ALMA望遠鏡、日本が担当したのは12m4台と7m12台。12mはCFRPやインバーで熱変形を抑止したけど、7mは低コスト化のために主鏡に鉄を多用したんだそう。熱設計や熱制御で対応したとのこと。12mも7mも重さは同じなので(おそらく同じ機材でハンドリングするからだろう)、CFRPで軽量化した12mより7mのほうが重量配分で余裕があるので、熱変異の大きい鉄でも成立したらしい。
「いんばー」を変換すると「inバー」になるの、そういう商品があるんだな。
inゼリーのシリーズでスティックなタイプ。
熱膨張特性とか測った人いないかな? 暇な大学生とかやってそうだけど。
コンビニとかで普通に売ってるのかな? 今度行ったときに覚えていたら…… 「amazon等のネット通販で売ってるよ」とはいうものの、最近のamazonの飲食品は販売単位がデカいから試しに買うのに使えないのが不便。かといって地元で気軽に買うのも難しいのが田舎。いや、まあ、田舎なら自分で足を持てよ、という話なので、結局自己責任というか自業自得というか、そのあたりに落ち着くわけだが。
10年くらい前にJAXAで検討していたらしいCOMPIRAという海面高度計衛星。その後の話が見えてこないので具体的に設計を始めるみたいな話までは進まなかったようだけど。
衛星の左右にアンテナを1個ずつ積んで、X帯の干渉SARで海面高度を計測する。空間分解能5km、計測精度5-7cm、観測幅160kmを観測する。従来の海面高度計衛星に対して精度は若干悪いが、面的な広さに強みを持つ(従来の海面高度計衛星は衛星直下しか見えない)。
干渉SARのミッション機器はSHIOSAIというらしい。これとは別に衛星直下を計測するための海面高度計も乗せるのかな?(SARは直下が見えないので) SHIOSAIのイメージとしてはShuttle Radar Topography Missionと同じかな。
海洋のモデルは、遠洋は時間的・空間的にあまり大きな動きがないから、低密度な衛星観測でもあまり問題は無いらしい。なので、COMPIRA/SHIOSAIの高密度な観測データは沿岸域を対象にしているようだ。
ただ、COMPIRAで計測できるのはあくまでも海面高度の分布だけだから、衛星を1機打上げて得られるリターンが少ない、みたいな理由で開発まで行けなかったのかな。あとは、同時期にNASAがSWOTというほぼ同じコンセプトの衛星を検討していたので、わざわざ日本がやらなくても、みたいな感じになったのかも(SWOTは仏加英が加わって2022年に打上げ)。
軽くググって出てくる資料だと2015年辺りまでだから、理学側の検討はこのあたりで終わっているはず。
ただ、2020年に防衛省が出した資料に、COMPIRAの名前が出てくる(あとはSLATSも)。防衛省としては海洋観測衛星はやはり欲しいだろうな。あくまでも期待しているというような表現であって、それを防衛省が主導して作るとかいう話ではないけど。それに、たとえ防衛省でそういう衛星を作ったとして、観測データは非公開になるだろうから、理学側もその衛星に対して協力するインセンティブがない。やりないなら勝手にやれば、てな感じで。かといって自衛隊が一から十まで全部担当して衛星を作るというのも大変だろうし。
海上保安庁も日本沿岸の海流データとかは欲しいだろうし、海洋国家として重点的に海洋観測を行うような衛星があっても良さそうな気がするけど、MOS-1(1987年、'90年打上げ、'96年まで運用)以降この手の衛星ってなさそうな気がする。一応、GCOMシリーズがMOSの後続として書かれることはあるけど、これは放射計で気候的な情報を得るのが目的であって、海保や海自が欲しがるような情報はほとんど取ってないはず。
1パスで干渉して地形を計測するやつ、既存のSAR衛星(orその小改造)でできたりしないだんだろうか。例えばALOS-4ではビームの複雑な位相制御を行っているけど、制御プログラムの改造とか、あるいは多少のハードウェアの変更が必要にしても、PALSAR-4あたりで対応するとか。大面積化してアクティブフェーズドアレイでビームを振るなら、両端の開口だけ使って1機でさらに干渉させるような。
あるいは、1枚のアンテナでは難しいとしても、受信用の素子を横に突き出す感じにしたりとか。ALOS-4でもSPAICE3を横に突き出しているから、その先にL帯受信素子を1個追加して、感度はメインのアンテナで稼いで、受信用の素子は基線長を稼ぐだけ。このくらいなら比較的シンプルに作れるし、ALOS-4の後続機で相乗り実証とかできそうだけど。
