飲み終わったマグカップ(軽くて重心高くて不安定なやつ)を倒してしまって、キーボードに飲み残しをぶちまけるなど。覆水が帰ることはないので、慌てず騒がず、テッシュで吸い取り。中まで入ってるだろうなと思ってキートップを外してみたんだけど、一滴も入ってなかった。PCの周りに置く飲み物は粘性の高いものが良いという経験を得る。いや、そもそも倒れやすいコップなんか使うな、という話なんだけど。
マグカップはsnow peakの1層(断熱なし)のヤツ。せっかく買ったし使わないともったいないよね、みたいな感じで使い続けてるけど、安定性は悪いし、取手も不便だし、容量が大きくて手荒に扱っても割れない以外は良いところ無いんだよなぁ。容量大きくて耐久性高いのはコップとしては優秀なんだけど、日常使いするのには向かない。
/* キートップ、語感に双発旅客機っぽさがある */
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軌道表示ソフト、とりあえず画像をドラッグアンドドロップして姿勢を推定する機能とかを追加。すべてのTLEから必要に応じて選択した対象だけ軌道を表示したり、いろいろ機能があるので事後解析には便利。姿勢の数値も表示できるので現地での運用で使うことも不可能ではないけど、4Kディスプレイ前提で開発しているので、ノートPCの小さい画面じゃ全く使い物にならない。あと、Gen12 i7で動作確認してるので、低電力の古いi5じゃ動作が遅い。やっぱり使う環境が全く異なるので、事前計画・事後解析と観測中に使うソフトは別に作ったほうが使いやすい。
軌道表示、全衛星(数万個)を1秒毎に位置計算してキャッシュに突っ込んでいて、位置情報はECI, ECEF, BLHの3種類9要素を持っている(都度座標変換すると膨大な計算量になるので、必要な座標系はすべてキャッシュする)。doubleなので72バイト、時刻情報に追加で8バイトでトータル80バイトの情報量。これで例えば物体が2.3万個あるとすると、2MB/sec弱くらいのペースで増えていく。1分後には100MB程度、1時間後には6GB程度になる。数時間くらい起動しっぱなしで忘れているとPCに乗ったRAMを全部食われる(仮想マシンに24GB固定で割り当ててるので、実機OSで使える範囲はさほど広くない)。
キャッシュを捨てる処理を追加したいんだけど、いまいちいい方法が思いつかない。全部同じ頻度で使うから、使わないやつから捨てるみたいな処理もできない。離れた時間(数時間後とか数日前とか)の表示も行うから、タイムスタンプベースでの処理も難しい。効率的な管理が向かないなら、1秒毎に数十個ずつコンスタントに捨て続けて、10分くらいで全データを削除、必要な部分はキャッシュミスで再生成させる、みたいな処理が良さそうな気もする。
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AGI: New Feature in STK 11.1.1 - New Lighting Constraint
太陽・衛星・観測者のなす角。LOS Sun Illumination Angleという名前らしい。いまいち探してもそれっぽい話が出てこない。
そもそも普通の衛星屋はSun Illum Angleなんて気にしないような気がする。熱設計屋だって太陽光の入射角は気にするとしても、射出した先に何があるかなんて数メートル程度離れたらあとは気にしないだろうし。ましてやそれが地上から見てどうなるかなんて。パッシブの測地衛星の場合は設計上輝度が重要とは言え、それにしたって曲面の光束を考えるくらいだろうし。
