2025年1月15日水曜日

小ネタ





 REACHER Season 3 - Official Trailer | Prime Video - YouTube

 Amazon.co.jp: リーチャー ~正義のアウトロー~ シーズン3を観る | Prime Video

 2月20日から。


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 Delta Force、だいぶ飽きてきている。ウォーフェアは同じ人に5回くらいやられて心を折られつつトータルでK/D0.3とかだし、オペは野良パ3人で入ると未帰還率高いし、ソロで入っても3人パーティーに遭遇することが多いし。正式リリースで人口が増えたら全体的にバランスは改善されるのかもしれないけど、オープンベータ開始から少し経った現状では、他のFPSから流れてきた強いプレイヤーが残って、初心者では太刀打ちできない感じ。当たり前だけど対人ゲーはプレイヤースキルがキッチリ比較されるから、弱いプレイヤーと強いプレイヤーが同じマップに入れられると弱いプレイヤーは徹底的にキルされ続けるしかない。これだけキル数献上してるんだからそろそろ表彰されたっていい頃合い。

 一緒に行動している場合でも、3対3で撃ち合いになって1人がダウンすると2対3、起こそうとすると1対3になるから、野良パならダウンした味方は捨てて逃げるのが最適、というのは、理論としては確かにそうなんだけど、とはいえなぁ。かといってナイフ1本で入って拾った武器でボスに突撃するやつがダウンしたのを放って置くとVCでFワード吐かれるし。世知辛い世の中よ。

 せっかく3人でパーティー組んで入るんだから、連携にインセンティブがあればいいのに、そういうゲームシステムにはなってないんだよな。例えばApexだと戦うことが主目的だからある程度連携する利点がある(Apexやったことないから実は連携してないのかもしれないけど)。DFは物を漁って持ち帰るのが主目的だから、連携するとむしろ稼ぎが減るみたいな考え方がありそう。仲間が倒した装備を漁るプレイヤーとか、エリアに入って敵がいないか警戒している間に先に漁るプレイヤーもいるからなおさら。プレイヤー数が増えればマッチングのアルゴリズムとか改善されるのかもしれないけど。そもそもまだベータだしね、という話ではある。


 モバイル版、モバイルで対戦しようとは思わないけど、倉庫や製造を、PCでゲームを起動しなくてもスマホからポチポチできれば便利そうなので、そのあたりにはちょっと期待していたんだが。そもそもアカウントを共有できるのかも知らないけど。



 フラッシュドローン、オリジナルはローターが1段なので、これをそのまま実現するのは結構面倒そう。不可能とまでは言わないけど、ローターを2段に増やすほうがはるかに楽だし、コスパの良い妥協だと思う。

 2重反転の2枚ローターで飛行制御しようとするとサイクリック制御が必要で、スワッシュプレートやらそれらを制御するサーボやら、色々と機械的部品が増えて複雑になる。ところで、BLDCを細かく制御できる場合、サーボやスワッシュ周りを使わずにピッチ・ロール制御ができる(例えばTom Stantonが4年くらい前にYouTubeに投稿したドローンとか、そのオリジナルは更に古い)。件の動画ではメインローターとテールローターにBLDCを1個ずつ使用しているが、2重反転をBLDCで作ったって良い。片方は固定ピッチで回転数だけ制御、もう片方は位相制御を追加してピッチ・ロールを制御して、差動でロールを制御する、みたいな感じになるはず。ただ、上下にBLDCを配置して、その外側にローターを出して、中央部に制御回路やバッテリーを挟む、みたいな構造にすると、オリジナルの球体の中央部からローターが生えているイメージとはだいぶ異なったものになる。上下のモーターは電気的に完全に分離して、ローターを直近で挟むみたいな構造は考えられるけど、機械的に結構厳しそう。デスパンに複雑な構造を作ると慣性モーメントが大きくなるのでBLDC制御が難しくなる。

 どうしてもローター1段で作りたい場合は、何らかの方法で反トルクを打ち消すためのトルクを作る必要がある。例えば内部でタービンを駆動してジェット噴射を行うことでトルクを打ち消すことができる。このドローンは運用時間が10秒程度だから、電池は超高レートで放電していると考えられる。その場合、電池の発熱はかなり大きいはずだから、それを冷却するために強制空冷を行い、その気流で反トルクを打ち消している、という考え方もできる(この程度の短時間なら熱容量で頑張るという方向もあるけど)。

 ファンでジェットを作る場合、メインモーターを共有する方法と、別のモーターを使う方法が考えられる。モーターを共有する場合、気流の向きを逆転させるためのロスや、ヨー制御(例えばノズル径あるいはノズル方向の変更)のための機構が必要になる。電気的に制御できる別モーター方式のほうが容易な気がする。遠心式ファンであれば軽く整流して吐き出すだけである程度のトルクが得られそう。



 猫のバックルのパラコードブレスレット

 パラコードブレスレット、初めて編んだ。3本くらい編むとかなり慣れてくる。長さの調整がかなり難しい。本当に1mm単位で調整する必要がある。いい感じの装着感を得るには、とにかく長さを変えて何本も作って試すしかない。店で売ってるやつなら色々試して気に入ったやつを1本買えばいいけど、自分用に作ろうとすると無駄に大量に作る必要がある。あるいは、ほどいて作り直すという手もあるけど、かなり固く結びこむから、解くのはけっこう大変な気がする。パラコードのブレスレットを「ほどけば長いパラコードが手に入るサバイバルグッズ」みたいに説明していることがあるけど、かなり時間をかけないとほどけないと思う。それに長いと言っても2mちょっとだし、結び癖が付いてるから使いづらいだろうし。

 バックルが思ったより小さかった。猫用ならこんなものか。

 オリジナルのブレスレットはもう少しスリムな編み込みだけど、軽くググったくらいだとその編み方は見当たらなかった。まあ、編んであるような形じゃないもんな。コードを蛇腹折にして細いゴムを貫通させたみたいな素材を使っている感じ。



 データナイフの先端を切り落として、磁石を埋め込んでみた。壁にナイフが刺さったようなイメージで紙を磁性体に貼り付けたりできる。磁石はamazonで50個入りで売ってたΦ6x3mmのネオジム磁石を3個入れてみたけど、かなり磁力が弱い。安物だからというのもあるだろうけど、そもそも磁石自体が小さいから磁束も小さくて、少しでも離れると急速に磁力が弱まる感じ。

 頭あたりを分離式にして、中にUSBメモリとか埋め込んだら面白そう。「データを持ち運べるナイフ」という意味で「データナイフ」と言い張れる。


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 スイベルリング

 M4をワンポイントで吊った瞬間ストーンと落ちて床にバレルを突き刺した(刺さってない)。ただのハイダーで助かったぜ。サプやトレーサーをつけてたらと考えると……

 ピンの一番細いところでボールが引っ込んで、その先の太い部分でボールを押し出す。その先のリムがボールに引っかかって抜けないようになっているが、これが摩耗するとピンが抜けて、ボールが引っ込んで、意図せず外れる。というようなメカニズムっぽいけど、こんなところそう簡単に摩耗しないだろうに。

 ボールは外側から挿入してカシメて脱落しないようにしてあるわけだけど、このカシメが弱いとボールが少し外側に出た状態で保持されて、ピンの公差によっては抜けやすい状態になって、引っかかったりしてピンが引き抜かれると外れる、みたいなことなのかな。


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 USB(Type-C)で使えるLEDライト。試しに買ってみたけど調子が悪いので分解。




 回路は結構シンプル。LED側はRGB LEDが3個、それぞれに抵抗がついている。裏面は根元側にトランジスタが3個(RGB1個ずつ)と、それぞれに抵抗が1個ずつ、先端側にタッチセンサのICが1個と周辺回路、中央部にLEDを制御するためのICが1個と周辺回路、という構成(トランジスタの中の1個はシュリンクチューブの下に入っている)。

 タッチセンサは先端部と中央部にスルーホールがあって、これがケースから伸びるピンに溶着されている。ケースに触れるとそれを検知してON/OFFや色を切り替える、というロジックのはず。ただ、筐体やセンサの調整が悪くて、誤検知が多い。勝手につくことはあまりないけど、勝手に消えることは多い。LEDのパルスがカップリングしているのかな。

 この製品、レビューでは「接触不良が多い」という低評価レビューが多い。ただ、おそらく接触不良ではなく、タッチセンサの不良だと思う。内側はコネクタ側でType-Cの5Vを有効化して、ワイヤ2本で電源を引き込んで、針金1本でフレキシブルに向きを設定できる、という感じだから、よほどひどいワイヤやハンダじゃない限りは接触不良はしないと思う。指でつつくと点いたり消えたりする、みたいな挙動は、タッチセンサの誤動作で、触れると全体の容量や荷電量が変わって点いたり消えたりする、という感じのはず。ケースを外してタッチセンサをスルーホール単体まで狭くすれば、全く誤動作しないし、触れればちゃんと反応する。見た目は良くないけど。


 この基板、裏から光を当てると、表にも裏にも見えないパターンが見えるから、3層以上の多層基板だと思う。こんなものでも多層基板を使うんだな。細長いから色々引き回すのは大変で2層だと厳しいのかもしれないけど。

 センサのチューニングとか、基板の雰囲気(レジストの書き方とか)からして、比較的未熟な設計者のような気がする。若いメーカーなのかな、と思って調べてみたら、半世紀以上前に設立された会社なんだって。もっとも、こういうエレクトロニクス系はあまり扱っていないメーカーっぽいけど。この製品だって自社で設計したかどうかも怪しいしな。こんなの中国メーカーが試作/量産したやつを仕入れてパッケージ(チャック付きのビニール袋)に詰めて売ってるだけのような気もするし。


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 試しにGPSのドップラーシフトから速度とクロックエラーを計算してみた。いい感じに収束するし、アンテナを固定したIQファイルで速度は0付近(XYZ絶対値で70mm/s程度)が得られる。が、正しく動いているかどうか判断に悩む。位置を微分したらもっと大きな値になりそうだけど、とはいえ70mm/sは大きい値だからなぁ。