理学側からそういう提案とかってないんだろうか? L帯だと分解能悪くて使い物にならないから、みたいな理由はありそうだけど。
標高の計測は測地側からも要求はありそうだけど、とはいえ地形みたいに変動の少ない成分なら1機の衛星(開口)で2回帰分の観測を干渉させればいいから、別のアンテナでも受信して1パスでDEMを作るみたいな要求はなさそう。あるいは、日本の場合はALOS搭載PRISMの視差でDEMを作ったから、絶対値はそれを使って、InSARで相対値を追うとかでDEMの更新もできそうだし。
QPS-SARにL帯受信機を追加してALOSと同時打ちしても面白そう。同時に同じエリアを(面積は狭いとはいえ)L/Xの2バンド同時観測ができるし、L帯で長基線長の干渉もできるし。同じアンテナサイズでもL帯は波長が長いからビーム幅も広くなる。利得が下がる分はALOSの大電力でゴリ押しする。
GPSを干渉させて基線ベクトルを決定したり、衛星間通信で測距したりパルスを同期したり。QPS-SAR側にL帯受信機を追加する以外は双方とも小改造で行けそう。
将来のALOS/PALSARで、ALOS-2みたいに機体下部に水平にアンテナを付けるような感じに戻ったりしないかな、という空想。
ALOS-4/PALSAR3ではDBFでビームステアリングできるから、もっと大きく振れるようにすれば水平なアンテナから機体の左右を観測できるようになる。単純計算で一度にALOS-4の2倍が見える。さすがにフルスペックで左右同時観測は難しいとしても、姿勢変更せずに左右を切り替えたりとか、あるいは感度や分解能を多少下げて左右同時観測をできるとか、ミッションの柔軟性が上がるのは良さそうな気がするが。
運用中に大きく姿勢を振る必要がないから、姿勢制御系も楽になる。とはいえ、A-4ではRWは5台だから、減らしてもせいぜい4台まで、生存性を重視するなら5台あれば嬉しいかな、と考えると、ハード的には大して楽にはならない。SAPを振り回さなくて良い分で構造系が少し楽になるかな、くらいか。やはり運用の自由度(短時間で左右を切り替えて観測したり、あるいは同時に左右を観測したり)が大きなポイントか。
https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jpgu2019/STT45-P09/public/pdf?type=in&lang=ja
ALOSのSARでDEMを作って既存のSARとの比較を行った話の概要。数cmから数十m、平均して9.94mの誤差だそう。比較対象のDEMのソースが書いてないからどう考えればいいのかわからないけど。2019年発表で国土地理院のDEMなら、ALOSのPRISMで作ったDEMが相手なのかな?
L帯SARの精度は数mとか数十mとかなのかな。それともハードやソフトの工夫で改善できるんだろうか。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rssj/41/2/41_258/_pdf
2021年。ALOSシリーズの解説。
元々、海洋観測衛星(MOSシリーズ)と陸域観測衛星(LOS)が計画されていて、MOSはMOS-1/1bとして、LOSはJERSとして開発され、その後MOSは中断、JERSはALOSとして発展、という感じらしい。なるほどなぁ。
JERSは'92年に打上げて、設計寿命2年を大きく超える'98年まで運用された。その間には兵庫県南部地震のInSAR観測を行うことでSAR衛星の防災利用が議論されるようになった。
JERSには光学で立体視ができる機器も乗っていたので、DEMの作成も。光学はADEOSに引き継がれたが、こちらは短命だった。ADEOSと同時期に開発が行われていたのがALOSで、SARと光学をどちらも搭載しているし、立体視も引き継ぎ。
ALOSはそれまでの日本の観測衛星の集大成という感じでもあるけど、まあ、運用(特にリソース管理)がめんどくせーということでSARと光学が分離されたのは御存知の通り。で、日本の光学大型衛星が途絶えたのも御存知の通り。。。一応、情報収集衛星まで含めれば現在でも日本の光学衛星の開発は続いているけど。
各ALOS衛星の特徴とか役割とかの説明が色々。
ALOS初号機の説明(制約)で、「光学センサは衛星直下の観測を基本とするため、SARは左右どちらかしか観測できない」みたいな説明は、ちょっとミスリーディングというか、不適切な説明な気がするな。光学と干渉するからSARが直下を観測できないわけではなく、原理的にSARは直下を観測することができないから、光学と同居していることは関係ない(さらに厳密に言えば、合成開口技術(衛星進行方向の解像度向上)自体は直下の観測も問題なくて、SAR衛星で直下が見えないのは別の技術的制約(軌道に直交する方向の解像度向上ができない)によるものだけど)。
