2019年3月21日木曜日

PALSAR-2の「航空機を写した」画像

 [ALOS-2の運用状況と後続機に向けた準備](https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/203228/1/27K-08-27.pdf)

 2015年12月2日

 このファイルの32ページ目に、「人工構造物の形状把握の例:駐機している航空機(羽田空港国際線ターミナル)」という画像がある。

 その画像と、実際の羽田空港国際線ターミナルの航空写真(Google Earthから出力)を重ね合わせたのが以下の画像。


 地上の構造物の位置(右側や上側の輝点)は、実際の写真の位置と十分に一致している。一方で、航空機として囲われている黄色い枠は、実際の航空機の位置・大きさとは異なっており、実際の写真では、ボーディングブリッジの位置とよく一致している。
 このことから、「航空機」として示された画像は、実際には航空機ではない可能性が高い。


 時期や時間帯によって航空機の駐機数は異なるが、Google Earthで確認したいくつかの時期でも、少なくとも数機は確認でき、しかしSAR画像には航空機らしい輝点は確認できない。一方で、地上車両と思われる輝点や、誘導路の標識と思われる小さな点もいくつか確認できる。


 航空機のような、アホみたいにデカい誘電体のカタマリがあれば、何かしら写りそうな気もするんだけどねぇ。
 ALOS-2は昼と真夜中にパスがあるので、真夜中のパスで撮影したら、1機もいない、ってこともあるか? でも当時のTLEで、当日(15年9月23日JST)のパスを調べてみると、11時20分頃か、12時50分頃のパスなんだよねぇ。その時間帯に、羽田国際線ターミナルに1機も駐機してない、なんてことあるだろうか?


 しかし、Google Earthに重ねれば「航空機ではないかも?」くらいはわかるわけだが、JAXAのALOS-2/PALSAR2処理システムでは、衛星写真とかに重ねて表示できるソリューションは使ってないんだな。
 PALSAR2の画像を解析する時に、いちいちGoogle Earthとかを使って手動と目視で比較しなきゃいけないのは大変そうだ。

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