2019年3月19日火曜日

妄想:機械学習を活用したSAR衛星

 米軍事衛星として想定(日本が開発・運用を行ってメリットの多い衛星ではない)。

 衛星1機でSAR観測、信号処理を行った上で、更に機械学習によって対象の判別を行い、結果をダウンリンクする。
 初期は車両の識別のみを想定。将来的に多波長化等によって情報量を増やし、植生を観測したりも行う?

 小型の追尾アンテナでダウンリンクできる。
 作戦指揮官レベルでも使用が可能で、どの地域にどの車両がどれくらい居るか、という情報を得られる。
 衛星コンステレーションで30分に1回程度の更新頻度?
 更新頻度を2時間に1回程度にし、その間は必要なエリア(監視対象の車両)をドローンで追尾? 現場指揮官レベルで運用できるドローンで監視できるかが課題。


 その他、民生利用としては、自国上空を通過する際は、市街地や幹線道路での車両の通行量の推定を行い、民間事業者に対して情報を販売する。
 車両の通行量を統計的に分析すれば、道路の健全性(この道路は走りにくいからあまり使わない、という道路とか)を判断できる。


 海上の船舶も捜索? 行方不明な船の捜索や、不審船がどこから来たか、とか。

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 民生利用として使うのであれば日本で作ってもいいわけだが、そうすると運用期間の地域的な粗密が発生する。
 デュアルユース衛星として飛ばすのであれば、全地球的に使用が可能で、コストパフォーマンスが改善する。何より、軍からお金をもらえるので、民生利用専用と比較してカリカリにコストカットする必要がない。得た予算でより高性能なセンサを搭載できる。

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 オンボードでやるかはともかくとして、SARデータを機械学習で判別、というのはすでにいろいろ研究してるチームがあるので、軍事転用も時間の問題だろうなぁ。
 彼らは命がかかってる分本気でやるだろうし。しかし、使う方は命がかかってても、開発する人たちや、予算を出す人たちはそうでもないから、そのあたりがネックか。

 そもそも今どきは敵の戦車の大集団、という状況じゃないしなぁ。かといってテクニカルやVBIEDを警戒するには衛星じゃ情報頻度が低すぎるし。

 まぁ、実用性が低いからこそ実現していないわけで、だからこそ妄想のネタになるわけだが。

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 宇宙空間の「平和目的」というのは、「非侵略的」であって「非軍事的」ではないから軍事衛星もOK、という解釈らしい。
 早期警戒衛星とかは「敵国が発射した弾道ミサイルを早期に発見し、自国が狙われている場合は迎撃する時間的猶予を得る」というのが目的だから、非侵略的という理屈はわかる。
 一方で、GPS衛星の場合は「ナビゲーションインフラが整備されていない敵国に対して兵器を有効に運搬する手段」としての開発だから、「侵略を目的とした手段」に当たるはずなんだよな。
 直接的に手を出さないならおk、って感じなのかな?

 ソースを読むのが手っ取り早いんだろうけど、10年以上前の本らしくて、amazonでも地味に高騰してるのでちょっと手が出せない。

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