2025年7月9日水曜日

小ネタ



「シャングリラ・フロンティア」がゲーム化、『シャングリラ・フロンティア~七つの最強種~』正式発表。“クソゲーハンター”の冒険が忠実再現されてゲームに - AUTOMATON

 スマホゲー、かぁ…… まあ、メディア展開のターゲット層を考えるとスマホなんだろうなぁ。オープンワールドで自由に遊び回るようなゲームじゃなくて、原作のストーリーをなぞるような内容になるんだろうし、それならコンソール/PC用に作るより手軽に遊べるスマホのほうが、という判断かな。




 3Dプリンタで大雑把な型を作って、切削で軽く仕上げて、カーボンファイバーをフィラメントワインディングみたいに巻いていって、穴加工や切断を行って、最後に中身を抜いて、みたいな感じの工程かな。フチ(先端とかの空力や強度的に厳しい部分)はソリッドにも作れるっぽい。

 どれくらいの手間で使えるんだろうか。形状データとファイバーの向きを指定するテクスチャを層毎に与えたら勝手に作ってくれるくらい手軽なんだろうか? それとも人間がいちいちツールパスを指定してやらなきゃいけないんだろうか?

 CADでデザインしてファイバーの層数や向きを指定すれば強度計算して、そのデータから直接出力できて、計算結果と同じ強度のモノが出てくるんであれば、試作開発はかなり楽になりそう。量産する場合も、品質さえ一貫しているなら機械を大量に並べればいくらでもスループットは増やせるだろうし。まあ、従来の製法に比べてコストはそれなりに高いんだろうけど(特に初期投資が)。



 Elgato、タクタイルスイッチ搭載になった「Stream Deck Scissor Keys」 - PC Watch

 従来のStream Deckの操作感が悪いのはそうなんだけど、じゃあタクタイルスイッチで改善するかというと、操作感以上に、寿命が圧倒的に短くなってユーザー的には改悪だと思うのだが。

 あと、「キー個々にLCDを埋め込んだデバイス」という説明はちがくない? 1個1個のキーにLCDが入っているわけじゃなくて、1枚の大面積のLCDが区切られて見えているだけのはず。少なくとも従来のモデルはそう。


 Stream Deck Scissor Keys | Elgato

 まさか本当にタクタイルスイッチを使うわけないよね?と思って公式サイトを見てみたら、シザーキー(薄型キーボードと同様の機構)を採用しているらしい(商品名もそれが由来)。そりゃそうだよな。マウスについてるタクタイルスイッチの寿命を考えたら、Stream Deckで採用できるわけがない。

 タクタイルという単語は「感触的な」みたいな意味だから、クリック感があるスイッチを「タクタイルなスイッチ」と表現することはできるけど、「タクタイルスイッチ」と書いた場合はある特定の機構(ドーム状のバネの非線形領域を触覚フィードバックに使用する構造)のスイッチのみを指すと考えられる。シザースイッチはタクタイルなスイッチではあるが、タクタイルスイッチではない。


 Elgatoからタクタイルスイッチを搭載した「Stream Deck Scissor Keys」と高速大容量通信に対応した「USB 3.2 C to C cable」の販売を開始 | SB C&S株式会社

 たぶんこのあたりが元凶じゃないかな。

「15個のLCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)キー」みたいな記述もある。輸入代理店が不正確な(あるいは誤っている)情報をプレスリリースして、ニュースサイトがそれをそのまま使っている感じ。



 ホンダの宇宙開発本格始動 再利用ロケットとそのビジネスモデル - Impress Watch

 途中のRocket Lab Neutronの説明、社名間違ってるし、ロケットの説明も間違ってね? 社名は複数個所で同じ表記だから、意図的に書いてそうだけど。

「Neutronの特徴は、1段+フェアリングという機体構成で全て再使用可能であるという点です。機体全てを再使用できるようになると、(後略)」

 Neutronは第1段とフェアリングが分離しない形で、その中に第二段が入っているという構造(Neutoronの第2段は前期イプシロンの第3段のイメージ)。再利用するのはこの一体型の第1段とフェアリング部だけであって、最終的に軌道速度を得るための第2段は使い捨て型のはず。そもそも、上記の説明には第2段が含まれていないから、単段で衛星を軌道投入した後に回収して再利用するロケット、みたいな意味合いになっている。

 Neutronの次に説明しているロケットでは「Terran Rは1段を再使用する部分再使用型ですが」と書いているから、Neutronは全段を再利用する前提で、それと対比している意味合いが強そう。

