2019年5月17日金曜日

ISSへの最接近

 ISS/JEMから放出されたキューブサットの、時系列ごとのISSに対しての距離をグラフ化してみた。





 放出直後、8時間程度で100km以上離れる。それ以降は6週間目あたりが最大距離(地球を挟んだ反対側)になり、9-10週間目あたりで最接近する。
 また、時間が経つごとにキューブサットの高度は下がり、周回速度が早くなるため、段々と最接近の周期が短くなってくる。ただし、高度差が発生するので最接近距離は広がっていく。

 最接近時の一瞬を除いて、ほとんどの期間は300km以上離れている。1回目の再接近は、場合によっては10km未満まで接近している。それ以外の接近時でも、50km前後、100km未満まで最接近している。


 G-SATELLITEでISSを背景にガンプラを撮影しようと思った場合、放出後4時間程度が重要になりそうだ。それでも軽く10km程度は離れてしまう。
 ISSは長辺が100m程度なので、10km先だと0.57degくらいの角度になる。G-SATのイメージイラストくらいの大きさに撮影しようとすると35mm換算300mmくらいの光学系が必要になる。キューブサットに乗るような小型の画素なら数十mm程度で同じ画角になるけど。しかし、画角が狭くなると、今度はガンプラが画角に収まらなくなってしまう。この画角でガンプラを撮ろうとすると、相当な大きさの進展ブームが必要になりそうだ。
 ISSの放出ってコールドで30分後起動だっけ? 真っ先にスタートラッカで姿勢を決定して、リアクションホイールで姿勢変更して、収納モジュールを展開して、光学系を展開して、あたりを30分程度で行えれば、放出後1時間程度で、比較的近い間に撮影できるかも。
 G-SATのベースがTRICOM-1Rで、TRICOM-1Rは即時観測ができるので、地上局との通信を確立する前に自律的に撮影できるかもしれない。その後、ファーストパスでダウンリンクできれば面白そうだ。
 ただ、一発勝負で、「うまく撮れてないのでもう一度」ができないのが難しいところ。まぁ、予備機も宇宙に持ってって2回に分けて放出、とかもできなくはないだろうが…


 即時観測ミッションって何に使えるの?って思ってたけど、こういうふうに使えるわけかぁ。いや、即時観測で撮影するかはわからないけど。


 そういえば、TRICOM-1Rってスピン安定で放出されてるはずだけど、リアクションホイールだけで吸収できるんだろうか。TRICOM-1RのRWって1軸しかないので、スピンを吸収しても、向きたい方向を向く、という能力はないはず。G-SATだと3軸RW乗せるのかな? TRICOMではどうやって即時観測やったんだろうか? そのための6面光学系か。。

/* C#のChartでグラフ作ってるけど、痒いところに手が届かないなぁ */


追記
 放出までは起動してはならず、可動部(アンテナ展開等)は放出後30分以内に動作してはならない、という感じだそうだ。
 放出タイミングは基本的にISS側の都合だけど、調整次第ではある程度設定できる、らしい。
 ということは、ISSとガンプラと日本列島を1枚に撮影したフィッシュアイ画像とかもワンチャン有るか? でもG-SATって全球撮れるような構造にはなってなさそうな気がする。展開カメラヘッドの内側がいくつかの方向を撮れるような配置になってるんだろうか?
* 衛星はISSより下側を飛ぶから、ISSと日本周辺を1枚の写真で撮ることはできない

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