2019年4月14日日曜日

H-2Aで打ち上げられた物体

 H-IIAロケットで打ち上げられた物体をグラフ化してみました。





 上は高度1000kmを超えない物体、下はすべての物体です。すべての物体とはいえ、衛星軌道に投入された物体に限られますが。

 低軌道では、600kmあたりと800kmあたりが特に多いですね。
 近地点が700kmを下回るような衛星は落下するのが早いです。
 2014年前半に400kmの軌道へ投入され、軌道を維持している衛星はGPM主衛星です。

 高軌道では、離心率が大きい静止トランスファー軌道(GTO)と、静止軌道(GSO)の2つに分けられます(GSOは細い線で見づらいですが)。GTOに投入されたロケットボディ(R/B)は、長い時間をかけて遠地点側側が下がってきています。
 H-IIA#1はGTOへ打ち上げられましたが、初期の遠地点3.6万kmに比べて、現在では1.2万km程度まで落ちてきています。物体によって、ある程度すばやく遠地点が落ちている物体と、そうでない物体があります。前者は近地点高度が低く、後者は近地点高度が高いのだと思われます。
 急激に遠地点を落としているタイミングもありますが、これに関してはよくわかりません。ある物体は急激に遠地点を落としているが、他の物体にはそのような傾向は見られない、といったものが多くあり、上層部の大気密度が全球的に増えた、という感じではありません。何が原因なんだろう?

 2010年後半には、遠地点が3.9万kmほどの打ち上げがありますが、これはQZS-1の打ち上げです。QZO(準天頂軌道)は遠地点3.9万km、近地点3.2万km、あたりのわずかな楕円軌道です。
 17年中頃と17年後半にもありますが、それぞれQZS-2とQZS-4です(QZS-3は静止衛星)。

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 話は変わりますが、現在のところ、イリジウムNEXTは75機すべてが軌道に投入されており、旧衛星との置き換えが進められ、旧衛星の軌道離脱が進んでいます。
 イリジウムNEXT最終機(地上予備を除く)の打ち上げは今年1月で、このときに置き換えられた旧衛星はいくつか軌道上に残っています。また、以前の打ち上げで置き換えられた旧衛星も、まだ軌道離脱が完了していない衛星もあります。
 軌道変化のグラフとしては、イリジウム衛星は結構面白いです。
 前述の理由から、今回はグラフを掲載しませんが、すべての軌道離脱が完了したら、そのグラフも掲載しようかと思います。
 とはいえ、残燃料に余裕が無いためか、遠地点を大気抵抗で下ろしている衛星がいくつかあり、軌道離脱にはまだしばらくかかりそうです。この調子ではあと1-2年程度はかかるかもしれません。

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