 一つの段落で「ペイロード搭載量が2トンもある中型ロケット」と「搭載量2,000kgの比較的小型のロケット」を明確に区別している部分もあるし。

 全体の平均はともかく、一部だけ見ると、なんだかなぁ、って感じの記事。



 秀和システムが法的整理へ 債務超過で事業継続厳しく:時事ドットコム

 うちの本棚を見ると、昔から最近まで何冊かこの出版社から買ってた(ざっと数えて10冊弱)。昔買ったのは電子工作の解説本とかだったけど、内容は結構良いのが多かった印象。一方で、最近買ったミリタリー系の本は著名な著者の本でも出鱈目な内容が大量に書かれていたり、質はかなり低くなっていた気がする。ジャンルが全然違うので単純に比較はできないとしても。とはいえ、やはり編集部も色々切り詰めて、原稿を確認する余裕もなかったんだろうな(あるいは原稿を確認できるだけの知識・技術を持つ人間を雇う余裕もなかったか)。

 最近のあまりにも内容がひどい本を見ると、めぼしい著者(名前だけで売れるような人)に声をかけて、送られてきた原稿を中身も見ずに印刷所に横流しして、商業誌ルートに乗せるだけの代行業みたいな仕事をしていたのかも。それくらいひどい本も手元にある。例えば「さんすうもんだい」(2,3桁の数字の大小の比較)を間違えているような本とか。まあ、こういうのを見逃すのは出版社の問題としても、そもそも著者の方に問題がある内容だけど、そういう著者にすら頼って本を作らなきゃいけないほどなりふりかまっていられない状況だった可能性もある。


 全然関係ないけど、マイナビニュース(TECH+)も最近(ここ数年)でだいぶ運営方針変わった印象。会員向け記事が増えただけじゃなくて、記事の内容もだいぶ変わった気がする。ファジーに表現すると記事のタイトルに感嘆符が増えた。こういうタイトルの記事って内容もちょっと苦手なんだよな。最近はほとんどすべてと言っていい割合で記事が会員限定公開になっているし、RSSリーダーでタイトルだけ見て流すようになってる。前は会員限定記事でもソース(外部リンク)はログインせずに見れたけど、最近はそれも見れなくなったし。

 TECH+、会員登録で要求するメールアドレスが職場のメアド限定なの、さすが本業が本業だけあるよなぁ。ユーザーが転職したらアカウント作り直させて累計ユーザー数水増ししてるんじゃないかって陰謀論が作れそう。最近は一般市民向けっぽい記事も増やしている印象だけど、そういう人たちにも職場メアド要求する気? 運営方針に一貫性がない印象。


 また関係ない話だけど、サイエンス系の本を探してると、一般市民向けの本は大量にあるけど、そういうのを読んだ後に読む本が無い気がする。別にサイエンス系に限らず、他の分野でも。例えばプログラミング入門の本だと「変数とはなにか」とか、「足し算をするにはどう書くか」みたいな解説の本は多いけど、その言語の文法をある程度知ったうえで、どういうふうに使えばいいか、みたいな本は少ない印象。

 日本の商業的な情報って、たいてい「その分野を知らない人(完全にまっさらな人)相手」と「ガチの専門家相手」の両極端な印象。非商業的な部分だと、たまに個人の趣味で記事を書いてるような人はいても。

 これって「餅は餅屋」みたいな日本の傾向なんだろうか? ある分野をやるには大学とかで勉強する必要があって、そのためには高校の時点ですでに進路を定めて、専門的に勉強せずに社会に出たあとはその分野に入るのは難しい、みたいな。英語圏だと個人の趣味から初めてガチ勢に至る人が多いような気がする。ただ、これは英語の話者数が単純に多いから、という部分もありそうな気もする。単純計算で一つの分野に入る人数が日本語圏の15倍多い。ただ、本当に15倍で足りるかというと、多分足りない気がする。やっぱり文化的と言うか、なにか違いがある気がする。一人あたりの趣味の数の差も結構ありそう。

 あとは、予算構成の違いもありそうか。個人とかの寄付で運営するような研究だと、自分が寄付した金が何に使われているかをある程度突っ込んで知りたい、あるいは寄付する先がどういう研究をしているのかを知りたい、みたいな需要がありそう。日本みたいに税金が大部分を占めるようなところの場合は、税金分の(納税者民向けの)広報活動はしますよ、位のスタンスになりそう。ただ、これはある程度組織的な研究機関には当てはまるけど、個人規模の研究には直接的には関係なさそう。まあ、組織に対する寄付と同じように個人に対して寄付を行って、個人で行う研究が活発になったり、その結果いろいろな情報が出てきたり、みたいな流れはありそうだけど。YouTubeを見てると英語圏の大抵の人はPatreonを使ってる気がするし。

