

SMCはやはりPISCOよりひと回り小さく、Φ145に収まる程度に押し込むことができた。
このバルブ、配線が入側についてるけど、一旦バルブを分解すると出側に切り替えることができる。カタログを流し読みした感じだとそういう記述はないし、そもそもバルブ自体をバラッバラに分解する必要があるので、メーカーとしてはやってほしくないのかもしれない。もっとも、この用途だとバルブの追加工時に一旦バラッバラにする必要があるので、要するに配線方向は自由に設定できる。この図ではメーカー配布のCADモデルなので配線は下に突き出てるけど、実際には上になる予定。このワイヤが結構硬いので、あまり小さいRでは曲げられない。
基本的にこの種の継ぎ手のチーズは、同軸側の2方向をメインとして、直交する側を引き出しとして使うことを想定している。そのため、異径チーズの場合は、同軸側が太くできている。一方、今回の使い方ではどれも直交側を入側として使うので、できれば直交側が太い異径チーズがあったほうが良い。まぁ、無いものは無いのでしょうがないが。
ちなみに、この配管系の場合は、3モード以外に4モードの配置にもできる。

ただ、以前に投稿した配置の場合は流路の90度が2箇所なのに対し、このタイプは3箇所なので、流量の損失が大きいことが予想される。そのため、4モードの配置を行う場合は以前のタイプの設計を使ったほうが性能がいいはず。
もっとも、オリフィス直前の急カーブがどの程度影響するかは不明なので、実際にはさほど大きな影響はない可能性もある。タンク排出ポートのネックのほうが厳しそう。やっぱりここだけでも専用部品を作ったほうが。。。
今のところは推進系単体で考えているけど、実際には周囲に他の機材(サブミッションの内、搭載位置が下面に指定される機器)が追加されるので、それらの特性も勘案して決定する必要がある。あくまでも推進系がメインミッションなので、推進系の成立性が損なわれるような機器類は別の場所に移ってもらうとか搭載を見送るとかするけど。
今の所、3モード時の配置で、タンク底面から推進系底面(電線除く)までは55mmくらい。タンクが220mmくらいあるので、トータルで275mmくらいになる。高さはmax340mmまでなので、残りは60mmくらい。下面に搭載する機器同様に、上面が指定される機器(GPSとか)もいくつかあるので、上の空間は予備空間として残しておきたい。外形はmaxΦ150だが、タンクはΦ70mm弱なので、内径70mm/外形150mmの円筒の中に各種基板類を詰め込む必要がある。
タンクを機体中心軸からオフセットすれば円筒形でなく、もっと使いやすい空間が作れるけど、重心への影響が大きいので、それは最後の手段に取っておく。
上面の空間がある程度(30mmとか)余ったら、その分下面に発泡断熱材とかを入れれば、多少は耐衝撃性を向上できる。発泡断熱材のような柔軟性(圧縮性)の高い素材より、クラッシャブルゾーン(ラティス構造)のほうが衝撃吸収性では有利だけど、完璧に3次元的な構造なので、ホビー用の3Dプリンタでは造形できない。
昔飛ばした缶サットのデータを眺めてみると、打ち上げ時の衝撃は11G、荷重は最大6G程度、開傘衝撃が5G、着地衝撃が9G、くらいの感じらしい(完全に打上げ機や缶サットの特性に依存するので、参考程度に)。つまり、クラッシャブルゾーンには打ち上げの10G超には耐えつつ、着地時の衝撃は3-5G程度まで吸収するような特性が必要になる。そんなものは不可能。打ち上げ時にはクラッシャブルゾーンに荷重がかからないような構造にするという手もあるが。
そもそも、クラッシャブルゾーンは落下速度と最大加速度から必要な長さがおおよそ算定できるけど、厳密に衝撃を吸収しようとすると、高さ340mmのルールでは成立しないような規模になってしまう。
例えば、落下速度8m/s(レギュレーションのmin6m/sに3割の余裕)を5Gで止めようとすると、0.16秒程度かけて停止する必要があり、その間に0.65mほど移動する。つまり長さ650mm以上のクラッシャブルゾーンが必要になるので、高さ340mmの包絡域に収めることができない。少なくともソリッドな構造では成立しない。
これが例えば「アスファルトに落ちたときの衝撃を50Gまで軽減する」とかなら、もう少し現実的な感じになってくる。あとはどの部分の破損を許容して、どこを守る必要があるか、という話になってくる。例えば「1箇所でも壊れるのは困ります!!」というのは無理な話で、少なくともどこかを壊すことで衝撃を吸収する必要がある。それをクラッシャブルゾーンとして専用の空間を確保するか、フレーム自体を衝撃吸収構造として使うか。缶サットの場合、事前テスト等を除けば「1回だけ使えればOK(着地時に壊れても無問題)」なので、極論すれば「どこが壊れようとも、データストレージさえ無事ならOK」と言うこともできる。要するにSDカードだけ守ればいい(さすがに缶サットにM.2 SSDをストレージとして搭載するようなチームはそうそういないと思うので、SDカードと仮定)。
最近だと耐衝撃性を売りにするSDカードとかもあるので、そういうのを選択する手もある(具体的にどの程度の加速度に耐えられるとかは書いてないんだけど。。。)。そもそも、microSDみたいな質量の小さいものは加速度の影響も受けづらいので、あまり強固に守る必要はない。ただし、衝撃で抜けてどこかに飛ぶと、回収するのは絶望的なので、少なくとも脱落しない程度には耐衝撃性を確保する必要はあるが。
ただ、ここまでの話はハードウェアの話で、もっと重要なのがソフトウェア周り。例えば、mbedでSDカードのライブラリを使ってプログラムの開始時にFILE *fp = fopen("log.csv", "w");とすると、確実にデータを失う(マーフィーの法則を肝に銘じよ!!)。
推進系の話から脱線しまくってファイルの扱いとかになってしまったので、今日はここまで。
もう少し3モード配置の設計を煮詰めてみる予定。必要な部品を早く決めて部品発注しておきたいなぁ。
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