ということで、Sun Illum Angleを欲しがるのなんて、それこそSSAで仕事してるAGIが特殊な事例なんじゃないかなぁ。
などと言いつつ、太陽方向のベクトルと、衛星から見た観測者のベクトルの内積を取ればSun Illum Angleになるので、実装難易度は低いからサクッと追加。しかし、過去に撮影したやつをちょろっと確認してみても、明るく写った衛星だから位相角が小さいということもない。結局、反射光の明るさは距離や質量が支配的であって、位相角は大して影響はないんじゃないかな、という気がする。大きい衛星はSun Illum Angleが大きくても見かけ上の日照面積は大きいし、距離が遠くなれば2乗で暗くなる。
SSAみたいな用途で使うのであれば、距離とSun Illum Angleがわかればアルベドを仮定して物体の大きさを推定できるので、デブリの管理とかには便利そうだけども。
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「げっしょく」じゃなくて「つきしょく」。衛星屋さんの用語なのかな? あるいは社内でのみ使ってる用語なんだろうか。どのくらいの頻度で発生するんだろう? 書類の量からすると頻繁に行う作業量じゃなさそうだが(「写真はイメージです」かもしれないけど)。ググってもそれっぽい話題がほとんど出て来ない。ORBITER FORCE(富士通の軌道計算ライブラリ)のパンフレットに「計算できますよ」と書いてあるくらいか。
日食が起きるためには新月である必要があるけど、新月だからといって日食が起こるわけではない。日食とは月の影が地面に落ちる現象だから、地球の直径の30倍も離れたところにある月の影が地球に落ちるのは、かなり低い確率になる(確率と言うのは言葉の綾だが)。で、静止軌道は直径8.4万km程度(地球直径の7倍)の範囲に広がっているから、地上で日食が起こるよりもはるかに高い確率で、月の影が落ちることになる。静止軌道は南北方向にはかなり狭い範囲ではあるけど、赤道面と黄道面には角度があるし、特にロケットボディや測位衛星(QZS, BEIDOU, IRNSS)みたいな傾斜角の大きい物体も含めれば、かなりの数が1回の新月でつき食に入る。
次回の新月は9月26日頃だが、簡易的な判定処理(円筒近似)でスキャンしてみると、結構な数のつき食予想があって、例えば日没後に北海道から見てロケットボディが仰角70度くらいで食に入るものもあるので、撮ろうと思えば食の出入りを撮影できそうな気もする。完全に天候依存だけど。26日にはQZS-1Rもつき食に入るけど、その時間は日本から見るとまだ太陽が下がりきらないので、QZSの観測はかなり厳しそう。
任意の軌道上物体がつき食に入るのは、かなり頻度が高い(少なくとも、1ヶ月に1回の新月で100個オーダー)。ただ、特定の物体がつき食に入る確率は、かなり低そう。とはいえ、時々発生する現象なわけだし、もう少しいろいろなところで話が出てきても良さそうな気がするんだが。
しかし、現象としてはどう考えても月食でなく日食だよなぁ。なんで「月食」の字を当てたんだろう? 月齢から考えてこの日(新月)に月食になるわけないから地球上での月食/日食と混同を防げる、みたいなこと?
「BIRTHDAY」|B-SATブログ|B-SAT 放送衛星システム
この人の進路はモーレツに影響を受けていたりするのでしょうか? 私気になります!
