2019年5月8日水曜日

DCSとPIO、T-51での着陸の練習

 やっとT-51でクラッシュせずにランディングできるようになってきました。まぁ、まだ確率の問題で、クラッシュする確率が下がってきたというだけの話なんですが。

 T-51は、150kt以下あたりだとかなり安定して操縦できます(ヨー除く)。
 市街地フライオーバーの開始時点では280ktあたりで始まり、そこから高度を下げていくとなかなか運動エネルギーが減らないので、ダウンウィンドの大半は200kt前後を維持しています。この領域ではロールとピッチの反応が極めて高く、かなり注意しないと簡単に発振が始まります。
 これは、おそらくゲームならではの現象かな、という気がします。
 実機の場合、対気速度が早いときは動翼に対する動圧が強いので、力を入れないと大きな操舵ができないはずです。逆に言えば、少し力を入れる程度であれば少しのロールレートしか発生しないはずです。
 一方で、DCSを始めとしたゲームと安価なジョイスティックの組み合わせでは、対気速度に関係なくスティックのテンションは一定なので、高速であろうが低速であろうが、同じだけ力を入れれば同じだけの操舵量が得られ、軽い力で操作しても、高速飛行時には大きなロールレートが発生します。
 おそらく、適切なフォースフィードバックが得られるジョイスティックを使った場合は、PIOには入りづらいと思います。

 最近の戦闘機のトレンドは、固定されたサイドスティック+ソフトウェア制御で、これはフォースフィードバックは無く、力を入れればリニアに反応します。ソフトウェアで飛んでいる飛行機と、ソフトウェアの中で飛んでいる飛行機が、飛行機の特性は全く違うのに、同じようにPIOに入るのは面白い現象です。

***

 さて、T-51で着陸するコツですが、まぁ、簡単に言えば速度を110ktくらいに維持してPAPIに従って降りていけばいいわけですが、もう少し説明してみます。
 まぁ、素人の説明なのでいろいろ怪しいところはありそうですが……


 まずミッションですが、DCSを開始し、右側のINSTANT ACTIONでINSTANT ACTION画面を開き、TF-51Dを選択、Flight over Tbilisiをクリックして読み込みます。



 読み込みが終わるとBRIEFING画面が開きます。



 とりあえず飛んで着陸するだけで、僚機や敵機はいないので、何も読まずFLYでミッション開始しても構いません。

 ブリーフィングを真面目に受けると、気温は20度、海面気圧は29.92inHg、雲底は3200ft、風は、地上で西北西5m/s、高度2kmで西北西7m/s、高度8kmで西北西10m/s、乱気流無し、ということがわかります。

 通常、気圧高度計は海面気圧29.92inHg(水銀柱インチ)を基準として気圧を表示するので、気圧が異なると正しい高度が表示できないため、その時々に合った界面気圧を設定する必要があります。今回はブリーフィング時に29.92inHgが示されているので、気圧高度計は設定を変えずとも正しい値が表示されているはずです。


 さて、ミッションを開始すると、トビリシ国際空港の上空2km(約6500ft)、機首方位285度、速度280kt、くらいで飛行が始まります。
 位置関係は以下のようになります。



 一番右のピン(Flight over Tbilisi start pos)が飛行開始位置、緑の線が機首方位です。
 その左側にトビリシ国際空港があり、南西(図では下側)にソガンルグ空軍基地があります。
 図左上には大小2つの湖がありますが、DCS内では水位が高くなっており、一つの湖になっています。ミッション開始時に右前方に見えるのはこの湖です。

 トビリシ国際空港(TBS)には幅45mで長さ3kmの滑走路と、幅60mで長さ2.5kmの滑走路の、2本の滑走路があります。長い方の滑走路を伸ばしていくとちょうど湖があるので、これを目安に長い方の滑走路に着陸してみます。

 ちなみに、地上風は291度の方向なので、最初の機首方位285度に近い方向です。上の図では緑の線に平行に風が吹いているイメージです。左上から右下に向かって進入しますが、風は右から吹いているので左(機体に乗って見れば右側)に流されることになります。
 おおよそ左30度から風が吹いてるので、滑走路に直交する風速は2.5m/sです。1秒に2.5mずつ流されていくので、滑走路の中心に進入しても、真っすぐ飛んでいれば10秒もあれば滑走路の端を超えて滑走路外に流されてしまいます。


 進入中は3度のスロープで降下していきます。進入速度113ktで3度の降下を行うと約600ft/minの降下率になります。昇降計で100ft/min単位を読んだり、速度計で5kt単位を読んだり、というのは大変ですが、目安としては、100ktより少し早いくらいの速度で1000ft/minのメモリの半分より少し大きな降下を行うと、ちょうどいい程度のスロープで降下できます。
 斜め30度から5m/sの風が吹いているので、対気速度では8.5kt程度の誤差となり、完璧に113kt、600ft/minで進入すると滑走路の手前に墜落しますが、そんなに綺麗には降下できないですし、誤差に関しては臨機応変に対応することにします。


 滑走路の標高は1624ftです。滑走路端から湖の端までは、およそ6kmあります。降下角度3度で進入すると、湖から滑走路までは1030ftほど降下します。滑走路の標高と降下量を合わせて2654ftになります。
 まずは湖の端で高度3000ft弱、正面にTBSが見える、という位置関係を目指すことにします。この位置から前述の速度・降下速度で進入していくと、滑走路の手前端に接地できるはずです。