 先日外出したときについでにサンプリングしてみたんだけど、うまくデコードできない。タスクマネージャーではディスクアクセスが100%に張り付いていたから、書き込み速度が足りてないのかもしれない。ドライブ自体の公称値は500MB/sくらいのSSDだから、4.8MB/s程度のIQファイルは問題ないはずなんだけどな。

 その後、家の周りを歩いてサンプリングしてみたんだけど、こっちもデコードできない。クイックルック画面でスペクトルが時系列で暴れていたから、なんか変なノイズを拾ってる気がする。今回使ったアンテナ(LNA内蔵)はケーブルを束ねると発振するので、歩いているときに発振したりしなかったりでスペクトルが暴れていた感じなのかも。あるいは、デコーダのロバスト性が低いだけかもしれないけど。

 ドップラーシフトは中間形式としてm/sを使っているから、速度はm/sで得られているはずだが、クロックエラーも同様にm/sで得られているはず。光速や波長を含めてHzに戻さなきゃいけないが、未実装。テストデータがないのでな。。。ドップラだけなら静止衛星のドップラを正解値として採用すればいいのかもしれないけど。あるいは、速度もHz単位(計測量)のままで計算して、計算後に速度はm/sへ換算、クロックエラーはHzのまま使う、という感じでもいい。計算途中の値が理解しづらい形式になるデメリットはあるけど。

 速度は車で計測すれば60km/h(16m/s)とか40km/h(11m/s)とか適当なレンジの値が得られるはず。クロックエラーの検証は結構面倒な気がする。ppmの設定を変えるにしろ、中心周波数の設定を変えるにしろ、ドップラーシフトを動かす方法は色々あるけど、コヒーレントな受信機でそれを吸収するのが難しそう。まあ、ファイルを分割して解析すればいいわけだが。


 いいかげんノートPC(というか持ち歩いて使えるx86系Windows機)を買い替えたいんだけど、いくらなんでもGPD WIN4とかはピーキーすぎるし……というか使用頻度が低いからあまり予算かけたくないし。

 Core i5 Gen8あたりのリファービッシュなら3万円前後で売ってるし、それを買うという手もありそう。いくらなんでもGen8は古いだろ、という気もしないでもないけど、それを言ったら雑用に使ってるノートPCはi5 Gen2なわけで、6世代も新しくなる(このノート、10年以上前の製品なんだな。。。)。とはいえ、Gen13とかが10万円ちょっとで売ってるのを見ると、それの5世代前が3万はちょっと割高な感じもする。Gen7あたりだと1万円台とか2万円台で売ってるから、性能を求めないのであればそっちのほうがお得か。

 しかしまあ、昔は買えもしないのに色々なメーカーのカタログ見てこの機能がいいとかこの製品がほしいとか色々考えてたのに、とにかく安いやつがほしいとか夢も希望も何も無いつまらない大人になっちまってからに。


2025年1月8日水曜日

小ネタ


 時計の歴史を紹介する本で、アメリカの鉄道でかつて制定された基準の中に「40°Fからマイナス90°Fの範囲で正常に動作すること」みたいな記述が出てきて、そんなことあるかな、という疑問。

 摂氏と華氏は-40度で同じ値(-40°C=-40°F)になるので、華氏-90度というのは摂氏-40度を下回る。アラスカで過去に記録された最低気温だと-80°Fくらいまで行くらしいけど、アメリカ本土の鉄道会社が策定する基準には含まれていないはず。

 たぶん「40 - 90°F」みたいな文を翻訳したときに「40°Fから90°F」ではなく「40°Fから-90°F」みたいに訳したんだろうな、という気がする。40°Fから90°Fなら+4℃から+32℃程度の範囲だから、屋外(鉄道車両内)の温度環境としては妥当な気がする。

 セイコーのウェブサイト曰く40°Fから100°Fの範囲だそう。別のウェブサイトでは34°Fから100°Fと書いてあるところもある。会社ごと(運行する地域の気温)によって独自に基準を作っていたんだろう。

 本の中では、振り子時計の説明で、振り子の熱膨張が3桁(SI接頭辞1個分)間違って書いてあったりする。ざーっと読んで見つけた怪しい点はこの2つくらい(誤字等除く)。まあ、年号とかを除けば数字が細かく書いてある本じゃないからな。サイエンス系の本が専門のレーベルなんだから、編集者も簡単な数字のチェックくらいはしておけよ、という気はするけど。編集者ってのは内容の確認(≒検閲的な行為)は行わない、というスタンスなんだろう。科学的な内容を専門に出版すると謳っている以上、明らかに誤っているであろう箇所は著者に問い合わせるくらいしろよ、とは思うが。



 ナイトビジョンで4眼のやつはあるけど、5眼とか6眼のNVって無いのかな。正面のチューブの下方向に追加して、手元や足元が見えるやつ。6眼なら足元を立体視できるから、物が散乱している場所とか足場が悪い場所に入るときに便利そう。実際のところは重量やコストがネックになるんだろうなー。あとは、据銃したときに邪魔とか。


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 Delta Forceで自分で撃った時に、体感で「今の絶対あたってないだろ」というやつでもヘッショ判定されてたりして結構違和感ある。エアソフトだとペーパーターゲット相手ならちゃんと狙って撃てばちゃんと当たるけど、逆に言えば照準を合わせなければ当たらない。ゲームだとそういう常識が通用しなくて、銃や追加機器で銃弾の当たり判定の大きさを増やすような処理になるらしい。なので、プレイヤー視点からしてアイアンサイトとレッドドットを比べて狙いやすさに違いがないから安いアイアンサイトを使おう、みたいな判断は駄目らしい。ゲームと現実を一緒にするな、というやつ。常識を分けて考えなきゃいけない。どちらかといえばinstinctive shootingを極めたのがFPSゲーム、という感じかな。


 見た目だけならハッキングクロー一択だけど、スキルが使いづらそうで。でも強いプレイヤーだいたいこれ使ってる気がする。まあ、これを使うから強いわけじゃなくて、強いからこれを使えるんだろうけど。FPSは自分が使ってるキャラが見えないから見た目で選ぶ理由がないんだよなー。結局自分で回復できるスティンガーが一番楽。コンパウンドボウで電撃矢やスキャナを撃てるルナも便利ではあるけど、NPCに電撃を撃ってもダメージ入り切るまで時間がかかるからその間にNPCに反撃されて、ステルスキルができない。CAR-15にサプつけて持ち込むほうが安心。あるいは、ハッキングクローのナイフを使えばいいのかもしれないけど。

 ハッキングクロー、QWERTYキーボード付きのモバイル端末とか、猫の顔が書いてある投げナイフとか、色々好きなポイントを突いてくるんよな(黒猫はブレスレットとかチェストリグのパッチとか、あちこちにいる)。ウレタンマスクみたいなやつはあんまり好みじゃないけど、とはいえ「肺に砂がたまると健康に悪いから」とか言われると納得するしかないし。Delta Forceの各キャラは経歴とか色々作り込んであるし、そのうちキャラごとに2,3分とかのアニメを作ったりするんだろうか。

 黒猫モチーフのパラコードブレスレットは普通に欲しい。イラストを再現しようとするとバックルが特注になるから大変そうだけど。いちおう、動物(特に猫)の首輪向けに猫モチーフのバックルは市販されているから、それを使えば雰囲気は真似ることはできるか。


 猫の投げナイフ、持ち手部分に小さいOLEDディスプレイがついてたり、刀身の根本にシールドケースのブレークアウトボード(2x6ピン)がついてたり、電子工作的な視点でも面白い。

 刀身の中に3本のパターンが引いてあるけど、これアンテナになってるのかな。シールド付きのやつはRFモジュールか。裏面は見づらいけど、外付けの発振器かな? クロックはRFモジュールに入ってそうな気もするけど。見た感じ電源が入る場所がなさそう。周囲のRFモジュールをクラックするならLIBとかよりキャパシタで大電力パルスを出したほうがいいのかな。使用前は鞘に入れてるからその状態で常時充電しておいて。

 ナイフ自体は2パーツで分割している感じ。刀身全体からグリップの片面と、グリップの反対側。モナカ的に分割したグリップ部分に色々(電源とか)入っているんだろう。ダイカストとかでも作れるだろうけど、個人が使うような装備なら量産するようなものでもないだろうし、付加製造で作っているのかな。時代設定的には現代より少し未来のはずだし、最前線にも金属積層造形の設備はありそう。前線を支える各種機材で必要な交換部品を必要なときに最前線へ補給するのはロジスティクス的に結構大変なので、小さい金属部品なら最前線で作るほうが効率がいいはず。造形や仕上げ(5軸CNCとか)で部品1個を作るのに24時間とか48時間とかかかったとしても、海運や陸送で送るよりは圧倒的に早いわけだし。なら個人用の特殊なナイフでもチタンとかで作れるはず。投げナイフとして使える量を供給できるかというと怪しいけど。



 DMAチート対策強化のお知らせ |『Delta Force』 | 究極のタクティカルチームシューター | PC版無料プレイ

 DMAチート、何年か前から原理的には可能とか言われてたけど、ツールとして普及するくらいまで来たんだな。しかし、結構複雑な構成だ。

 ハードウェア的には、PCIeエッジコネクタがついたZynqカードが1枚あれば、DMAでメモリを読み出しつつHDMIを受け取ってオーバーレイをレンダリングしてHDMIで出力してUSBデバイスとしてエイムボット作って、みたいなものは作れそうだが。まあ、通販で安く買える部品を組み合わせたほうが楽よな。

 PCIeのDMAってどれくらいの権限が必要なんだろうか。例えばPCIe接続のUSBアダプタに偽装したFPGAからRAMをDMAで読めるなら、USBホストでマウス操作を受け取って、必要に応じてエイムボットを適用してPCに流しつつ、RAMを読んで、みたいなことはできそう(3.0以降の高速・大容量転送を行うUSBホストならDMA転送をしても不自然じゃないし)。OSから見れば単なるUSBアダプタだから、デバイスツリーを見てチートツールを見つけるのも難しい。HDMIに壁越しの敵の位置を上書きするとか、あるいはエイムボットとして使うならメモリへの書き込みを検知するみたいなこともできないから、対策は大変そうだなぁ。プレイヤーとしてはチーター対策はゴリゴリ進めてほしいところではあるのだが。


