2019年4月27日土曜日

OFDMのタイミング誤差



 ある領域のサブキャリアに対して、位相0・振幅1を与えてFFTした結果。青い線がサブキャリアごとの振幅、赤い四角がサブキャリアごとの位相、黒い線が位相の線形近似。

 この信号は、サンプリングレート44.1kHz、2048ポイント、という想定。また、タイミング誤差は10ポイントを与えている。

 サブキャリア50の位相は88degと計測されている。サブキャリア1本あたり1.76deg/scの誤差となる。revに直すと、0.00488..rev/scになる。これにポイント数である2048を掛けると、約10.012となる。丸めて10になり、タイミング誤差10ポイントに一致する。

 サブキャリア周波数が高いほど、誤差に対する感度が高くなる。複数のサブキャリア位相から推定すればサイクルスリップも推定できるけど、処理が面倒。
 タイミング誤差が正であると仮定し、かつ範囲が、例えば0から20の範囲、という制約を加えれば、サブキャリア1箇所の位相からタイミング誤差を推定できる。実際には、伝送経路で入った影響を除くために、複数箇所の平均を使う、といった工夫が必要になるはず。

 最初に拡散符号等で相関を行う場合、おおよその位置はある程度の範囲・精度で推定できるはず。その際に、既知のタイミング誤差を加えてOFDMデコードし、ASK信号の位相を計測すれば、ある程度の精度で相関処理のタイミング誤差を推定できる。この推定値には意図的に加えた誤差も含むが、これは除去できる。意図的にタイミング誤差を加えることによって、値を正の範囲に限定できるので、計算が簡単になる。

 計測中の誤差に関しては、例えばサブキャリアを35本くらい使って2オクテットを伝送し、余りのサブキャリアで誤り検出や、タイミング同期用の固定位相信号を伝送する、といった手段で行えるはず。

 AF帯域で800 - 2500Hzを伝送できるとすると、80本近いサブキャリアを設定できる。1シンボルあたり、誤り検出訂正を加えて4オクテットくらい伝送できるかな。1秒あたり15シンボルくらいのサイクルなので、実速度で60byte/sec(480bps)くらい。アホみたいに遅い。でもまぁ、位置情報は8バイトあれば無圧縮で伝送できるし、データレート1Hzくらいなら、いろいろテレメ下ろせそう。まぁ、国内の缶サットクラスだと伝送速度遅すぎるけど。。フライト時間数分くらいあればいろいろ使えそう。


 というような皮算用をしているんだけど、どうなることやら。

 OFDMは最初の1歩が長いなぁ。
 とりあえず、次は拡散符号で信号検知+タイミング推定、かなぁ。

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