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LUNAR-Aのペレトネータの話とか読んでみたり。対談で工学屋VS理学屋の言い争いみたいなのが出てきて面白い。工学側は「せっかく作ったんだから1本でも打ち込んでみるべきでは」と言っているのに対して、理学側が「1本じゃ理学的成果は全く無い。そんなことは無駄だ。技術実証? 失敗する可能性があるものを打ち込むとか何を馬鹿なことを言ってるんだ」みたいな論調。
曰く「失敗したところで原因調査なんかできないんだから失敗する可能性が少しでもあるなら試すだけ無駄」みたいな事らしい。理学屋がそんなこと言ってるから工学屋が身動きできなくなって結局予算切られたんじゃねーか、という気はするが。というか「4本以上無いと意味がない」って、とどのつまりLUNAR-Aでもダメじゃねーか。
せっかくHTV-Xで月落下軌道に行く機会があるんだから、ペネトレータも新しく作り直して持っていけばいいのにな。熱的な計測が必要なくて加速度計(地震計)を配置するくらいならOMOTENASHIみたいにセミハードランディングで地表にばらまくみたいな感じでやったりできるのかな? まぁ、ゲートウェイが作られればそういう理学ミッションも増えるんであろう。
ソノブイと形状互換の火山観測用ペネトレータ、みたいな空想。投下後にサボを分離して槍状のセンサ類を突き刺す。遠洋の島での噴火であればP-1で進出したり、護衛艦に何本か積んでおいてもらって、タイミングを見計らってSH-60から投下したりできる。あるいはシーガーディアンからも落とせる。近場なら普通にUH-60のドアから手で落としてもいいし。
高高度から落とすなら落下位置の制御が欲しくはあるけど、まぁ、どうにでもなるはず。シーガーディアンならレーザーデジグネータを積んでるはずだから研究者が要求した位置にピンポイントで突き刺せる。すっげー剣呑なシステムになりそう。。。
SDBみたいな形でF-2とかF-35から投げても面白そうだけど、さすがに運用が大変。接近せずに(活発に活動している対象に対して)投射できるのは魅力的だけど。
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ムーンウォッチ計画の話
https://www.telescope-museum.com/wp-content/uploads/2017/02/5175c8e74e18a790d614b7355c67143a.pdf
名前は聞いたことあったけど、予想よりはるかに大きい事業だったんだな。そりゃ史上最大とか言われるわけだ。
労働集約的というか、時代だなぁというか。望遠鏡を使ったりはしているけど、南北に張ったロープ(子午線)を衛星が横切るタイミングを人間が監視するとか、原理的には伊能忠敬の時代から大して変わってない感じがする。カメラによる観測が行われるまではズルズルと人力の監視が行われたらしい。
ベーカー・ナン・カメラの話。f500mm/F1.0で画角が33x5.7度くらいのxEL付きで恒星追尾と衛星追尾ができるジンバルみたいなシステム。
2013年に発見された写真フィルムの話
http://prc.nao.ac.jp/museum/arc_news/arc_news686.pdf
1964年7月にベーカー・ナンで撮影したエコー衛星のものではないか、と。
半年ほど前にエコー2が上がってるのでそれかな? 1Aもまだ残ってる時期なので、1Aかもしれないけど。フィルムに時計の表示を焼き込むとか、すごい時代だよなぁ。V-2ロケットの試験映像でも画面の隅に時計を写し込んでいたはずだし、あの当時としては標準的な技法で、それ以外に方法は無かったんだろうけども。
https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1968/pdf/19680807.pdf
おそらく1968年に書かれたもので、5月5日にベーカー・ナン・カメラの三鷹での運用を終了し、堂平へ移動したとのこと。移設前の三鷹時代では三鷹国際報時所が持つ高精度な時刻を直接使えるので、時刻精度には相当な自信があったようだ。上の話に出てくるフィルムとはタイムスタンプのフォーマットが違う。この頃には0.1msまで記録できたそうだ。
1ショットで幅55mmのフィルムを30cm使用。1度が1cmのスケールなので、5x30度を撮影できる。三鷹では2万5千回の観測でフィルムの使用量は100km(33万ショットくらいに相当するので1観測で少なくとも13ショットくらい撮ってる?)。必要な撮影範囲は軌道予測の精度に依存する。最近は電子計算機の発達で予表も正確になってきて、アメリカでの予算削減もあって1コマ13cmまで範囲を縮小(必要に応じて30cmも可)。