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 試しに黒猫の投げナイフを3Dプリンタで出力

 猫耳の先から刃の先端まで290mm。イラストだともう少し長い雰囲気かも。ベッドサイズの関係で300mmくらいが限界。分割は半分に割っているだけなので、イラストの分割ラインとは違う。本物の通りに分割しようとするとFFFプリンタでは綺麗に出力できないのでしょうがないとはいえ。

 ゲームのスクショと並べてみるとだいぶ違うけど、全体的には似てるかなー、といった程度。やっぱり紫のOLEDが特徴的だし、基板の緑のレジストやパターンの金フラッシュも印象的だから、それらが無いとだいぶ違う雰囲気。電子部品も含めてモデル化して色を塗ってやればもっと近くなるんだろうけど。GPS受信機を埋め込んでOLEDにLat/Lngを表示するような機能があれば面白そうだが。

 ちなみに、体積は70cm^3弱なので、チタンで作ると300g位になる。例えばKa-Barナイフは全長が30.16cm、重さが560gなので、同じくらいの大きさで少し軽い、くらいの雰囲気。鉄で作ると7割増くらいになるからKa-Barとほぼ同じ重さになる。もちろん、この形を強度のある素材で作ると日本では違法だが(樹脂製なら完全に合法かというと、微妙なところではあるけど)。


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 GPSの相対論項(Δtr)、前回は一般相対論的効果と書いていたけど、これは軌道半径・離心率・離心近点角の関数であって、遠地点では重力と速度が減って、近地点では重力と速度が増えるから、一般相対論的効果と特殊相対論的効果の双方が同じ向きに作用しているので、特殊や一般をつけず、単なる相対論的効果というのが正しそう。


 受信機のクロック誤差、初期値をx=y=z=s=0として計算を始めてもいい、という話の続きだけど、そもそも普通の受信機は内部の時計から擬似距離を算出するから、sの値はせいぜいミリ秒以下のオーダーのはず。RTCがクリアされた状態では受信機の時計が無いからGPS秒数をそのまま使うとしても、とはいえ一番最初に見つけた衛星のGPS秒数を一旦RTCに採用すれば60-140ms程度の誤差に収まるから、適当なオフセットを加えて数十msとかその程度の初期値が得られるはず。ということで、s=0でもクロックエラーが±60万秒(1week)みたいな想定は必要ないはず。そもそも、普通の受信機の場合、観測量は衛星時刻ではなくて擬似距離だから、クロックエラーが大きすぎると衛星位置の計算で誤差が増えて収束しなくなるはずだし(観測量に衛星時刻を使うと、衛星位置計算の誤差はほとんど発生しない)。

 GPSの物理的な観測量が時刻じゃなくて時間(定数c倍で距離)なのが謎いんだよなー。数学的に方程式を立てたときに綺麗になるから、みたいなことなのかもしれないけど、時刻を観測するほうが後処理が楽そうな気がする。


 GPSの電離層モデル、ピアースポイント(電離層貫通点の磁気経緯度)の計算には受信機の経緯度しか使ってない。高度が上がるとピアースポイントは受信機の経緯度に近づくはずだから、正しく求めたいのであれば高度情報が必要なはずなのだが。もっとも、電離層を高度350kmの薄膜にモデル化した場合、多少の高度変化(高度0kmから15km程度まで)であれば高度の差はさほど影響はない、ということかな。特にGPSが標準で出してる2個の3次関数でモデル化した場合、水平方向での差は小さいはずだし。


 GPSの測位演算の重み付け、とりあえずsin(el)^2を設定してみたけど、いまいち期待したほどじゃない。仰角7度の衛星があると、除いた場合(仰角マスク的な挙動)では12.6m程度に対して、低仰角を含めてすべてを同じ重みで扱うと82.3m、重みをつけると46.5m。重み付けで2倍程度まで改善するけど、仰角マスクの4倍くらい悪い。ちなみに、仰角マスク+重みだと35.2m位になる。重みをつけると3倍近く悪くなる。


 GPSとQZSの中、仰角が高い組み合わせ(2xGPS+2xQZS)だと210m程度(PDOP18)、4xGPSだけで計算すると1400m程度(PDOP198)、位になる。4xGPS+3xQZSだと13m(PDOP3.75)程度で、13/3.75=3.5、210/18=12、1400/198=7、くらい。

 このIQファイルは可視性が悪いので、全天が見えているデータならもっといい精度になるかもしれないけど。



 ECEF→BLHの手法ごとの計算誤差(縦軸:メートル、対数スケール)。xyz毎に±5万kmの乱数を10万点作成してグラフ化。

 青、橙、緑をそれぞれ手法1,2,3として、手法1は「GPSのための実用プログラミング」で紹介されているソースコード(xyz_to_blh)を、手法2はWikipediaのGeographic coordinate conversionのニュートン・ラプソン法を、手法3は同WikipediaのThe application of Ferrari's solutionを使用した。

 誤差の評価はBLH→ECEFで直交座標に戻して、2つの直交座標間の距離を求めた。このため、計算誤差にはBLH→ECEF変換で発生する誤差も加わるが、1)BLH→ECEF変換はECEF→BLHに比べてシンプルである、2)すべての手法で同じ程度の誤差が加わるから比較する際には影響はないはず、という理由でこの方法を採用した。

 それぞれの手法において、経度と誤差に相関はない(経度はatan2(y,x)で解けるから当然)。いずれの手法も高度と誤差は弱い相関がある(高度が低いほうが精度がいい)。特に手法1は高度0付近以外では誤差が大きくなる。手法2および手法3では緯度と誤差に相関はほぼない(若干高緯度側が精度がいい)が、手法1では強い相関がある。赤道付近では誤差はかなり少ないが、中緯度地域では誤差が増える。中緯度地域で地面から遠い場所(地中or上空)が一番精度が悪い。

 なお、ニュートン・ラプソン法では、大部分は2回の計算で十分に収束し(差が1e-15未満)、例外的にいくつかの場合に1回または3回で収束する。2回で打ち切った場合は最大で1e-3m程度の誤差が出ることがあるから、ある程度精度良く計算したい場合、ベタ書きするなら3回のイテレーションが必要になる。

 手法2と手法3を比較した場合、手法3のほうが2桁近く精度がいい。ただし手法3ではsqrtが6回、cbrtが1回入る。手法2はsqrtが2回と1.5乗が3回入る。1.5乗はx*sqrt(x)で代用できるから、powを使わずにsqrt5回で済ませることもできる。結局、手法2と手法3では計算コストは大差ない。計算誤差は桁違いで、計算コストは大差ないから、手法3のほうが有利。ただし計算過程が複雑になるから、ソースコードをシンプルに済ませたい場合は手法2でもいい(実用的には手法2の精度でも問題ないはず)。

 手法1は、高度が-1kmから+5kmくらいの場合は最大で10mm程度の誤差が発生する。高度が低くなると誤差が急激に増える(地中なのでGPSの場合は問題ないが)。高い方は10kmで0.2m程度、40kmで0.4m程度の誤差になる。低高度エリアの単独測位なら誤差の範囲かもしれないけど、干渉させたりしようとすると問題になるかも。手法1は標高(ジオイド高)が0に近い場所かつ赤道付近で近似したものかな。手法1の計算にはsqrtが3回、三角関数(SinCos)が2回(SinとCosを別に呼ぶなら4回)、Atan2が1回(+Lat/Lngを求めるのに2回)が必要になる。計算コスト的には多少は低いけど、とはいえ精度を犠牲にするほど計算量が低いというわけでもない。


 高度対手法2(青)・手法3(橙)のグラフ(誤差はリニアスケール)

 手法2は地心からの距離に比例して誤差が増える一方、手法3はそういう傾向は見られない。厳密には、手法3だけ表示すれば地心からの距離に比例して誤差が増える傾向が見て取れるが、これはdoubleの精度の問題のような気がする(80e6m地点で誤差が3e-8程度だから、15.4桁の精度があり、doubleの有効桁数(15.95)と整合的)。もしかしたら手法2の傾向もdoubleの精度に由来するのかもしれないけど。手法3がdoubleの表現精度限界まで計算精度が出るの結構すごい。途中で誤差が加わりそうなものなのに。



 オーディオの人たち、「GPSクロックを使うと時間経過とともに音質が向上する」とか言っててすごい(ノイズをアラン偏差でグラフ化すると右肩下がりになるので、長時間使うとその分ジッターが減る、という理論)。オーディオでもRbを使ってる人がいるらしくて、それに比べてもGPSには音質改善効果があるんだそう。コヒーレント長数十日くらいないと効いてこなさそうだが。

 音速で地球を1周すると12万秒くらいだから、このくらいのスケールの反響を考えると、RbとかGPSをタイミングソースとして使うのは効果があるかもしれない。まあ、温度を1ミリケルビンくらいの精度で安定化させないと意味がないけど。

 量子論とかが提唱され始めた当時に「オカルトだ」みたいに攻撃されていた歴史を振り返ると、自分が理解できないものをオカルトだとかいって批判するのは良くないとは思いつつ、とはいえオーディオ分野(特に個人のハイエンド領域)はオカルトっぽいよなぁ。



 Visual Studioでprivate void Deconstruct(out int hoge, out int fuga)みたいなの作ってクラスの中でvar(a,b)=this;みたいに使うとDeconstructを未使用扱いで削除を推奨されるの、なんとも。


 C#で配列を変数に展開するような機能欲しいよなー。ReadOnlySpan<int>span=[1,2,3,4,5];に対してvar(a,b,c)=span[1..4];的な処理をやりたい。

 いちおうreadonly record struct Hoge(int A,int B,int C);みたいなのを用意してvar(a,b,c)=MemoryMarshal.Cast<int,Hoge>(span[1..4])[0];みたいにすればできなくはないけど、メンドクセ。複数箇所で使うとか要素数が10個とかあるならともかく、1箇所で使うだけならベタ書きしたほうが楽な気がする。