 フライトを開始したら、まずは機首方位を維持したまま2000ft/minくらいの降下率で3000ftまで降下します。およそ3500ft降下するので、2分弱程度かかります。
 着陸に向けて、降下中はスロットルを操作して速度を下げていきます。とはいえ、なかなか減速しないので、スロットル最スローで降下することになります。速度は150-180ktを目安に、それより遅くなるようであればスロットルを開けて速度を維持します。
 ギアアップで最スローにするとマスターコーションが点灯してブザーが鳴ります。スロットル最スローにするのは着陸時だろうからギアが出てなければ警告する、という設計だと思いますが、そもそも着陸時はフラップで抗力が増えていますから、スロットルを開けて速度を維持します。ということは、ギアが出ていなくてもブザーはならないわけで、通常飛行中に減速したいときはブザーが鳴り、着陸時には鳴らない、という、あまり意味のない警告になっている気がします。


 さて、スロットル最スローで降下率2000ft/min、3000ftで水平飛行にすると、ちょうど右に湖中央部、速度は150ktくらいになっているはずです。



 高度2700-3000ftの範囲を維持するように気をつけながら、速度も130-180ktの範囲を維持するように気をつけながら、姿勢指示器を参考に右バンク10度程度で旋回し、湖上空を目指します。
 姿勢指示器は、30度毎に目盛りがあるので、メモリ1つならバンク30度、半分なら15度、3分の1なら10度、という感じでバンク角を把握できます。
 湖から距離がある場合は、バンク30度程度の90度旋回で湖に向かい、湖の上空で再びバンク30度で90度旋回を行って滑走路に向かっても構いません。



 旋回が終了した時点で湖の上空で、正面にTSBが見えるのが理想です(上の画像はだいぶ右に寄ってます)。

 湖を通過したあたりでギアを下ろし、フラップもフルダウンにします。ギアとフラップを出すと急激に抗力が増えるので、スロットルを開けて速度が120ktを下回らない程度に維持します。
 それと同時に、TSBの長滑走路の延長線上に乗るように進路を調整し、かつ降下率も500ft/min程度に維持します。



 風は滑走路に向かって10時の方向から吹いているので、機体は右側に流されていきます。そのため、機首を若干左に向けてアプローチします。
 計器パネル下部中央で緑に光っているのは、ギアダウンのインジケーターです。着陸する際はこの緑が点灯していることを確認してください。



 ある程度接近するとPAPIが見えてきます(この画像の、正面に見えている滑走路は目標とする滑走路ではありません。PAPIの右が目標の滑走路です)。
 PAPIの、滑走路に近い側の2つが赤、遠い側の2つが白、となるように高度を維持します。白3個/白4個なら高度が高く、赤3個なら高度が低いです。赤4個は高度が低すぎます。
 速度は100ktを維持して滑走路に進入します。100ktを下回ると振動が始まり、さらに減速すると機体の重さを揚力で支えられなくなり、ロールしながら墜落します。
 また、この時点までは機首方位を風上側に向けたクラブ(蟹)姿勢でアプローチしますが、ある程度接近してきたらラダーで機首をだいたい滑走路と平行になるようにします。
 最終的に速度は100kt未満まで減速しますが、この速度(とそのときの降下率)では、機首が邪魔で滑走路が視認できません。そうなる前、滑走路の延長線上に乗った時点で、滑走路の向こう側にある雲の形を覚えておきます。最終進入の時は、その記憶を頼りに滑走路の方位を推定し、左右に見える地面等から機体の傾きや滑走路に対する左右のズレを推定します。

 滑走路の上空で100ktをわずかに下回る程度になるようにスロットルを操作し、降下率をほぼゼロにします。そして軽くスロットルを絞ります。タイミングが良ければ、フワッと滑走路に接地し、タイヤが転がるゴロゴロという音が安定して聞こえてきます。
 タイミングが合わないとバウンドしたりクラッシュしたりしますが、このあたりは練習次第です。
 接地すれば、タイヤの抵抗で少しずつ減速していきます。慌ててスロットルを閉じようとせず、まずは滑走路と平行に走るようにラダー操作に専念します。この際、滑走路の右端や左端に降りても、無理に中央に戻そうとせず、まっすぐ進むことに専念してください。
 ラダーを軽く操作してまっすぐ走るようになったら、ゆっくりとスロットルを閉じていきます。急激な操作は不用意なヨーやロールになるので禁物です。滑走路は十分な長さがあるので、慌てずに減速します。
 十分に減速し、速度計の針が下げ止まったら、ホイールブレーキを一瞬操作し、すぐ離します。ブレーキをかけっぱなしにすると前傾姿勢になって滑走路に突き刺さります。ポンッ、ポンッ、っと、テンポよく軽く操作します。ある程度減速してきたら少しずつ押している時間を長くし、最終的には完全に停止するまで続けます。

 うまく操作ができれば、着陸ができます。



 DCS T-51は、少しでもハードにランディングすると、まずタイヤ周りが壊れます。そうするとギアダウンインジケーターが消灯します。それに伴ってスロットル最スローでのコーション/ブザーも復活します。



 停止したときに、計器パネル下部中央の緑のランプが点灯していれば、とりあえず着陸成功です。


 とにかく、着陸は数をこなすほど上手くなります。
 Flight over Tbilisiでは飛行状態から開始できるので、エンジンスタートや離陸といった手順を省略して着陸の練習に専念できます。
 フライトシミュレーターは飛行状態から再開できるので、タッチアンドゴー訓練はあまり有効ではない気がします。高速滑走中やスロットル操作の時の機体操作の練習には良いかもしれませんが、空港の周りをぐるっと1周してくるのには結構時間がかかります。それなら、ミッションを最初からやり直して、半周して着陸、を繰り返したほうがいい気がします。


 ある程度練習していると、何回か連続して綺麗に着陸できるようになってきます。「おっ、俺もなかなかやるじゃん」と調子に乗ってると、その後何回か連続して墜落したりします。調子に乗らず、着実に、練習あるのみ。。。

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