2019年1月1日火曜日

つばめ

 せっかくなので、つばめ(SLATS: Super Low Altitude Test Satellite)の軌道もグラフ化してみた。
 打ち上げは17年12月23日とのことで、ちょうど1年ほどが経過している。

 半年ほど前のプレスリリースだが、運用予定が書かれている。
 JAXA | 超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)の運用状況について



最初は近地点450km、遠地点625km程度の楕円軌道に投入されている。
 その後、2回に分けてゆっくりと高度制御を実施し、400kmの円軌道に投入されている。
 現在は少しずつ高度を下げながら、時々単発なスラスタによる軌道制御をを実施している。

 予定によると、打ち上げ後12ヶ月の現時点では軌道遷移の最中で、あと3ヶ月程度をかけて270km程度まで落とす、という予定らしい。
 また、現在はエアロブレーキングによる減速を実施中だが、28日の周期で、予想値からの誤差をスラスタにより吸収しているらしい。上の図でいきなり軌道高度が変わったりdotのスパイクが出ているのはこの操作によるものと思われる。

 このまま降下を続け、3月頃には270kmあたりの軌道に乗り、そこから6ヶ月をかけてイオンエンジンやRCSを使用した高度保持を実証し、最終的には180km程度の高度を維持するらしい。
 キューブサットの場合、250km程度を境に、そこより高度が下がると急激に高度を失い、あっという間に落ちてくる。200kmを切ると5日程度で大気圏に突入してしまうので、高度180kmで1週間程度高度を維持する、というのはかなり大変なはず。


 なお、地球の半径は極と赤道で20kmほど差があるので、衛星の高度の表記にもその程度の誤差が含まれる。計算上の誤差とかもいろいろあるんで、そのあたりは参考程度に。。

追記
 キューブサットの図と重ねてみた。


 ほぼ完璧に同じ降下率なのが面白い。
 つばめはキューブサットと比べて、表面積あたりの質量は相当に大きく、空気抵抗の影響は少ないはずなのだけど、エアロブレーキングモードで空気抵抗を増やすとキューブサット相当の比率になるようだ。

 諜報機関とかが出てくる映画に汚染された脳で考えると、SLATSの比較的大口径な光学系を使ってISSから放出されたキューブサットを監視してるんじゃないか、みたいなレベルで軌道が一致してる。ま、軌道傾斜角が全く違うんで、ランデブー(継続観測)は不可能だけど。

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