2025年1月1日水曜日

小ネタ







  [びじゅチューン!] 何にでも牛乳を注ぐ女 | NHK - YouTube

 6年前の動画。わりと歌みた動画が多く上がってるし。さすがにめんつゆ替え歌は見当たらなかったけど。


 PCデスクトップ画面でキャラクターが動き回るアプリ「Desktop Mate」Steam向けに発表。「初音ミク」を追加するDLCも配信へ - AUTOMATON

 デフォのキャラがあいえるたんで、追加でキャラクターのDLCを発売するらしい。

 前にあいえるたんの3Dデータを使ったからか、あるいは居住地域でターゲティング広告出してるのか、たまにWeb広告でインフィニットループの求人出てくるけど、いまいちどういう会社なのか謎い。自社のイメージキャラクターを作って3Dデータとかを配布してるんだから、そういう方向の会社なんだろうけど。


 ニデックが牧野フライスにTOB実施へ、想定シナジーとは?:製造マネジメントニュース - MONOist

 無節操にいろいろな工作機械メーカーを買収して、それぞれ個別に残して、シナジーあまり効かなそうだけどなぁ。



 Stream Deckで一部のソフトウェアに入力が効かない問題、なんのことはない、ユーティリティを管理者権限で起動すればいいだけの話だった。

 Stream Deck、自分の用途だといまいち使いづらいんだよなー。不便というわけじゃないんだけど、快適というわけではない。やっぱりマウスのサイドボタンが便利すぎる。サイドボタンが少ないマウスと組み合わせるなら便利だと思うけど、自分の環境では微妙なところ。


 Delta Forceでマップ(Mキー)を開くのがちょっと大変なのと、12ボタンのサイドパネルだと慌てたときに不意に押してしまうので、試しに2ボタンのパネルに交換してマップを割り当ててみた。ゲームプレイ中は瞬時にマップを開いたり閉じたりできるのでかなり快適。12ボタンのほうに割り当てていた各種ショートカットが使えなくなったので、Stream Deck操作を強制されるようになった。不慣れなので手間取るけど、まあ、しばらく続けてたら慣れるでしょう……

 Delta Forceのオペレーション、3人で入ると他の人が積極的に人の多いところに行くから対人戦で撃ち負けるし、とはいえ1人で入ってもプレイヤーに遭遇すると撃ち負けてそのまま終わるし、結局人に遭遇するとどうしようもない。消極的に人との遭遇を避けようとできる分、ある程度の生存率を維持できる1人のほうが利益は良いかな、といった程度。

 あと、ナイフ1本で入ってくるやつがチームメイトにいると大迷惑。こっちの装備はテメーの命みたいに安くないんだぞ。装備無し(ナイフ1本)でマッチングするならナイフ1本の人だけでチーム作ってほしい。というか、ある程度装備の質を合わせてチームを作ってほしい。こっちが安い装備で参加してるのにチームがゴリゴリの対人装備で積極的に動くとこっちは手も足も出なくなる。

 結局、カジュアルに楽しむならDiscordとかつないで仲間で集まってワイワイやるのが楽しいんだろうな。



 太陽電池をアレイ・アンテナとして使えないかな、みたいな空想。パネルから垂直な方向に指向性のある平面アンテナ。複数の太陽電池パネルを並べる場合は移相器経由で結合することで大きなアレイを構築できる。主に静止軌道との通信を想定している。具体的には遠隔地でパネル1枚(or more)を設置することで電力と通信を確保するような使い方。

 そもそもの発想としてはビルの屋上みたいな場所に偽装して設置できるアンテナの空想から。見た目は普通の雑居ビルだがその中(or地下)に秘密基地みたいな施設があって、その場所のバックアップ回線をどうするか、みたいな話の流れ。大きなパラボラアンテナや平面アンテナを設置すると目立つ。太陽電池ならギリあまり目立たない。雑居ビルに太陽電池の予備電源があるのはどう見ても怪しいだろ、みたいな話はさておき。

 太陽高度は季節で変動するけど、全体の平均としては静止軌道からそう離れた場所を通るわけではない。太陽電池の垂直方向にRFの指向性があるアンテナアセンブリはそれなりに使い物になりそうな気がする。太陽電池の設置方向で通信相手の位置を推定されるデメリットはあるけど、多少ブロードなパターンのパネルを複数枚並べて移相器経由で結合すればビームステアリングできるから、少し違う向きに設置して使うこともできるし。

 ぐぐってみると、IoTみたいな用途で薄膜太陽電池とアンテナを一体化したような製品はあるらしいけど、ある程度鋭い指向性を持った製品はなさそう?

 パワーコンディショナのスイッチングノイズが逆流してパネルから放射される、みたいな話はあるらしいから、その原理から言えばパネルから電磁波を出し入れすることはできるはず。任意の指向性とか電力効率を考え始めると大変そうだけど。

 Bias-Teeの電流が逆向きみたいな感じで、電力とRFを1本のラインで送れるようなモノがあると便利そう。とはいえ、静止衛星狙いのビームだと数GHzから数十GHzのオーダーだから、50Wくらいの電力を通せるRF伝送ラインは……と思ったけど、FMでも普通の同軸線で数十Wくらい通すし、DC50W+RF1Wくらいなら通るのかな?

 太陽電池セルの櫛状電極をアンテナ素子として使えると便利そうだけど、大変そう。コモディティ化した太陽電池セルを特注しなきゃいけないからコスト的にも厳しいだろうし。IoT的な用途(ARGOSとかDCSくらいの雰囲気)なら太陽電池の横に八木アンテナとか置いたほうが楽だろうし、よほどの用途じゃないと太陽電池と一体化した指向性平面アンテナの需要はなさそうだよなー。



 GPSの測位演算の初期値、位置はx=y=z=0で始めるとしても、受信機時刻sは結構精密に(±1万kmくらいの精度で)与えてやる必要があると思っていた(前回、それくらいの初期値がないと収束しなかった)。が、今回試した限りだと数万秒(数百au)くらいの誤差があっても結構簡単に収束した。なんで今回はこんなに許容範囲が広くなったんだろう?

 GPSの場合、最大で±1週間とすると1200auくらいの範囲になるから、受信機時刻をゼロクリアで始めるのはちょっと手抜きが過ぎる気がする。とはいえ、正しい時刻から±604800秒くらいずらしても、数回くらいのイテレーションで十分に収束はするから、ゼロクリアでも問題ないといえば問題はないが。本でも初期値をx=y=z=s=0みたいに説明している例もあるから、受信機時刻の初期値はゼロでもいいのかな。


 とりあえず測位演算である程度妥当そうな結果が得られるところまでは戻ってきたけど、実際の位置との誤差が500m近くある。擬似距離の残差が測位位置に対して190mRMS、350mMax、残差とドップラに相関なし、という感じ。残差とドップラに相関があるならDLL周りが怪しそうだけど、そうじゃない。

 実際の位置に対する擬似距離の残差は410mRMS、790mMaxで、すべて負の値を取っている。RMSで1チップより大きいのは、相関器の誤差では説明できないような気がする。それと、すべての符号が同じなのも気になる。

 色々探した結果、200N Table 20-IV (sheet 2 of 4)のδのsin2Φkの計算を、sin(Φk)^2のように扱っていたのが原因だった。sin(2*Φk)が正しい。

 その結果、東西方向に6.5m、南北方向に30m、上下方向に150m、トータル153m位の誤差(5xGPS + 3xQZSS)。ちなみに一般相対論的効果(Δtr)やサニャック効果(回転座標系効果)、電離層や対流圏の効果は補正していない。東西方向はかなり正確で、南北方向もさほど悪くない値。上下方向の誤差がそこそこ大きい。


 相対論を適用すると、東西70m、南北25m、上下44m、トータル87m、位の誤差。上下と南北は改善するしトータルでも半分近くまで改善するけど、東西に大きくずれる。

 IS-GPS-200N 98pのΔtrの計算式はeと√Aの高さが違うので一見e^(√A)っぽく見えるけど、実際はe*(√A)が正しい。まあ、離心率に数千の累乗とか意味わからんもんな。


 サニャック効果(回転座標系の影響)を打ち消すと、東西42m、南北23m、上下46m、トータル67m、くらい。


 サンプルを取得したのは深夜(2302I)だったので、電離層遅延はほとんど無視できる程度のはず(スラントで30nsとしても10m程度)。対流圏遅延も10m未満程度だろうし、70m弱の測位誤差に対してはそれほど大きくないはず。


 試しに仰角の低い一つ(7度)を除いて計算してみると、東西0.3m、南北11m、上下15m、トータル19m、くらいの誤差に落ち着いた。こいつが原因だったか……


 電離層を含めて東西0.14m、南北11m、上下13m、トータル16m、くらい。

 対流圏を含めて東西0.4m、南北11m、上下6m、トータル13m、くらい。

 まあ、こんなところかな。


 低仰角の衛星が問題だったっぽいので、それを除いて各種効果を検討。

 擬似距離だけで補正なしで計算してトータル120m、相対論を含めて35m、サニャック効果を含めて19m、電離層を含めて16m、対流圏を含めて13m、くらい。ただ夜間にサンプリングしたデータだから、昼間にサンプリングすると電離層はもっと効いてくるはず。

 7個の衛星で、GDOP4.5, PDOP3.7, HDOP2.7, EDOP2.1, NDOP1.7, VDOP2.6, TDOP2.6、くらい。衛星の位置はおおよそ南西方向に固まっている感じ(アンテナの視野の問題)。開けた環境で受信すればもう少し良い結果が得られるかな。

 擬似距離の残差は9.32mRMS、18.2mMax、といったあたり。正しい位置との距離では1個が-42mで、残りはすべて正の値(最小6.9mから最大47m)といった感じ。



 電離層遅延の計算の途中でΦiを求める式、IS-GPS-200N 150pだとΦi = Φu + Ψ cosAだけど、IS-QZSS-PNT-006 156pだとΦi = Φu + Φ cosAの形になっている。たぶんGPSのほうが正しいんだろうけど(そもそも電離層遅延の計算で添字のないΦは使わないし)。


 測位計算(行列・ベクトルを使った最小二乗法)は例えばIS-QZSS-L1S-007 Formula 5.5-4 (35p)からPRCと重みを除いて計算すればいいし、電離層の計算もIS-GPS-200やIS-QZSS-PNTに書いてあるけど、対流圏の計算はGPS-200やQZSS-PNTには書いていない気がする。ある程度公式な情報(本とかサードパーティのPDFではなく)でGPSの測位演算の説明をしている資料って無いんだろうか。


