でも間違っているとそれだけで敵機と判断される可能性が出てくる。/* 西側の軍用航空機は基本的にここ数年で全部モード5に統一してるはずだから、運用時に多数のコードを同時に扱う手間は無いはずだけど、それにしたってM-3/Aは使い続けなきゃいけないし */



「自由な形状でシンチレータを作りたい」に応える 放射線で光る3Dプリンタ材料:材料技術 - MONOist

 2.5万円/250gだから、安いPLAの50倍くらいの値段かな。まあ、構造材とかで多用するようなものではないし。

 Prusaは放射線遮蔽用のタングステン入りフィラメント(W75wt%、PETG)とかも売ってるし、マルチヘッドプリンタで普通のフィラメント(β線を透過する)と、タングステン入りのフィラメント(β線を遮蔽する)と、シンチレータフィラメント(β線で発光する)がそれぞれ入り組んだような形状を作って、複眼みたいにコリメートした検出器とか、シールドの厚さや層数を作り込んでカロリメータ的に使ったりとか、いろいろ応用できたりするんだろうか?



 横浜 みなとみらい 花火大会の会場で打ち上げの台船が炎上 花火暴発 作業員5人全員救助 1人けが | NHK | 神奈川県

 黒色火薬はそりゃコックオフ特性も悪かろうよ。


 前日にも打ち上げ花火の事故があったしな

 兵庫 淡路 花火が筒の中で暴発 花火大会中止に けが人なし|NHK 関西のニュース


 某施設が使っている圧縮空気を使った打ち上げ花火って、コックオフ特性はどうなっているんだろう? 発射薬が無い分で火災の規模は小さくなるだろうけど、それにしたって割薬やら星やら色々入ってるからなぁ。とはいえ、点火は電気的にやっているはずだから、打上げ(加速度)が無いと点火しないみたいな安全装置は入っているだろうし、しきい値の設定次第では危険なほど低い場所や高すぎる場所で破裂しないような安全装置は作れるだろうから、地上や低高度で破裂して火の玉が降ってきて他の玉に燃え移る、みたいなことは無いはずだし。

 空気圧で打って電気で点火する方式は、発射薬が無くなって火薬の消費量が減るとか、黒色火薬の煙が無くなるから自由度が高いとか、色々利点はあるけど、安全面での利点も大きそうだな。砲身の長さがどれくらいなのかわからないけど、黒色火薬みたいな強烈な衝撃が少ない(少なくとも熱応力は少ない)分で発射筒の信頼性も高いだろうし。そりゃ某大手アミューズメント施設が苦労して開発するわけだ。

 日本も全国で使う総量で言えば莫大な量の花火を打ち上げているんだから、何十年、下手したら何百年も変わらないような古いやり方を使うだけじゃなくて、根本的に安全化した打ち上げ花火を考えればいいのにな。新しい方式の安全性をどうやって保証するかとか、そもそも法令でガチガチに縛られているであろう火薬を扱う機器をどうやって開発するんだとか、色々問題があるんだろうけど。あとは空気砲(武器)としての取り扱いとか、高圧空気の問題とかもあるだろうし。日本で空気圧発射式の打ち上げ花火は難しそうだなぁ。花火はただでさえ化学エネルギーが高いモノに大きな運動エネルギーを与えて高い位置エネルギーへ打ち上げるわけだから、あちこちが法律でガチガチに縛られていそうだ。



 ウェザーニュースアプリの津波警報の発表と解除が同じ通知音なの、不便なのでやめてほしいな。いかにも心臓に悪そうな音を警報解除に使うのはちょっとどうかと思うのだが。



 蓄光の画鋲が欲しいんだけど、amazonで探しても見当たらない。モノタロウとかアスクルにも無いらしい。ググってもほとんど出てこない。

 2018年に1箱買っていて、そのときは100本入り800円弱だった。ので、少なくとも製品としてはあるはず(or かつてはあった)。なんで無くなったんだろう。画鋲を落としたときとかにUVで照らせば一発で見つかるから便利だと思うんだけどな。まあ、UV光源を常時持ち歩いている人間が日本に何人いるんだ、という話ではあるけど。それにしたってジェルネイル用とかでUV光源が手の届く範囲にある人は多いはずだし。UVで積極的に照らさなくたって、蓄光画鋲はそれなりに需要がありそうな気がするんだけど。