 日本でも個人が当たり前に数十万とか数百万とかを寄付するような社会になれば、寄付をしてもらうために情報公開に積極的になったりするのかな? 今の不景気な世の中じゃ寄付はされないだろうし、されない寄付のための情報公開なんてコストの無駄だ、みたいな判断になりそうだけど。あまり不景気が進むと今度は公的予算じゃ足りねえっつってクラファンとか始めて、いくらか支払った人に謝礼として多少の情報公開をしたりするんだろうけど、その場合は支払った人に対する対価だから、広く一般的に公開するわけじゃなく、むしろ差別化のために一般公開は絞る方向になりそう。



 ACS、いくつかの古墳で全く進めなくて糸口すら掴めない状態だったんだけど、なんのことはない、分かってしまえばめちゃくちゃシンプルだった。まさか弓が当たるだけで起爆するほど敏感な爆弾をブン投げるとはなぁ。その発想はなかったぜ。。。

 起動時に即ゲームを始めると極端に重くなる現象は、PC側のメモリ空き容量の問題っぽい。OSを再起動したら発症しなくなった。長期間起動しっぱなしだといろいろゴミデータが溜まるので仮想メモリに退避入ってパフォーマンスに影響があるらしい。終了時の挙動は相変わらずだけど。



 HackRF Pro Pre-Order: Frequency Range and RF Performance Improvements, USB-C, TCXO Added

 RTL-SDR Blog Review of the HydraSDR

 急に思い出したようにDIY向けっぽい層のSDR受信機が出てきたな。

 HydraSDRはAirspy R2の系譜ではあるけど、会社は別らしい。HydraSDRはSDR#からもR2として見える(扱える)けど、Airspy的にはこの使い方は規約違反だそうだ。



https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe1933/42/502/42_502_979/_pdf

 1976年。NECの人が書いたパラボラアンテナの説明。

 マイクロ波回線の話がいくつか。通信とか、レーダとか、電波望遠鏡とか。

 透過型のアンテナ。メタルレンズアンテナとパスレングスアンテナ。広帯域性や整合性が良いので当初は使われていたが、コストが高いのでパラボラが実用化されてからは使われなくなった。

 リフレクタアンテナの種類。パラボラ、カセグレン、グレゴリアン、ホーン、オフセット。それぞれの違いとか、特性とか。

 見通し外のマイクロ波通信。対流圏での散乱とか、山岳等の回折とか。元々は軍用だが、一般の回線で使う例も増えてきた。損失が大きいので大きなパラボラを使う。フェージングが大きいのでそれの対策も必要。

 衛星通信用のアンテナ。必要な特性とか、給電方式の違いとか。

 直径10mのアンテナが「商用貨物機により空輸可能」として紹介されている。こんなデカいものもバラせば空輸できるのか。



 DMSP衛星、800kmを周回する米国防総省の気象衛星だけど、これの光学センサは夜間に使えば10Wの電球1個を撮影できる感度があるそうだ。10Wというと豆電球2個分くらい。PMTを積んでいるらしいから、不可能じゃないんだろうけど、とはいえ凄まじいスペックだ。軍用の気象衛星で雲の観測がメインミッションだから、月相の対応のためにゲインの調整を行っているらしい(なので定量的な光量の変化とかを見るにはゲインを推定する必要がある)。センサの解像度は0.55x0.55km²、夜間は5x5ピクセルの平均値を使って2.75x2.75km²、研究者向けに配布するときは1x1km²にリサンプリング、という感じらしい。

 ちなみに、ADEOS AVNIRの場合は1ピクセル(10x10m²)の中に10kWの光源が無いと写らないらしい。

 ADEOSの単位面積当たりの感度は100W/m²。DMSPの10Wというのはどのモードのときかがわからないけど、夜間モードなら1.32uW/m²くらい。ADOESとDMSPで感度が8桁近く違うらしい。DMSPは軍用として夜間で使えることも要求されていただろうし、ADEOSは昼間(10時30分)にしか使わない前提だから感度は控えめということなんだろうけど。



 キヤノンの小型衛星、CE-SATシリーズ、IIBでは高感度画素を積んでいるけど、SPADを積んだ衛星を作る予定はないんだろうか。CIGSとか、身内に超高感度光学衛星を欲しがりそうなところもあるし。小型衛星として商業的に利益を出さなくても、資本関係のある法人だけで画素から解析まで一貫して処理できれば他の会社(研究機関・衛星企業)では作れないソリューションが作れそう。



 GPSで2重相対測位(DDGPS)というのを見かけたけど、ググっても情報が見当たらない。干渉測位の二重差とはまた別っぽい。どういうものなんだろう?