2024年12月25日水曜日

小ネタ





 最近この手の動画減ってる気がするな。






 宇宙暗号SFミステリーADV『ステラーコード』Steam向けに発表。義理の妹と「円筒状物体」の謎に挑む、『イハナシの魔女』制作チームが贈る新作 - AUTOMATON



 GPS Calendar - National Geodetic Survey

 NOAAのGPSカレンダー。ある年の月日毎の週番号や1月0日からの経過日数が見れる。週番号はロールオーバーしないのでLNAVのデバッグに使うには1024でmod取る必要があるのが面倒。


 海上保安庁のDGPS、運用終了の理由が、S/A解除でDGPSの必要性が低下した上に、GPSの2回目のロールオーバーで機材の運用に問題が出るから、みたいな理由。ただ、JCGがDGPSの運用を始めたのは1997年で、1回目のロールオーバーは1999年8月だから、DGPSの運用中に1回目のロールオーバーを経験している。じゃあ2回目のロールオーバーも問題なかったのでは?という気もする。1回目で問題がおきたから2回目の前に運用を止めたのかもしれないけど。あるいは、1回目のロールオーバーは考慮してあったけど、2回目のロールオーバーでは何が起こるかわからない、みたいなことなのか。


 https://www.jha.or.jp/jp/shop/products/suiro/pdf/suiro109.pdf

 1999年4月の資料。7ページからDGPSの話が少し。もうすぐロールオーバーが発生するよ、という注意喚起はしているけど、DGPSに問題が出るかも、みたいなことは書いてない。DGPSの運用開始時期はロールオーバー目前だから、DGPS自体はロールオーバーに対応して作っていたんだろうか? なら2回目のロールオーバーも問題なさそうだが。

 DGPSの話は色々と出てくるし、四半世紀も前の話だから、DGPSのロールオーバー周りのトラブルをピンポイントで探すのが大変。



 Marines Must Fight for Space | Proceedings - November 2022 Vol. 148/11/1,437

 米海兵隊も対宇宙作戦能力を持つべきである、みたいな話。

 米6軍の中で宇宙技術から一番遠いのは海兵隊かな、という感じがする。陸軍は(今はどうかわからないけど)昔はRTKの開発の先頭集団に属していたし、海軍は今でも影響力は大きいし、沿岸警備隊は民間との情報共有の窓口になっているし、空軍や宇宙軍は言わずもがな。海兵隊は最前線で銃弾や砲弾を撃ち合うのが主な仕事だから、宇宙分野とか技術開発からはちょっと距離がある感じ。とはいえ、最前線に投入されるということは、電子戦の最前線でもあるわけで。自分のGPSへの対妨害性とか、あるいは相手のGNSSへの妨害とか、ドローンとか衛星とか、活発に活動することになるんだろうけど。



 今週はなろうで面白そうな長編を見つけたり、Delta Forceで遊んでたりで進捗ダメでーす。プログラミングとか資料漁りとか、基本的に暇つぶしのネタなので、他に面白そうなの見つけると進捗が地面まで真っ逆さまなのよな。

 Delta Forceはオペレーションズだけ遊んでる。最初は500Kの初期予算を大きく割って200Kくらいまで下がったりしたけど、最近は帰還率も安定してきて、いい感じにチマチマ稼げてる。夕方とか人の多い時間帯に入ると勝率が悪い。ド深夜の午前3時とか4時とかに入るとピースフルでハートフルな時間帯。PvPメインでやり合いたいなら人の多い時間帯、PvEメインでゆっくり探索したいなら人の少ない時間帯、あたりが狙い目かな。自分は後者狙い。対人戦はほとんど勝ち目がない。NPC相手用に薄いアーマー&低貫通力の装備で歩いているから、貫通力の高い対人戦重視のプレイヤーから何発か受けたらすぐ死ぬ。しかし、プレイヤー相手だと連敗しててもNPCをペチペチ撃ってるだけでプラチナまで上がるの、ランク計算間違っているのでわ。。。


2024年12月18日水曜日

小ネタ



 がぶっくでカバーしてほしいなぁ。



 KDDI山口衛星通信所がクレジットされてる。データセンターのシーン、ラックに入ってるユニットがだいぶ本物っぽい雰囲気だけど、これも山口通信所で撮ったんだろうか?


 Amazon.co.jp: レッド・ワンを観る | Prime Video

 しっかりバカバカしいし、しっかり面白かった。


 超高精度で1秒を刻む「光格子時計」を小型化、東大など 「秒」の再定義へ | TECH+(テックプラス)

 気軽に持ち運べるような大きさではないけど、だいぶ小さくなったな。商用のセシウムとかルビジウムに比べるとまだ大きいけど、周波数標準用セシウムや商用の水素メーザーよりはだいぶ小さい感じ。光学定盤の上に置いてあるけど、一番下のプレートには取っ手がついているから、2人で持ち上げられる程度の規模感なんだろう。長期間安定して使えるようになればメーザーとかから置き換えが進むのかな。

 商用の水素メーザーはMicrochipがかなりのシェアを取っているらしいけど、光格子時計がUTCとかVLBIに使われるようになったら日本メーカーの製品が普及するんだろうか? それとも結局は海外の製品がシェアを握るんだろうか。海外でも光時計は色々と研究されているらしいし、海外製の製品も出てくるだろうし。

 Microchip、原子時計を各種(Cs, Rb, HM)取り揃えているのが謎い。なんでその社名でラックマウントの原子時計とかを扱ってるんだ。MHM-2020とかなんてラックマウントできる規模ですらないし。CSACとかはちゃんとした原子時計のノウハウを持っているからこそ作れる製品なんだろうけど、原子時計の部門はどういう由来でMicrochipにあるんだろう?


 原子泉型周波数標準、原子の運動の様子が泉のようだからその名前になった、みたいな説明がよくあるけど、いまいちイメージできない。泉って凪いだ水面みたいな印象がある。意味合い的には地面から湧き出た水(湧水)であって、その上の水が溜まった場所ではないから、語源的には泉でいいんだろうけど、感覚的にはちょっと違う気がする。

 英語ではatomi fountainといって、これはチョコレートファウンテンのfountainだから、わりあいイメージ通りの名前な気がする。とはいえ、atomic fountainを直訳して原子噴水型みたいに書いたとて、じゃあ水ってなんだよ、という話になるだろうし。結局は原子泉型が一番しっくり来るのかな。



 旭酒造、宇宙で獺祭を造る。三菱重工など協力、2025年後半打上げへ | TECH+(テックプラス)

「天使の取り分(宇宙飛行士の試飲)」

 熟成じゃなくて醸造を宇宙で行うらしい。ISSの0G環境ではなく、1/6g環境で行うんだそうだ。将来的には月面で酒を作ることを想定しているとのこと。米は水分量が少ないのでぶどうみたいなものに比べれば輸送コストが低く済む。地球から米を運んで、月で採取した水で酒を作る。高揮発性で燃焼性で酩酊症状のある酒を月で飲めるかどうかはさておき。


 Can You Make Alcohol in Space? | WIRED

 宇宙で酒を作る事に関する記事。

 結論(DeepL翻訳)「(前略)アルコールの製造過程で最も危険なのは、飲み過ぎたときに起こることだろう。 言い換えれば、まさに地球上の状況そのものなのだ」

 月面とか火星表面で作れる原料はせいぜい量はしれてるだろうから、製造量もそれで制限されるし、地球みたいに1年サイクルで作るわけじゃなくて、1週間とか1ヶ月とか位相をずらして1年中栽培と醸造と蒸留とを繰り返すような感じで、そこをボトルネックにすればアルコールの供給量(摂取量)はある程度リミットできそう。あとは入植者が勝手に作付面積や醸造設備を増やさないようにしてやれば、過度な飲酒は防げそうだ。作付面積と醸造設備を厳しく制限する地球側と、それに対して違法な醸造を行う月or火星入植者たちの戦い。1本SF書けそう(小並感

 無重力で醸造・蒸留するのは結構難しいらしい。醸造では、酵母菌レベルではおそらく無重力でも問題ないだろうが、培地を維持するのが難しい。蒸留も現在大量生産で使用している方式は重力を使ってアルコール蒸気を分離するから、別の方式を考える必要がある。


 無重力環境(嘔吐彗星)で酒の匂いが嘔吐反応を引き起こしたといって、それが無重力環境での酒に由来するのか、そもそも嘔吐反応のしきい値ギリギリまで来ていたのか、判断が難しそう。適当な理由付けに使われただけのような気もする。例えば宇宙で1週間くらい体を慣らしてからなら酒の匂いは問題ないかもしれない。あるいは、それでも駄目かも知れないが。実際のところ、宇宙に酒を密輸していたやつもいたらしいし(まあ、ロシア人が律儀に禁酒を守るとは思えないし)、宇宙で酒を飲んだところで適量なら大して問題にならないんだろう。(表向きのところ、現在のISSで酒類が禁止されている理由は環境維持システムの機能がアルコールで問題が起こる可能性があるから、という理由であって、人間の問題ではないらしい。人間のせいにすると「自分は酒に強いから大丈夫だ」とかゴネるやつが出てくるからかもしれないけど)

 酒の場合、密造が比較的簡単なのが規制側からするとネックよね。微量の酵母が持ち込まれるだけで、通常の食品から酒を造れる可能性が出てくる。月や火星で都市を作ったときにそれを規制しようとすると、環境維持システムでアルコールを検知してアラートを出す、みたいな消極的な対応しかできない。適当な機材(環境維持システムの予備機材とか)で独立した陰圧室を用意されたら検知できない。武器や薬物は、作るのが絶対に不可能とまでは言えずとも、それなりに大変そうだし、実用的なものを安定的に供給しようとするとある程度のロジスティクスが必要だろうから、規制はしやすそう。/* 『アルテミス』では蒸留酒を提供するために、煮詰めた蒸留酒(アルコール分を飛ばした液体?)を輸送し、別ルートで密輸した無水エタノールと混ぜて試作していたから、あの世界では酒の密造は行われていないんだろう */



 キリンの飲料倉庫で動き出す、三菱重工の自動ピッキングシステムを見てきた | TECH+(テックプラス)

