目力らの強さよ
Amazon.co.jp: よって、初恋は証明された。 -デルタとガンマの理学部ノート1- (電撃文庫) 電子書籍: 逆井 卓馬, 遠坂 あさぎ: Kindleストア
『氷華』を理系にした感じかな。
主要な登場人物は生物・化学の方向が得意で、物理・数学が苦手、という感じ。ホワイトボードマーカーに油性ペンで書いてしまったという文脈で「アセトンで拭けばいいじゃん」みたいな発言が出てくるあたりいかにもケミっぽい。/* なお、油性ペンはホワイトボードマーカーの溶剤で溶けるので、油性ペンで書いてしまった場合はホワイトボードマーカーでなぞったりぐちゃぐちゃに上書きしてからイレーサーで消せばいい。ホワイトボードに文字や線が印字されている場合はアセトンみたいに攻撃性の高い溶剤を使うと消えるので注意してね */
Additive Friction Stir Deposition from Mazak MegaStir - YouTube
FSW的な方法でアルミ材を積層造形するAFSDというコンセプト(AFSD、字面に戦車砲みがある)。高温で溶かすわけじゃないので材料特性の面で有利(材料強度がほぼそのまま出る)。FFF方式の3Dプリンタの感覚だと層間の強度が低そうだけど、とはいえ金属を溶かすほどの強い摩擦力でこねくり回すわけだから、下の層にもある程度強く張り付くのであろう。今のところはアルミで開発中だけど、将来的には鉄とかチタンも使えるようにしたいとのこと。
理想的にはマシニングセンタにAFSDを対応させて、造形しつつ切削しつつ、という感じなんだろうけど、AFSDはおそらくスピンドルの中から材料を通さなきゃいけないので、既存のMCへの搭載は厳しそう。横型MCあたりからフレームを流用しつつ同じ規格のパレットを採用して、AFSDと切削は機械を分ける、あたりが落とし所かな。AFSDも5軸化したいみたいな話も出てくるだろうし、結局スピンドル周りしか違わないじゃん、という話にもなりそうではあるが。横型MCのスピンドル交換で付加と切削を切り替え可能、あたりが良さそう。一つの工場に同じ機械を10台とか20台とかずらーっと並べて、パレットチェンジャで付加と切削を行き来させて、付加に時間がかかる形状なら付加スピンドルの機械を多めに、作るものが変わって切削に時間がかかる形になったら数台は切削用のスピンドルに交換して、みたいな感じで。ただまあ、アディティブってことは多品種少量生産的な方向性だろうし、スピンドル交換の作業量はちょっと厳しい感じもあるか。材料供給はターニングセンタのバーフィーダーみたいな形になるんだろうけど、ターニングセンタは回転軸が固定なのに対して、横型MCはスピンドルが上下左右に動き回るからちょっと面倒そうではある。まあ、棒材はFSWで接合できるんだから、1mとか2mとか短めの振り回しやすい棒材を送って、短くなったらつなげていけばいいだろうし。
飛行機のサイドスティックってトランスデューサーに直結して電線が出てるだけだと思ってたけど、かなり複雑なんだな。A320だから? それともA350でも似たような構造なんだろうか? 機種変で操作感を変えないようにとすると、延々同じ構造を使い続けそうだな。設計やテストの手間も省けるし。
素人考えだとスティックにリターンスプリングだけつけて、スティックの力はひずみゲージで検出すれば構造はシンプルになるだろうし、ひずみゲージを何枚か並べればそれだけで冗長系が作れるから、ロッドを並べて冗長系にするよりよほどシンプルで信頼性が高くなるだろうけど、とはいえ、飛行機は赤道直下の炎天下から極域の極寒地域まで、幅広い温度範囲で問題なく起動できなきゃいけないし、運用中だって上空で圧が抜けたら断熱膨張で急激な温度変化にさらされるから、極端なレンジの温度特性を保証するくらいなら、機械的な回転で角度を電気信号に変えるような仕組みのほうが簡単に作れそう。
F-16のサイドスティックはA320に比べればかなりシンプルな感じらしい? 気安く買えるものじゃないだろうし、写真もほとんど出てこないけど。エアバスのサイドスティックは例えばピッチ方向はリターンスプリングだけでなく重力加速度で重さを加えるためのウエイトがついていたり、ピッチ・ロール共にダンパースプリングがついていたり、オートパイロット時にスティックをロックするための機構がついているけど、F-16の場合はそういうギミックは一切なくて、単にロードセルに接続されているだけっぽい。旅客機と戦闘機の設計思想の違いなんだろうな。最初期のYF-16はさらにシンプルなはずだし。