 蓄光のフックで鍵をぶら下げるみたいな製品はあるから、需要がそっちに吸われてるのかな。


 普通の画鋲に蓄光塗料のスプレーで表面処理するのと、蓄光のPLAフィラメントで画鋲を作るの、どっちが楽かな。3Dプリンタで画鋲を作ろうとすると色々工夫しなきゃいけないし、フィラメントの剥離とかもありそうだし、やっぱり塗るほうが簡単かな。



 PCのメインの音声出力(背面端子)が、音を出すとノイズが乗るという謎の不具合を発症。音量が低いときはノイズは無くて、聞こえるくらいの音量が出ているとノイズも出る。出力レベルを上げて外部で絞っても、出力レベルを下げて外部で増幅しても、ノイズレベルは体感で変わらない。別のオーディオデバイス(Bluetoothイヤホンとか)を使っているときは問題ない。フロント端子からも同じようにノイズが出る。おそらくマザボに乗ってるオーディオ系のトラブルだと思う。

 PC再起しないとだめかな?と思いつつ、試しにデバイスマネージャーからオーディオ処理オブジェクトのデバイスを無効化→有効化してみたら解消した。こうして再起動の機会を逃していくのだ……



 興味本位で予備(遊び用)に使っているWindows PCのNTPの設定を変えて、192.168.1.123:1234みたいに設定して、当該アドレスのPC(物理的に別のマシン)でUDPパケットを待ち受けてみたんだけど、何も来ない。

 試しにWiresharkで覗いてみると、192.168.1.123のときにはNTPパケットが出ているけど(もちろん応答はない)、192.168.1.123:1234はそもそもNTPパケットが出ていないっぽい。192.168.1.123:123でもパケットが出ないから、セミコロンでポート番号を指定する記法はだめっぽい。

 IPv6でアドレスを指定する場合、[アドレス]:1234表記ではポート指定が無視されて普通のNTPリクエスト(123宛)が出て、.や#やpで区切った場合は何も行わないらしい。

 少なくとも、WindowsのNTPクライアントは、ポートを指定した問い合わせはできないっぽい。ググってもそういう設定の説明は見当たらない。

 NTPサーバーのポートを変えて問い合わせたいみたいな需要って無いんだろうか? 昔は123番をブロックするようなルーターがあったからすでに多用されていたポートを使うような設定があったらしいけど、最近は問題になることはないだろうしなぁ。


 オフラインの場所(人里離れた野外とか)でNUCみたいなのを使ってDAQを作るときに、自分で(PCの中で)NTPサーバーを立てて、そこに問い合わせることができれば便利かな、と思ってたんだけど、ちょっと難しそうだ。そもそもそんな場所にWindowsを置くな、という話ではある。

 どうしても必要なら自分でOSの時計を書き換えるとかで保時することは可能だろうけど。



 Mode-3/A/Cのログ

 近くでガソリンエンジンがブンブン回っていた時間帯。約2.76Mspsなので時間分解能は362ns。強い信号が1サンプルしか入っていない。GHzまで来る広帯域なインパルスだからMsps程度じゃ分解できないのは当然と言えば当然だろうけど。

 PRFは高くても数Hz(5Hzとか)程度。ゲートは確か一定以上の信号が入ったらそこで開いて、一定時間で閉じて、直後からサンプリングを再開して、みたいな感じだったはずだから、高いPRFが入ればちゃんと記録されるはず。数Hz程度しか入っていないということは、ガソリンエンジンの回転数(6000rpmとして100Hz程度)に比べて圧倒的に低いから、放電ノイズはそこまで強くはないのかもしれない。数が出ればいくつかは強いやつがある、程度で。あるいはデシメーションで時間積分して消えてるのかもしれないけど。



https://www.gsc-europa.eu/sites/default/files/sites/all/files/EWSS-CAMF_v1.0.pdf

 欧州のガリレオで実装している災害情報の仕様書だと思う(読んでない)。

 おそらくQZSSのDCXと同じメッセージフォーマット。IS-QZSS-DCX-001が80ページに対してこのPDFは117ページある。多少は多く色々書いてありそう。