 黄色いロボット、FANUCのやつだと思うけど、茶色の斑点というか、白の網目模様みたいなのがないのが残念。


 なんでもセンサー(万能表示器)キット - Nandemo-LCD - Strawberry

 何でもという割に対応センサは結構少ない。エアクオリティセンサみたいな面白いやつ&動作確認が面倒なやつこそ対応してほしい。加速度や角速度や地磁気の3軸表示は液晶の表示領域が狭くて難しいとしても、特定の軸だけ表示してみるとか、絶対値を表示するとか、そういう機能はあっても良さそうな気がする。あとはToFも非対応。ストリナはToFのラインナップが豊富なだけに、ToF非対応はちょっと不思議(最近のSTのToFはマイコン側にある程度大きなROMが必要だから、小さいチップじゃ対応できないってことで全部非対応にしているのかな)。


 難易度の高いミリ波設計を容易に 超小型アンテナモジュール:MWE 2024でADIがデモ展示(1/2 ページ) - EE Times Japan

 5Gのビームフォーミング、LEO/HAPS向けの地上局、月面GNSSの受信機、等。

 LNSSのモジュールの名前が「LNSS TRANSCEIVER PM」になっている。レシーバーじゃなくてトランシーバーってことは送信機能もついてるのかな。受信したIQ信号をリアルタイムにKuとかに載せ替えてダウンリンクするみたいな機能が載ってたりするんだろうか? あるいはシュードライト的に広帯域RF電波源として使って、月軌道上や地上で受信する試験とかもできるようになっているんだろうか。



 GPSの周波数方向のスキャン

 FFTで入力とレプリカ(1code)をラグを変えて畳み込んで、相関値のピーク値(青色)と、コヒーレント積分したときの強度(橙色)、それと、コヒーレントに目視でフィッティングさせたsinc関数の絶対値。

 メインローブの横に少し膨らんでいる場所があるけど、1個目のサイドローブが見えているのかな?

 コヒーレント積分のメインローブはほとんどSincに近い綺麗なカーブ。Magnのピーク値はノイズの影響で綺麗な形にはならない。コヒーレント積分するとノイズの分で損をするので、スケールを合わせるとMagnのピーク値よりかなり低い値になる(√2くらい小さいのでスケーリングをミスっている可能性もあるけど)。ピークとノイズフロアの比でいうとコヒーレント積分したほうが有利。ピークの中心位置もおそらく正しい位置に近いし。理想的にはSincにフィッティングして中心位置を推定するほうがいいのかもしれないけど、結構面倒そうな気がする。コヒーレント積分の最大値をそのまま使うほうが楽。±500kHz位の場所で2箇所の強度比が1:1になる場所を中心にしてもいいかもしれないけど。どちらにしてもSNRが悪くなってSincの頭しか出なくなると正しく推定できなくなるから、結局はピーク位置を探すほうが良さそう。

 今回は約100Hzステップ(正確には99.993Hz程度)でラグをインクリメントしている。ヌル点が±1kHzの場所にあるので、500Hz位の範囲であれば1/2の強度が得られる。ただし後続のもう少し精密なドップラ推定に250Hzで折り返す曖昧さがあるから、少なくとも100Hzくらいの間隔でスキャンしたほうがいい(2.4Mspsとして100Hz分解能は2^14.55pts、2^15ptsなら73.2Hz分解能)。


 最初に2^15pts(約13.7ms)でキャリアのドップラを大雑把に推定して、その後で2^20pts(約437ms)でキャリアとコードのドップラ・位相を推定すれば、十分な強度の信号ならそれなりに良い精度で推定できる。あらかじめ十分な精度で推定できればその後のPLLで引き込む範囲が狭くて済むから、パラメータの設定が楽な気がする。±10kHzをスキャンするのに500ms弱、周波数・位相を推定するのに300ms弱、くらい。ちょっと時間がかかるけど、まあ、妥協できる程度だろう。最適化すればもう少し早くなってくれるかな、という願望もある。あと、Releaseビルドにすれば数割は早くなるはず(願望)。FFTライブラリの挙動として最初のパスはLUTの生成のために結構時間がかかるのがデバッグ時には不便。キャリア・コードの周波数・位相推定は処理内容的には通常の受信処理とほとんど同じだけど、これが2倍未満程度しか出ないとなると、複数機分のリアルタイム受信はちょっと厳しそうな見込みだが。どこまで最適化できるか。

 キャリア・コードの位相ロックはある程度動くようになってきたので、とりあえず航法メッセージの取り出しを実装したいな、といったところ。前回はキャリアはFLL的な動作だったけど、今回はPLL的な動作で、搬送波に位相ロックできているはず。できれば干渉計としても使ってみたいなーとか考えつつ。一応、Bias-Teeを出せるドングルは3本持ってるし、LNA内蔵L1アンテナも2個持ってるから、干渉用のサンプルは取れるはず。1周波だと整数値バイアスの除去が面倒そうだけど、長基線長で使うわけじゃないから、アンテナの距離を1m程度に制限してブルートフォースで処理するとか、あるいはアンテナを2個並べた状態で整数値バイアスがゼロの状態で開始するとか、そんな感じでどうにかなるはず。まあ、まずは単独測位をできるようにしないとな。。。

 GPSの復調はいろいろな段階が密結合になっていて段階的に進めるのが結構面倒くさい気がする。ISDB-Tだと基本的にはデータは上流から下流に向けて流しっぱなしでいいので、各段を分離しやすかったはず。GPSはビットレートがアホみたいに低い(50bps)のに、それ以上に信号強度が低いので復調がだいぶ面倒。


2024年12月11日水曜日

小ネタ





 Pixel6aで充電率を80%で止めるオプションが追加されたので設定してみたけど、放電深度が目に見えて深くなる。DoD0%で長時間放置するよりはDoD深めに使うほうがいいのかもしれないけど。



 Razerのマウスがハードもソフトもどうしようもないアホなので、ブラックフライデーでStream Deck Mk.2を買ってみた。

 Razerのサイドボタン12個に対してMk.2は15ボタンなので、割り当てられる数が多い。あとは、階層構造にしたり、ページ切り替えを使ったり、必要に応じて相当数な割り当てができる。ただ、直感的に操作したいとか考えると、13ボタンとか15ボタンが現実的なところかな。

 ボタンの下に液晶が入っているので、そのボタンになんのキーが割り当てられているのかが見ればわかるのが最大の利点。マウスのサイドボタンだといちいちユーティリティの小さい文字を見なきゃいけないから、キー割り当ての変更がほとんどできない(変えると感覚的に押せなくなる)。いちいち手元を見なきゃいけないのが不便ではあるが。スイッチがラバーカップみたいなヌメッとした感じで、感覚では押していても反応していないみたいなことがよくある。あと、低頻度ではあるけどたまにチャタる気がする。ボタンの信頼性としてはイマイチかな。

 ユーティリティでボタンの背景を単色で塗りつぶすようなオプションがないのがちょっと不便。後ろを塗りつぶしたいならその色の画像を用意しなきゃいけない。

 一部のソフトウェア(タスクマネージャとか、一部のゲーム)にフォーカスがあるときに操作が効かない。そのソフトで似たような操作(例えば音量変更とか)をRazerのサイドボタン/ユーティリティから操作すれば可能だから、Stream Deck固有の問題だと思う。操作できないときでもStream Deckのボタンには押下アニメーションが出るから、ユーティリティまでは届いているけど、そこから先に出ていない感じ。そのソフトでも一部の操作(アプリケーションの起動とか)は動く。使える操作と使えない操作の違いが謎い。アプリケーションにキー入力を投げて掴まれずにWindows側でハンドリングするような処理で、一部のアプリと相性が悪いみたいなことなのかな。アプリの起動は直接Windowsにコールするから操作中のアプリとの相性問題が迂回されるんだと思う。

 この手のデバイスを使ってみて実感するのは、マウスのサイドボタンってすごい便利なんだな。Webブラウジングみたいな状況だとマウスはほぼ確実に握っているわけだから、その状態で親指を押すだけでタブやウインドウを切り替えたり、戻ったり進んだりできるのはかなり快適。Stream Deckだとまずそれを手探りで探す挙動が入る。タブを変えたいとか思ってから実際に変えられるまでのレイテンシが桁違い。

 あと、Stream Deckを左手で操作すると、今まで左手で操作していたショートカットがシームレスに入力できなくなる。Ctrl-Rみたいに使用頻度の低い操作(&押しやすい操作)は無意識に左手でキーボードを操作していたので、地味に不便。全部Stream Deckに割り当てるにはキーが足りないし。マウスの操作範囲の外側には色々物が置いてあってStream Deckが置けない。右手で操作できれば便利そうではあるが。

 Webブラウザで調べ物をするときは一通り新しいタブで開いて切り替えながら読んだり閉じたりの操作が多いので、Ctrl-Tab、Ctrl-Tab-Shift、Ctrl-W、あたりがマウスのサイドボタンに有ると良い。あとはブラウザを起動するボタン(新しいウインドウを開く)もあると便利。

 とりあえず、しばらくはSteam Deckに慣れるように努力しつつ、ある程度慣れたらマウス買い替えかな。前に使ってたLogicoolは中ボタンが普通のタクトスイッチだから早々に中クリックが死んで、Razerはハードもソフトも品質が悪い。さて、次はどのブランドを買うか…… ブランド品なら品質もいいだろうと思って買ってたけど、実際のところはLogiもRazerも結構品質は悪いという結論。どちらも1年も持たずに(下手すると半年とかで)壊れる。それなら安物のゲーミングマウスを使い捨てたほうがやすい気がする。まあ、そのあたりの話は、また、そのうち。


 最近は輪をかけて買い物が下手になっている気がする。田舎住みは買う前に現物を確認できないから買い物が下手、という言い訳。マウスとかキーボードみたいな人間に物理的に近い部分は相性の善し悪しが大きいので通販はつらい。あとは本とか。ジャンルによっては中身が確認できないから実店舗も通販も変わらない、というものもあるけど、技術書とかは実店舗で買ったほうがいい気がする。北海道だと札幌あたりでしか買えないと思うけど。交通費を考えると安めの本なら1,2冊無駄に買ったほうが安いまである。それであたりの本を引けなかったら丸損だけど。



 olightの、USBのマグネット充電ケーブルで充電するライト3種類、3個とも充電ケーブルの互換性なくてなんとも。最初の2個は磁石の極性が逆。新しく買った1個は、磁石の極性は2個目と同じだけど、USBケーブル内に制御が入っていて、古いケーブルを新しいライトに使ったり、新しいケーブルを古いライトに使ったりができない。