ALOS-5/6に向けて。私案だし、ALOS-3打上げ前の話だし、大した事も書いてないけど。
ALOS-4が打ち上がって、次期レーダ衛星の話がそろそろ出てきてもいいはずだけど、いまいち見当たらない気がする。 設計寿命がALOSの3年、A-2の5年、A-4の7年と伸びているから、次期レーダ衛星は2030年代始めに打上げればいいよね、みたいな感じで時間的に余裕があるんだろうか。それにしたってあと5年程度で打上げなきゃいけないから、最近の日本の衛星開発の遅さを考えれば設計寿命中に打ち上げるにはそろそろ作り始めないと間に合わなそうだけど。
https://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/conf/symp/2003/tomioka.pdf
ALOSの観測機器の説明とか。
各種観測機器の観測幅や首振り範囲の図がわかりやすくて良いな。他の衛星でもこういう図ほしい。
https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/33-06-kaisetsu3.pdf
2004年。電波のビームフォーミングを光領域で行う方式の説明とか。
電波のバトラーマトリックスを光領域に持っていった感じ。注入ポートを切り替えるとビームを振れる。同時に複数ポートに突っ込むとマルチビームを作れる。光電変換を行うので一方通行のはず。/* RFのバトラーマトリックス回路は双方向に通せる受動素子(導波管デバイス)を組んでるから双方向に使えるはずなんだけど、Googleで検索するとAI曰く「バトラーマトリックスに双方向の機能はない」との回答が出る。en.wikipediaには送受信に使えると書いてあるけど */
用途は軍用レーダー(ある程度のコストを許容できる、民間用に比べてあまり量を作らなくていい)や、あるいは最近(2004年時点)では携帯電話の基地局で、ROFで配る前に制御したりの用途を考えているらしい。かつては衛星用にも研究が行われていたけど、近年では地上の通信網が発達したおかげで衛星通信の需要が減ったのでそっちの研究はほとんど行われていないそうだ。
この方式は最近(現在)また衛星通信が見直されて、これが研究されていたりするらしい。
衛星で使うには光デバイスの放射線による劣化が心配だけど、とはいえハードウェアで(パッシブに)ビームフォーミングできるのは良さそうだな。ASICとかFPGAとかでデジタルに振るより圧倒的に省電力で済みそうな気がする。軌道上でビームパターンを変えたりできないから、そういうことをやりたいなら細いビームを大量に並べて必要に応じてそれらを束ねて使うみたいな工夫が必要そうだけど、それはそれで光回路が複雑になりそうだ。
あとは、双方向に使えないはずだから、送受信を個別に作らなきゃいけないのが面倒そうではあるけど、ETS8みたいに送受信を分離して作るみたいな感じにすればいいか。大抵の場合は上り回線と下り回線で必要な帯域幅は違うだろうから、送受信のビームパターンは個別に設定したほうが便利だろうし。
大型航空機搭載フェーズドアレイレーダのためのパラメトリック位相スポイリング【JST・京大機械翻訳】 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
2023年。英語論文の概要の機械翻訳。
「望ましいパターン合成のフェーズスポリングはフェイズドアレイで使われる一般的な方法であり(後略)」
日本語でフェーズスポイリングをググっても全く出てこない。
英語でphase spoilingをググると結構出てくる。
トップに出てくるのはALOS-4搭載PALSAR-3レーダの話。最近の日本の衛星ってぐぐってもほとんど情報が出てこないけど、情報公開に消極的になったわけではなくて、単に日本語論文が減って英語論文が増えたってことなのかな。
フェーズスポイリングの考え方としては、素直に(綺麗な)ビームフォーミングを行うとビームが細くなりすぎるから、適当に位相をスポイル(乱雑に)させてブロードなビームを作る、みたいなモノのはず。シンプルにやるならいろいろな方向の細いビームを加算してマルチビーム全体で1本のブロードなビームに見えるようにするとかだろうけど、メインローブの形状だけじゃなくて、サイドローブを抑圧したりとか、色々な評価基準があるそうだ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pscjspe/2022S/0/2022S_296/_pdf/-char/en