おおむね外気温に近い数値の図
このあたりはそろそろ平地でも氷点下に入るようになってきた。1日で温度差15℃とかね、熱衝撃アホかと。
気温が氷点下になっても日常会話だと符号が省略されるのがなんとも。そういう意味では-17℃あたりまでは正の値をとる華氏は日常生活では便利そうだよなー。まあ、-20℃あたりだと華氏も符号の曖昧さがありそうだけど。
本格的に符号を使いたくないならケルビンとかランキンとか使えばいいんだろうけど、極低温系のごく一部の研究室を除いて通じなさそうだな。「今日の気温250Kだってよ」とか。北大とか室工大とかだと時々聞こえてきそう。
ケルビン、ファーレンハイト、セルシウス、ランキン…… フライドチキンが食べたくなる文字列だな。。。
アマチュア無線のコールサイン、CWならCWで、NFMならNFMで、という考え方に則ればFHDデジタルATV(ISDB-T方式)は映像の中にコールサインを写し込めばいいんだろうけど、とはいえ、交信を行っている者以外もコールサインを知ることができる必要があるということを考えると、映像信号の中にコールサインを埋め込んでそれで十分かというと怪しい気がする(ISDB-T受信機が普及した世界観ならともかく、今の日本じゃアマチュア無線の帯域のISDB-Tを受信できる機材ってほとんど普及してないだろうし)。
例えばISDB-Tは補助チャンネルの割当があって、ATVで使う場合はACは不要だろうから、このキャリアをISDB-Tの平均レベルより高い出力でOOK変調させることでCWとしてコールサインを出力する、みたいな機能はあっても良さそうな気がする。あるいは、ISDB-Tの誤り訂正能力を信用して、データキャリアの領域に信号を加算して、AMやFM、CWで復調したときにコールサインに聞こえるような信号を出すとか。
ISDB-Tの送信機(変調器)をFPGAとかで自作しているならそういうオマケ機能(ISDB-T非準拠機能)も自由に作れるだろうけど、買ってきた汎用の変調器を使っている限りはそういう機能は作れないだろうな。信号加算をするならアップコンバータの前にちょこちょこと細工すれば出せそうではあるけど。とはいえ、FHD ATVでDXやろうとすると妨害波にしかならないISDB-T非準拠コールサインは嫌がるだろうなぁ。
ISPから与えられているメールアドレス、最近はそのプロバイダを名乗る迷惑メールが大量に届いている。自社を名乗る迷惑メールって真っ先に潰しそうだけど、金融機関とかを名乗るのが消えてプロバイダを名乗るのが残るあたり、企業努力の差というか、被害額の規模というか、そういう感じなんだろうか。自社を騙る迷惑メールを素通しさせているあたり、メールの検閲はやってないんだろうなという安心感はあるけど、むしろそれ目的で素通りさせている可能性も……
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先週、電子基準点の近くに行く用事があったので、というか近くに行く用事を無理やり作ったので、30分ほどサンプリングしてきた。
とりあえず単独測位相当
9個の衛星(7xGPS+2xQZS)を受信。
原点は電子基準点根本の第二水準点に設定している。アンテナの位置はこのプレートから南に10m、上に1.5m、位の場所。東西方向はかなり狭いけど、南北方向は若干広く分布している。分布の中心は概ね正しそうな位置。上下方向は分散が広いし、かなりズレてる(本来は1.5m程度の場所が中心になるはず)。
仰角の低い1つを外したうえで、SLASの札幌をダイレクトに適用(H/Uは上の図と表示範囲が異なる点に注意)
水平方向は南北方向が少し小さくなる。上下方向は、上方向の誤差は変わらないけど、下方向に大幅に誤差が広がって、トータルで中心値は近づいたかな、といった程度。この電子基準点は標高がかなり高いので、基準点との標高差がすごく大きい。直線距離でもかなり離れているから、本来は距離や標高に応じた補正が必要になる(計算が面倒そうなので未対応)。
このときはHDOP1.20,VDOP3.05くらいなので、上下方向にはあまり配置が良くない。ということで、妥当な測位結果かなぁ、という気がしないでもない。とにかく、三角点を基準にして単独測位させて、ちゃんと妥当そうな(極端に離れていない)結果が得られたのは良かった。