 充電ケーブルの電極をオシロで見てみると、数秒の周期で4V強まで引き上げて、少し経ったら開放して、みたいなサイクルになっている(磁極性が同じで互換性のない別のケーブルはコンスタントに5Vが出ている)。この程度のデューティー比なら吊りっぱなしでもいいだろ、という気がしないでもない。オープンドレインで通信するようなプロトコルなのかな。単に短絡させただけだと充電モードにもエラーにもならないから、なにかネゴシエーション的なことをやっているのであろう。



https://www.cs.tsukuba.ac.jp/~ohya/pdf/ROBOSYMP2002-TAK.pdf

 超音波を使用したトランスポンダ。AGVみたいな用途を想定。ダブルパルスの間隔を変えることで質問波と応答波、あるいは複数のインテロゲータやトランスポンダを識別できる。インテロゲータは送信素子1、受信素子3で、到達の時間差から測角ができる。質問から応答までの時間で測距もできるから、ρθで相対位置を追跡できる。

 最近だとLiDARが結構普及しているイメージだけど、今でも開放空間で使う超音波(レーダー的な使い方)の研究って続いているんだろうか。20年前とか15年前に比べれば計算能力は格段に改善しているはずだから、パルス圧縮とか信号処理でゴリ押しする方向性はやりやすくなっていそうだけど。


https://www.jstage.jst.go.jp/article/pscjspe/2020S/0/2020S_680/_pdf

 2020年。Additive Manufacturingを使った導波管の試作。75-110GHzの導波管を金属や樹脂で試作し、市販の導波管と比較。

 樹脂の場合、光造形やインクジェットは挿入損失が高い(インクジェットで5dB、光造形で15-25dB)。表面粗さが低いとメッキが定着しないため。SLSは表面が荒いのでメッキが定着しやすいが、導波管としては表面粗さの影響で挿入損失が高い(1.8dB)。金属も粗さのために挿入損失が高い(2.4dB)。ただし樹脂は以前に試作したときとメッキのパラメータを変えたことで損失が改善したため、パラメータ設定次第ではさらに改善する可能性がある。

 メッキ側からの改善(例えば光造形への適切なメッキ処理)で、樹脂AMで実用的な導波管を作れる可能性はありそうだけど、とはいえ市販の製品をAMで作り直しても、手間とか考えるとほとんどメリットはなさそうな気がする。メッキ屋が光造形機を買って、断面形状や長さや曲率を自由に設定して導波管をオーダーメイドできるようなECサイトがあれば便利そうだけど。


https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2018/1805112.pdf

 三菱電機のAM導波管コンポーネント(単なる導波管ではなく、機能的なもの)。Al粉末で作成。表面粗さによる損失は、既存の方式(切削とか)では作れない最短経路で結ぶことで軽減する方向性。


https://www.ss.cc.tohoku.ac.jp/sscc/refer/pdf_data/v51-4/v51-4_p1-9.pdf

 2018年。非同一形状の対数周期アンテナ(LPDA)で後方散乱の小さいアレーアンテナを作る提案。サイドローブが小さく被探知性が低いので「忍者アレーアンテナ」という名前。アンテナの配置はグリッドにきれいに並べて、素子の形状だけ変える感じかな。アンテナの形を変えてビームパターンを最適化するなら、アンテナの位置を変えてビームパターンを最適化するような方向があっても良さそうなものだけど。


 NICTの資料(ETS8の実験機器)で、コード長1ms(1.023Mcps、1023チップ、1kppsにコヒーレント)の拡散符号で時刻比較するシステムで、1コードの曖昧さを30kmと書いてある資料がある。「衛星の位置を15kmの精度で求められれば計算で誤りを除去できる」と書いてあるから、300kmを30kmと書き間違えたのではなく、30kmとして考えてるんだろうなぁ。

 時刻比較システムの曖昧さ除去のために時刻比較システムの測距情報を使う予定らしいんだけど、蛇が尻尾を咥える形にならないんだろうか。実験報告によると初期値はSLRで得たうえでコード/キャリアを追尾したそうだから、時刻比較システムでの測距はできなさそう。あくまでも距離変化(微分して相対速度)を計測できるだけっぽい。


 スナップショットGNSS的なやつを小型衛星に乗せたらどうかな、みたいな空想。

 適当な周期(数分から数十分毎)で数十ミリ秒程度のサンプリングを行い、測位する。複数点の位置から軌道運動でフィッティングして軌道要素を得る。フィッティングだけなら数十分ごとに測位計算すればいいから、計算リソースが非常に少なくて済む利点がある。ただしメモリ使用量が大きいのがネック。定期的にエフェメリスを受信する必要があるので、少なくとも7秒程度のサンプルを保存できるバッファが必要になる。2.56Mspsで1bitなら2.24Mbyteのメモリが必要。1ワードずつ拾っていくなら256kByte程度でいいので、少し大きめの32bitワンチップマイコンにRFフロントエンドを追加する程度でいけるか。内容の一貫性の保証が面倒ではある(2,3回受信して比較すればいい程度ではあるけど)。

 計測間隔を数分程度にすると単独でコード曖昧さを除去するには-7乗程度のクロック精度が必要になる。サンプリング周期を30秒周期とかに設定すればクロック精度はもう少し低くていい。基本的にはサブフレーム5を受信してアルマナックを保存、定期的にサブフレーム2,3でエフェメリスを更新したり、サブフレーム4で電離層のモデルを受信したり、みたいな感じで。GPSは各サブフレームでの放送内容が決められているので間欠受信がしやすい。あるいは、衛星軌道は軌道の推定がある程度容易だから、300kmの曖昧さを後処理で除去できるのであればクロック精度はさほど必要ない。

 しかし、最近だと小型衛星とかキューブサットに載せれるようなGPS受信機があるから、ソフトウェア実装のスナップショット受信機はあんまり需要がなさそうだよなー。広帯域ADCを1個(+冗長系)だけ積んで、RFスイッチでアンテナを切り替えながら色々なミッションに応用する、みたいな方向性はできそう。LoRa的な機能とか、軌道上に自由に使えるADCがあれば色々遊べそう。その機能の一つに軌道決定とか時刻補正の機能。



 プログラム書いてて何故か動かなくて、一旦怪しいところ全部消してから書き直しているときに「ああ、これが原因だったのか」と思い至って、しかしもう全部消してしまったので「今更気づいてももう遅い」と、比較的最近のなろう系ファンタジーになってしまう。ざまあされる側。こういう事があるとGitでこまめに差分管理するの大事なんだなという実感が得られる。でもいくらローカルとはいえ、動かないコードをコミットする勇気はないんだよなぁ。


 GPSは最初のキャリア周波数やコード位相の推定で苦戦中。あと、キャリア位相。ここをある程度高い精度で推定できれば追尾のPLLで急激に引き込む必要がなくなるので、セトリング時間が短くて済む。ただ、GPS信号はSNRが悪いので、それなりの精度で推定するのも結構難しい。コヒーレント積分長を長くするとノイズは減るけど、処理時間が伸びる。リアルタイムに受信することを考えるとせいぜい0.1秒とかで終わらなきゃいけないので、積分長を長くできない。推定値が悪くてもセトリング時間が伸びるだけなのでそこを気にしなければいいという話ではあるんだけど、とはいえセトリングに20秒かかるなら最初の20秒分はあまり意味のある情報が取り出せないから、デバッグが面倒(より長い時間解析する必要がある)とか、開発効率の問題もある。だからといってその部分に長時間かけていたら開発効率云々という話ではなくなるんだけど。


2024年12月4日水曜日

小ネタ


 最近VTuber気球で成層圏へ行きがち? 人間が成層圏orカーマンラインor周回軌道へ行くのはもうしばらくは大変だろうから、当面はVTuberたちの特権かな。人間の活動領域が広がってもその外側には次元を落としたキャラクターが先行し続けるのだろう。そういえば初音ミクも金星に行ってたしな。その最も進んだ場所にいるのがパイオニア探査機の金属板か。VTuberみたいに次元を下げた人間が人間自身に変わってプローブとなるのはSFみを感じる(VTuber自体SF的な存在じゃないかというあれこれはさておき)。



 世論調査みたいなやつ(RDD)の電話がかかってきた。無回答で切ってしまったけど。発信元の電話番号が080始まりの11桁だった。なんで080?