2022年。
光学望遠鏡で、光学系の規模が大きくなると変位の影響も大きくなるので、それを補正(フィードバック)するような手法の提案。鏡を6本のロッドで支えてそれぞれにアクチュエータを付けて、6自由度のスチュワートプラットフォームを作ろう、みたいな話。この手の機構は例えばALOS-3の副鏡でも使っているはずなので、そう目新しい話という気もしないが。
精密に(解析的に楽な)制御をしようとするとピエゾアクチュエータで、みたいなのはわかるんだけど、例えばCFRPロッドのフレームにヒーターを貼って熱制御で頑張る、みたいな方向って無いんだろうか? 少し冷やし目に熱設計しておいて、MLIで安定化させつつ、ヒーターで熱を与えてロッドの熱膨張を制御して、全体の寸法を目標値に収める。
応答性と解析性が悪いので日本の宇宙開発には不向きな感じもする。あとはマージン(解析誤差)を多く見積もろうとすると消費電力が増える欠点もあるか。全体の均一な熱膨張はルーバ大雑把にで制御するとかもできるだろうけど。
熱膨張ゼロのCFRP材を作ってアクチュエータでアクティブに制御するのと、熱膨張率の絶対値はゼロより有意に大きい材料をヒーターで熱制御するのと、どっちが楽なんだろうか。
赤外線みたいに極低温に冷却した鏡を使いたいならゼロ膨張材+ピエゾアクチュエータのほうが安心だろうし、補償光学みたいにミリ秒とかの応答性が必要ならピエゾのほうが有利だろうけど、常温系の鏡/構造で応答速度がさほど必要ないなら、熱制御でやるほうが楽そうな気がする。ピエゾアクチュエータはそれ用の制御回路とかも必要になるだろうけど、熱制御ならON/OFF制御だけでいい。とはいえ、あまりにスイッチング速度が遅いと材料の熱容量が負けるけど、数Hzとかで制御するなり、あるいは電流で制御するなりでもいいし。アクティブに熱制御を行うならCFRPみたいに高コストな材料でなく、鉄とかアルミでフレームを作ったりもできそう。熱容量の大きい材料ならヒータもON/OFF制御だけで良さそう。
波面センサとかで直接ヒータにフィードバックしてもいいし、あるいは精密(高分解能)な温度センサがあるなら先に温度でフィードバックループを作ってもいいし。MLIの内側で恒温制御したうえでフレームの温度制御も行えば、MLIの外の環境変動(地球の影に出たり入ったり)の影響もかなり減らせるだろうし。
ALOS-3の光学系、地上の試験で一通り動作確認ができているから軌道上実証はできてないけどセンサとしては十分に動くことが確認できている、みたいな話。ALOS-4のSARだと宇宙に持っていったら一部の機能が満足に動かないみたいな事態もあったわけで、地上でどれだけ試験したところで最後は実際に宇宙に持っていかないとわからない、というのが衛星の怖いところだと思うし、その点ではALOS-3は宇宙では動作確認を行っていないわけで。TDI CCDのコンセプトは一応SLATSで実証しているし、TDI自体は目新しい技術ではないとしても。
せっかく苦労して光学系を設計したんだから、HTV-XでISSに運んでJEMのロボットアームに持たせて使えるようなモジュールを作ったら良さそうな気もするけどな。高度が下がる分で観測幅は減るけど、計算上の分解能は改善する。ただ、ISSは振動環境が悪いだろうから、振動由来のブレでだいぶ解像度が落ちそうだ。防振マウントを作ろうとするとさらに時間が掛かるし、そんなことをやっていたらISSの運用が終わってしまうし。ISSの前途がもう少し明るければ、ALOS-3の光学系をJEMに持っていって、みたいな未来もあったのかもしれないけど。
それに、ISS/JEMにはHISUIが乗ってるから、それなりに解像度の高いカメラがあるんだよな。ALOS-3カメラを持っていけば観測幅は2,3倍、分解能は数十倍(理想値)改善するけど、わざわざコストをかけて持っていっても…… ハイパースペクトルカメラに比べればたかだか6バンドだし。
金床飛ばし。もっとアホっぽいイベントだと思ってたら、結構ちゃんとした由来があるんだな。
おおむね、まともな使い方としては大砲の代用として使うことが多いらしい。祝砲代わりに使ったり、大砲っぽい音を出して威嚇に使ったり。黒色火薬さえ用意できれば砲身や砲弾がいらないから、武器として大砲が規制されている場合でも使えそうだ(火薬自体が規制されている場合はどうしようもないけど)。