 マルツで買える(DigiKey経由)SiTimeの28.8MHzクロック4選

 MEMS OSC TCXO 28.800MHZ SIT5358AECFR-33N0-28.800000 SiTime製|電子部品・半導体通販のマルツ

 MEMS OSC XO 28.8000MHZ HCMOS SMD SIT8008BC-11-25S-28.800000 SiTime製|電子部品・半導体通販のマルツ

 OSC MEMS 28.8000MHZ SMD SIT8008BCE11-25S-28.800000 SiTime製|電子部品・半導体通販のマルツ

 MEMS OSC XO 28.8000MHZ LVCMOS SIT8920BM-13-33E-28.800000 SiTime製|電子部品・半導体通販のマルツ

 精度は上から50ppb、20ppm、20ppm、50ppm。値段は50ppbが2.9万円(税込み、1個)、20ppmが200円、50ppmが5000円。

 リードタイムが16週間とか26週間とか書いてあって、プログラマブルで納期が早いみたいなアピールポイントはどこにいったんだ、という感じではある。

 50ppmは精度が低くて値段が高いけど、動作温度範囲が広いので、車載みたいな高信頼用で値段が高いんだと思う。20ppmは型番が同じで商品説明も全く同じ。ざっとデータシートを見てみた感じ、出力ドライバの違いなのかな?

 20ppmは、まあ、あえて採用する理由はないわな。製品を量産するなら水晶よりMEMSのほうが信頼性が高い(製品不良率を下げられる)みたいな利点はあるかもしれないけど、一点物で改造に使うようなメリットは見いだせない。

 50ppbは魅力的だけど、いかんせん値段がな。。。


 ちなみに、SiTimeの高精度クロックには5ppbという製品もラインナップされている。ただし現在のところDigiKey(およびマルツ)には10.000000MHzしか製品が登録されていない。1個1.7万円なので、50ppbより精度10倍で値段は4割安い。デジタルプロセスの進化は凄まじいな。アナログな水晶じゃこうは行かない(水晶が普及し始めた当時はこれくらいのペースで安くなってた可能性もあるけど、当時の需要を考えるとそこまで急激ではないと思う)。



 rtl-sdr blog v3ドングルのBias Tee、適当なスイッチング素子で制御してるものだと思ってたけど、4.5V LDOが入ってるんだな。だからBias Teeが4.5Vと中途半端な電圧が明記してあるのか。

 USBの5Vをポリスイッチ経由でLDOに突っ込んで、LDOのENをGPIOで制御する。出力をCで平滑してLで結合。LDOを低インピーダンスなスイッチング素子として使うのは便利そうだな。それに電源ラインのリプルをある程度除去する効果も期待できるし。

 LDOが入っているので、USBの電圧がちょっと高めだったりしても、Bias Teeの電圧が高くなりすぎることはない。RTL2832UとかR820T2も3.3V系のLDOが入っているはずだから、rtl-sdr blog v3を使う限りは、USB電圧が少し高い程度は問題なさそう。低い方は、3.3V LODはより低ドロップアウトなものを使っているから、ほとんど3.3V付近まで動く、と言っている。もちろんBias Teeの電圧は落ちるけど。

 v4でどう変わったかはわからないけど、大して違いはないんじゃないかな?

 他のドングルだとどうなんだろうか。例えばAirSpy MiniとかもBias TeeにLDOが入っているんだろうか? ググって出てきた画像でBias Tee付近についている部品をググってみると、TIのSOT-5 LDOが2種類出てきた。SMAに近い側が4.5V、遠い側が3.3V、らしい。Bias Tee用の4.5VとR820T2/LPC4370用の3.3V、ってことなのかな? そうなのであれば、AirSpy MiniもBias Teeはちゃんと電圧リミットされるっぽいな。


 Bias Teeにぶら下がるちょっと変な回路を考えていて、USBの電源電圧変動を受けたら(特に高い方が)嫌だなぁ、と思っていたので、LDOが入っていて4.5Vでリミットされるのはありがたいな。