今回はノートPCでサンプリングして、IQファイルはPC内臓のSATA SSDではなく、USBで外付けしたSATA SSDに記録していた。ロガーのスペクトルを見ると、1Hzくらいでパルス状の広帯域なノイズが入っている感じがあった。もしかしたらSSDへの書き込み時に強いノイズが出ていて、RFに入り込んでいた可能性がある(SSDへの書き込みの消費電力で電源が暴れてBias-T経由で入ったみたいなシナリオは妥当性がありそう)。このファイルはSLASのデコード率も結構悪いので、信号品質はあまり良くなかった可能性がある。そう考えると、家で受信したとき(NUCでRF→TCPに変換して、別PCで記録)に比べて、上下方向が広がったのもノイズの影響が否定できない。
オーディオの人たちが使ってるノイズ対策アイテム(USBの電源ノイズ云々のやつとか)、あんなの絶対オカルトだろ、と思ってたけど、実際自分がノイズに晒されている気がしてくると、俄然興味が湧いてくるのよな。。。
まあ、数時間程度ならUSBの5Vだけ(あるいはBias-Tだけ)、Ni-MHあたりからシリーズレギュレータで給電すれば良さそう。北海道はもうかなり寒いので、来シーズンになって、飽きていなければ、RF周りももうちょっと考えよう。/* そういえば2024年夏シーズンの間に1090MHzのアンテナを交換しようと思ってたのに、全く手を付けなかったな。あれだけ1090MHzで遊んでたのに */
QZSのSLAS、パケットのフォーマットとしてはSBASと同じかな。このフォーマット、復調(特に最初の位置合わせ)がだいぶ面倒くさい気がする。
航法メッセージであれば1bitずつ受信したビット列をプリアンブルと比較して、プリアンブルが一致したらパリティを調べて、6メッセージ中誤り率が十分に低ければそれをメッセージの区切りとして採用する、みたいなアルゴリズムが使える。
一方、SBASは1/2FECを使っているから、単純にウインドウをスライドさせてプリアンブルを探すことができない。一旦適当な長さのシンボル(1100とか)を貯めたうえで、それをビタビ復号して、それに対してウインドウをスライドさせて、CRCで確認するような処理が必要になる。また、FECを使っているから、G1/G2ビットも区別しなきゃいけないけど、先に区別することはできないから、1シンボルずらして2種類のビタビ復号を行ったうえで、プリアンブル同期・CRCチェックを行う必要があるはず。/* L5 SBASだとこれに加えてマンチェスタ符号まで使うらしい。CDMAのコードで1bitの区切りが厳密にわかるんだから、CDR用の符号なんて追加する意味あるんだろうか? */
L1 SBASは静止衛星からしか放送できないから、受信機の位置がわかればおおよその受信タイミングも推定できるし、衛星のスロット(経度)は長期間で変化しないという前提で、単独測位後にSBAS衛星との距離を推定すればかなり狭い時間ウインドウを探すだけでいいけど、受信機位置が未知の場合(先にメッセージの受信と擬似距離だけ記録しておいて、あとから解析する)とか、あるいはL5 SBASの周回衛星みたいに衛星の位置が未知の場合は、タイミングを決め打ちしてメッセージに同期することができない。
QZSSのSLASはPNTと高い精度(3σ2ns?)で同期しているから、PNTを基準にしてSLASを受信する手も使えるけど、とはいえQZS-3みたいにPNTの放送デューティーが低いやつもあるから、あまり依存はできない。
SBASはICAO Annex 10の範囲らしくて、ググってもほとんど情報が出てこない。あるいは民間企業が作ったDO-229というドキュメントもあるけど、これも基本的に有料販売。Annex 10もDO-229も簡単に入手できるものではないから、パケットの中身はほとんど情報がない。とりあえずSBASの受信には対応したけど、使い道はなさそう(QZS PNTと独立してQZS SLASを受信できる程度)。
SBASの説明で「SBASは航空機向けに放送されているが、一般のユーザーも使用できる」みたいなことが書いてある事があるけど、メッセージフォーマットが非公開なあたり、一般ユーザー向けに容易に使えるようなものでもなさそうな気がする。もっとも、文章は機密とかじゃないだろうし、GPSメーカーならドキュメント買って実装してるんだろうけど。あくまでも「個人の遊びでGPS信号を処理しようとすると(情報の入手が)難しい」程度だろうな。大学の研究室でもドキュメントは買ってるだろうし。