1960年代の中頃の、米海軍の16インチ砲を流用した高層大気の研究プログラム(HARP; High Altitude Research Program)。他にも5インチや7インチの砲も使っていたらしい。/* 陰謀論でよく出てくる名前の似ているヤツはHAARP; High frequency Active Auroral Research Program */
16インチ砲はライフリングのライナーを抜いて16.4インチの滑腔砲として使ったらしい。サボット弾を使用して、受動的または能動的な観測機器を乗せていたようだ。例えばアルミ箔のチャフを上空から散布してレーダー観測することでその場の風速を計測したり、あるいはラジオゾンデのような機器を打ち出したり。およそ180kgの砲弾(84kgのペイロード)を15000gで2.1km/sくらいまで加速して180kmあたりまで打ち上げるそう。/* 1.5万gだと2.1km/sに達するまで1mちょっとしか必要ないから、1.5万gというのは衝撃のピーク値であって、加速度はもう少し小さいはずだけども */
射撃時の音で近隣の住宅に破損(壁のひび割れとか)があったらしい。ただ、現地政府はそれに関する損害賠償請求を認めなかったので、周辺住民からは不人気だったそうだ。さもありなん。
ロケットアシステッドな砲弾を使って、さらに高い高度であったり、あるいはペイロードを周回軌道へ乗せることも検討していたらしい。ただ、固体燃料が1.5万gもの加速に耐えられなかったそうだ。普通の砲弾であれば炸薬は充填率100%で詰め込んであるし、そもそも初速が低いから加速度も低いけど、固体燃料の場合は多かれ少なかれ多少の空洞が必要だから、そこから崩壊しそうではある。側面燃焼なら壁がボロボロ剥がれそうだし、端面燃焼だって全部がズルっと落ちてきそう。適当な詰め物(水とか)を入れて火工品で蓋をしておけば良さそうな気もするけど、1.5万gなんて物性の常識が通じるかも怪しいからなぁ。うまいこといい感じに減速してパラシュートとかで回収すれば損傷状態を確認したりもできるけど、コンピューターシミュレーションだって無いような時代だろうし。ポジティブに考えれば、耐衝撃性はそこそこ大きいからある程度大雑把な減速手段でもそれなりに健全に回収できる見込みはあるか。
SS-520の弾道飛行のペイロードが140kgで、LEOのペイロードが4kgだから、16インチ砲で180kgを撃てばLEOに数kgのペイロードを投入できる可能性はありそう。ただし1.5万gに耐える構造分で実質のペイロードは減るけど。
月ペネトレータの貫入時の衝撃が5000gだから、SpinLaunchはその2倍、HARPは3倍ということになる。一応ペネトレータは耐衝撃性はそこそこ見込みがついていたから、そこからあと2,3倍頑張れば…… いやぁ、大変そうだなぁ。
ペネトレータは高感度な地震計(機械式の共振器)を持っていかなきゃいけないから大変そう(半田クラックとかも問題になってたけど)。それに対して最近の小さな衛星くらいなら軽い半導体とかMEMSとか色々使えるから、大型なハードウェアを持っていくよりは楽そうだが。
SpinLaunchは1万gの遠心力から2.1km/sで打ち出して、60km付近でロケットに点火して、200kgのペイロードを軌道投入する見込みだそう。真空チャンバーで回転させて打ち出すよりは艦砲射撃のほうが楽そうな気がするけど、やはり火薬の取り扱いとかがネックなのかな? それにしたって軌道速度を得るための火薬は持っていかなきゃいけないから、なら最初から火薬を使うほうが楽じゃねって気もする。
結局火薬を使うなら地上で全部燃やす砲弾型と途中で燃やすロケット型は似たようなものになるけど、砲弾型は火薬自身で火薬を運ぶ必要がないのが利点か。あと初速がアホみたいに速いので重力損失が多少減る? その代わり海面付近の濃密な大気をマッハ6程度の速度で(10秒とかのオーダーで抜けるとはいえ)通らなきゃいけないし、もちろん加速度も凄まじいことになる。
極超音速の寸法のスケール則ってどうなってるんだろうか。常識的な物性だと、空気抵抗は面積に比例するがそれによる加速度(減速度)は質量に反比例するから、大きいほうが空気抵抗の損失は少ないはず。あるいは、エアロスパイクみたいなものを使えば規模を大きくしても抗力はさほど増えない可能性もある。とすると、ペイロード数kgのHARPよりは、ペイロード数百kgのSpinLaunchのほうが、空気抵抗の損失は少ないんだろうか?
