レジストジェット・ロケットというものがあるらしい。
レジストジェット・ロケット - Wikipedia
液体を加熱して蒸発させ、その体積の増加を利用して噴射速度を上げる、というものらしい。
なるほど、理解した。ならH2Oを吹く俺の缶サットにも使えそうだな! と、思って、計算してみたのだが。。。
推進剤(H2O)を500mLとして、それをミッション期間(3秒)で全部吹ききるとすると、100V/700A(70kW)程度の電力をブチ込まなきゃいけないらしい。
そんな電源乗せるのは無理。っていうかそんなにエネルギー密度が高い電源があるなら電解質燃やしたほうが良いんじゃないか。。。
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どうしてそんなに大量のエネルギーが必要なのか。
身近なところで考えると、例えば電気ケトルでお湯を沸かす、というシチュエーション。
500mLの水を100℃にするのに、およそ4分が必要。この4分を3秒にする必要がある。
このケトルは100V10Aで動いているので、240秒を3秒にするには、投入電力を80倍程度にする必要がある。
というわけで100V10Aを100倍にすると、100V800Aが必要、ということになる。
かなりざっくりした計算なので、実際にはもっとエネルギーを突っ込まなきゃいけない。
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宇宙の場合、ソーラーパネルで絶えず発電し、充電を行える。また、無重力状態なので、推力はさほど大きい必要はない。ということで、ジワジワ発電しながらジワジワ蒸発させながら、という運用になるのかな。
比推力はそれほど高いわけではなく、化学ロケットと同程度らしい。
小型衛星に搭載できるイオンエンジンのようなものもあるから、今の時代としてはレジストジェットロケットはさほど旨味はないかもしれない。
ヒドラジン系のように有毒なわけでも、化学ロケットのように可燃性でもないのが利点か。
電気推進に対しての旨味はあるんだろうか? 回路が単純とか、高圧な気体を扱わなくていいとか、そのあたり?
逆に、万が一気化せずに吹いてしまい、凍結してしまうと周りに大迷惑をかけるから、密集した軌道では使いづらいとか?
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どちらにしろ、缶サットで使うには非常に使いづらいスラスタだから、しばらくは無視の方向。
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