 文脈から想像するに、相対測位(DGPS)受信機を2台使って、測位結果から2台のDGPS受信機の相対的な位置関係を求める、みたいなモノっぽい。搬送波とかコードではなく、位置情報(Lat/Lng)レベルで差分を取る感じで。

 電離圏みたいに近距離で同一と近似できる誤差を除けるのと、RTKやコードの差分を取るよりも機材や計算量のコストが少ないのが利点、みたいな感じかな? ただ、この提案がされた2014年時点ですでにS/Aは解除されているから、GPS受信機の確度はかなり高いし、精度は受信機の熱雑音がかなり大きいはずだから、DDGPSの精度はあまり良くなさそう。精度の評価方法もGPSの確度の評価方法としてはおそらく正しくないやり方をしている。

 そもそも、2点間の差を取るならDGPSを使う必要はなくて、単独測位で比較したっていいはず。それがDGPSの原理なんだし。まあ、比較的最近の時代にDGPSを切れる(完全に単独測位ができる)受信機を探すのも面倒くさそうだし、それならDGPSの差分を取ってDDGPSを、みたいなのもわからんではないけど。



 簡易的なGPS受信アプリを試作中

 簡易的と言っても、rtl_tcpサーバーに接続してIQ信号を受け取って、C/Aコードを復調して、NAVやらSBASやらをデコードして、測位演算やらメッセージ解読やらをやって、みたいな感じで、結構大変。

 測位演算の結果は時刻、位置、クロックエラー、あたりを表示している。今のところ静止受信なので速度情報の表示は無し(内部的には計算している)。

 NAVは最低限エフェメリスとアルマナックの受信に対応、電離圏はパラメータの受信と表示は対応しているけど、今のところ測位演算には使用していない。違いがわかるほどの太陽活動が無い。GPS衛星が出している電離層は全世界で共通のもので、これに追加して準天頂衛星から2種類が放送されている。地図上には3種類の電離層を重ねて表示しているけど、準天頂とGPSでは明らかに値が不連続。パラメータの精度の問題なのか、計算をミスっているのか。

 SBASはエフェメリスとアルマナック、それからQZSS DCRの一部のメッセージの受信だけ実装。台風とか震源とか、位置情報を含むメッセージもいくつかあるから、日本付近を拡大した地図を表示して、そこに重ねて表示しても良さそう。

 受信機はrtl-sdr blog v3を使っているけど、5.5ppmくらいの誤差がある。1ppmで1.6kHzずれるから、5ppmまで許容しようとすると8kHzの範囲をスキャンする必要がある。衛星由来のドップラが5.5kHzとすると、±15kHzくらいをスキャンしなきゃいけなくなるから、かなり時間がかかる。アルマナックと受信機の推定位置があればドップラをかなり正確に推定できるから、正常に動いていればほぼ一瞬で搬送波をロックできるけど、受信機の位置が正しくないときに延々ロックできなくなる懸念もある。

 そこそこ機能が多くて、マルチスレッドとかいろいろ複雑なことをやっているので、安定性が悪いのがネック。スレッドとかネットワークとかに触るとデバッグが大変。



 QZSS L1S DCR、NMEAフォーマット($QZQSM)が指定されているけど、250bitのSBASメッセージに下位2bitを追加して252bitを63文字で保存するの、ちょっと謎い気がする。上位2bitを追加(つまり何もせず)63文字で保存するほうが取り扱いが楽そうな気がする。下位に追加するのだと、8bit(uint8_t)とか64bit(uint64_t)とかの配列で保存したビット列を全部移動する必要がある。面倒そう。



 C#のstackallockをループの中で宣言するとスタックオーバーフロー警告が出るけど、do{...}while(false);の中で宣言しても同様に警告が出るんだな。Visual Studioはif(false){}の中身を到達できないと判断したりできるんだから、明らかにループしない条件なら警告を省略してほしいものだ。後でループ条件が変わったときに問題が起きるかも、みたいなことなんだろうけど。


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