60年代というと電池や信号処理だってろくな性能がないだろうから、今同じ質量割当でなにか作れと言われたら、結構ちゃんとしたものが作れるはず(2kgあれば、構造質量を別にすればキューブサット1個分の衛星は作れる)。それに、第二次世界大戦中に使われていた砲身を流用した当時の砲に比べれば、現在の冶金や化学で作った砲や装薬のほうが性能はいいはずで、今HARPと同じようなものを作れば、当時よりはマシなシステムになるはず。
が、そういう構想が出てこないってことは、やっぱりどこかに問題があるんだろう。一番ありえそうなのは兵器としての規制が強いとか? それにしたってロケットなんてICBMと同じじゃねーかという話になるし。大砲で衛星を打上げるというのはいかにもゲームやマンガの世界観っぽい感じでウケ狙い以上に見えないから予算が集まらない、とかの話はありそう。
軌道投入できる大きさの砲身が1本200トンとして、周辺設備をあわせてもせいぜい数千トン程度で作れるなら、あまり大きくない貨物船にも載せられるくらいの規模。まあ、汎用の貨物船からそのまま撃ったら船底が抜けるだろうから、汎用船から気軽にシーロンチできる、というわけではないだろうけど。それにコンテナを10本取り回すのと200トンの貨物を取り回すのでは全く違うだろうしな。
大砲で軌道投入とかは、真面目に検討すれば面白そうな題材ではあるけど、とはいえ最近の火砲だと大きくても155mmとかそのあたりだから、大口径の砲を作るとなると工場から作らなきゃいけない。バカでかいロケットを作るのだって工場から作るのは変わらないわけで、火砲で低コストに宇宙に行ける見込みがあるなら誰かやるだろうし、誰もやらないってことは……
40ftコンテナに収まる大きさの地上発射型ロケットって無いんだろうか? ロケットの中で比較的小型なエレクトロンでも全長は60ft位あるから、40ftコンテナには収まらない。SS-520の全長10m弱なら2m程度の余裕を持って40ftコンテナに入れれる。SS-520を一回り太くして、立てたコンテナからそのまま打てるようなロケットがあれば、海上の好きな場所から打てるし、運搬も既存の設備をそのまま使えるから楽。固体燃料は色々剣呑だから、液体燃料を想定。LOX/LH2/ケロシンはコンテナタンクで運べば燃料系も既存の設備(港湾施設を含む)で容易にハンドリングできるから、ロケット打上げシステム全体の物流コストがかなり安くなる。
衛星はロケットに積んでからコンテナに詰めて荷物として運んでもいいし、あるいはせいぜい数十kg程度のペイロードだから、船の上で組み立ててもいいし。海面がある程度穏やかなら、数十kgなら人力でも作業できる規模。もちろん適当な補助設備を使えば多少荒れた海でも安全に作業できるし。ロケット自身は海運で安く運んで、衛星は近くの空港まで貨物機で迅速に輸送して、そこで待っていた貨物船に積んでから発射海域へ移動する間にロケットに乗せたり、あるいは発射海域で待機している船へヘリコプターで運んでもいいし。
しかし、ロケットの運搬コスト(陸上を含めた任意の場所へ気軽に運んで打てる)を勘案しても、SS-520より一回り大きいサイズとして、ペイロードは10kgとか20kgとかだから、小型衛星としてもかなり小さい部類。実用的な衛星を打とうとすると50kg~300kgくらい欲しいだろうし、40ftコンテナ数個で打てるロケットはちょっと厳しそう。
コンテナ容積に対してロケットはかなり余裕があるから、例えば第1段を40ftコンテナに収まる大きさにして、第2段を隙間に詰め込んでおいて、打上げ直前に第1段と第2段を結合し、さらに衛星を収缶したフェアリングも結合して、エレクトロンくらいの大きさのロケットを作る、みたいなことは可能だろうけど、作業工数が増えるとその分作業コストが増える。
どちらにしろコンテナを立てるジグは必要なわけだから、80ftくらいのジグを作って、その上にロケットが入った40ftコンテナを乗せて、残りの空間で第2段/フェアリングを結合する作業領域を作って、とかは考えられるか。