 RDDを装うのって結構簡単そうよね。適当な音声合成を使って声を出して、DTMFを受け取ったら分岐する、程度の簡単なスクリプトで行けそう。背景雑音とかを使えば在宅か外出中かもある程度推定できそうだし。住所と電話番号のデータセットがあればいろいろ悪用できそう。あとは一人暮らしか否かがわかれば便利そうだけど、このデータはちょっとむずかしそう。

 電話回線にも公開鍵認証的なシステムが欲しい感がある。法人の電話番号は基本的に認証必須で向こうからかけてきてもこっちからかけた場合でも相手が正しい相手かどうかを簡単にチェックできるような仕組み。ちょっとした詐欺電話程度はかなり減らせそう。家族間でもあらかじめ鍵を交換しておくような使い方は想定できるけど、「スマホをなくした」とか、あるいはそれを利用した詐欺とかも出てくるだろうし、個人対個人の分野では使いづらそう。個人用なら電話回線でマイナンバーの公開鍵を交換するみたいな機能を作れば実現できそうだが。法人番号でも公開鍵認証みたいな機能ってあるのかな。



 またマウスの中クリックがチャタリングする現象が出ている。1週間全く問題ないこともあれば、1日で何回も発症することもある。わけわかんね。Razer製品ハードもソフトも品質悪すぎ。でも代替品がないから使わざるを得ない。ぐぬぬ。



https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2018/1805108.pdf

 2018年。アレーアンテナはメインローブの外側でもサイドローブができたり、ヌル方向であっても強度は低いが広範囲に信号を放出してしまうため、通信内容の秘匿性に問題があった。それを改善するための手法の提案。

 考え方としては、航空管制用SSRのSLS(サイドローブサプレッション)と同じ。まあ、用途や原理が同じなので考え方が同じになるのは当然であろう。要するにメインローブの中心にヌル点を持つブロードなパターンを作って、それでメインローブの中央付近以外に強い干渉波を出力する。干渉波もビームフォーミング(ヌルステアリング)が必要になるので、通常のビームフォーミングに比べて2倍の移相器や減衰器が必要になる。

 いくら通信内容を保護できるとはいえ、周囲へ意図的にノイズを撒き散らすわけだから、電波資源利用の面では結構デメリットが大きい気がする(サイドローブレベルより高い程度でいいから、メインローブに比べれば低出力でいいとはいえ)。回路規模も大きくなるし。そういう諸々のデメリットを受け入れられる通信内容なら暗号化強度も高いだろうから、せいぜい補助的に使う程度の用途になりそう。そもそもメインローブの方向には信号をばら撒くから、その方向で傍受されたら意味ないし。暗号化は大前提として、ちょっと手間を掛けさせる、程度の用途でしか使えなさそう。



 測地(コロケーションVLBIとか)で使われるDORIS、「GPSのほうが精度はいい」とか言われてる割にDORISが使われ続けているのはなんでだろう? 衛星がデータをストアして解析局に直接持ち帰るのと、観測施設では適当な精度の発信機と安定した電源があればそれで済むから、機材が楽になる、みたいなことなんだろうか。あとは同じ内容を継続してサンプリングする、みたいな消極的な理由? GPSとDORISで得られるデータ(種類)にどんな違いがあるんだろうか。

 日本語資料を探してもDORISの話題はほとんど出てこない。日本で使う場合でも発信機を置くだけで、解析とかは全部海外の機関がやるから日本からはノータッチ、ということなんだろうか。あとは、そもそもユーザー数が少ないから、という理由も大きいか。同様に地球側から電波を出して衛星側でドップラを解析して測位するARGOSは、ユーザーが多いからか日本でも比較的情報が多い。2周波を使うDORISに比べて1周波のARGOSのほうが精度は悪いだろうけど、ARGOSは任意のデータを載せられるとか、使いやすさ(送信機の入手性とか、申請とか)が良いのかな。

 そういえばARGOSとひまわりのDCSって同じプロトコルのはずだけど、日本周辺でARGOSを使うとひまわりDCSで常時ダウンリンクしつつNOAAで間欠的に測位、みたいな感じで使えたりするんだろうか。海洋生物みたいに低頻度でしか電波を発信しないビーコンでも、測位はNOAAが通過するタイミングでしか行えないけど、浮上していた時期や時間はある程度精度良く気象庁経由で取得できるんだろうか。DCSはある程度のインターバルが必要だろうけど、浮上したことを何らかのセンサで検出して浮上したタイミングで送出するみたいな感じにすれば浮上したタイミングや回数を精度良く推定できたりするんだろうか。


 DORIS Overview

 DORIS地上局(OBD)の地図。いつの時代のものかわからないけど、これによると日本にはOBDは無いらしい。ユーザーが少ないというか、いないのか。/* 日本の機関が運用しているものでは、南極の昭和基地のものがある */

 OBDからは2種類の周波数(2GHz/400MHz付近)の電波が送信されていて、400MHzには気象情報(気圧・気温・湿度、対流圏遅延推定用)やその他の情報(IDや時刻、ヘルス情報等)が乗せてある。OBDには超安定発振器(USO)が必要。/* OBD、Orbit Determination Beaconsの頭文字だけど、字面からするとOnBoarD(機上装置)っぽい雰囲気がある */


 DORIS (Doppler Orbitography and Radiopositioning Integrated by Satellite) - eoPortal

 2周波をそれぞれ3次PLLで周波数を追尾する。初期の衛星ではPLLが1組、第2世代では2組、第3世代では7組積んである(同時に1個、2個、7個のOBD信号を受信できる)。オンボードUSOは10-100秒で5x10^-13の精度。IDや気象の情報は2GHzの方にも変調されているのかな?


 衛星ベースのSLRってできないのかな。Omni-SLRみたいに小型のSLRが可能なら、それを宇宙に持ち出しても良さそうな気がするが。LiDAR衛星とかもあるわけだし。地上SLRにある程度迫れる精度で逆SLRができれば、地上に大量にCCRを配置することで統計的に地上SLRと同様の精度で測地に貢献できそう。地上側は鏡を1個置くだけだから非常に安価に高密度なネットワークを構築できる。せいぜい雨とかで劣化しないようにドームにいれるなり、何らかの保護は必要としても。上に1枚ガラスを乗せてワイパーで掃除できる程度の機構でもいいだろうし。あとは、衛星1機にSLR開口を複数個積むことができれば複数のミラーの位置関係を高い精度で計測できる。開口間の位置関係は数秒間隔くらいで開口をスイッチしながら測距するなり、あるいはたまに1個のミラーを複数の開口で測距して比較するなりすればいいだろうし。



 Hafele–Keating experiment - Wikipedia

 原子時計を旅客機に積んで相対論の検証を行った1971年の実験。

 実験は8000ドル(現在の価値で6万ドル、900万円程度)で実施され、当時相対論の検証として最も安価な実験だったそうだ。その内7600ドルは世界一周航空券8枚の購入に当てられた。ハーフェレとキーティングの二人、それと原子時計を置くための座席が2つ、4人分の席が東向きと西向きで合わせて8枚。

 NICTが重力赤方偏移の検出の実験を行った際も、小金井からはがね山まで原子時計を新幹線で輸送する際には運搬する人と機材を置くための座席でグリーン席2席分を買う必要があったらしい。

 MicrochipのCSACだと長期安定性は-11乗くらいかな。赤方偏移を検出するにはあと2-4桁足りない。手荷物(時計に対する座席や荷物としての追加料金無し)で相対性理論を実証するにはもうしばらく掛かりそう。


 -18乗レベルの時計の話を読んでいると20億年前の原子炉の話が出てくるんだから、物理学は面白いね。しかもそこには生物の進化が関わってくる。

 水に溶解したウランが還元されて濃集して核分裂の連鎖反応が始まるなら、還元を体内で行って熱エネルギーを利用する生物がいても良さそうな気もするけど、とはいえウランが水溶するようになったのは植物が放出した酸素を使っているから、植物が出てきてかなり早い段階で条件が整っちゃうんだよな。そこからゆっくり時間をかけて動物の進化を待つとウラン235の比率が下がってしまうし。

 海に溶解していた鉄が凝集したのは酸素のおかげだし、不溶性のウランが水溶性になって凝集できるようになったのも酸素のおかげだし。酸素は偉大なり。



 GPSで放送している軌道要素、修正ケプラー軌道要素とか呼ばれるもので、いわゆるケプラー軌道要素は慣性空間に固定したものであって、修正ケプラーではこれを地球固定座標で表したもの(実際のところはGPSの軌道要素も単にケプラー軌道要素と書いてある資料がほとんど)。軌道要素の寿命はGPSで数時間程度と、軌道周期に比べて短いが、計算が簡単になる利点がある(慣性空間の受信機(人工衛星とか)で受信すると手間だが、圧倒的に少数派だから、この用途では各自で処理する必要がある)。

 ケプラー軌道要素を修正ケプラー軌道要素へ変換する際には地球姿勢パラメータが必要になるけど、これはどこをソースとしているんだろう? やはりUSNOのVLBI観測を使っているんだろうか? そもそもEOPってどれくらいの影響力があるんだろうか。

 測位衛星はSLBM用に米海軍が使ったNNSSが先駆けとなった一方で、GPSは米空軍が開発したシステムだが、結局は米海軍(具体的にはUSNO)がデータを提供しているんだろうか。それを言い始めたらGPSTはUTC(USNO)を使っているから、結局USNOの影響力が大きいという話になるけど。



https://www.jstage.jst.go.jp/article/reajshinrai/30/5/30_KJ00005009410/_pdf

 2008年。GPS衛星の故障の解析とか。

 地球センサの食前後の誤動作(RCS誤噴射)。姿勢制御系の不具合によるホイールの飽和。原子時計の寿命。時計回りの不具合。変調信号の歪み。等々。あとはそれらをGBASでどうやって切り離すか、とか。

 これによるとGPSTは地上のUSNOの時計に衛星をスレーブさせて供給するのではなく、USNOの原子時計やGPS衛星の原子発振器の全体を使ってGPSTを作っているらしい。なので特定のGPS衛星(特に安定性が良かった衛星)のクロックがいきなり不安定になるとUTC(UNSO)とUTCの差も大きくなってしまうらしい。UTCを集約するときはコモンビューとかでGPS衛星のクロック誤差を除去するけど、UTC(USNO)に限ってはGPS衛星の誤差が丸ごと入り込むのかな。

 SV16の原子時計のトラブルで水晶のフリーラン状態。1回目は450m/1.5hで2.78e-10@5400sくらいの安定度。2週間後は1.3km/1.5hで8.03e-10くらい。時代とか宇宙用と考えると結構優秀?

 時計のブロック図。ルビジウムで作った13.4MHzと10.23MHzのVCXOから1.5秒を作って比較する。他に600MHzもあるけど、用途が不明。デジタルPLLの位相比較用とかかな? GPSの時刻が1.5秒刻みを基準にしているのはここが大元かな? 13.4MHzはどこから出てきた数字なんだろう。Rbの発振周波数の510分周が13.401338MHzになるから、これかな? この数字でググっても何も出てこないけど。この周波数で1.5秒を作ろうとすると整数比にはならない(1秒なら整数比になる)。もっとも、オンボードクロックは正確な10.23MHzではないので(相対論補正で少し下げてある)、整数比で1.5秒をつくることにはこだわる必要はないのかもしれないけど。ルビジウムとセシウムで適当な比になる場所を選んだら1.5秒になったとかなのかな。そもそも1.5秒を決めたときにルビジウムを使うつもりがあったのかどうかもわからないけど。1.5秒を使うと決めた頃はルビジウムは想定してないだろうしなぁ。