F-35のTDS(Tactical Situation Display)の右上に表示されてるレンジについて。
レンジの数字は、TDSの左右の端から端までの距離のようだ。
4分割画面では104NM、2分割画面では204NMがデフォルトっぽい?
1280pxで204NMだと1NMあたり6.27pxくらい。あるいは1pxあたり0.16NMくらい。結構中途半端な気がする。メートル法に換算すると、1280pxで377.808km、1kmあたり3.4ピクセル、1ピクセルあたり0.3kmくらい。やはり中途半端。どういう基準で決まったんだろうか?
通常は、自機が画面の中央になる。少なくとも、左右では自機が中央に表示される。前後に関しては、16分割画面を表示している場合は自機後方はレンジ102NMで13NM程度、16分割画面非表示では60NM弱程度、といった感じ。前方は16分割の有無に関わらず80NM強程度。
目標を指示した場合(いわゆるロックオン状態)では、ワイド画面では自機が中心となるが、ズームを行った場合は、目標が中心に表示される。また、その場合は20NM、40NM、60NM、80NM、といった距離リングは表示されず、目標までの距離に応じたリングが表示される(目標までの距離が21.5NMなら、自機を中心に21.5NMのリングが表示される)。
ロックオン状態でも、レンジの数字は左右の表示範囲になる。
ロックオン状態でレンジをタップすると、ワイドビューの204NMから、51NM、26NM、13NM、6NM、とズームする。それぞれ204NMを基準として4倍、8倍、16倍、32倍を四捨五入した値で表示されている。
おそらくロックしていない状態でも、レンジをタップすれば距離は変えられるんだろう。
自機中心ではNORMと書いてあるので、これがノーマルモードなんだろう。ズーム時はEXP1からEXP4とあるので、EXPANDとかの意味だろう。
EXP1がレンジ51NMなのは、4分割時の102NMから2倍、ということかな。
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以前のエントリを読み直してみると、イージス艦のCICの画面は、「レンジの円に内接する正方形(?)の範囲を表示する」というような感じなので、F-35の表示とは異なる。
たぶんイージス艦の表示は米海軍のスタンダードの表示方法のはずで、となると、米空母のレーダーも同じような感じになるはず。
米空母の艦長はパイロット経験者に限定されるそうだが、現役時代にF-35Cを飛ばしていて、その後艦載レーダーを扱うような経歴だったりすると、慣れるまでに大変そうだな、とか思ったり。
たいていこういう風に違いがあるところでは事故るってのが歴史の教訓だが……
F-35の表示ではレンジのリングがあるのでいいけど、イージス艦のスクリーンは距離リングが無いので直感的に距離を読み取るのは苦労しそう。手元のコンソールとかで確認できるようになってるんだろうけど。
F-35のレーダーも、意味があってそういう数字の扱いをしているはずで。F-35のセンサフュージョンの関係でこういうふうにしたのか、あるいはF-15EやF-22といった他の戦闘機と共通にしたのか。
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TDSと違うヤツの話だけど、ついでに。
F-35のレーダー画面、名前は「ASR」になってる。
Aperture Synthesis Radarの略? 確かにF-35のレーダーは開口合成レーダーなのでASRが正しいのだが。
合成開口レーダー(SAR)は、開口合成レーダー(ASR)のイチ機能として提供されるわけだから、SARよりASRなんだろうけど。
F-35ってASRをSARとして使わずASRとして使うだけのモードってあるんだろうか? ASRのデータは全部融合してTDSに表示して、自機レーダーをスタンドアロンで使うのはSAR運用がメインな気がする。
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F-35の画面、TDSでスクリーンをタップしても、目標のロックはできないっぽい。ロックしたいなら、HOTASでカーソルを動かして決定する必要がある。一方で、表示内容とか、ズームとかはタップで操作するから、ある程度限定的な操作(ズームとか)を除いて、HOTASからの操作はできないはず。
もしかしたら、タッチパネルが壊れたときのために一通りHOTASからも操作できる可能性はあるけど。
はー、どっかにF-35のシミュで遊べるような施設ねーかな。いや、LMオフィスにはあるんだろうけど。
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