あるいは、コンテナの中から打とうとするとホットロンチにしろコールドロンチにしろコンテナ側で色々と追加設備が必要になるから、コンテナ自体のコストが馬鹿にならない。せっかく周辺設備を使うなら打上げ用に耐える部分も別で持っておいたほうが楽そう。例えばコンテナから先に第1段を引き抜いて、その途中で第2段/フェアリングを結合して、コンテナの中で作業するから多少の風雨には耐えられる、とか。コンテナの中で作業するので狭いのが難点。結局、全部引き抜いてから作業するほうが楽そう。
諸々を気にしなくていいなら、40ftコンテナに組み立て済みの固体燃料ロケットを1本入れて、コンテナ自身が起立して発射できる、みたいな構成が1番楽ではある。斜め上に向けてコールドランチして、点火してそのまま上昇、火をつけるのに失敗したら海にドボン、とか。ただ、コールドランチをやるとかなり大きな反作用が来るはずだから、強度的な問題が出てくる。ロンチチューブに駐退機をつけてとかも考えられるけど、せっかく海上コンテナで輸送コストを下げているのに、周辺機器でどんどんコストが嵩むデメリットが出てくる。
C#で大量のコントロールを追加するときとか、一時的に描画を止めたい場合。今回はFormのコンストラクタの中で、Formのデザイナで配置したPanelの中にコントロール(CheckBox)を200個くらい配置する感じだったけど、この処理に600msくらいかかる(起動時に画面が表示されるまでにそれくらいかかる)。試しにSuspendLayout()/ResumeLayout()を呼んだんだけど効果はなかった。
が、コントロールを追加する対象のコントロール(つまりPanel)のインスタンスに対してSuspendLayout/ResumeLayoutを呼ぶと、圧倒的に(体感的には一瞬で)終わるようになった(すぐに起動する)。
一番根本(Formのインスタンスが持っているSuspend/Resume)を呼んでおけばいいんでしょ、と思っていたんだけど、実はそうじゃないらしい。
Suspend/Resumeはあくまでも自身以下の描画を行う・波及させるかどうかのスイッチであって、上位側でSuspendしたからと言ってそのスイッチが下位へ波及するわけではないのかな。だから下位のPanelとかにコントロールを追加すると、Panelはスイッチが切られていないから、描画が行われる、みたいな感じで。
rtl-sdr blog v3ドングルみたいな安いSDRドングルだと外部にトリガ信号を出したり入れたりできないから時刻決めに使えない、と思ってたけど、ダイレクトサンプリングの端子に外からマイコンとかで適当な変調信号を突っ込んで、時分割で相関させてやれば、その信号をGPS時刻に紐づけることができるから、その信号の時刻をマイコンに返してやれば、GPS時刻に同期した時計は作れそうだな。同期信号をうまく作れば1/sps/10くらいの精度は出るだろうから、50ナノ秒くらいの精度でGPS時刻に同期した時計を作れる。50ns*c=15mくらいだから、単独測位でもこの程度なら意味のある精度。さすがにマイコンでGPSの処理までやるのは手間がかかるからPCとかRasPiとかで処理してフィードバックするような感じになるだろうけど。
ということで、安価なドングル+マイコンでGPS時計は、そこそこの精度で良ければ、ソフトウェアをフルスクラッチで(GPSモジュールみたいなブラックボックスを経由せずに)作れそうな気がする。少なくともR820T/RTL2832Uはブラックボックスになるけど、安く作るなら多少のCOTSは許容しなきゃ……
RTL2832Uはダウンサンプリング周りに多分エラッタがあってたまにデータを取りこぼすので、そのあたりはうまくハンドリングしなきゃいけないけど、頻度は数分に何回みたいな頻度だから、なんとかなるはず。
ただ、v3ドングルはダイレクトサンプリングのパスがRF端子にLPF経由で通っているはずなので、そのあたりが面倒そうな気がする。v4だとアップコンバータが入っているからダイレクトサンプリングの端子は丸ごと空いてるのかな?
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