PRN 130 BDSBAS-G1やPRN 143 BDSBAS-G3が結構強く受信できるけど、SBASメッセージの中に6秒に1回の割合でMT0(TEST)が入っている。MT0が受信できた場合って、それ以前に受信したメッセージをすべて削除したうえで、続く60秒間のメッセージも削除する、というような処理が必要なはず。数秒に1回MT0が出ているということは、意図的にそのSBASは使えない(衛星の試験中とか)という感じのはず。とはいえ、この衛星は2020年6月に打上げられたものだから、そこから4年も試験中なんてことあるかな? もしかしたらBEIDOUに非対応のGPS受信機が誤ってBDSBASを使わないように、ということでMT0を出しているのかもしれないけど。米政府機関が使うようなセキュアなGNSS受信機ならコード割当からBEIDOU系を除外するみたいな処理はあるだろうけど、民間用の衛星だとコードスキャンで見つけた衛星は片っ端から受信する、みたいな処理はありそうだし、そういった場合に米国内でBEIDOUを除外するためにはMT0で削除させるしかない、みたいなロジックなのかな。
BEIDOUのサイトにはSBASのフォーマットのドキュメントもある(ChromeでPDFをダウンロードすると「このファイルは安全じゃないぞ」みたいなダイアログが出るけど)。ICAOとかアメリカの企業が有料で販売しているドキュメントが中国の組織から公開されている状況。なんだかなぁ。ICAO等もドキュメントの販売が財源の一部なんだろうし、気安く無料化できるようなものでもないだろうけど。
このドキュメントによると、MT0はDon't use for safety applicationとのこと。やはりBDSBASもMT0が出ている時は使っちゃだめなんだろうか? 安全用途じゃなきゃ使ってオッケー、ってことなのかな。
試しにSBASのメッセージをいくつか復調。いちおう妥当性の有りそうな結果が得られている。
L1 SBASのエフェメリスはカルテシアン9要素(ECEF位置・速度・加速度)で提供されている。カルテシアンが実際に使われているの初めて見た。位置・速度・加速度ともに、XY平面とZ軸ではレンジや精度が違う。例えばXY位置は約4.3万kmの範囲を0.08mの分解能で表現できるけど、Z位置は約6.7千kmの範囲を0.4mの分解能で表現できる(XYに比べてZは10分の1の範囲)。速度はXYが約41m/sまでに対して、Zは約520m/sまで表現できる。Z軸が6千km程度しかないので、あまり離心率の大きな衛星は表現できない(XY移動速度の問題もあるだろうし)。そのあたりがL1 SBASが静止衛星専用たる所以かな。L5 SBASだとケプラリアンになるのかな? MT9には予備が8bit確保してあるらしいから、それをフラグにしてカルテシアンとケプラリアンを分岐するみたいなフォーマットは作れるか。
放送される軌道はカルテシアンだけど、地球の重力モデルに従って伝播させるわけではなく、単に2次関数として計算するだけっぽい。例えばBDSBAS-G1だと128秒間隔くらいでエフェメリスが放送されていて、それぞれ位置や速度や加速度が異なる。1つ目のエフェメリスの+64sと2つ目のエフェメリスの-64sの位置で距離を計算してみると0.3mくらいずれる。もう一声精度ほしいところではあるけど、とはいえSBASは測距用のデータフォーマットじゃないし(測距に使えないわけではないが)、0.3m程度でもまあそれなりに位置精度はあるか。
SBASで対象にできる衛星は51個だそうだけど、補正用のメッセージのアドレス空間は52(MT2-5、13*4)とか64(MT25)くらいの範囲がある。MT6(補正値じゃなくて衛星の信頼性情報)が51個までしか出せないから、それがSBASの制限かな。
今回デコードした結果だとBDSBASからはGPSの補正情報しか出ていない。GLONASSとかQZSSは非対応らしい。QZS-3から出ているSBASはどうなのか気になるけど、手元のデータだとQZS-3のSBASに相関値が出ない。いつ放送してるんだろう? (or もう放送してないの?) いちいちIQファイルを経由するのも面倒だし、相関値程度はリアルタイムで表示する機能は作りたいな。