日本でのSLRは`69年に初成功だが、`68年夏頃のこの資料でも、将来的にSLRと併用する、みたいな話が出てる。SLRは`68年の12月から堂平で実験を行っていたようだが、それが始まる前の三鷹でもSLRの重要性は認識していたのだろう。もっとも、あくまでも「将来的には併用」という扱いだが。
https://laser-sensing.jp/1stLRS/17.pdf
1972年のSLRに関する話。ベーカー・ナン・カメラと同じく堂平に設置されているので、SLR中の衛星をBNカメラで撮影した写真も。
「レーザ天文学とも言うべき新しい学術分野が開かれつつある」だそうだ。(もちろん当時はレーザガイドを使った補償光学みたいな天文学は無いはずだが)。
当初はAz/Elの2軸だけど、天頂付近のトラッキングが大変なので1軸を追加したとのこと。
https://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1968/11/1968_11_00_news.pdf
1968年の日立の製品情報。
新型フライス盤の話。「最近の労働人口の減少、未熟練作業者の増加などの情勢に即応しうる機種」だそうだ。半世紀前の話だぞ。数値制御装置との連結で、1人が2台以上の同時運転を可能にする、とも。最近のマシニングセンタの自動化でも似たような宣伝がされているのを見ると、狙い通りには普及しなかったんだろうけど。
SLR装置の話。写真を見る感じ、xEL軸を容易に追加できるような構造じゃなさそうだけどなぁ。パルス周期が「IPPS」と書かれていて、この時代からアラビア数字の1とローマ数字のIが混同されてたんだなぁという謎の感慨。日立全体の製品群の話なので、SLRに関する話題は触りだけ。
あとは集団採用で使う教育システムとか、GaAsデバイスとか、カラーテレビのパワエレ半導体とか、掃除機とか、超豪華なテレビとか。教育システムは5個の選択肢からボタンを押して回答するデバイスで、最近のクイズの早押しボタンの先祖といった感じ。
http://universe.a.la9.jp/happyou/doudaira.pdf
当時のSLRの振り返りとかいろいろ。
諸外国のシステムの写真がいくつか。アメリカのSLR観測機器、NASAもSAOも榴弾砲とか対空砲みたいな見た目をしている。この時代のアメリカだと砲の照準システムなら使える人間が多いし部品も大量に入手できる、みたいな理由もあったのかな? 目的(指向精度)が同じならある程度研究され尽くした機材を流用すれば楽そうではある。USNOが関わってたなら財務管理上は1つの組織内で部品をやりくりできて便利、みたいな話もありそうだが、さすがに考えすぎか。既存の天体望遠鏡システムでも十分な指向精度は得られるけど、駆動速度で大きく劣る。確かに対空砲みたいな敏捷性と精度があるなら、人力追尾で30秒に1回の観測とかもできるわけか。
堂平のSLRは3軸化後の写真があるけど、鏡筒も含めて当初の面影(日立のカタログの様相)は全く残ってないな。
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最近の、スペースデブリのライトカーブ取得の話
なんでTDIを使うんぞ?と思ったら、衛星を追尾したら対象が点像になって時間分解能が画素の読み出し周期に制限されるので、TDIでわざと追尾を外して撮影するんだって。ぐぬぬ…… CCDとか使わずMPTとかで直接ライトカーブを取ったほうが良さそうな気もするけどなぁ。それこそSLRのハードウェアを改造して使えばライトカーブの取得には便利そうだが。
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うげげ、天測暦の係数表とか廃止されるの? 完全に依存してるのでめっちゃ困る。。。
天体計算が必要なら英国のヤツとか使ってね、だそう。大英帝国さんさすがやでぇ(小並感
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JSPFの関連で掲載されたMUSES-Cのイオンエンジンの解説、ISASの人が書いた文章だと思うけど、燃料として「液化キセノン66kg、化学燃料64kg」というようなことが書いてある。充填装置で液体キセノンを使うみたいな話が出てくるので、そのあたりと混ざったんだと思うんだけど。
EGS(あじさい)が打上げられたのは1986年8月だけど、この年の7月に公開された資料にも「本年8月に打上げ予定の国産測地衛星GS-1」みたいな表記が出てくる。GS-1とEGSってどこで変わったんだ?
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今週は特に進捗ダメだったなー。天気悪くて撮影もほとんどできなかったし。
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